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(短編集)

キス・キス



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キス・キスの評価: 4.55/5点 レビュー 29件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.55pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全29件 1~20 1/2ページ
12>>
No.29:
(5pt)

楽しい本です

大学一般教養の英語の教材でした。懐かしく思って購入しました。
キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)Amazon書評・レビュー:キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)より
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No.28:
(4pt)

訳文に難が

この訳はどうかと思ったのでここのレビューを見ると、他にも訳の難点を指摘されているレビュアーの方がいらっしゃったので、原文にあたってみました。やはり思った通りでした。否定疑問文への返事は、否定内容を肯定する場合日本語では「はい」「そうです」というのに対し英語は"No"です。"No"が肯定の意味になります。この"No"をそのまま「いいえ」と訳すとおかしなことになります。僕が確認したのは原文が否定疑問文だったことです。

「女主人」の一番のキモとなるラスト1行でこの誤訳が見逃されたのは大変惜しい事です。大半の読者はそれでも十分に衝撃的なラストに気付かなかったでしょうが(僕も初読の時はそうでした)、この「いいえ」を「そうよ」に置き換えて読めば、僕の言いたいことが理解いただけると思います。女主人は一言もウソを言わない、という事実が彼女の異常性を際立たせ恐ろしさを倍加させます。
やはり翻訳はプロの翻訳家に任せるべきで、TVに出て名の知れただけの素人にやらせちゃいけないなと思いました。早川さん反省して下さい。
キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)Amazon書評・レビュー:キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)より
4152001011
No.27:
(5pt)

ゾクリとするような甘美な味わい

先日、久しぶりに再読したくなったのですが、レビューを書いてないことに気付いたので簡単に♪
キスキスと言う邦題とピンクの表紙から、甘ったるい男女の関係を描いた作品かな?と思う人も居るかも知れませんが、本書に甘いところは一切ありません!!(笑)
ゾクリとするような甘美な味わいのキスと言ったところでしょうか♪
作品の内容に関しては、言ってしまうと面白くないので触れませんが、私は「天国への登り道」のブラックさが一番好きです。
キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)Amazon書評・レビュー:キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)より
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No.26:
(4pt)

異色作家の実力が冴える短篇集

作家ロアルド・ダールの11作を納めた短篇集。

どれも面白いですが、出来にむらがあるのは否めない感じがしました。出来のいい短篇はもう素晴らしい出来で、そうでない物はまぁまぁというか。なので、☆はこういう風にしました。

訳の開高 健氏の解説である作品のネタバレを思いっきりやっているので、後書きは絶対に先に読まない方がいいと思います。

ダールについては、戦争の小説を書きたい作家が従軍経験のあるダールに話しを聞いて、ダールが自分の言いたかった事がうまく伝わらなかったと思い、文章にして送ったら、その作家がこれはそのまま掲載した方がいいと判断したという様に、デビューが偶然だったというのが印象に残っております。目指してもなれる職業でないタイプの仕事に偶然なったというのが凄いと思います。

異色作家の実力が冴える短篇集。機会があったら是非。
キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)Amazon書評・レビュー:キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)より
4152001011
No.25:
(5pt)

状態が良かったこと。

納品書も丁寧に書かれていましたし、品物の状態も、これ新品?
と思わせるものでした。グッドです。
キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)Amazon書評・レビュー:キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)より
4152001011
No.24:
(5pt)

Heavenovator

「天国への登り道」が最高。あんまり面白いので「昇天機でサヨーナラ」というタイトルで翻訳。因みに英語のタイトルまで編み出した、曰く’Heavenovator’.
キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)Amazon書評・レビュー:キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)より
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No.23:
(5pt)

BED AND BREAKFAST

全編面白いが何といっても最高は「女主人」。何も知らないで宿に立ち寄った女主人お気に入りの若い男性客が睡眠薬を盛られ剥製にされてしまう。
BED AND BREAKFASTのダブルミーニングが傑作。表向きは客引き用の「一泊朝食付き」だが、分解すると
BED   眠らせろ
AND   そしたら
BREAK  殺せ
FAST   さっさと
となる仕組み。
異色作家短篇集〈1〉キス・キス (1974年)Amazon書評・レビュー:異色作家短篇集〈1〉キス・キス (1974年)より
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No.22:
(5pt)

