■スポンサードリンク
(短編集)
昨日がなければ明日もない
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
昨日がなければ明日もないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
はじめに、このシリーズはお気に入り「だった」事を銘記しておく。 本書は中編・短編・中編の構成。 間に挟まれた箸休めの短編以外の読後感が悪すぎて、今作は星三つが限界だ。中編二つは胃もたれ必至。いわゆるイヤミスを目指して書かれてはいないのは分かるので、この嫌悪感は何ゆえだろうとしばし考えた。私が女だから、ダメな女や憐れな女の物語に同属嫌悪や嫌なリアリティを感じてしまうせいかもしれないと結論付ける事にする。自分の中にある女の嫌な部分、今まで関わってきた同性の家族・友人・知人の中にあった嫌な部分を、リアルに想起させられる話なのだ。 どこかで確かに起こっているんじゃないかと思われるような陰惨な事件、どこかにいるんじゃないかと思われるような破滅的な母子。これらは、どこかですれ違ったけれど見て見ぬフリをしてきた彼女達の事件、もしくは、運よくすり抜けてきた「私」の身に降りかかるかもしれなかった事件、という錯覚を女性読者に与える。 そして主人公は三話目にして危機的状況に追い込まれている。娘恋しさで精神は擦り切れる寸前だし、とうとう大家さん一家の知人の殺人事件の関係者になってしまった。依頼された事とはいえ、彼の仕事が事件を構成する歯車の一つになったのは間違いない。(彼のせいとは言っていない)今後、転居せずにすむのだろうか?こうも危ない生活を送っていては、娘さんを近づけられないのも道理だと、勝手に元妻目線になってみたりもする。 暗雲が垂れ込める一冊だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
杉村三郎シリーズの続編。 3編の作品が収められている。 タイプは違うが、各々の作品で 「悪い奴」が出てくる。 「絶対零度」は、徐々に真実が 明らかになっていく過程で 背筋が寒くなった。 「華燭」と「昨日がなければ明日もない」は、 ラスト近くになって急展開するような 印象があり、モヤモヤ感が残った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
母に頼まれて購入しただけなので、わかりません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部みゆきの小説家としての腕の冴えを存分にみましたが、一方で登場人物の救いの無さは読後感をひどく悪くしています。 小説ですから、勧善懲悪やラブストーリーばかりを読みたい、というものではありませんが、救いのない登場人物で、心情移入できずに読み終えました。 「絶対零度」のラストの展開はある程度予想がついていましたが、実際にそのような描写が伝わってくるシーンはおぞましさしかありません。 「華燭」も複線が語られるとある程度のストーリー展開の予想はつきますが、現実には起こりえない流れで、あくまで物語でのお話になってもらわないとやるせなさで嫌な気分になりますので。 「昨日がなければ明日もない」での登場人物もひどいですね。身内にこのような人物がいれば耐えられません。ラストの結末も含めて、もうお腹一杯です。 杉村三郎シリーズはとても興味を惹くストーリーが多く、好みですが、登場人物のひどさは今回で十分ですので。 宮部さんほどの書き手であれば、もっと別の人物描写やストーリー展開がきっと生み出されると期待しています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ちょっと後味が悪すぎると言いますか、「正義は勝つ!」な爽快感が皆無すぎて辛かったです。 たしかに、このシリーズは「嫌ミスではないが、人間の悪意・ドス黒い本性が全開のブラック展開」が売りとも言えます。事実、本作は3本の中編から成っているのですが、どれも「どの登場人物が黒いんだろう? どんな、胸糞悪い悪意を見せてくれるんだろう?」という興味から、ページをめくる手が止まりませんでした。 つまり、期待通りの内容だったわけですが・・・特に、1本めと3本め。 いくらなんでも「ドス黒い方もそれなりの裁きは受けるけど、まともな方が一方的にやられっぱなし過ぎ」ですよ。