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TUGUMI
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TUGUMIの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全90件 21~40 2/5ページ
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キッチンの時も感じたことだが、読み始めは、ちっとも面白くない。いつ止めてもかまわない。でも、読んでゆくうちに、登場人物ひとりひとりが、私の心の中で実体化して、身近に存在してるような気になる。犬と遊ぶつぐみに会いたい。にこにこ自転車を引いて夜道を歩く陽子ちゃんに会いたい。 おそらくなにもない、漁村にある山本屋旅館。東京、山野楽器、プランタンという現実世界。同じ日本の中に、まったく違う世界が存在する。いなかのある読者も、ない読者も、つぐみ が生きている漁村・山本屋旅館へ行ってみたくなるのでは。わたしは、山本屋旅館の離れに住んでみたい。 | ||||
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潮の生臭い匂いが漂ってくるような文体は素晴らしい。 自分の過去に起こった似たような事がフラッシュバックされる感じもするよ。 か弱い体で燦然と輝くつぐみはなんだか、石田衣良さんの「美丘」を思い出させたかな。 キッチンよりこっちの方が好きだった。 | ||||
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語り部は聖母の名を冠する者、名を白河まりあという。 まりあと共に物語を紡ぐ者、その名はつぐみ。 物語は、まりあがつぐみの住む海沿いの町へ帰省するところから幕を開ける。 まりあとつぐみのひと夏の想い出。それは淡い恋心も黒い憤怒も包摂する、忘れられないサマーバケーションの結晶。その想いを胸に、人は前へと進んでいく。 つぐみというキャラクターは、とにかくぶっ飛んでいる。ぶっきらぼうで毒舌魔。そんなんあるかいな、とツッコミを入れたくなるような行動ばかりする。彼女はドラゴンクエスト7のマリベルを彷彿とさせるし、時代を先取りしたキャラクターのようにも思える。 彼女の魅力、それは非対称性。弱すぎる身体と強すぎる命の輝き。その危うさと美しさに我々は魅せられるのではないか。 底抜けに明るい感じのする本作。まるで、まりあとつぐみの奏でる嬉遊曲のように思えた。 | ||||
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こんなに登場人物が生きている小説を久々に読みました。 強烈な作品だと思います | ||||
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こんな夏過ごしたいな~と思える小説。誰もがあこがれるような海辺の町を舞台にしています。 この本の主な登場人物のまりあ、つぐみ、つぐみの姉の陽子ちゃん。この三人キラキラしています。この小説に出てくる海みたい。つぐみはなに考えてるか分からないけどどこか人生を悟ったような感じが受けるし、まりあはそれに振り回されながらも成長していくのが感じるし、陽子ちゃんはホントに陽だまりみたいです。そんなキラキラした三人とどこか懐かしさが感じられる海辺の町の物語です。 | ||||
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夏の暑い日にちょうど良い。 内容はさらりとしている。 吉本ばななさんの本は初めて読んだけど、他のも読んでみたい。 | ||||
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主人公のつぐみは意地悪で粗野、狡賢いがエネルギーにあふれた、悪意のない精神の持ち主だ 病弱で美しいいとこのつぐみと語り手まりあの、あるの夏のお話 この小説は美しい文体が魅力だ 透き通るような青い海や夏独特の夜の雰囲気、そういったものが伝わってきて 読んでいるほうも海沿いの町で一夏過ごしたような気分になる しかしもっと特筆すべきなのは、この小説が人生や死といったものをテーマとしていることだ 複雑な家庭環境で育ったまりあの人生観や、あとがきで筆者が語るように 「人生に否定的」な表現が随所に見られて面白い。 ひとはたった一人ぼっちで自分の小さな世界を守っているんだとあらためて感じさせられる | ||||
