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美しき愚かものたちのタブロー
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美しき愚かものたちのタブローの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.48pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全45件 21~40 2/3ページ
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きれいなお品を有難うございます。 | ||||
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良い時代になったものだと思う…小説に紹介された名だたる絵画を、手もとのタブレット端末で検索して、小さな画面でありながらもそのディテールを確認し、作中の主人公たちと似たような感動を味わうことが出来る… この作品は実在の人物、西洋の芸術、主に絵画を中心としたコレクター、松方幸次郎氏の生涯とその功績(すなわちそれまで未知であった西洋絵画を我が国に誰よりも先駆けて紹介するという)を主軸とし、そこに関わってきた方々の数奇な生涯を描いた作品である。 その過程で歴史的に名の知れた数々の絵画(どれも一流のものばかり…)が紹介されるのだが、それらを漠然としてしか知らなかった自分に、調べる事によりさらに記憶に深く刻んでいくという感動を味わわせてくれた。「モネの睡蓮…」であったり、「ルノワールの…踊子」、であったり、「ゴッホのアルルの寝室」、であったり、というように… 前半の多くの章は、主人公松方氏、そして田代氏他それら人物による美術への思い入れ、執心、が長々と似たような描写で書かれている感触であり、いささか退屈はした。それが中盤を過ぎたあたりから、松方氏の失脚、世界大戦へと突き進む世界情勢、プールされて行き所のない、逆にお荷物となってしまう大量の美術品を抱えてしまうジレンマ…そういったことがそれに関わることになってしまう人物を通じて、読む者を飽きさせない筆致で描き出されていく… 結果的にかの美術品の数々は我々日本人のもとに届くこととなるのだが、それまでの各人各様の苦労、情熱、喜び、悲しみ、が読むほどに伝わってきて、それは美術品本来の芸術性、美しさに付加される感動を、私たちに与えてくれる予備知識となるように思う。この小説は事実をもとにしたフィクションである、との後書きがあるが、私たちは多くの西洋をはじめとした諸外国からの芸術作品が、実に色々な苦労や悲しみ、そして喜びを通じて、我々のもとに届いているのだ、という事に気づかされたように思える一冊であった。 ヨーロッパ、主にフランスの美術に関する手引書、としても、先に私が書いたようなタブレット端末を片手に読む、という方法を用いてでも、ぜひお勧めしたい。 | ||||
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日本に近代美術館が開設されるまでに関わった人達の労苦に感激です。 | ||||
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学生時代に、上野西洋美術館ではじめて松方コレクションを知りました。本当に数々の作品(絵画から彫刻、日用品、アクセサリーまでも)に松方コレクションという説明があり、なんだ?なんだ?と思いながら数年きてしまいました。 戦前の事業家でもあった松方幸次郎が、財力と情熱をかけて日本に美術館をつくる目的で西洋美術を買っていくストーリー。 そこには、時代背景があり、かかわった人々、画家たちの人生があり、そして素晴らしい美術品の存在が余すことなく書かれていて、読み応え十分でした。 できればこの時代にこの場面を見たかった、という感覚になります。 これを読んだ後に、また新しい美術鑑賞の楽しみが増えたようでとても良かったです。 | ||||
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久しぶりに、原田マハさんの作品を読みました。 ほぼ一気読みでした。 恥ずかしながら、松方コレクションも、松方幸次郎さんのことも知りませんでした。 それで、買ったタブローが最終的に日本に返還されたのかどうか知りたくて、実際に美術館ができたのかどうかも知りたくて、まるで壮大なミステリを読むかのように、最後まで楽しめたのだと思います。 そして、ロンドンにもパリにも、もちろん、ジヴェルニーにも行ったことがないから 主人公の田代雄一さんとともに、初めての景色を眺めている気持ちになれたのだと思います。 久しぶりに美術館に行って、名画を眺めたくなりました。 もちろん、まずは国立西洋美術館。 新型コロナの感染が終息したら、すぐにでも上京しよう、と思いました。 できれば、ルーブルへも行きたいと思いました。 心に残る言葉はいくつもありましたが、特に松方さんの美術館論(?)が好きでした。 引用します。 ・・・・引用はじめ・・・・ あの玄関をくぐれば、さあ見るぞと胸が躍る。じっくりと美術品に向き合ったあとは、豊かな気分で玄関から出てくる。 何も名画と対峙するからといって、襟を正してしゃっちょこばる必要はない。