「短篇はビタミン剤」

1960年の作品。ロアルド・ダールの短篇十一作品がおさめられている。各短篇は、映画
『ジョーズ』の、鮫がなかなか現れない主題曲を聴いて読み進める感じである。日常の平
凡な会話、仲間とのなにげないやりとりに隠されている「何か」が徐々に積み重なりクラ
イマックスにいたる。不安感、残虐性、冷酷さ、貪欲な欲望などが基底に流れている。本
書は、夫婦に関わる物語が六話ある。熟年夫婦、若い夫婦などに共通しているのは、夫の
「暴君」的な態度、妻の性格を一向に理解せずむしろ嘲笑している態度などに対して、結
果的に妻の陰湿な復讐をもたらしていることである。また、人間の限りない欲望をあざ笑
う話は、寓話として読めるかもしれない。しかし、読みながら「何か」が起こるのだと想
像しながら、陰湿な漆黒の闇からしだいに浮かび上がってくるドロドロした人間の本性を、
渇いた文章で楽しむことだ。

 「夫婦」に関わる物語で、妻の密かな復讐を描いているのは「ウイリアムとメアリイ」、
「天国への登り道」であろう。
「ウイリアムとメアリイ」は、夫から生活態度を厳しく管理(例えば、カクテルを飲むな、
煙草を吸うな、金を無駄遣いするななど)され続け、遺言にまでそれらを書き残された妻
が、夫の死後「報復」する話である。末期的な癌患者である夫は、友人の医師からすすめ
られ、「脳髄と眼」だけを残す人体実験手術に応じる。もちろん口はきけないが視力は確
保されている。妻は容器に浮いている「眼」に煙草の煙を吹き付ける。妻の顔の表情や心
理は具体的に描写されていないが、読者には彼女の心理が想像できる。

「天国への登り道」も同様な話。妻の几帳面すぎる性格である「時間厳守」に協力せず、
嘲笑する態度をとり続ける夫への復讐である。孫に会いにパリに行くため、飛行場へ向か
う車の中でイライラしながら夫を待っている。「忘れ物をした」と家に戻った夫がなかな
か出てこない。妻は、迎えに行きドアを開けようとすると「家の奥の方から聞こえてきた
あるもの音」を聞き捨てて、一人で出発してしまう。六週間後、家に帰り着くと二階と三
階の間でエレベータが停止している。エレベーターは天国への登り道である。出発前、夫
を閉じ込めたエレベータが停止したにも関わらず、妻は無視して出発してしまった、と推
測できる。そして、修理業者を「ゆっくり待ちはじめた」のである。
 
残虐性を現している物語。「女主人」は、安く宿を提供している愛想がよくつつましや
かな女主人が、飼い犬やオウムを剥製にして飾っている。また、この宿に宿泊した二人の
若い青年が行方不明になっている。一泊を求めてきた青年はどうするのだろう。「ローヤ
ル・ジェリイ」は、養蜂者の夫が、蜜蜂から極小に採取されるローヤル・ジェリイを飲み、
念願の子どもをもうける。ところが、赤ん坊はミルクにローヤル・ジェリイを混合しない
と飲まない。そして、夫と赤ん坊が蜂に似ていく様子を妻の視点で語る。「暴君エドワー
ド」は、夫の無理解と思い込みの妻との齟齬から夫に残虐行為をさせるまでになる話。妻
が、ピアノでフランツ・リストの曲目を弾くと、迷い込んできたネコが曲に合わせて態度
を変える様子に気がつく。『人間の再生ー方法と理由』という本などから有名人の生まれ
変わりを研究する。ネコが「リストの生まれ変わり」と信じ込む妻。ネコに嫉妬し、かま
ったくれない妻に復讐するためネコに残虐性を発揮してしまう。
 