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主人公、まりあ のつぐみとの関わり、少女期の掛け替えのない思い出と儚さを描いてある作品である事は事実ですが、もう一つ、この作品には人生の壁を乗り越えるべく、自分自身の変革の実例を、つぐみの行動を通して描かれていると思いました。 社会人になって人間関係に悩まない人はいないでしょう。それとも今の仕事を一生の仕事として貫けるか?自分にはこの仕事が本当に合っているのか?などなど、若いうちは悩みがあって当然でしょう。 そんな悩みを解決する方法として、一つは自分自身の変革と言うものがあります。 自分の考え方を改める、と言い換える事もできますが、つまりはご自身の哲学の改め。今、ご自身を取り巻く現実に合った人生哲学を再構築する・・・その姿を、つぐみは私たちに見せてくれます。 一つはつぐみが「お化けのポスト」と言う章で、毛筆の行書体で手紙を書き上げるところです。主人公 まりあ の祖父の筆跡を途方もない努力で真似て つぐみ は書くのです。その努力(命を削ってまでも行なった行動)が祟り、病弱だった つぐみ は入院してしまうのです。そしてこの後に つぐみ は人生で始めてと言える「まりあ、ごめん」を口にするのです。 もう一つは、「穴」と言う章に出てくるのですが、つぐみ が姉の陽子に「・・・ごめん」と、穴に人を落とした事を謝るのです。 この2つの「ごめん」は つぐみ の殆ど命を削る最大限の、陽の行動エネルギーと陰の行動エネルギーによって果たした行動の結果、もたらされた素直さなのです。「お化けのポスト」の "ごめん" のところで つぐみ と まりあ は仲良しになり、「穴」事件の後に つぐみ は "一枚ずつ葉が散ってくのが本気で怖しかった奴の気持ちが分かる" ようになります。そして、最後の手紙にも書いてあるように、"以前の つぐみ は死ぬ" と自ら言えるようになるのです。この死は「以前の、強がっていた自分自身 が死ぬのだ」と、私は想いました。 この作品は美しい少女時代の思い出と儚さがとても強烈に切り取られていて、その眩しさに見落としがちですが、自分の運命を正面から受け止められずに、強がっていた つぐみ からの脱皮を、見落としがちです。しかしこれも本当の読み所だと思います。 | ||||
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もう十年以上前に文庫で読みました。 犬についてのかわいそうな場面もありますが、 ただ悲しくだけじゃないのがいいです。 二人の関係性が好きです。 | ||||
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主人公つぐみの強烈な個性、とげのある言葉と繊細な感情、友人の まりあの視点で描かれており、脇役のまりあと陽子がつぐみの魅力 を引出しているところが本書の魅力である、情景が綺麗でやさしさに あふれった作品である。 | ||||
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映画も何回も見て、もちろん本も何度か読みました。 映画の舞台となった西伊豆、松崎町も訪れました。 懐かしいの一言に尽きます。 西伊豆という場面設定、人物の特徴あるキャラクター、ノスタルジックな内容、どれも好きです。 そういえば、これも穴を掘る本でしたね。 | ||||
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図書館でふと手にした『すばる』で「鳥たち」を途中まで読みました。吉本ばななさんの文章に触れるのが初めてだったので、一気に最新作を読んでしまうのはイケナイことのような気がして、『キッチン』を読みました。それで夢中になって、今回『TUGUMI』に手を伸ばしました。 田舎育ちの私にとって、お話の舞台の空気感がとても心地よかったです。それは、読み手の故郷が日本のどこであっても、世界のどこであっても、それぞれの記憶を土台にして得られるものかもしれないなぁーと思いました。 登場人物のみんなが好きです。このお話を読み終えた今晩は、不思議だけど幸せな気持ちで眠れそうです。 | ||||
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眉目秀麗なのにガサツで汚い言葉を使う、つぐみ。何故彼女はそうしているのか、などと考えるのは野暮だなと感じさせてくれる、潔い生き方をしている少女達の、一夏の思い出。映画は見ていませんが、海辺の町の、光に満ちた景色がいっぱいに広がった世界を楽しめます。 | ||||
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教科書に載る名作です。 つぐみの行動力、内に秘めた熱い物に反比例する体の弱さ。 体が弱いのにもかかわらず、いつも無茶して回りを心配させる、そんなつぐみに虜になりました | ||||
