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路(ルウ)



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【この小説が収録されている参考書籍】
路(ルウ)
路 (文春文庫)

路(ルウ)の評価: 4.38/5点 レビュー 130件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.38pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全113件 101~113 6/6ページ
No.13:
(4pt)

台湾の風土にも、思いやれる。

意外に泣く。かも。
誰が主人公だったのかしら。
と、思ったりしながら。

読み進め。
途中、映像化意識してない?
と、感じたら。
面白くなくなっちゃったんだけど。

台湾満載で。
(台湾新幹線のお話)
台湾一周したいと思っているアタシなので。
風土や人々、時間の流れ方、言葉のかけ方
日本とのちょっとした差の表現は興味深かった。
でも、心は通じる。
二組カップル誕生しました・・・。

『花蓮』には是非行ってみたい。
単行本の栞紐が濃い深緑で装丁と台湾に合っていて。
(アタシの想う台湾の色とも合っていて。)
良かったぁ。

 〜妻や息子くらい平気で裏切れそうな今の自分が、
  ユキという異国のホステスからあっさりと裏切られることを
  想像して、もう怖じ気づいているのだ。〜

きれい過ぎるかもお話しは。
路(ルウ)Amazon書評・レビュー:路(ルウ)より
4163817905
No.12:
(5pt)

台湾に行きたくなりました

台湾での新幹線建設工事に絡み、台湾人と日本人との交流を描いた作品です。
台湾や台湾の人たちの事がとても愛情豊か描かれていて、この本を読みながら、
行ったことのない台湾へぜひ行ってみたいなという思いを強く持ちました。
読み終わって、あたたかい気持ちになれる素敵な作品だと思います。
路(ルウ)Amazon書評・レビュー:路(ルウ)より
4163817905
No.11:
(5pt)

登場人物のそれぞれ

台湾新幹線の開通にかかわる人々、ということは何か技術的な内容で、男臭いビジネスもの?とおもいきや、実は日本と台湾を拠点に交差する人間模様を描いた吉田氏渾身の長編小説でした。
日本の商社員・春香は台湾に新幹線を開通させるためのプロジェクトのために台湾で働くことに。9年前に台湾を旅したときに出会った青年エリックは春香を思い日本で建築士として働いている。
兵役を終え、工場整備員として働き始める威志。台湾に生まれ、終戦とともに日本に移り住み今はやもめとなっている勝一郎。
これらの人物が前半ではそれぞれ別の人生を生きているのだが、物語が進むにつれ、「台湾新幹線」という共通項のもと、かかわりを持っていく。新幹線開通のラストに向け、それぞれの人生も走り出す。

人間ドラマとしても感動的な小説でした。台湾という国の文化や考え方、日本人にはわからないさまざまなことが詳らかに書かれています。中国とひとまとめにしてしまう人も多いなか、台湾という国に思いを馳せることの重要さも感じました。
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No.10:
(5pt)

大変きれいな新刊本状態のでした

すぐに届けられ外装、内容も良好で、大変きれいな状態で満足しています。、
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4163817905
No.9:
(5pt)

永遠のような時間

台湾をこよなく愛する者の気持ちを、余すところなく代弁している本である。相当な思い入れがなければ書けなかっただろうと想像する。吉田修一がそこまで台湾を愛していたとは知らなかった。もともと好きな小説家だが、ますます親近感を持つようになった。つまり僕も台湾に深い愛情を抱いている者の一人だ。

台湾新幹線開通という日台のコラボレーションによるビッグ・プロジェクトを通奏低音に、さまざまな旋律(人間模様)が奏でられる。メインとなるのは多田春香と劉人豪(エリック)という若い2人の物語なのだが、ほかに少なくとも3つの愛と人生が絡んでくる。それらはエピソードというよりも、それぞれが同程度の質量を持つストーリーだ。よほどうまく描かないともたついてしまいかねないところだが、吉田修一はこれまでの創作で培ったテクニックを駆使して実に見事にまとめあげている。

読ませどころは多いけれど、僕が本書の白眉だと感じたのは、人豪の寮に春香が足を踏み入れる場面。とりわけ、人豪が剥いたマンゴーを2人して食べるくだりには、思わず息をのんでしまう。永遠のような時間を感じて、心が震えてしまう。もともと吉田修一はこういう「何げないのにドラマチック」というようなシーンを描かせると抜群にうまい作者だけれど、今回は台湾でなければ成立し得ないような切なさ、美しさ、いやもっといえば一種の凄味のようなものがある。