「誕生と破局」はアドルフ・ヒトラーの誕生に絡めた話。夫婦の育ちが良くない子供た
ちが次々と死んでいく。弱者を排除していく夫の行為を連想させる。「ジョージイ・ポー
ギー」は、幼いころウサギの出産を見せられ、親ウサギの残虐な行為を目撃してしまう。
成長して牧師になり「実は私は女好き」と吐露するが、人間の恋情は男か女かどちらが勝
っているのかネズミで実験する。そして女が強いことを証明するが、実験通り淫らな口を
もつ女性信者に飲み込まれてしまう悪夢を見ているような話。ドストエフスキーの『鰐』
を彷彿とさせる。「豚」は、両親の死後菜食主義者の伯母に育てられ教育された料理の才
能を発揮していく若者の物語。伯母が死亡し莫大な遺産相続者になるが悪徳弁護士にカモ
にされ、ニューヨークで食べたロースト・ポークの料理に感激し、豚屠殺場に行くが自ら
も屠殺されてしまう悪夢のような話。
 
人間の限りない欲望を嘲笑する話。「牧師のたのしみ」は、骨董品に造詣が深いが、怪
しげな副牧師を名乗り嘘とはったりで農家から品物をかき集め大儲けをたくらむ物語で、
「取らぬ狸の皮算用」的な話。「ほしぶどう作戦」は、禁漁区から雉を大量に密猟しよう
とする話。雉の好物である「ほしブドウ」に睡眠薬を入れるという奇想天外な発想のもと
捕獲をもくろむが結果的に大騒ぎを惹き起こすユーモラスな寓話。どちらも欲の皮が突っ
張った人間の業を描いている。「ビクスビイ夫人と大佐のコート」は、夫婦がどちらも不
倫をしていることがバレてしまう話。コートはミンクであった。妻は、身分不相応な品物
を不義の代償に頂戴するが結果的に夫に報復されることになる。どっちもどっちというた
わいない物語である。
 
各物語は、著者の知見があますところなく発揮されており、それらが物語の引き立て役
になっている。例えば、人体実験、骨董品、料理、蜜蜂の習性、音楽などである。これら
が各テーマになっている「復讐」「欲望」「残虐性を」などに生かされている。訳は開高
健である。訳者は後書きに、小泉太郎、常盤新平に協力を得たと書いている。誤訳か誤植
か判然としない箇所もあるが、片目を瞑ってダールに乾杯。
異色作家短篇集〈1〉キス・キス (1974年)Amazon書評・レビュー:異色作家短篇集〈1〉キス・キス (1974年)より
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No.21:
(4pt)

すでに持っていたが、傑作

受け取ってすぐに、すでに一冊持っていたことにきづいた。かなりむかし読んだことも思い出したが、中身は傑作、間違いない。
キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)Amazon書評・レビュー:キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)より
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No.20:
(4pt)

単行本、ハードカバー、英語版と何回目だろう?

幾度読んでも飽きない作品集で、今回もキンドル版を購入して読んだ。 海外生活が長くなりそうなので身の回りのもを整理し、海外に持っていくのは大変な殆どの書籍は処分し、電子書籍で今後の読書をすることとした。 手元に無いと思うと残念な書籍が多くあり、ロアルド・ダールの作品もそのうちのひとつ。
キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)Amazon書評・レビュー:キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)より
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No.19:
(4pt)

美食から悪食まで

洒落た装丁の「異色作家短編集」。復刻シリーズ第1弾らしい。ハードカバーながらちょっと小ぶりで、持ち歩いたり電車の中で開いたりするのにもちょうどいいサイズだ。

ロアルド・ダールの名前を知ったきっかけは阿刀田高だった、という人は多いだろう(僕もそう)。本書の解説も同氏によるもので、「女主人」「天国への登り道」「牧師のたのしみ」をベスト3に挙げておられる。とりわけ「牧師のたのしみ」の出来栄えは、ほかのレビューを見ても衆目の一致するところ。僕もまったく異存はない。最後は、本当に声を上げて笑ってしまった。読書でこんな体験は久しぶりだった。