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つぐみは、生まれつき病弱で、憎悪と反抗だけを生きる力にして18歳まで生きてきた。 そのつぐみが生まれて初めて自分以外のもののために怒ったとき、彼女は自分の命を投げ出して、心に溜めていたすべての憎悪をぶつける。 まりあは、未婚の母の子で、つぐみの実家に母と二人で居候して高校生までを過ごした。 大学進学を機にふるさとを離れたまりあに、つぐみの実家の旅館が今年限りで廃業することが伝えられる。まりあは夏休みを利用して、少女時代最後で最高の夏に向かう。 人は次々に新しいものと出会って、すこしずつ変わっていく。自然といろんなことを忘れたり、切り捨てたりする。人生は「さけがたいけれど決して不幸ではない自然な別離」に満ちている。 そうやって、彼女たちの夏は、終わりを告げた。 夏の海辺の強い陽ざしのなかに、「なつかしい」と「せつない」がぎゅっと濃縮してパッケージされた一冊。 | ||||
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最後にはつぐみの死を匂わせて終わる。しかし残された人たちは「つぐみ」の存在感を感じつつ、生きなければいけないのだ。 つぐみの周りの人々も一番感受性の豊な年だったろう。その人々の鎮魂歌でもあり、それだから「生きていこう」という希望が見られる。 切ない小説だった。 | ||||
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著者は、『TUGUMI』で第二回山本周五郎賞を受賞した吉本ばなな。 (1992.3.10 – 1995.3.20 10版) 「私は」、病弱で生意気な美少女つぐみと育った小さな町へ帰省した。 その淡い夜につぐみと私は、ふるさと最後の夏を過ごす少年と出会う。 少女から大人へと、移りゆく季節のきらめきにあふれた透明な夏の話。 つぐみは今風に言うとちょっと気性の荒い「ツンデレ」になるのだろうか。 つぐみに声をつけるのなら、釘宮理恵がしっくりくるかなと思う(笑) 当時にそんな浮いた言葉はなかったと思うけれど、題名にもなっているこのつぐみがいい味を出していて、吉本ばななの真骨頂みたいなものを感じた。 初めはとっつきにくかった「私」も徐々につぐみを(いい意味で)無視できるようないい関係に変わっていくのは、読んでいて口元が緩んだ。 物語のベースには薄い「優しさ」のようなものがあるんだけれども、それを覆うふわふわとした「否定的なもの」がいい塩梅で覆い隠している。 この物語に関しても決してハッピーエンドでもないし、劇的な、小説的な何かが起こるわけでもない、しかし、読み終わった頃には物哀しいものが溜まっている。 吉本ばななの代表作である本書、読んで損のない一冊です。 ───ひとりの人間はあらゆる段階の心を、あらゆる良きものや汚いものの混沌を抱えて、自分ひとりでその重みを支えて生きてゆくのだ。まわりにいる好きな人達になるべく親切にしたいと願いながら、ひとりで(p.48-49) ───海辺の町の雨は特別ひっそりと降る気がする。海が音を吸い取ってしまうのだろうか。東京に住んでびっくりしたのは、雨がことさらざあざあ音をたてて降るような感じがすることだ。(p.103) | ||||
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つぐみは最後までつぐみだった。彼女はどんな顔をしていて、どんな声なのだろうと自分の中でイメージしてみる。幸せな読書時間を与えてくれた作品でした。 | ||||
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青春の実験的文学「吉本ばなな」の本「TUGUMI」を読んだのは実に、BOOK-OFFでなんとなく見つけたからであったが、もう一冊、題名は忘れたが「とかげ」が掲載されている短編集も読んでいる。読後感としては「TUGUMI」は長編だけあって、いつもながら神経質で自欲的で若者特有の繊細さは「吉本ばなな」の持ち味であるが全体としては「海」がテーマであることもあって、おおらかさで貫かれている。つぐみ、の異様な性格や行動や言動は病弱であることに、頼っているが気になるのは後半のハメを外した展開、穴をひとりで掘ってみたり、愛犬が不良学生に殺されてしまうなど意外性を狙ったのはわかるが、これは非現実的でありサスペンスのようであってこの作品の脈絡を乱してしまっているのが残念なところ。純文学ならばもう少し作品の乱れに留意してもらいたかった。そのあたりが実験的文学による所以であろう。比較すれば若き日のフランソヮーズ・サガンや中沢けいにも似ているような気がするのは私だけだろうか?「吉本ばなな」は青春のすべてを作品上に叩きつけ自分の限界に挑戦したのは容易に想像できるのである。 | ||||
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古い記憶にあらすじを 著者本人がうまくねたばれしないようにラジオで紹介していた というのがあって読んでみた。 少し思い出してあーあとかおもった | ||||
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