■スポンサードリンク
TUGUMI
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
TUGUMIの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全90件 41~60 3/5ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
吉本ばななのベストセラー作だが、この小説には二つの点で魅力を感じる。 まず一つは伊豆の海辺の町の描写。海辺の景色、海と自然の中で旅館を営む家族の姿。誰もがこのような故郷を持っているわけではない。だが、日本人が懐かしく感じる景色や空気感であり、「心の中の故郷」ではないだろうか。 「つぐみ」や「まりあ」はその懐かしい景色の中で描かれることによって、一層瑞々しく生き生きとして読む側に迫ってくる。 そしてヒロイン「つぐみ」の描写が印象的だ。病弱という設定により、自意識過剰で、我儘で、少し意地悪で、でも本当は悪い人間として描かれる。実は、人間誰しも「つぐみ」のような欠点は持っていて、日常を無難に生きるために抑えているだけなのだと思う。しかし、人間、自意識過剰で自分に都合良く考えるからなんとか心のバランスを保っているのかも知れない。「つぐみ」はそんな自分自身の姿を描く。その描き方はストレートであっけらかんとして、ここまで描いてくれれば爽快感もある。 ラストの一連のシークエンスは、そんな「つぐみ」の心の脱皮を感じさせる。自意識過剰をすべて出し切ったことで、自分の中の嫌な部分を昇華させることができたのではないだろうか? 「つぐみ」はこの小説の後も「つぐみ」であり続けると思う。でも、少しだけ、そんな自分を冷静に見つめていくような予感がする。 「TUGUMI」という小説は、懐かしい風景の描写の中、自意識過剰な自分を再確認させ、それを冷静に自分で理解させてくれる小説だった。それもうじうじとした感じではなく、カラッとした爽快感で。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
十代の時の一番好きな小説でしたが、今読むと随分違う印象を持ちました。今読むと少女マンガを文学にしたような人間描写にはそれほど新しいものを感じなかったのですが(かっこいい男性の描き方、すらりと細くて手足が長くて肩幅が広くて、十代なのに性欲を全く感じさせないなど、少女漫画のまま)、なんといっても良かったのが西伊豆の海の町への郷愁と雰囲気です。まりあにとっては海の町という場所自体が、人間と同等かそれ以上に大切なものなんですね。次の休暇にぜひ西伊豆の旅館に泊まりにいきたいです。実写映画化されましたが、たぶんこれはアニメ映画化した方が合うと思うので、してほしいですね。月光の下の橋の下で風で揺れるたくさんの白い花とか、背景画が見たいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
子供のころ読んだ時には良さが理解できなかったけれど、大人になった今、改めて読んでみると、いかにこの小説が素晴らしいものかよくわかった。よしもとばななの感性はすばらしい。きらきらと純文学的な上品な表現でちりばめられた描写も、テーマも、キャラクター設定も素晴らしい。とても懐かしいものを思い出す。心が温かく、切なくなる。大人になった今、ぜひ読みたい一冊です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
実は薦めた友人たちにはあまり高評価は得られませんでした。 しかし、私的には、この作品は、恐らく一生手放せないものとなりそうです。 私の母は36歳という若さで癌で亡くなったのですが、その実家が静岡で、海の目の前にある家なのです。私と妹は、毎年夏になると1週間くらい?姉妹だけで泊まりに行っていました。おばあちゃんには随分ワガママを言い、色んなものを買ってもらったりしました。 母が亡くなり、しばらくすると新しく継母が来ました。私は寂しかったので継母が家に来てくれたことはうれしかったのですが、それと同時に、生みの母の実家とは疎遠になり、遊びに行くこともなくなってしまいました。まあ色々あったようです。それも疎遠になってしまった理由のひとつです。 悪いなあと思いつつ、そのまま連絡することもなくなり、ついに静岡のおばあちゃんは亡くなりました。私も妹も、生きているうちに会いに行きたかった(けれど行ける状況ではなかった)という思いのまま、実母の生家とは断絶状態でお葬式にも行けませんでした。 そんな時に出会ったのがこの物語です。この物語を読むと、静岡で過ごした夏休みの出来事が、ぶわっと一気によみがえってくるのです。毎日嗅いだ潮のにおい。寄せては返す波の音で眠れなかった夜。毎日海に行くのが楽しくてしょうがなかった日々。でも、時々ホームシックになって、お母さんがすごく恋しくなったりして。 子供の頃、私に起こった出来事の情景がものすごくリンクしてしまうのです。 この本を読むと、おばあちゃんに対する後悔と、子供の頃の記憶と、すべてが一気によみがえって、私の胸をしめつけるのです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