最も意見が分かれるのは「豚」という作品ではないか、と思う。奇妙な味といえば一番奇妙な味なのだが、ちょっと長いですね。こういうテーマには、ショートショートがふさわしい。ディケンズ風の物語を匂わせておいてラストで一気に肩すかしを食わせる、という趣向なのだろうが、そのブラックさがいやーな後味を残す。星新一ならもっとうまく書くなあ、とわが国の名手に勝手に軍配を上げたくなってしまった。

美食から悪食まで、多彩なメニューがそろった1冊という言い方が、本書にはふさわしいかもしれない。それにしても、なぜ「キス・キス」なのか。タイトルの意味は最後まで分からずじまいだった。
キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)Amazon書評・レビュー:キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)より
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No.18:
(5pt)

ごく普通の平和そうな夫婦の仲に潜む残酷な悪意。その他驚きの結末の珠玉の短編集

本書は短編集で、その三つめの作品「天国への登り道」でこの作家がただものではないことを感じた。まだ貴族が幅を利かせていた時代、裕福なイギリスの老夫婦。はたからみたら平和で頼りがいのある夫に長年忠誠を誓ってきた老婦人。彼女が唯一大切に思っている孫に会うために飛行場へいざ出発しようとするところから話は始まる。

老婦人は過度の心配性で乗り物に乗り遅れることを考えるといてもたってもいられない性分(気持ちわかる!)なのに対し、それを知っている夫は敢えてギリギリまで出発させないようにして妻をもてあそぶ。いままでこんな日常の夫婦の間の悪意を描いた作品にはお目にかかったことは無い。

その前の二つ目の作品は、ひたすら妻を愛するあまり妻を縛り付けてしまっていた科学者の夫。その夫が病気で亡くなる際、友人の科学者の勧めで脳と眼球だけになって生きながらえる(!)という実験に参加することを決意する。愛する妻にまだ会うことができるから。ところが一方妻の方は...?

とにかくストーリーのおもしろさに十分堪能できます。そしてその結末はおどろくほど残酷だったりする。「え、なんでこんな結末?」と面食らうようなものもある。

一方どんでん返し的な結末を期待していると、普通に終わったりする作品もあり、うまく読者を驚かせたり肩すかしを食らわせたりしてくれる。

イギリス人のブラックユーモアだからこそできる珠玉の短編集といえましょう。
キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)Amazon書評・レビュー:キス・キス 改訂版 (異色作家短篇集 1)より
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No.17:
(5pt)

精密に計算された短編の数々

作家の阿刀田高が推奨していた短編集。とくに「女主人」「天国への登り道」「牧師のたのしみ」。期待どおりの精密に計算された短編。
「女主人」では、見知らぬ土地に来て、宿を探していた男が「女主人」に剥製にさrそうに・・・・。
「牧師のたのしみ」では、骨董品をさがして田園をまわっていた巡回牧師が、いい品を見つけ、それお甘言で安く購入しようとするが・・・・。他に、「ビクスビイ夫人と大佐のコート」「豚」も面白い。
「豚」は、最後にぞっとする。最初の展開では、ほのぼのと、暖かく進んでいたのが、伯母さんが亡くなって、弁護士にいいようにあしらわれ、遺産の大部分を失ったあたりから、おかしくなってくる。どんでん返しが得意な作家なのだろうか?
ダールは第二次世界大戦で空軍のパイロットだった。妻は女優のパトリシア・ニール。
キス・キス (異色作家短編集)Amazon書評・レビュー:キス・キス (異色作家短編集)より
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No.16:
(2pt)

悪訳

翻訳がひどすぎます。誤訳が数えきれないくらいありますし、日本語として破綻している文章もちらほら。訳者は芥川賞作家らしいのですが、そのことが信じられないです。
キス・キス (異色作家短編集)Amazon書評・レビュー:キス・キス (異色作家短編集)より
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No.15:
(5pt)

英語の授業で。

学生時代、一般教養の英語の授業で原文を使用しました。

私が始めてダール作品に触れたのは小学生の時に推理小説集か何かに入っていた「おとなしい凶器」。
倒叙モノの推理小説作品だと認識していたのですが、今考えると「奇妙な味わいの作品」という感じですよね。

