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夏の闇
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夏の闇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全52件 41~52 3/3ページ
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研ぎ澄まされた文章で男の闇が描かれている。傑作小説である。ここまで冷徹なまるで日本刀のような文章に出会ったことはない。物語は男の心情の吐露が続くが、その感情表現がすばらしい。すばらしいから物語を凌駕している。日本語のある到達点といっても過言ではない。 | ||||
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開高健は、豪放磊落のマスクの陰にこのような闇を抱えていた。ベトナム従軍によってその本質的な資質をより強く自覚したであろう作家は、この代表作以後は、わずかの優れた短編を残した以外は、繰り返しの多いエッセイや釣り旅行記のようなものを書き散らすばかりだった。痛ましいことだ。本心では、この深い闇から遠ざかりたかったのであろうが、作家としての精神がそれを許さなかった。しかし、本作が作家の到達した最高峰の小説作品となった。作品中、雨のパリや、夏のドイツの描写は実に的確である。釣りのシーンも、個人的には他の小説、エッセイ中のものより、本作中のパイク(ドイツ語ではヘヒト)釣りが一番好きだ。小生、新潮社版の『開高健全作品』も所有しているが、この作品は、文庫を読み破る度に買い換えて常備している。いつも旅先で読むためである。作家への愛惜と尊敬の念をこめて、合掌。 | ||||
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この作品を読む契機は、とある雑誌の「名長編」紹介コーナーでした。そこにこうあったんです。「性は解放され、飽食にも遊びにも倦み、自分の身体を痛める他に自由を味わえぬ、自閉した若者に良く似ている」。この本を読んで、自分もそうした若者の一員なんだと痛感しました。何をしていても満たされない。自分自身にさえ無関心な冷淡さ。生きている実感がまるで無い。平和のなかに溶かされていくかんじ。もっとしっかり生きたいと願いつつも、何事にも熱くも無く冷たくも無い自分は、ただ流されて行く。・・・うまく言葉に出来ませんが、一行、一句がものすごい衝撃を与えてくれます。打ちのめされました。私の中では確実に五本の指に入る傑作です! | ||||
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昔の女と寄りを戻していくうちに、女の方が落ち着きたくなって、男の方はそのことに不安を覚える。主人公の場合は再び戦場に行きたいということなのだけど、形を変えてこのようなシチュエーションというのは男には大なり小なりありがちだと思う。ヒモとは対極的な男のあり方だ。 あまり親しくもない女に無限の魅力を感じていたのに、近づいた関係になった途端に、こんなはずじゃなかったとポッカリ穴が開いたように感じる。 女性との落ち着いた関係を心から幸福だと感じるには、歳月と人生経験を必要とするんだな。 最近の朝日新聞の書評で女性作家が恋愛小説としてこの本を推薦していたが、勘違いも甚だしい。本作は正しく男性本位に女性を性の対象として描いているだけだ。ああ、男と女の物事の見方はこれ程違うんだなあ、とつくづく思った。 | ||||
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この本は20代前半にバイト先のおっさんにおまえならわかるかも と乗せられ購入し、読むのに半年位かかってしまった。 ドイツの人里はなれた女の部屋で取り柄と言ったら多少、女に優しいというだけのいい大人がぶつくさぶつくさ独り言。 挙句の果てに、 女の友達がくればタオルケットにくるまって台所にかくれる始末。 要はベトナム戦争で日本人として無力感に取りつかれた取材帰りの男の 独白ということだろうか。 果たして南と北の真ん中にたって事実を見つめて無力感を 感じる闇と 他国の戦争に首をつっこみどうなるか分からない今の闇のどちらが 進歩でどちらが退化なのか その答えはだれも持てそうにない。 | ||||
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「輝ける闇」と併せて読むと分かりますが、ベトナム戦争取材の極限の状態から離れ、普通の生活に戻ろうとするが戻れない、直ぐに何もかもに"倦んで"しまう。 そして、結末で、自分の生気が戻るのはどこか気づく。程度の差こそあれ、似たような話は、苦難を経験した人には誰にでもあると思います。 気づくと、また、敢えて苦難に足を踏み入れてしまう、人間はそういうもののようです。 主人公が自分を失って溺れている様子が、ほぼに全編にわたって、そして最後のシーンのために丹念に描かれていますが、決して最初と最後だけ読めばよいというわけではありません。特にちょうど中間くらいのページで、心に響いたガールフレンドの言葉があります。 「あなたは誰も愛せない」「いえ、自分さえも愛せないんだわ」 30歳のころ、読みました。衝撃的でした。 | ||||
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戦争という異常な体験は、「日常」に生きているぼくらからすると、 唐突な別な世界への入り口なのだ。 少なくとも開高にとっては、そうだったのだろう。 日常では決して垣間見ることの出来ない異界と内なる心の深遠を この作品は垣間見させてくれる。 そこには、「日常」に飼いならされたぼくらには、 みることもさわることもできないが、 闇の中で確かにあることを感じる世界。 | ||||
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とにかく言葉の密度が濃い。 その密度で綴られる、眠り、食、セックス等は生々しい肉感を持った言葉として、読むものを圧倒する。 読んでいるこちらまで、闇に引き込まれるようなそんな錯覚を覚えるような作品である。 恐らく開高健の最高傑作だろうし、他に比類すべきものが無い、そんな一つの到達点だと思う。 | ||||
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ベトナム戦争の取材中に戦闘に巻きこまれ、九死に一生を得た男。それ以来彼はありとあらゆるものへの関心を失い、食・睡眠・セックスのみに没頭する日々を送る。しかし彼はある日を境に目の輝きを取り戻す。そのきっかけとは・・・。 開高が自ら質が非常に高い作品と自画自賛するだけあり、一度読んだだけでは物足りずに日を置いて再び読み返したくなる。日本文学史上最高の恋愛小説と評価する者もいるが、それも頷ける作品である。 | ||||
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甘く切なく苦しい闇の中のうごめき 男と女の魂と肉の連結に咽せるような生の手触りを感じます。 心に深く沁みこんで、私には一気には読めない。これは開高健のラブレターとしか思えません。 | ||||
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開高文学の真髄、ここに極まる。 この作品を最後に彼は長く暗い迷宮に入り込み、いっさい書けなくなる。近代日本文学が到達しうる一つの最高峰、と賞された作品である。『流亡記』でなく『輝ける闇』でもなく、この『夏の闇』なのだ。“小説家”と自嘲して世を流していた一方で、純文学者としての烙印と、日本文学への責務と、譲れない自己の哲学との狭間で長く揺れていたか、と思う。 この作品を、「傷痕のない傷」、と評した人がいた。圧倒的で濃密で、文体ともつかない内なる言葉の森を構築して、そして昇華した作品だった。決して口に出さないでいるが、今日、この作品のもつ深い影に、強く影響を受けている人がなんと多いことか。 そしてまた、ふっ、と思う。開高文学を好きだという人は、おそらく男性ではないか、と。 | ||||
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