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傲慢と善良
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傲慢と善良の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.56pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全111件 101~111 6/6ページ
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| 本嫌いの子供に読ませる本はないかとあれやこれや探しているなか、辻村氏がAmazonの”あなたにおすすめ”という所に出てきていることに気づきました。ならばと、今回初挑戦です。 他人の評価ではなく、敢えてタイトルから本作をチョイスしました。まあ8割がたは先日Netflixで見た”Pride and Prejudice”(高慢と偏見)に似ているなあという、ぼんやりした理由からですが笑。 さて感想ですが、多くの部分で真美側に立って読んでいましたが、気持ちが苦しくなりました。 自己評価は低いのに、結婚相手となると高望みをしてしまう真美の心理描写。下品な譬えで申し訳ありませんが、グラビア誌を見ながら彼女にするならこっちの子だ、いやあっちの子だとアツく議論する高校時代の私とその友人たち(まとめて非モテ系)を思い出します。お前が選んでるなよ、と。寧ろ選ばれないから、と。 あの人は学歴高いけど口下手だから駄目(だから結婚できないんだよ)とか、人に下した判断がまわりまわって自分自身に帰ってこないのですね。いや、そう自身で感じても、結局自分が選択する側にいる視点が強いから、他人から選ばれているという視点になかなかなれないのかもしれません。イタい奴です。 あと、真美からして架はやっと巡り合えた100点のスペックだったのに架は真美に70点しかつけていなかったことを知らされる場面も辛い。自分の好きと相手の好きのレベルが違うというのを、結婚式の期近になって知ってしまう悲劇。 登場人物たちが、恋愛の延長上に結婚があるという考えに固執する一方、結婚を目的とした婚活を取引的・打算的・選択的に行っている点に悲劇を見る気がしました。もし100%打算的に動けさえすれば、100点スペックを見つけた時点である意味婚活は勝ちなのだと思います。そうならない所が、人間が感情の動物である所以でしょうか。 作中では、「70点」問題の発覚もあり真美は失踪しますが、他方で、ある意味この失踪が単なる婚活を恋愛に変えたのだと言う事も出来そうです。 婚活は、一般に恋愛よりも結婚というゴールに重きを置いている印象があります。故に、恋愛結婚という幻想にとらわれた若者は苦しむのかもしれません。真美の場合、意図せざるものだったのでしょうが、自らの失踪が、雨降って地固まる、の展開を呼んだ形となります。 また、タイトルにも書きましたが、親というのは良きにつけ悪しきにつけ非常に多くの影響を子に与えるなあと感じました。私自身、マイクロマネジメント的な親にはなるまいと思う一方、子離れはきちっとしないと子どもを腐らせるなあと本作を読んでいてぼんやり思いました。 ・・・ 多様な価値観が認められるようになってきた日本ですが、それでも若者には結婚についての憧れ、裏返すと、未婚で人生を終わることへの恐怖・体裁の悪さが残っているのかなあと感じました。 そのような気持ちへ至るのが個人の資質の問題なのか、あるいは日本に残る因襲的雰囲気の結果なのかはわかりませんが、後者だとすると、これまた日本って息苦しいなあと思ってしまうのでした。 結婚、因襲、恋愛、モテ・非モテ、親との関係、色々考えて息苦しくなる作品でした。 | ||||
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| 色々な要素が含まれていて、実体験ではないだろうけど、例えば婚活アプリでの活動中のメンタル、恋愛や結婚対象として相手を見る時の査定基準となる価値観とか、田舎の人間関係のしがらみなどよく考察できているなと思うところもありました。しかし、母娘の共依存は自分の周りに実例がないからか極端に感じたし、ストーカーのくだりはリアリティに欠けたし、後半は被災地ボランティアが出てきた時点で、あ〜はいはい、これで人間として他人との純粋な触れ合い的経験を通して魂の浄化しました、ちゃんちゃん!ってのが見えてしまいました。被災地ボランティアが悪いわけではないし、実際これで価値観変わることはあるんだろうけど、小説のプロットとしては既視感しかありませんでした。 他の方のレビューにも散見されましたが、私も主人公の女性に好感持てず、応援したいという感情はわきませんでした。ピンクの長靴くれた子とくっつくならまだ良かったかな。 | ||||
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| どこにでもあるような、ありきたりな話なんだけど、言語化してみるとこれがまた第三者目線から見ることができ面白い。小説はあまり読まないタイプで、届いた時の分厚さにびっくりしましたが笑、なんなく読めました! | ||||
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| かなり変わったタイトルだし、とてもインパクトがある。なかなかこのようなタイトルを付けないので、やや驚きさえ感じる。最後まで読んでもらえれば分かると思いますが、彼女が傲慢で、彼氏が善良だ。 結婚式を目前に迎えたカップルに、突然と彼女が消えてしまった。何故、彼女は失踪してしまったのか?また、失踪した彼女を調べ探しているうちに、彼女の苦悩を彼はどのように感じたのか?二人の心情を掘り下げて分かりやすく描かれていると思う。流石、辻村深月、筆力の賜物だと感じます。 特に、彼女の気持ちは痛いほどよく分かる。結婚したいほど好きな彼なのに、すべてが好きと云う訳ではない。嫌いなところや気に掛かるところもある。その点を考えた場合、果たして、本当に、この人と結婚していいのだろうか?この人とうまくやって行けるのだろうか?躊躇して不安に思ってしまうこともある。俗に云う、マリッジブルーだ。 そんな彼女の心情を彼が知った時に、彼は彼女の気持ちを受け入れることができるのか?、また、優しくなれるのか?そのあたりをラストはよく描けていると思う。 ただ残念な点は、彼が彼女を調べて探しているシーンは、ちょっと長過ぎる。読んでいて疲れてしまう。もう少し割愛してもいいような気がします。 | ||||
