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ノースライト
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ノースライトの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全121件 121~121 7/7ページ
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「ノースライト」(作:横山秀夫 新潮社)を読む。 あの「64」から6年。「64」後半の謎解きのダイナミズム、その興奮を今でも思い出します。今回の「ノースライト」は、浅間山を望む北からの光と「あなた自身が住みたい家を建ててください」という一言が清冽な謎を呼び、物語が始まります。建築士たち、無人の邸宅、わたり、ブルーノ・タウト、「同心梅」、埋めること、メモワール。。。。そして、"家族"。ミステリーですから、いつものようにこれ以上語ることはできません。 今回は、「64」に比べるとミステリー的興趣は少し薄いかもしれません。しかし、作者のその心の熱さに変わりはないのだと思えました。「人間の良心」という言葉を思い浮かべながら、尽きるところ、物語の中で一つのプロジェクトが動き出すことによって語られる様々な<喪失>が、そのそれぞれの謎が少しずつ明らかになるにつれて、次第に収斂し、<再生>していく過程がこの小説の感動の源であるような気がします。読書中、何度も心震える瞬間がありました。 また、この物語は、芸術家、職人、何かを作り出そうとするすべての創作者たちの苦難への"共感"と"鎮魂"をも静かに描きながら、尚且つ創作者たちへの"喝采"の物語でもあったのでは?と思わせます。 少し話を変えてしまいますが、2019/2/5、花の画家と呼ばれた堀文子さんが100歳で亡くなりました。彼女は、アマゾン川を渡り、インカ遺跡を辿り、ヒマラヤ山脈を歩きながら絵を描き続けました。創作し続けること、そしてその思いを"伝承"することなくして創作者たちの創作に終わりはないのだと思い至ります。 「俺は俺の人生しか生きられない」男たちの埋め合わせの物語。そして、そこには聖母のような女たちの愛もまた静かに、そう、北向きの窓から差し込む柔らかな光のように彩りを加えています。 | ||||
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