読了して、無性に台湾に行きたくなった。しばらく行っていないが、向こうの誰それは元気かな、どこそこの店は今もあるかな、などと懐かしい顔や風景が脳裏に浮かぶ。そのときには台北はもちろんだけれど、台中や高雄にもぜひ足を運んでみたい。そしてできれば、本書の装丁にあるような深い南国の緑の中に迷い込んでみたい、と思っている。
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No.8:
(5pt)

吉田版 大地の子

なんて、山崎豊子と並べちゃいけませんが、物語のスケールが大きく、大変爽快感のある大きな物語です。物語の支点が3点あり、それが完全に交錯しないでそっと寄り添うように人生が走るのも吉田修一ならでは。
 主線は台湾旅行をきっかけに知り合った二人の物語ですが、それと並走するいくつかの物語に台湾新幹線の厚みを感じます。
 台湾新幹線と言う物語の動力を得て、吉田作品の中で、たぶんもっともスケールの大きな美しい物語が紡がれました。若い人に読んで台湾に行ってほしいですね。
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No.7:
(5pt)

柔らかな温もり…

内容紹介に『渾身の感動長篇』とあるが、どちらかというとじんわりとした柔らかな感動ものという感じ。

『太陽は動かない』でもレビューした通り、吉田修一の作品の中には、実際に起きた事件や出来事を巧みに取り込みつつも思わぬ展開に持ち込むものも多いが、この小説の舞台は『台湾新幹線』。
但し、『さよなら渓谷』における幼女殺人事件の様にいわば物語のきっかけに過ぎないエピソードとしてではなく、“台湾に日本の新幹線が走る!“までの紆余曲折の道のりが、小説の芯を通す形で縦糸として語られていく。
一方で、もう一方のメインテーマとも言える日本人『春香』と台湾人『エリック』の“出会い”と“別れ”と“再会”が、幼馴染の『威志』と『美青』・商社マン『安西』とホステス『ユキ』、台湾生まれの『勝一郎』『曜子』と
『中野赳夫こと呂'宗』のそれぞれの物語が、すんなりと開業に漕ぎ着けない台湾新幹線の如く数々のエピソードを織り成しながら横糸として紡がれていく。

確かに、内容紹介の通り、試験走行でデジタルパネルが301Kmを表示する瞬間や中野が勝一郎に“…俺の病院で、この台湾で死ね”というセリフ/『春香』と『エリック』の日台を跨いだ切ないすれ違いなど、
涙や感動を誘う場面やエピソードが、満載だ。

でも、それは『渾身』などという力の入ったものではなく、表示の装丁の青々とした緑に包まれた路(みち)の様に、日台の人々の間に通いあった優しく柔らかい温もりだ。人々の絆だ。
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No.6:
(5pt)

いつもの変化球

吉田修一の小説は常に愛を語り、その技はいつも変化球である。「路」にしてもしかり。台湾での新幹線着工という壮大なテーマを芯にしながら、登場人物のさまざまな愛の形を、上からでも下からでもない目線で、丹念に、かつ爽やかに書ききり、静かな結末へと持っていく。楽しみな作家である。
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No.5:
(4pt)

台湾の風景と匂いが伝わってくる。

台湾高速鉄道プロジェクトを縦糸とし、日台の人々の絆を横糸として紡がれる「別れと出会い」を描いた長編。
物語の底には日台の歴史や台湾人の日本人への思いが流れる。
小さな出会いが、大きな再会へと繋がっていく。
葉山と人豪の出会いから、共に台湾で青春時代を過ごした葉山と中野の60年ぶりの再会と謝罪。
台北で偶然出会い、たった1日を共に過ごした春香と人豪が互いを探し求めた末の9年ぶりの再会。
威志と美青の再会。安西とユキの生活。感動的な場面が静かな筆致で描かれ涙を誘う。
春香と人豪の人生は線路の2本のレールの如く決して交わることなく、平行に寄り添いながら続いていくのだろうか。
「路」というタイトルの悲しさと厳しさに心打たれた。普段は時代小説や歴史物を読むことが多い。久しぶりの現代物。
この作家の作品は「ランドマーク」と「悪人」しか読んだことがなかったが、その印象が良かったので手に取った。
台湾には昨年12月に修学旅行の引率で訪れた。その時の風景が蘇ってくる。

小説の出来としては星5つを付けたいが、きっとテレビドラマか映画になる気がするので星4つに留めておく。
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No.4:
(5pt)

台湾に滞在したことがある人が本書を読めば、恐らく泣いてしまうと思う。

台湾に滞在したことがある人が本書を読めば、恐らく何度も胸が熱くなるのではないだろうか。
筆者は台湾に住んだことがあるのだろうか。
短期の訪問者では気付き得ないほど、台湾の描写、日本人が感じる台湾への違和感や愛情やその両方が入り混じったなんともいえない気持ちの描写がすばらしい。
吉田修一の小説は初めて読んだが、もっと読んでみたいと思う。
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No.3:
(4pt)

