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(短編集)
島田荘司全集 VIII
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島田荘司全集 VIIIの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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この時期の作品を時系列で読んでみると、島田荘司の重要なテーマは、『女性をどう描くか』だったと感じる。『毒を売る女』も『幽体離脱殺人事件』も、様々な女性を登場させ、題材にしている。『見えない女』は、その舞台を初めて海外に移し、書かれた作品集で、そういう意味でもターニングポイントと言えそうだ。事実、『島田荘司全集 VIII』のあとがきでは、この時期から海外旅行を始め、実際に最初に訪れたのは、インドネシアだったらしい。以後、ものすごい数の海外旅行をし、最終的にロスアンジェルスに移住することになる。 そして、個人的にこの『見えない女』は、読み逃さなくてホントに良かった、と感じさせられた作品だった。キチンキチンと詳細に丁寧に描く文体が、優れた題材と場所に恵まれて光り輝いている。特に、『一人で食事をする女』には唸ってしまった。 島田荘司は、自身では多くを語らないが、極めて音楽に精通しているのが解る。『一人で食事をする女』の舞台は、東西統一前のドイツで、ルードヴィッヒ2世の残した3つの城(うち、2つは未完だが)とワーグナー、コジマとハンス・フォン・ビューローとの経緯など、実に詳細かつ正確に描写しつつ、描いている。その音楽に対する知識は、言っては何だが、村上春樹の薄っぺらなクラッシック論とは比較にならないくらいに重厚だ。音楽を単なるメタファーにしない、真摯さにあふれている。 そして、共通しているのは、女性が持つ謎、なぜそういった行動をするのか、できるのかという謎に惹かれる、ということだろう。 そして、『羽衣伝説の記憶』の場合、本編のミステリーよりも、並列してサブ・ストーリーのように描かれている吉敷の通子への思い、そして最後に解く通子自身の謎の方がメインであることが解る。このあたりにも、島田荘司の様々な作品の構築の実験が繰り返されていることが解る。 多くの島田ファンにとって、ミタライの影に隠れてしまっている吉敷の存在がいかに島田荘司にとって大切かが、『島田荘司全集 VIII』まで時系列に読んできて、よく解った。そして、この熱いデカ魂の塊のような探偵がぼくの中で、どんどん好きになっていったのである。 | ||||
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特に羽衣伝説の記憶について、加納通子に焦点をあてると、吉敷竹史と加納通子が絡む緒作品はもちろんですが、それよりも御手洗潔とワトソン役の石岡くんが登場する龍が亭事件、龍が亭幻想の作品に加納通子と先祖が絡んでいると気づいたことが大きな収穫でした。また通子の先祖が絡んでいる犬防家とも関係があり、犬防里美の事件の作品にもつながっているという大パノラマが思い起こされました。 | ||||
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