心を開いて向き合えば、絵の中から声が聞こえてくる気さえする。時を超えて画家と対話することだってできる。 美術館とは、そういう場所なのだ。 ・・・・(引用おわり)・・・・ それと、命をかけてコレクションを守った日置さんとジェルメンヌのエピソードにも感動しました。 特に、ジェルメンヌの言葉、「飛行機じゃなくて、タブローを。戦争じゃなくて、タブローを」に胸打たれました。 星五つにしなかったのは、「敗北」という言葉の使われ方について少し不安を覚えたから。 あそこは、これが「戦争なんだよ」と言ってほしかったです。 これが「敗北」なんだよ、ではなく。 日本が勝っていたら良かったのか?と、尋ねたくなりました。 勝っていたら万事めでたしだったのでしょうか。 日本は戦争をしたこと、そのものを悔いるべきだと思います。 でも、原田マハさんには、ありがとう!Bon Travail!の言葉しか浮かびません。 私をこの息の詰まりそうな、身動き取れない「自粛の日々」からロンドンへ、パリへ、モネの池のほとりへと連れ出してくれて、ありがとうございました! | ||||
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年に数回訪れる国立西洋美術館。なんの感慨もなく建築家の名前ばかりが有名だと思っていた。しかしここを作ろうと志した人たちの思い、それを引き継いで尽力した人たちの思いを知りました。今後、タブロー一枚一枚の見方が変わります。国立西洋美術館が今以上に語りかけてくる気がして、訪れるのが楽しみでたまりません。 | ||||
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タブローとは絵画のこと。第一次世界大戦から第二次世界大戦後までの松方コレクションを介して平和を語る作品。川崎造船所の社長である松方幸次郎が、美術に魅了され、財力にものをいわせて絵画などを買い漁る。それは自分のためではなく、日本人に素晴らしい文化を伝えるために美術館で公開するためだ。 川崎造船所(松方社長)は艦船を軍に提供することで利益を得る一方で、絵画による文化活動を推進する。敗戦国となったことで松方コレクションはフランス政府に接収される。松方が絵画を収集する時代から、それを取り戻す田代(西洋美術史研究)たちの活動を通して、戦争の愚かさから平和の素晴らしさまで体験できる。国立西洋美術館に行きたくなった。 | ||||
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松方コレクションについて、断片的に知っていることを、これだけ精密な構図で小説にしてくれて、十分楽しめた一冊でした。 その筆力に脱帽です。 歴史を創るためのキーパーソンが大きく事を動かして行く様子はダイナミックであります。 そしてその栄枯盛衰の物悲しさもあり、一人の人間の一生はいかにも儚く、 タブローもたかが一枚なれど、その世界は深いということが小説であるゆえに伝わって来るものが深かったです。 | ||||
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松方コレクションを見た後に一気に読んだ。そのためか、ストーリーが読めてしまって既読感を感じざるを得なかった。作者の過去の作品の方が楽しめた。 | ||||
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西洋美術館に行く前に読んでおきたかった 松方氏がなぜ美術館建設を決心したか 彼を取り巻く人々の人生とても興味深くページを進めました 松方コレクション数奇な運命 モネとの交流絵を見る目が変わりました | ||||
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この作品が直木賞候補になったこともあり、他の原田マハ作品を飛ばして読みました。松方コレクションが国立西洋美術館で観ることができるというが奇跡でもあることに吸い込まれて行きます。高校生の時の美術の模写で描いた「帽子の女」(ルノワール)が国立西洋美術館にあると知ったのは20年前、今また出会い不思議な繋がりに感動です。 | ||||
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芸術作品の価値は誰が決めるのだろう。おそらく昔から議論されてきた、ありきたりな課題なのかもしれない。あのフィンセント・ファン・ゴッホの価値を認めていたのは弟のテオを初めとする少数の人間だけだった。もちろん、『たゆたえども涼まず』で知ったことだが。クロード・モネでさえ広く支持されてきたとは言いがたい。それなのに、日本人の実業家と研究者がいち早くその価値を認め、日本に持ってこようとしていたことは驚くべきことだ。松方幸次郎が買い付けたモネの作品がすべて日本にあったら…。空襲で焼けていたか。松方コレクションを死守した日置。戦後、返還交渉をした吉田茂。そうした人々の努力の結果、コルビュジェの手による容れもの収まった姿を我々は上野で見ることができる。本のカバーを外すと、後ろから絵をのぞいている松方が現れるのも楽しい演出だ。 それにしても、どこかの美術展で話題になった少女像が、政治的な話題ばかりで、展示するのにふさわしい芸術作品かどうかという意見の応酬がほとんど見られないのはなぜだろう。松方コレクションを有する民族としては疑問符がたくさん浮かんでくるのだが。 | ||||
