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桃源
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桃源の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 21~28 2/2ページ
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関西弁の刑事2人が捜査に当たるバディ物といえば今や黒川博行さんのトレードマークという印象がありますが今回もそれ、です。 ただ今回は片方の刑事=新垣が沖縄出身者という設定で、それがストーリーにも深みを加えています。 アクションテイストは控え目で謎解き要素が強い作品。いつもながらの丁寧な描写に加え、上坂のマニアックな映画の蘊蓄も楽しめます。 黒川ファンなら迷わず「買い」でしょう。 | ||||
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一番好きな著者なので、新しい作品が出るのを心待ちにしていました。 今回は待ちが長かった気がします。 いつも通り登場人物全員に良い悪いも併せた、全てがごっちゃになったリアル感があり、 そこは楽しかったのですが、今回は事件の当事者達が薄かった気がします。 主人公の二人は事件を捜査するだけで、解き明かすナビゲーターであり、 事件に巻き込まれる訳でもなくただただ捜査と解明解説していくだけなので いつもの主観的なハラハラした感じが一切ないというか、 全体的に淡々粛々とあまり山のないRPGをやっている感じでした。 ただこの人の作品は文体など含め本当に好きなので、 じゃあ読まなかった方が良かったかと言うとそんな事はなく、 これを知った上でもお勧めではあります。 | ||||
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登場人物全員キャラが立っていて、一気に読みました。映画の題名がたくさん出てきて最初は鬱陶しかったが、だんだんみたくなってきました。 | ||||
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コテコテで、いつも期待を裏切らず、実におもしろい。 幾分、疫病神シリーズなどとよく似たパターンですが、このパターンがお気に入り。 今回は警察小説。 2012年の「落英」の主人公のパートナーが登場してきて、このキャラがなつかしい。 ボケとつっこみでローカルネタのオンパレード。 これがめちゃくちゃウケる。 必ずつっこみを入れるところが大阪のあるあるパターン。 なりふり構わない普段着姿が庶民的で親近感を覚える。 大阪風に、こじゃれて粋なところを描写。 映画ネタがウケる。 キャラの人物像やロケーション情景がすっと入ってくるので、おもしろさは倍増する。 | ||||
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黒川博行は大阪の作家である 会話はモロ大阪弁 しかし、私は彼の小説を読むとなぜか東京落語の名人志ん生を思い浮かべる 綺麗事だけではない浮き世を、嫌みなく表現できる不思議なスキルを両者が持っているからだ 考えると、飲む・打つ・買うの志ん生と、賭場に入り浸る(あくまでイメージ)黒川博行にはアンダーグラウンドな共通点がある… 人間遊ばないと学べないこということか 晩年の志ん生の落語の録音はハズレが多いが、まだ現役バリバリの黒川博行は打率が高い 黒川さん博打(しつこいがあくまでイメージ)もいいけど、次の小説を書いて下さい | ||||
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いつも通りの軽快なやりとりで、いつも通り警察の内部事情や大阪のグルメに詳しくて、いつも通り一気に読める。いつも通りのクオリティではある。 この人のことだから、出版した後に実際にトレジャーハント出資詐欺事件が起こったりして、なんて気にさせないでもない。 今回は厚かったので、「国境」の時みたいにマンネリ感を裏切ってくれるんじゃないかと期待したけど、「いつも通り」でした。 | ||||
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近頃の黒川作品の特徴は、2点あると思う。 1、「後妻業」の小夜子や「破門シリーズ」の桑原など、主人公に強烈でアクの強い個性があること。 2.後妻業は言うまでもないが、パチンコ業界など、社会問題やダークな業界をテーマとしていること。 その点、今回の作品は、イケメン&ブサイクの漫才コンビのような警察官が主人公で、犯罪者の側も含め、強烈でアクの強い個性の登場人物はいない。また、テーマも社会問題に関連しているのではなく、ある意味で通常の詐欺事件である。 こうしてことから、大阪府警シリーズの延長線といった作品と考えたほうが良いだろう。ただし最近のアクの強いスパイシーでパンチの効いた作品に慣れた読者からは、物足りなさを感じるかもしれない。 | ||||
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「桃源」(黒川博行 集英社)を一気に読み終えました。 大阪府泉尾署刑事課。映画オタクの刑事、上坂が組んだバディは、しゅんとした沖縄出身の刑事、新垣。二人は沖縄古来の「模合」の金を持ち逃げした解体業者社長(拐帯した解体業者(笑))の行方を追うことになり、半分、物見遊山で那覇、宮古島、石垣島、奄美大島を巡ることになります。日本南方「珍道中」。そしてその事件は、少しハリボテで(ハリポタではない(笑))大掛かりな「沈船詐欺」=「美術品詐欺」=「トレジャーハント」事件へとつながっていきます。反社会的勢力(ヤクザの方が文字数が少ない)、サルベージ会社、騙すもの、騙されるもの。 前半は特に何も起きるわけではありません(笑)。新垣と上坂の「相棒」コンビのワイズクラック、タメ口、上司でもある係長・宇佐美への愚痴、しょうもない、性懲りもない、なんの意味もない「会話」を通して、南方の食物(くいもの)、主にドンパチ関連のミステリ映画が語られていきます。上坂は(私同様)映画の趣味は抜群だと思いますね(笑) しかし、彼らの屈託のなさの影には、上坂が泉尾署へ都落ちすることになった「過去」であったり、しゅんとした新垣の上坂へのある種の「配慮」であったりが、しっかりと醸し出されています。私は、そんなところに何故かグッときます(笑)この二人が他愛なく会話し続ける限り、いつまでも「物語」が続くのだと思います。 多くは語りませんが、この「事件」のロジックも緻密にしっかりと組み立てられていて、揺るぎない。それであるが故に、二人の時にゆるーく超法規的なふるまいにも少し目をつぶりながら、ハラスメント、ギリギリの「おっさん会話」が生きてくるのだと思います。とても高いところで生きている「女性」たちはこの小説を読まないでしょうから、まあ、大丈夫でしょう(笑) 最後まで「しゅんとした」新垣は、バディにも「女性」たちにも優しい、(久々使ってみましょう)、最後までハードボイルドな新ヒーローなのだと思います。 | ||||
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