イカれている奴と関わってしまったら、それで人生終了、もう逃れる術は無い、ということなのでしょうか。 読んでいて、腹わたが煮えくりかえりますわ。 うーん、もうちょっと、あとほんの少しだけでいいので「正義は勝つ!」な爽快感が盛り込まれていれば、満点の読後感だったと思うんですけどね。 「このシリーズは後味の悪さが売りなんだよ!」という人にとっては間違いなく五つ星だと思いますが、個人的な好みとしては、星三つの評価とさせていただきたいと思います。 追記 一本めに出てきた「依頼主とその息子」ですが、事件の真相がわかった後はどうなったのか、すごく気になります。 特に、息子は本作1番の良識派かなと思ってたのですが、まさか「家族を壊したくない=姉さんは悪くない!」みたいなダークサイドに堕ちてしまったのか。。。 彼がラストに、姉とその夫に対してガツンとかましてくれていれば、スカッと読み終えれたと思うんですけどね。 追記2 元奥さん、盗人猛々しいにもほどがありますよ。 まさかここまで「自分勝手で嫌な女キャラ」になるとは、本シリーズ一作目の時点で予想できてた人はいるのでしょうか 笑 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
杉村三郎シリーズの5作目です。懐かしい友に再会できるような喜びと共に手に取りました。杉村の探偵業は曲がりなりにも続いています。事件を引き寄せる体質は相変わらずで、奇妙な依頼の背後には実は悲惨な事件が隠れています。そして資産家女性に好かれる体質も相変わらずで、事務所大家のご婦人にも運転手兼パシリ?のような立場を甘んじて受け入れています。 ただ、今回のお話は非常識な人間に振り回された周囲の人間が耐えかねてコトに及ぶ、というパターンが続き、本当の被害者は加害者の方、という理不尽な思いが残ります。このシリーズにつきものの、狂気一歩手前の変人も登場の必然性がわかっていても胸糞が悪い。このパターンが今後も続くとちょっとシリーズとしては苦しいかな。警察の人がレギュラーメンバー入りしそうなので、また違う系統の展開を期待できるのかもしれませんが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
杉村シリーズだ。離婚の原因に納得いかなかったので、バツイチ杉村に今一つ感情移入できない。 中編を三本収録している。 『絶対零度』結婚した娘が自殺未遂を起こし、入院している。夫は彼女を隔離して、面会をかたくなに拒む。 背景には、最近話題のある重要な問題が横たわっていた。 宮部作品にはぶん殴りたくなるゲス野郎がしばしば登場するが、こいつはその中でもトップクラスだ。 杉村が最も探偵らしく活躍するのが本作だ。 『華燭』結婚式当日のトラブルが重なった。スラップスティックめいた展開で、何も考えず楽しめる。 本人たちはこれから大変だろうけど。 表題作は自己中極まれりの毒女が登場する。生育環境が普通でも、モンスターは現れるのだろうか。 天性の資質かな。嫌な天分だなあ。 小説の名手だけに、読み始めると一気に最後まで読んでしまう。重さと新鮮さに欠けるのが残念だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
杉村三郎シリーズ第5弾です。シリーズのうち、どの本から読んでも楽しめる感じになっています。 今回は3つのお話が入っており、連作短編集ではないのでどこからでも読めます。 3つともとても読みやすくて面白いお話でした。これだけの人物の複雑な関係を分かりやすく書けるのはすごいです。 ただ周囲に迷惑をかけてばかりのどうしようもない人間が被害者で、苦しめられてきた周りの人間が加害者になるお話が多く、やるせない気持ちにさせられました。 読後感はあまり良くありません。 それと、最近はネットをたどればある程度のことは分かってしまうので、昔のようにいろいろな場所や人を訪ね歩き、さまざまな謎が一つに繋がっていくようなそんなワクワクした感じはなくなりつつあるのかなと思いました。 時代の流れもあるのでしょうが、やはり今度はそんな長編を今度は書いてほしいと感じました。 以上の2つの点をマイナス2とし、星3にさせていただきます。 内容的にはさすがにすごく面白かったし、星4でもよかったのですが、今後への期待を込めて厳しめの星3で。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!