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1964年8月に札幌で「松方コレクション」を鑑賞し、子供心に感銘を受けたのを覚えています。その時記念に購入した解説本が今でも手元にあります。そこに記載されている一言一言がこのストーリーに数々ちりばめられていることで一層真実味が有りました。55年ぶりに「松方コレクション」を観に行きたいです。 | ||||
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以前から国立西洋美術館の特別展を鑑賞後、常設展をまわってました。松方さんについて書かれている説明を読んではいましたが、美術館を日本に作ろうと情熱と資産をこれほどまでにかけた方とは思いもよりませんでした。 また偶然にも昨年パリのオランジェリー美術館でモネの「睡蓮」を観てきた後なので パリの描写など頷きながら読みました。 小説としてもおもしろく読み進められました。 | ||||
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絵画鑑賞に物語があるとわくわくします。 | ||||
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上野に当たり前のようにある国立西洋美術館に対する思いがかわりました。タブローマジックにすっかりハマります!! | ||||
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言葉や文字以上に、一枚のタブロー(絵画)は人の心を揺さぶる。 日本の画学生は本物の西洋画に触れる機会はない。松方幸次郎は画学生たちのために日本に西洋画を買い集め持ち帰ろうと決心する。そして、みんなが楽しめる最高の美術館を創ろうと— マハさんの得意とするアート小説。史実に基づくフィクションです。 情熱と熱意でフランスから「寄贈返還」の交渉と実現した男たちに感謝の気持ちでいっぱいになりました。そして今、国立西洋美術館でモネやゴッホなどの沢山の西洋絵画を見ることができるのは、松方幸次郎という人物がいたから。 作品の中に出てくる所在不明とされているモネの『睡蓮、柳の反映』は、先日、NHKスペシャルで放送され大きな話題となりました。 2016年ルーブル美術館で発見され、日本で現存部分の修復を行い、初めて国立西洋美術館〈松方コレクション展〉で一般公開されています。いつもですが…マハさんの作品の読後は美術館に行きたくなる。 | ||||
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国立西洋美術館の母体になった松方コレクション。川崎造船所の初代社長・松方幸次郎が、美術品コレクターとしてロンドンやパリで1万点を超える美術品を買い集める。タブロー(絵画)に魅せられた松方達が「日本が列強に比肩するためには芸術・文化に注力する必要がある。そのために、日本に西洋美術専門の本格的な美術館を創る」という大義を持ち、どのように絵画を集め、第二次世界大戦の戦火から守り、フランス政府に押収されたコレクションを日本に連れ戻したのかを描いた物語。 松方が最初に購入したと言われる絵画の画家フランク・ブラングィン、購入した絵画を保管していたロダン美術館の館長レオンス・ベネディット、そして巨匠クロード・モネとの交流や、吉田茂首相が切り出したフランス政府との交渉などの物語を知ることによって、国立西洋美術館での鑑賞が一層楽しめる本。 「世界は広いのだ。井の中の蛙となって大海を知らずに過ごすのではなく、世界の中の日本の立ち位置をいつも認識する努力を怠らない。我々日本人はそうあるべきだ。そして、そのためにも、美術はよき鏡になるはずだ。文化・芸術をいかに国民が享受しているかということは、その国の発展のバロメーターになる。すぐれた美術館はその国の安定と豊かさを示してもいる。もっと言えば、国民の「幸福度」のようなものを表す指標にもなるのではないか。」 | ||||
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西洋美術館で開催されている「松方コレクション」観賞の予習として購入。期待以上に話に引き込まれました。美術ファンの方も満足出来る作品だと思います。 | ||||
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わずか10年余りの間に3000点ものコレクションを作り上げた、松方幸次郎。 それが震災、大恐慌、そして戦争と時代の大きな波に呑みこまれ、折角の コレクションも雲散霧消してしまう。 そんな時代に生き破天荒な生涯を送った松方だが、彼のコレクションも 同様に数奇な運命を辿ったといえるだろう。 松方の人生も十分面白いが、著者の興味はもちろん松方ではなく、その コレクションだ。 松方のアドバイザーを務め、モネのアトリエをも伴に訪ねた田代雄一の 目を通して語られる松方の人物像、タブローとの出会い、そして コレクションの行方。 これこそがミステリーだ。 「ジベルニーの食卓」「楽園のキャンバス」に続く質の高い美術小説。 もうすぐ直木賞発表だ。 期待したい。 | ||||
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