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ノースライト
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ノースライトの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全121件 41~60 3/7ページ
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建築士の青瀬稔は施主の吉野陶太と妻の香里江に「あなたが住みたいと思う家を建ててほしい」と言われ、依頼地の信濃追分に腕を振るってY邸を建てた。しかし、完成後も吉野夫妻がY邸に越した形跡がない。青瀬が現地に向かうと邸宅にはひとけがなく、泥棒が入ったかのように床に足跡がついていた。そしてなぜかブルーノ・タウト設計と思しき椅子が一脚だけ残されていた。果たして吉野一家はどこへ消えたのか? そして誰が家に侵入したのか……。 ------------------------------------ 2004年から2006年にかけて『旅』誌に掲載された原稿を全面的に改稿して昨2019年2月に単行本化したものです。「このミス」2020年版の第2位です。 2012年の『 64 』にもどっぷりと引き込まれたものですが、今回の『ノースライト』も巻を措く能わず、としか形容のしようがない内容に大いに魅せられました。 一家消失の謎解きもさることながら、バブル崩壊後に決して本意ではない仕事に追われざるをえなくなった建築士の職業小説としても魅力的です。前著の『 64 』が警察小説でありながら、昭和最後の年の事件の謎解きよりも、警察組織のがんじがらめな硬直制を見つめていて、サラリーマン読者である私は身につまされる思いとともに読んだものです。今回の『ノースライト』も「クライアントの顔色を窺い、工務店の人間に足元を見られ、それでも痛みを感じない不感症の建築士」となりさがった主人公の姿には、反感や嫌悪ではなく、むしろ労(いたわ)しさばかりを覚えます。 そしてだからこそ、この物語は主人公が敗残兵のまま終わらない、再生と願いの物語へと組みあがっていくところに最大の魅力があります。ある女流画家の遺作コレクションを収める美術施設の建築コンペに臨む過程と、Y邸の施主失踪事件とが並行して描かれ、そのどちらにもほんの一筋の希望の光がさすところがたいへん清々しく感じられます。 この物語を読みながら、三谷幸喜監督の映画『 ラヂオの時間 』(1997年)のことを思い出していました。あれもまた、いつかひとつでよいから熱のこもった、単なる雇われ仕事で終わらない作品を残したいとあがくクリエイターたちの物語でした。 . | ||||
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藤宮春子メモワールの建築コンペを勝ち取るためのお仕事小説の中に、吉野が青瀬稔に設計を依頼して信濃追分のY邸が引き渡し後に住んでいる形跡がない謎、Y邸にブルーノ・タウト(ドイツから亡命した著名な建築家で日本に滞在していた)が設計したと思われる椅子が残されている謎を明らかにしているストーリーラインがある。青瀬が所属している設計事務所の岡嶋所長が軽微な不正を問われて社会的に抹殺されようとしているところに、青瀬と吉野の過去が詳らかになっていく。2本のストーリーが個別に存在しているように思えるが、複雑な家庭環境と建築設計を共通の舞台にして、上手に融合していく。謎解きというより、人が人を赦すこと、人が人に遺すものといった人間の内面に鋭く切り込んでいるところがたまらなく切ない。 | ||||
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謎時の妙味があり、スリリングでした。 | ||||
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中高年者の男性にファンが多いイメージの著者ですが、私はまだ二十四歳、しかし、氏の小説が大好きで、ほとんどすべての作品を読みました。 ノースライトは、これまでの横山秀夫氏の小説とは少し毛色が異なりますから、ハードボイルドな作風で描かれた警察小説の世界観をイメージしている方は、肩すかしを喰らうかもしれません。 だけどテーマが異なるから、それはそれで良いのだと思います。今作は、緩やかに、丁寧に、一級建築士の半生を追いながら、その再生の過程を描いていますから、同じ仕事小説とはいえ、クライマーズ・ハイのような怒涛!矜持のぶつかりあい!といった雰囲気の仕事小説ではありません。 そう、私のこの本の印象は前述の通り、仕事小説でした。なまじ、横山秀夫氏はミステリー作家であり、確かに一家失踪の謎を追うという描き方をされているため、どこでもこの本は''ミステリー''と紹介をされていますが、ミステリーの観点から感想を述べれば、今作の''謎''には、氏のこれまでの小説のような読者を引き込む圧倒的な''引力''はなく、さらにミステリーに対する回答にもさしたる意外性はありません。 結末に明かされるミステリーの解答にも感動を覚えることはなく、ここに半落ちのような、''ミステリーと胸を打つドラマの融合''はありませんでした。 にもかかわらず、私は終盤、この本に枯れるほど泣かされました。 ネタバレになりますが、 所長の生前の独白、さらには青瀬が所長の作品を彼のために、彼の息子のために残そうと奔走して図面を起こす場面。プレコンペにぶつける場面。 死者の声を拾う、臨場を描いた作者の魂がここにもあるような気がしました。 一言で言うなら、これまでの氏の小説の中で、最も強く胸を打つ感動作品。それが私の感想です。 (ただ、タウトの話が作品に厚みを与えていることは確かなのですが、ここまで延々と掘り下げる必要があったのかと、ヤキモキしましたので星を一つ減らしました) | ||||
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他のレビューにもあるように、情景描写など途中、多少もたつく感はありますが、それが最後の方で生きてくるんだと思います。 最後は引き込まれ、思わず「あっ」という声がでてしまいました。 ミステリーでありながら家族愛、友情など感動が出てくる、なんとも不思議な気持ちになりました。いろいろな角度から感動をもたらす作品で本当に面白かったです。 | ||||
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横山秀夫氏の警察小説はすべて読破し、史上最高の警察小説の大家だと思っている しかし、今回は警察小説ではなく、また主人公も警察官ではないため、買うのを躊躇ったが、結論から言えば、買って大正解! 内容もさることながら、何より、氏の文章の美しさに魅了された! | ||||