センターの過去問をそこそこやった人なら、この作品は見たことがあるのではないでしょうか。 私は小説の問題文に採用された一部を読み、著者の作品にはまりました。 振り返ってみると、デッドエンドの思い出やムーンライトシャドウに並ぶできだと、個人的には思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
吉本ばななの作品は、最初『キッチン』を読んで、今ひとつピンと来なかったので、相性が悪いのかな、と思っていました。なので同時に購入した『TUGUMI』についても、せっかく買ったのだから一応読んでみようかという感じで、さほど期待していなかったのですが、思いのほか嵌ってしまいました。 つぐみの破天荒ぶりが清々しいですね。 幾度も生死を彷徨い、何時どうなるかも分からない不安定な己を抱えるが故の達観みたいなものを感じました。 つぐみは死というものを身近に感じるが故に、生きることに貪欲になれるのかもしれませんね。そして周りの穏やかな日常に波乱を起こすエンターテイナーでもある気がします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
◆病弱で生意気な美少女つぐみ。彼女と育った海辺の小さな町へ帰省した夏、まだ淡い夜の始まりに、つぐみと私は、ふるさとの最後のひと夏をともにする少年に出会った。 少女から大人へと変わりゆく季節の、二度とかえらないきらめきを描く、切なく透明な物語。 ◆つぐみの言動は非常識で正直でまっすぐ。失礼といった域をはるかに超えた人付き合いは簡単にできるものではない。 彼女のそんな価値観は病弱な体を生まれながらにしてもったことにも起因しているのだろう。 心と体のバランスが一切とれないのに、無理し続けることは簡単ではない。 彼女の周りの人間は揃ってみな思いやりに溢れとても寛容。 映画にも少し興味がある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私にとってよしもとばななさんの本を読むのはこのTSUGUMIが初めてで、この本との出会い以降、よしもとばななさんファンになりました。 登場人物の心情が適切な言葉で描かれていて、すっと入ってくる&同時に丁寧に描かれているためしっくりとくる、ここまで自分の気持ちにぴったり寄り添う小説はありませんでした。つぐみもとっても魅力的。大好きな一冊です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私は男性の書いたものを読むことが多いのですが、 この作品は女性らしさがでていて大変良かったです。 海と山に囲まれた港町の情景描写が作中のあらゆる場面に散りばめられており、 読者はどんな所で読んでいても、その世界へ誘われていきます。 そんな情景描写と夏が終わるという虚しさ、そして郷愁とか織り交ざっていて そのなかに登場する細く白い肌のつぐみをより強調させています。 ただ文章を読んでいるだけでもつぐみがいかに魅力的な女性なのかが手に取ってわかります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この話は「傑作」である、と思います。ヒロインのやったことは、誰でも一度は考えるものでしょう。 この人の住居に侵入して飼い犬を殺してしまうという手合いは。やはり、この手のことを繰り返すものです。人様の住居に繰り返し侵入する。預金の明細を探しまわる。それをネタに脅す。付け回す。危害を加えようとする。合鍵まで作ってしまう。当たり屋になる。 (JR桶川駅女子大生刺殺事件の折り、加害者が被害者宅に侵入したそうで。そこまでやるのかな?と思いましたが。やくざは、普通に鍵屋を呼んで出入りしてしまう。) 当然いつかは捕まるわけで、その時は更生協力の優良上場会社に、補助金(90万/一人?)つきで受け入れられるわけです。企業側もよくしたもので、「仮出獄中に、会社の製品をーー」と言わせれば。国が買い取るでしょう。逆に買い取らなくば、そういう者はどこも一人さえ使えないという論法となるわけです。だから入所を繰り返しても、何度も呼び戻される。