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(短編集)

キス・キス



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キス・キスの評価: 4.55/5点 レビュー 29件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.55pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

下手な翻訳・・・

この本は学生の頃に原著で読んでいましたが、ストーリーをよく覚えていたのは「ビクスビー夫人と大佐のコート」と「暴君エドワード」だけ。原著のペーパーバックはいつの間にかなくしてしまったので、開高健氏の翻訳と言う物珍しさも手伝って買ってしまったのですが・・・
他のレビュアーも誤訳や誤植の指摘をされていますが、氏の翻訳は誤訳でないところも実にひどいもので、ストーリーの面白さが台無しです。
直訳で下手な文章がいっぱい(「寝ていたまま、心ゆくまで赤ちゃんをごらんなさい」「二人とも完全な致命傷だった」「空気を暖めるために、湯たんぽをシーツの間に入れときましたわ」「ミルクのいっぱいつまった瓶」・・・)、主語と述語が違う(「赤ちゃんはね、あなたに見てもらうために、きれいにしているところですよ」)、一連の会話で妻が夫に敬語を使ったり使わなかったり、そもそも会話が不自然。明治時代の女学生じゃないんだから「〜してはいけなくてよ」とか「〜と思っていてよ」というのはやめてほしい。今どきこんな話し方をする女性はいませんよ。
他の方が書いている「巨大な線の絨毯」の、線と緑の間違いもそうですが、ジョージイ・ポーギイの最初のほうの「低い棚か何かそういったものを越えるとき」は、どう考えても棚ではなくて柵ではないでしょうか?
原書をなくしてしまったので確認ができないのが残念です。
誤植は翻訳者のせいではありませんが、翻訳者も校正というものをやっていないのでしょうか?
このまずい翻訳は、下手な俳優が声優をつとめるのと似ています。翻訳はやはり専門の翻訳家がするべきです。
キス・キス (異色作家短編集)Amazon書評・レビュー:キス・キス (異色作家短編集)より
4152086742
No.1:
(3pt)

失礼ながらあえて重箱の隅をつつきます!

他のレビューを見ても「牧師のたのしみ」の評価は高く、私も傑作だと思います(笑わせてくれます!)。しかし第1頁目に「田園がまるで線の絨毯ように、眼の前にひろがっている」という文を見つけハタと頭を捻ってしまいました。「畝うねしているのか? 段々畑みたいになっているのか? 風景がイメージ出来ない! …ひょっとしてこれって単に『緑の絨毯』の誤植?」と思い、原書を取寄せたところ、案の定「green carpet」とありました(まぁ漢字が似てることは確かですが…)。これがケチの付きはじめで、いちいち文章が怪しく見え始めました。同じ頁に「日曜日にでかけるところで、こんな見事な眺めの土地はざらにない」という一見(一読)何でもない文があります。しかしこれは原文を正しく訳せば「日曜日にはいろんな場所を訪れたが、あんなに素晴らしい高台(elevation)で仕事が出来るなんてめったに無いことだ」となるはずです。それに続いて「彼は丘を登りきると、村のはずれにある頂上の手前で車を停めた」という文もあります。「何だかよく分からん! 場所をイメージ出来ない! 丘を登りきって既に頂上に居るはずなのに、まだ先に別の頂上があるのかいな?」と不思議です。原書を見ると「丘の上に向かって運転し(drove up the hill)、頂上の少し手前の村はずれで車を停めた」でした。この2つは誤訳(+やっつけ翻訳)の例です。第1頁目にしてこの誤植、誤訳のオンパレード!「重箱の隅をつつくようなマネをするな!」と文句を言われそうですが、果たして旧版のミスをそのままに再刊(しかもこれは早川書房創立60周年記念だそうです)することに意味があるのでしょうか。本書は開高健が翻訳したとのことですが、慣れぬことはしない方が無難でしたね(きっと名前を貸しただけなのでしょうが…)。この短篇集シリーズ全体について言いたいのですが、最近は才能ある翻訳家が数多くいるのですから、彼らに新しく翻訳させるとか、せめて改訳させるべきだったのではないでしょうか。そうすれば2,100円でも高くは感じないでしょう(買ってしまった後に言うのも癪ですが…)。本書については原作の圧倒的な面白さを無視出来ず星4つとさせていただきます。
キス・キス (異色作家短編集)Amazon書評・レビュー:キス・キス (異色作家短編集)より
4152086742

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