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| 自分の周辺の環境から外に出れない人をじわりとうすら寒い思いをさせながら描く中盤までは最高。 それだけに、後半の違和感と言ったら、全く同じ物語の出来事とは思えない。 主人公の周囲の人物の他人事っぷりや警察のありえない無能っぷりとかあえてやっているのかと思いきや、全く関係なくあり得ないまま終わる。 良い感じに着地させた感があるのだろうけど、本当に後半の落差によってすべて台無し。 著者の作品は好きなのだが、今までで一番のガックリ度。 | ||||
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| 第一部にかんしては、とてもよい。人物造形にものすごくリアリティーがあって読んでいてせすじがさむくなった。 しかし、第二部は、びっくりするくらい駄作。そもそも、真美が行くところがなくかつてばかにしてた見合い相手のまねして東北に行くとか、真美の愚鈍さと行き当たりバッタリさを描いてるのに、ボランティアをとおして人間として成長しちゃうなんかありえないので。 こういう愚鈍な子は、ボランティアにいっても自分をたなあげして、被災地のひとを一段上から見下す系なんですよ。愚鈍な人ってそのレベルで愚鈍なんですよ。 うまいぐあいにハッピーエンド仕立ててげんなりした。リアリティーがない。 正直、失踪はかけるにとってひきテクとして作用したわけだけど、それについての視点が全くかけている。勿論、当人同士は気付いてないだろうけど、そこは読者には分かるように描いて欲しい。 そして、かけるについては、こういう昔はモテた系の婚活男性は割りといるんですけど、実際には自分の価値の下落をなかなか気がつかない。だから、真美を選ぶにあたり、自己価値の下落を自覚する機会が必要なのだがそれが、そうなるまでの過程があまりよく描かれてない。 | ||||
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| 勉強になりました。 女って、やっぱり怖い。これが常識だったら空恐ろしい。 | ||||
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| 気持ちの変化や葛藤のリアルな表現に吸い込まれるように一気に読みました。 最初の半分は、登場人物が身近過ぎてイライラしている自分がいましたが、途中からは、なんだか自己を見つめ、反省をしなければならないような気分にさせられます。婚活をテーマにしていますが、それだけに留まらない人としての傲慢さが自分にダイレクトに響いてきました。 | ||||
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| 同棲している女性が突然いなくなる、という佐藤正午『ジャンプ』を思わせたので読んでみた。 カッコいい王子様 が、たいして取り柄がない私を選んでくれたという、少女マンガによくあるパターン。アラフォー男女だが、頭が悪そうで二十代にしか思えない。 男の友人は男性が一人、女友達が何人も出てくるのは女性作家だからだろう。脇役のイヤミな女性キャラの書き方が達者。 女性作家の特徴だが、男性を書くと理想の王子様になってしまう。おしゃれでカッコよくて女性によくモテて、頭がよく、仕事もできて、ひとづきあいも達者で文句のつけようがない。結婚予定とはいえ、突然姿をくらまし半年も音信不通になっている女をずっと探してくれるわけがない。 男は女の知人らを訪ねて話をきくが、警察に聞かれているわけでもないのに、初めて会ったよく知らない人が誰もがよく喋る。 女は東北の津波被災地でボランティア体験をし、人生観が変わる。わかりやすい通過儀礼だ。 | ||||
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| ちゃんとしてるけど、「華のないお嬢さん」の図が浮かんだ 「周囲」の感じの方に共感 特に「美奈子たち」。女同士の仁義として、告げ口はしない。けど、確かに釘刺したくなるわ。こりゃ 70%なのに遁走して、「破談」にされない自信はどこから発生するのかなあ?が、どこまでも気になった 真実の花垣に対する「嫌いじゃない」が、「(顔は)嫌いじゃない」にナチュラルに脳内変換されてしまい、ここまで真面目に読んできたのに、残り3mm厚で一気に「コメディ脳」になってしまった 架は「ワゴンセールの中の掘り出し物」じゃなくて、「ワゴンセールの商品そのもの」になってしまった気がするし、二人だけの結婚式ってのも単純に「バツ悪い」を避けるってだけな気がした ↑初めから「二人だけ」って事だったなら話も別だが どうせなら、バツ悪い相手勢ぞろいしたトコで「最上級の笑顔」でも見せりゃいいに 真実は全然変わってない気が、した。頑固でも何でもなくて「逃げ」が最優先事項だと決めた。感じ とりあえず、架に友達からの誘いの声は掛んなくなるだろうなあー まあ、結婚ってのは「変わる」事でもあるから↑はそれでいいんだろうが 今後は架の友人関係じゃなくて真実の友人関係の方で「家族ぐるみの付き合い」が展開されるんだろう 自分の方に引き寄せ切った真実の勝ち どうにも架が真実に執着する気持ちが分からんかったが、1度デカい魚を逃がしたから、その恐怖が学習させたのか?引っ込みつかなくなった?「結婚したい」は良く分かった。けど、「君が好きです」が分からんかった 概ね楽しみました | ||||
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| 【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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