逆に、その故に入所を繰り返すとも言えるわけです。 権力は腐敗する。極限まで行使する。となれば、普通であれ仮出獄者であれ、際限なく回すという手もあるでしょう。し、そういう会社もあるでしょう。 しかし、おそらく。作業中の不可避の破損品を引き受けることなしには、会社に戻れません。し、実際、堅気を泣かすことなく生きられず、ほっとけば、強殺でも繰り返すことでしょう。その意味では、受け入れ先は、真に更生を願っているわけです。 しかし、その手の手合いでは、と気付いた第三者は、どういう行動にでるか?どうするか?この話は、その時を非常に希釈化しユーモラスに描いてるのかもしれません。 実際、一クラスに8名はでる、と言われる、在監者。詰まる所、物心つく前からその手のマナーを身につけるわけです。その意味でも、単なるフィクションではないと思います。 是非、「つぐみ」を読み、読者一人一人がその言動の是非を検討していただきたいものです。 つぐみとしても、不良との対決でもはや今までの自分ではいられなくなるのです。だからこそ、まぶしすぎる物語は一旦ここで終わるわけです。 (〜そういえば、まぶしすぎるという意味では。つぐみと恭一の出会いのワン・シーンが、センター試験に出題されてもいますね) ちなみに、「盗犯等の防止・処分法」により窃盗・強盗の類を返り討ちにしても無罪だったりするわけで。考えることは、誰でも、という所でしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
吉本ばなな、初期の作品。 ヒロインのつぐみの性格がとても好きです。 口が悪く、いつも人に憎まれるような言動の彼女。 しかし、同時にいつも自分の心に素直で、その姿は凛としています。 そんな彼女のことをよく理解している「私」まりあも好きです。 タイトルには、つぐみを指して最も好きな主人公と書きましたが(巻末の解説に合わせて)、本当はこの本の主人公は、まりあであると私は思っています。 登場人物と魅力と、読んでいて潮の香りがしてきそうな作品の世界、ぜひ読んで頂きたいです。 また、個人的には巻末の解説に載っている対談が、著者吉本ばななの心の内を垣間見た気がいて、印象強かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
童話のような透明感があります。 遠い昔どこかに置き忘れた心の何かを取り戻してくれる、 場所は違えど、確かにあった目の前の風景を心に呼び戻してくれる、 そんな本です。 TUGUMIという人物を通して読者がそれぞれなりの解釈ができる、 自由度の高さもいいと思います。 TUGUMIのストーリー全体に流れる暖かさもとてもいい。 作者はそうではないとのことですが、とてもとても暖かい と感じるのは僕だけだろうか? 語り手の「まりあ」の父の語録 「恋っていうのは、気がついた時にはしちゃっているののなんだよ、 いくつになってもね。 しかし、終わりが見えるものと、見えないものにきっぱりとわかれている、 それは自分がいちばんよくわかっているはずのことだ。 見えない場合は、大掛かりになるしるしだね。 うちの今の妻と知り合ったとき、突如未来が無限に感じられるようになった。」 こんなことを真顔で娘に話せる父親になりたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公のつぐみは我が儘放題で嫌な奴なんだけど、 何故か彼女に魅かれてしまう。 それは、彼女が普通の人より「死」に近い存在で、 僕たちが目を背けてしまうものをしっかりと見つめて生きていて、 その強さに憧れとか尊敬を感じるからだと思う。 賛否両論があるみたいですが、私はこの本の流れるような切ない描写が 心に響いてきました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いや〜つぐみちゃん可愛いね〜(笑)何が良いってつぐみちゃんの性格と容姿のギャップがグレイト!!!性格は可愛く言えば、おてんば?容姿は町一番の美女!さらに成績優秀! 美女なんてどこにでもいるもんだけど、こんなにスカッとした美少女いないんじゃないかな?あとやることなすことめちゃめちゃなとこが、なんだか反抗期のときの自分を思い出して親近感が湧きました^^; そんなつぐみですが実は病気で身体が超超弱い(爆)そんなたくさんの魅力が詰まったTUGUMIをどうかご覧あれ〜絶対面白いと感じるはずです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「ツンデレ」という概念が定着しきった感があるが、 「あなたにとって初めてのツンデレ」は誰かと聞かれたら間違いなく「つぐみ」 と答えるだろうね。