英語の授業でもはじめに「おとなしい凶器」を原文で読みました。
それでダール作品を読んでみたくいろいろ探したのですが、当時はネット社会でもなく、チャーリーとチョコレート工場のジョニデ効果もなく。
結局「あなたに似たひと」一冊しか見つけられませんでした。
この中に授業で使った「海の中へ・・・」と「おとなしい凶器」は入っていたのですが、最後までその授業で訳せなかった「ウィリアムとメアリィ」の訳が入った日本語版が、どこを探しても見つからず、10数年。
やっと見つけました。

原文は高校卒業程度の英語力があれば簡単に読めます。
原題も邦題とはかなり違い、いろんな意味に取れるように作られていると思うので、是非皆様にも原文に挑戦していただきたいです。
キス・キス (異色作家短編集)Amazon書評・レビュー:キス・キス (異色作家短編集)より
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No.14:
(3pt)

下手な翻訳・・・

この本は学生の頃に原著で読んでいましたが、ストーリーをよく覚えていたのは「ビクスビー夫人と大佐のコート」と「暴君エドワード」だけ。原著のペーパーバックはいつの間にかなくしてしまったので、開高健氏の翻訳と言う物珍しさも手伝って買ってしまったのですが・・・
他のレビュアーも誤訳や誤植の指摘をされていますが、氏の翻訳は誤訳でないところも実にひどいもので、ストーリーの面白さが台無しです。
直訳で下手な文章がいっぱい(「寝ていたまま、心ゆくまで赤ちゃんをごらんなさい」「二人とも完全な致命傷だった」「空気を暖めるために、湯たんぽをシーツの間に入れときましたわ」「ミルクのいっぱいつまった瓶」・・・)、主語と述語が違う(「赤ちゃんはね、あなたに見てもらうために、きれいにしているところですよ」)、一連の会話で妻が夫に敬語を使ったり使わなかったり、そもそも会話が不自然。明治時代の女学生じゃないんだから「〜してはいけなくてよ」とか「〜と思っていてよ」というのはやめてほしい。今どきこんな話し方をする女性はいませんよ。
他の方が書いている「巨大な線の絨毯」の、線と緑の間違いもそうですが、ジョージイ・ポーギイの最初のほうの「低い棚か何かそういったものを越えるとき」は、どう考えても棚ではなくて柵ではないでしょうか?
原書をなくしてしまったので確認ができないのが残念です。
誤植は翻訳者のせいではありませんが、翻訳者も校正というものをやっていないのでしょうか?
このまずい翻訳は、下手な俳優が声優をつとめるのと似ています。翻訳はやはり専門の翻訳家がするべきです。
キス・キス (異色作家短編集)Amazon書評・レビュー:キス・キス (異色作家短編集)より
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No.13:
(5pt)

復刊は本当に、本当に、うれしいのですが・・・・。

復刊は本当に、本当に、うれしいのですが、なぜ、「壜づめの女房」も復刊しないのでしょうか?理由は書いてありましたが(あえて書きませんが)納得できません。ホンマにアホかと言いたいです。このシリーズが読みたくて古本屋を駈け廻った人は僕も含めてたくさんいたことと思いますが、そんな人は絶対、1巻も欠けることがなく旧版の全18巻が読みたいに決まっているのに違いないのに早川書房は何を考えているのでしょうか?今からでも遅くないので「壜づめの女房」を復刊して下さい。お願いします。
キス・キス (異色作家短編集)Amazon書評・レビュー:キス・キス (異色作家短編集)より
4152086742
No.12:
(3pt)

失礼ながらあえて重箱の隅をつつきます!