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まだ、読んでないけど、聞いた話では、とても良かったらしいです。 | ||||
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こんなに優しい家族の物語を、それとは気がつかせないplotの中で進行させる作家の術中に見事にハマって涙腺が緩んでいる。そう、家は包む物。中身が大切。 | ||||
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「あなた自身が住みたい家を建てて下さい」 依頼主の言葉で「遠慮がちに部屋を包み込む柔らかな北からの光。~悟りを開いたかのように物静かなノースライトーー」を存分に取り込んだ、「木の家」Y邸を竣工。『平成すまい200選』に載ったそれは、元妻が望んだ家でもあった。。。 Y邸を依頼した家族の失踪・残されたタウトの椅子の謎を追いかけつつ、友人で雇い主・勤務先設計事務所長と挑む、画家のメモワールの設計コンペ。 バブルに踊り弾け離婚し、やさぐれた一級建築士45歳、魂の再生の物語。 こちらの心も揺さぶられました。オススメの秀作です! | ||||
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最後の展開が全くわからずどんどん引き込まれて行きました。今までの横山秀夫氏の小説とはタッチが違う世界観でした。 | ||||
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何より文章がすばらしい。単なるミステリーではない出来です。東野文学の最近の傑作だと思います。 | ||||
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中盤から終盤にかけての展開は一気に。面白い本です | ||||
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これほど、途中で読むのをやめようかと思った本は 最近では無かったのではと思う。 それほど、自分はアオセミノルという男の身勝手さに怒っていた。 そんなの普通じゃない、妻への態度としてそんなことは許されない 自分の体験も含めて、内向きなこの男に怒って嫌になって 本当に最後の80ページくらいまでは飛ばし飛ばし読んでしまった。 でも読み終えるであろう最後の1日で全部変わった 見事に心が軽くなった なるほど、他人の事情というのは、複雑な理由を孕む場合には もう簡単な言い訳や説明ではどうずることも出来ないんだろうなと つくづく思った。 もしかしたら、自分の身の回りで一見身勝手な振る舞いをしている人でも 実はその内面に深い溝があって、いつか誰かに理解されたい 本当の気持ちを知ってもらいたいと思ってるのではないか そんな気持ちになりました。 これは挫折せず、最後まで読んだほうが良いです。 横山秀夫さんの著書、実は初めて読みました。 良かったです。既出の本も読みたくなりました。 | ||||
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最初は作者らしくない?それが後半ではいつものグイグイを堪能しました。面白かったです。 | ||||
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一気に読んでしまいました。 これは事件なのか、危険な香りに誘われて読み進みましたが、実は。 建築家の心情がよく描かれていて興味深かったです。 ラストは温かい気持ちになれました。 | ||||
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「あなた自身が住みたい家を建ててください」と、建築士に依頼するクライアントがいるだろうか。絶大な信頼がなければそんな事は言えない。 まずは自分の希望は伝えるものだろう。住むのはクライアントなのだから。 では何故?そこからミステリーの匂いがし、建築という普通馴染みがないテーマにも関わらず、ページを読む手が止まらない。切なさも残るものの、静かなノースライトが感じられる読後感だった | ||||
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人にプレゼントしたので読んでませんが、配送などは完璧でした。 | ||||
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読み終わって再読したくなる,そんな小説である。「そうかあの伏線はそうなっていたのか」と感心してしまった。残ったジグソーパズルをはめていくように真実が語られていくところは爽快である。しかも『64』のように謎解明の際の違和感はない。 話としては殺人事件が起こるわけではない。主人公が設計した渾身作の家に何故依頼人が住んでいないかという謎を解いていくことから話は始まる。いわゆるミステリーの範疇に入るかもしれないが、物語の中で自分の父親、離婚した元妻、娘などの思い出を語りながら、主人公が人生を思い起こしていくのである。最初しつこいように思えるが、それが後半生きてくる。私は建築について素人であるが、作者の建築学の調査は凄いと思う。読みながら数年前に我が家を建てる際に、建築士をもっと精査すればよかったと後悔した。それを感じさせる作者の力量である。 「人生の中で失敗したとしてもやり直しはいつでもできる」と作者は言っているようだった。 | ||||
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本屋大賞のランキング中から一冊でも読んでおこうと思い手に取りました。 クライマーズハイも読みましたが、バブル、不況を経験した憂いのある中年男性を描くのが上手いなぁと感じさせられます。作品後半から主人公の青瀬は様々な困難に立ち向かい、どんどん頼もしくなっていくような感じがして、自分もこんな仲間想い、人想いの人になれたらなぁと感じさせられる程です。 作中では様々な要素が絡み合い、伏線もかなり散りばめられているので、途中で、これ回収できるのか?と不安にさえなりますが、最後に一気に回収され、爽快感と、どこか切なさも感じさせる見事なラストだったと思います。 唸らせる表現も随所にあり、著者の他の作品も読んでみたいと思いました。 | ||||
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警察官が出なくても十分面白い。 | ||||
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