(実際つぐみにデレの部分なんて1割ぐらいだが) そのぐらい印象が強かったということ。 文章の読みやすさ、特に風景描写は簡潔でイメージしやすい。 青春もの・ひと夏の・恋愛・成長 というキーワードが入った文章が好きな人は ストレスなく読めるでしょう。 読んでも損はしないと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文章も読みやすく、 グイグイ引き込まれていく内容でした。 「つぐみという性格の悪い病気がちな女の子がいて…」 という断片的な内容を聞いた上で読み始めたのですが、 想像していたほど性格も悪くなかったですし、 そこまで切なくなるようなものでもありませんでした。 評判がかなり良かったので期待していましたが、 残念ながら期待していたほどではありませんでした。 少し短く感じたので、 エピソードの数を何個か増やしてもらいたかったです。 とはいえ、 評価としては、 ギリギリで星5つくらいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
吉本ばななの出世作 すでに20年近く前になる本なのですね。 この小説は1989年にマリクレールという雑誌で連載されたものを 単行本化、文庫本化したものです。単行本化した際に 山本容子の素敵な装画がとてもすばらしい本です。 ぜひ単行本を探して手に取ってください。 内容は他のレビューと同様なので割愛させてもらいますが 女性の輝いている一瞬をとらえた小説として、貸したら そのままはまってしまい帰ってこない本の一冊です。 携帯電話の出ない少し古めの内容ですが、今でも 楽しく読める小説です。とてもお勧めです | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この小説は、何をとってもきれいだな、と読み終えて感じています。 3人の女性の生き方や、本当に日常的で、でもちょっと貴重な思い出、 夜や、町の香りの描写、一つ一つがキラキラと輝いて心に残りました。 主人公の大学生まりあは、母親とともに居候し、子ども時代、青春時代を 過ごした従姉妹の陽子・つぐみが暮らす伊豆の旅館に帰省します。 大学生になったまりあの物語と、一つ一つ思い出すように語られる小さい ころの話が、絶妙にブレンドされていて、きれいです。 特に、好きなテレビの最終回が終わってしまった夜、眠れなくて 3人が同じように外に出て、散歩する描写は、 その思い出も、その描写も本当にきれいで、このシーンは大好きです。 読むたび読むたび、自分のことも思い出されて、 本当にささいなエピソードが散りばめられていて、ステキです。 3人の主人公が三様に美しく生きる女性として描かれ、 その背景の、まさに情景と呼ぶにふさわしい、 想像力をかきたてられる精緻な描写がそれを引き立てています。 最後のくだりもすばらしかったです。ぜひ、手許において、 何度も読み直したい、小説です。 完成度の高さ、という点では群を抜いていますし、 天才的な描写の美しさでありながら身近さな視点でもあって、 読者と同じ視点で書いている、という感じにも魅かれました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
病弱な美少女つぐみと、従姉妹のまりあの、ふるさとでの最後のひと夏を描いた物語。 つぐみは、乱暴な言葉遣いで、これでもかという位、性格が悪い。つぐみがまりあを怒らせた「おばけのポスト事件」、街に引っ越してきた青年との初恋、不良への復讐など、ぞっとするような行動をとるつぐみだが、そこにはいつも、彼女なりの優しさや、純粋さが表れている。物語の一番の魅力は、この「つぐみ」自身だろう。 また、つぐみとまりあが育った場所は、この夏を最後になくなってしまう。(つぐみも、まりあもこの場所を去るため) この物語に出てくる誰もが、「もう二度とこの場所には戻れない」と分かっている。 子供から大人への移り変わり、このどこか物寂しい雰囲気が、物語をさらに彩る。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
吉本ばななさんの小説を、初めて読みました。 エッセイの、ぶっ飛んだ感じとは違って、 キレイな読後感に、少し驚いてます。 病弱で、わがまま放題の美少女’つぐみ’との旅館での出来事が まるで自分が経験しているかのように、身近に感じられます。 そして、人と人との繋がりって、あったかいなーとか、 人間って、残酷だ。。。と思ったりしました。 おもしろい本だった。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!