最終章で・・・

正直最終章までは、読むまでの予想に反して物語が平坦すぎるように感じて
いました。
登場人物の中でも特に本書の核となるのは春香だと思うのですが、彼女や彼
女を取り巻く人物が、もっともっと苦労をしてようやく開通にこぎつけたと
いうようなストーリーを期待していました。確かにそのようなくだりはある
ものの、非常に淡泊な展開である事は否めません。
しかしその印象は最終章でガラッと変わります。
特に病院長が日本の旧友に言った『台湾で死ね』という言葉は、私の魂を大
きく揺さぶりました。
読み手によって書籍に求める価値観や好みは千差万別でしょうが、私はその
『台湾で死ね』という一言だけで、この本を読んだ意義があったと思ってお
ります。
路(ルウ)Amazon書評・レビュー:路(ルウ)より
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No.2:
(5pt)

いいね〜人間っていいものだな〜とても温かい絆の物語。

台湾新幹線の着工決定に伴い、入社4年目の多田春香は台湾へ出向することになった。まさかあの時、自分が将来この街に暮らすのなどとは考えてもいなかったが、6年前にこの街で出会った青年・エリックとの思い出はいつも心の片隅にしずかに在った・・・・1日だけ共に過ごしたあの人にもう一度会いたい、決して言ってはいけない言葉で傷つけてしまった親友に、生きているうちに謝りたい。
開通までの7年間に及ぶプロジェクトに絡めて、現地での仕事に悩む商社マン、台湾生まれで終戦後に帰国した老人、台湾人建築家など国境を越えたそれぞれの人のドラマと絆が描かれている。そんな彼らは皆、台湾で様々な出会いや別れを経験し、忘れがたい思い出を胸に秘めながら生きている。ある者は日本人として台湾で暮らし、ある者は台湾人として日本で生活する。2つの出会いと別れをメインに、日本と台湾の遠距離恋愛、台湾の水が合わず心身ともに疲弊する社員とその家族、幼馴染の女の子と意外な形で幸せを手にする車輛工場員など・・・様々な人間模様が鮮やかに描きだされている。日本人と台湾人の気質の違いギャップを乗り越えて「互いに相手を心から尊敬し、認め合う」という作者の姿勢が、本作品には貫かれている。話がうまく行きすぎの部分もあるが、読み終えたら、多くの読者は、人間っていいものだな〜と感ずるに違いない。とても温かい絆の物語。
これはお薦め!
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4163817905
No.1:
(5pt)

重層的な構成で語られる台湾への愛と路

吉田修一氏は「悪人」(2007年刊)があまりに素晴らしかったのでその後の4作が低調に思えましたが、この作品で輝きを取り戻しました。

舞台は台湾、1990年代に計画された台湾新幹線の建設工事に並行して4人の物語が進みます。
美香は入社4年目の商社員、プロジェクトメンバーとして台北に派遣されています。台湾人の人豪は、日本に留学し、東京の建設会社で働いています。葉山勝一郎は台北で生まれ育ち、戦後の帰国後は土木技師として高速道路建設で腕を振いました。威志はグァバ畑跡に建った新幹線の車両工場で整備士をしています。建設工事は台湾、欧州、日本の合同プロジェクトのために意思疎通に課題を抱えながら2005年の新幹線開通めざして進んでいきます。

美香には学生のときに台湾旅行で出会った青年のことが忘れられないでいます。台北に来たのも彼を探す気持ちがあったからでした。一方、人豪も彼女を追って日本に留学したのでした。なかなか再会できないふたり、再会しても進まない恋愛は読者をやきもきさせます。この小説は、1人の女性が異国で仕事に忙殺されながら自分の人生を見出していく成長物語でもあります。登場人物の背景を深く掘り下げる吉田氏の手法がリアリティを高めています。

日本と台湾、難渋する新幹線工事、交錯する4人の人生。重層的な構成の小説ですが少しの破綻もなく描ききった筆力はさすがです。最終章では、詳しくは書けませんが、4人がそれぞれの「路」を見出してエンディングとなります。その情景が目に浮かび、静かな感動がこみあげました。吉田氏の新しい試みは見事に成功しています。以前の作品に比べて吉田氏の人間を見る目にあたたかさが増したように感じました。

台湾の日本の交流や気候、自然、街、食べ物、人がていねいに描写されています。普段、日本人は気づいていませんが、いかに台湾の人が日本に親しみを感じ、特別な思いで見ているか、読み終わって強く心に残りました。吉田氏の台湾への深い思いが結実した作品です。
路(ルウ)Amazon書評・レビュー:路(ルウ)より
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