他のレビューを見ても「牧師のたのしみ」の評価は高く、私も傑作だと思います(笑わせてくれます!)。しかし第1頁目に「田園がまるで線の絨毯ように、眼の前にひろがっている」という文を見つけハタと頭を捻ってしまいました。「畝うねしているのか? 段々畑みたいになっているのか? 風景がイメージ出来ない! …ひょっとしてこれって単に『緑の絨毯』の誤植?」と思い、原書を取寄せたところ、案の定「green carpet」とありました(まぁ漢字が似てることは確かですが…)。これがケチの付きはじめで、いちいち文章が怪しく見え始めました。同じ頁に「日曜日にでかけるところで、こんな見事な眺めの土地はざらにない」という一見(一読)何でもない文があります。しかしこれは原文を正しく訳せば「日曜日にはいろんな場所を訪れたが、あんなに素晴らしい高台(elevation)で仕事が出来るなんてめったに無いことだ」となるはずです。それに続いて「彼は丘を登りきると、村のはずれにある頂上の手前で車を停めた」という文もあります。「何だかよく分からん! 場所をイメージ出来ない! 丘を登りきって既に頂上に居るはずなのに、まだ先に別の頂上があるのかいな?」と不思議です。原書を見ると「丘の上に向かって運転し(drove up the hill)、頂上の少し手前の村はずれで車を停めた」でした。この2つは誤訳(+やっつけ翻訳)の例です。第1頁目にしてこの誤植、誤訳のオンパレード!「重箱の隅をつつくようなマネをするな!」と文句を言われそうですが、果たして旧版のミスをそのままに再刊(しかもこれは早川書房創立60周年記念だそうです)することに意味があるのでしょうか。本書は開高健が翻訳したとのことですが、慣れぬことはしない方が無難でしたね(きっと名前を貸しただけなのでしょうが…)。この短篇集シリーズ全体について言いたいのですが、最近は才能ある翻訳家が数多くいるのですから、彼らに新しく翻訳させるとか、せめて改訳させるべきだったのではないでしょうか。そうすれば2,100円でも高くは感じないでしょう(買ってしまった後に言うのも癪ですが…)。本書については原作の圧倒的な面白さを無視出来ず星4つとさせていただきます。
キス・キス (異色作家短編集)Amazon書評・レビュー:キス・キス (異色作家短編集)より
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No.11:
(5pt)

奇想天外な話の妙。粒ぞろいの短篇集ですね

 『あなたに似た人』に続く、ロアルド・ダールの短篇集。『あなたに似た人』の陰に隠れてしまっている気がする本書だが、面白さではちっとも引けをとらない。話の粒が揃っていることでは、むしろ、前作以上ではないでしょうか。
 着想の妙と、ストーリーテリングの巧さが光る11の短篇の面白さ。作者の機知と、語り部としての才能が、キラリと光りますね。なかでも、「牧師のたのしみ」「ローヤル・ジェリイ」「ほしぶどう作戦」の話が面白かったな。
◆骨董家具商のボギス氏が、ロンドン郊外の田舎で、値打ちものの家具を訪ね歩く話。・・・・・・「牧師のたのしみ」
◆赤ん坊の育ちの悪いのが、とても心配な両親。ある日、父親が素敵なアイデアを思いつく・・・・・・「ローヤル・ジェリイ」
◆密猟を計画した二人組が、奇抜な方法を使って、大量の雉(キジ)を捕獲しようとする・・・・・・「ほしぶどう作戦」
 ウィットとひねりを効かせた、奇想天外な話の味。話の行く先が気になって、わくわくしながら頁をめくっていきました。
キス・キス (異色作家短編集)Amazon書評・レビュー:キス・キス (異色作家短編集)より
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No.10:
(5pt)

何度読んでも面白い。

異色作家短編集とあるのでそうかダールって異色なんだと判る。確かに他にいないかもしれない。本書では短編が11あるが、どれもあっという間に読んでしまう。ストーリーそのものが面白いのだが、読後ずっと印象に残る場面がある。読む人やタイミングによって違うと思うが、今回個人的に時間がたっても忘れられないのが、ローヤル・ジェリイ、誕生と破局、豚、のある場面。
「ローヤル・ジェリイ」は視覚的にミツバチや蜂の子が忘れられなくなり、健康食品売り場などでもチラッと脳裏をよぎる。「誕生と破局」は、ヒトラーを扱う映画をみたことあったかな、初めの10分くらいは覚えてるんだけどというように錯覚する。「豚」はやはり豚を食べるときや、自分もカモられているなと感じるときに、最後のシーンを思い出す。
忘れた頃に再読するのもおすすめです。一度読むだけでは勿体無いです。
キス・キス (異色作家短編集)Amazon書評・レビュー:キス・キス (異色作家短編集)より
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