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ヘヴン



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【この小説が収録されている参考書籍】
ヘヴン
ヘヴン (講談社文庫)

ヘヴンの評価: 3.41/5点 レビュー 156件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.41pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全87件 81~87 5/5ページ
No.7:
(5pt)

うまいけどうまいだけ

川上さんの書く文は短編や詩などのほうが旨味が出る。今回は初めての長編にしては良さが見受けられたが少し物足りなさもあった。まだ若いしこれからに期待。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.6:
(4pt)

人は外見では判断できない

前作「乳と卵」を読んだときは、可もなく不可もなくといった感じの印象だったが
この作品は前回とは比べ物にはならないくらい完成されており、その成長度合いに感服です

特に主人公とクラスメイトの百瀬との病院でのやり取りは、哲学を勉強した著者らしく
その世界に引き込まれ、目をみはるものがあった。

しかし文中に出てきたいくつかの謎が最後まで語られることがなかったのはちょっと消化不良だったので
4点にしました。まぁ、それが純文学といわれれば、それまでだけど

あと関係ないけど、この作品を執筆している様子を某テレビで拝見したけど
作品を横書きで書いているのには、縦書き世代にはちょっと幻滅した
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.5:
(4pt)

次回はどうなるのか…

著者の前作までの特徴的な文体に期待をして今回のヘブンも購入したので、最初は少し残念でした。
次回作はどうなるのかなあ。どうなっても彼女の作品は全部読むけど。基本的にファンだし笑

内容は、面白かったのは確かだけど、なんとなく既視感を感じました。まあ善悪について問うような物語は、大体に百瀬君と僕の対話のような場面が出てくるからでしょう。

川上未映子らしいなあとは思いました。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.4:
(4pt)

いじめ問題を哲学的に考察した作品

いじめについて哲学的に考察された、とてもいい作品だと思う。

筆者は、世の中において強い者が弱い者に対して力をふるう悲しき現実を、
いじめる側の人間である百瀬の言葉を通して淡々と書き、読者に問いかけている。
百瀬の考え方は冷たく、無機質で残酷で、ぞっとするところがある。
犯罪や戦争の歴史を見る限り、人は誰かに暴力をふるわずにはいられない存在なのだろうか。

現実を変えようとする「僕」。
何をされても耐え続け、<ヘヴン>にたどり着こうとするコジマ。
14歳の少女ゆえの潔癖さ、高潔で美しい考え方だとは思うけれど、
彼女が少しでも周囲を受け容れていたら……世界も変わっていたかも知れない。

「僕」、コジマ、百瀬の考え方がそれぞれ対照的で、
ラストシーンの余韻や、<ヘブン>の描写も含めて結末を読者にゆだねる終わり方も良かったと思う。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.3:
(4pt)

対話

今までの川上さんの作品はやはり読みづらく、好き嫌いがわかれるものだったと思いますが、この作品はとても読みやすいです。
でもわたしは少し物足りなさを感じました。

ストレートすぎるというか・・・。

ラストの方の、主人公といじめる側との対話、主人公といじめられている者同士の対話にすべてがかかっていると思います。
人と人との対話の重要さを感じましたが、そこを読めばこの小説がだいたいわかってしまう。

ストーリーがあまりない。ただ、いじめられてるだけ。(嫌な言い方ですが・・・。)

対話の印象が強すぎて小説としての魅力が減ってしまっているような気がします。

でも風景描写というか、主人公の目線の描写がやっぱり綺麗で好きだなぁと思いました。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.2:
(4pt)

未映子の哲学書。

大阪弁で書かれてはいないが、『イン歯ー』や『乳と卵』と同じく、川上未映子の哲学が前面に押し出されている。
『歯』、『乳』に続いて、今回も主人公の体がこの物語のキーになる。

いじめの描写が痛々しくて胸がチクチクするが、それがまた心象風景を鮮やかにしている。
哲学的な問いかけが主題なので、"哲学"に興味のないひとには、痛々しいだけかもしれない。

話の中心は"いじめ"なのだが、ただ単純にいじめる側といじめられる側の心理を描いているわけではない。
大げさに言えば"人間とは何か"。

弱さのゆえに苦しみ、弱さのゆえに愛される。
まだ見たことはないが、その先に"ヘヴン"があるのだという。
主人公を取り巻く人間の、目に見えない弱さや強さに、揺さぶられる心。
失ってしまった大切なものの先に、彼が見たものとは・・・

愛や憎しみや、苦しみや喜びや、あれやこれや。
それとどう向き合うか、あるいは、どう向き合わずに過ごすか。
"生きる"ということは、そういうことかもしれないと思った。

川上未映子の作品は、哲学するには持ってこいだ。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.1:
(4pt)

胸が痛い小説

著者のこれまでの独特な文体から離れて、いわゆる「普通」の小説の文体で書かれた作品。でも著者らしさは、いじめをする側の論理に集約されていた。これは決して著者がいじめを肯定している訳ではない(ある作家は批評家から、あなたは昔いじめをした側の人間だというのが文章から分かる、と指摘されて、その作家がその通りだと答えていたのを読んで以来、その作家のことは、作品は別として、好きになれない)。むしろ、いじめる側の人間の非道さや「バカの壁」的な物の考え方を明確に表現していて、その分、余計にリアルさを増しており、そうだから、人のことを同じ人間とは思っていないのだ、というのが嫌というほどよく分かった。

 それと今回も『乳と卵』のように、ある手術が登場する。どうも精神と肉体は切り離せないものらしい。前回は女性、今回は男性なのだが・・・。だけれど、肉体を変えることで今回は心の支えとなるものを失ってしまう(そのあたりは仄めかされているだけだが)。そのあたりも丁寧に書かれていて、唯一ほっと安心できるものを得た喜びと失う喪失感があまりにも対照的で(逆に、そのために受ける苦痛が、この対照と並行して、なくなるはずでもある)、その辺のバランスも絶妙だった。

 最後の最後まで読んでいて、胸が痛くて、辛くて、しんどいのだが、面白くもあり、読み終えるまでは寝る気になれなかった。コジマの猛烈な強さに圧倒され、人間の尊厳という言葉も思い浮かべながら読んだ。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721

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