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ヘヴン



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【この小説が収録されている参考書籍】
ヘヴン
ヘヴン (講談社文庫)

ヘヴンの評価: 3.41/5点 レビュー 156件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.41pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全27件 21~27 2/2ページ
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No.7:
(3pt)

苦心がうかがえるもそれ以上のものはない

著者の特徴である文体を徹底的にそぎ落として没個性化を行い、
あくまで物語の構造と主題に向かいあうという姿勢は、
読むほどに強くその苦闘が感じられる。

コジマ的な世界観(いじめにより傷を受ける自分たちだけが本当の真実を知っている)、
と百瀬的な世界観(要はゲームのルールの中で、たまたまそうであっただけ)
の間で主人公の僕が最終的に選択するのは、どちらも拒絶する道。

しかし、そこに新しい世界観があるかと言えば疑問であり、
僕が見る、その新しい世界も「しかし、ただ美しいだけ」
というカタルシスを抱えたまま終わる。

文体にしても、主題にしても、苦労の末の行き場の無さが感じられてしまう。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.6:
(3pt)

いい意味で普通

一般の人が理解しにくい絵ばかりを描く画家に
普通の風景画を描かせたらやたら上手かった。

という感じ。良く出来てると思います。

これまでの作品は個性がありすぎてついていけませんでしたが、
今作は文体とかについては読みやすかった。

とはいえ長々と続くいじめ描写を読むのはしんどいですね。

作中の「いじめる側の論理」が印象的でした。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.5:
(3pt)

アンビバレンスと

川上未映子作品、三度目の挑戦にして、はじめて通読できました。なさけないことに、いままではあの独特な文体についていけず…。そういう意味で、これまでとはちがう平易な文体でかかれた本作は、川上作品とふれるよい機会になりました。

「いじめ」というなんとも人間的な行為の渦中にある登場人物たちの描写から、善と悪、意味と無意味、信仰とニヒル、愛と暴力などという一見アンビバレンスにおもわれることが、じつはどこかアナロジーを孕んだもの、さらにいってしまえば、コインの裏表のような同一のものの異なった両側面のようにみえてきました。それは、いじめの加害者と被害者である論理的でニヒルな百瀬とかたくなに「しるし」をまもる殉教者のようなコジマという対照的な二人の声が、「僕」の前でいれかわる雨の公園の場面によくあらわれている気がします。さらに、そうした観念的なアンビバレンスとその統合がこの小説の一側面とかんがえるとクライマックスではもうひとつの側面が提示されます。百瀬に無意味とされ、反対にコジマにはスティグマとされた、世界を二重にうつしだす斜視の手術をおえ、睡眠障害による境界の曖昧な夢と現から脱した「僕」がはじめて出会う「ただ」の世界、そして、その美しさ。ここで視覚、感覚も統合されるのです。そうしてかんがえると、観念と感覚もひとつになったといえるのかもしれません。

もうすこしコンパクトだったらよかったなとのきらいもありますが、はやくも次回作がたのしみです。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.4:
(3pt)

ライ麦系?

川上未映子作品を初めて読み、最初がこれで良かったと安堵。どうやら「いじめ」という事柄を借りて、何か話されている印象。
後半にいくにしたがって、ライ麦畑でつかまえて、を思い出しつつ、(もちろん、見る角度はまったく異なります)
自慰行為シーンでは、銀杏BOYZの曲を思い出しつつ。(私にとっては、あのはき違えた閉塞感、よく似ていました)
ヒロインと加害者側(百瀬)の世界観の違いが印象的。それによって主人公が、別角度から3つめの世界の像を結ぶ。
象徴的な世界観3つが描かれているんだな、と。そして、世界観をしっかり持った人の方が、世の中強いよなと改めて。
とはいえ、星は3つ。
百瀬、しゃべりすぎだし、主人公の斜視の見え方の描写が少なすぎて、最後、感動が伝わりにくかった。
感動を、言葉で無理やり伝えられような。序盤からもっとどう見えているのか、伝えて欲しかったなあ。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.3:
(3pt)

「すべての出来事に意味がある」ってホント?

う〜ん、不満は残る。
小説自体に漢字が少ないのは主人公の知識レベルを表してるって事?主人公に名前がないのは読み手に感情移入させやすくするため?誰でもない誰かって事?「すべての出来事に意味がある」とコジマに言わせてるんだったら、こういうレトリックも回収しないと、その言葉は嘘になってしまうし、もっというと百瀬の言う「すべての出来事に意味はない」事になってしまう。もっと普通に物語を語ってくれればいいのに。作家の影がちらつく。
けど、主人公の心理は巧く描けていたと思う。それに、いじめられっこ(主人公)のヒロインもいじめられっこ、っていう設定は新鮮で面白かった。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.2:
(3pt)

続編を待つ

この人はちゃんとした文章が書けるということに驚きましたが、内容はどこまでも重い。僕とコジマの友情(恋愛?)関係はほほえましい救いであるが、作者はあのラストのためだけに物語を書いたようだ。しかし私の知りたいのはそのあとである。斜視の治った僕やコジマの生き方がどう変わったのか、僕やコジマに対して苛め仲間がその後どういう態度をとったのか、ヘヴンとはどういう絵だったのか、知りたいことは尽きない。ぜひ続編をお願いします。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721
No.1:
(3pt)

かなり期待していました。

長編小説ということでかなり期待して読ませていただきました。始めからイメージの違う雰囲気で物語りは進んでいくのですが、何となく違和感を感じながらもいつの間にか引き込まれていきました。
 コジマという存在がどんどん大きくなっていってこの後どうなるのか?とかなりワクワクしながら進めていきました。
 しかしながら予想を裏切る?展開になり(良いと考えるのか?ハズレと考えるか?は読者次第)、いったいコジマはなぜああなったのだろうか?考えてもわからない結論に???
 そのあたりの意味を著者に聞いてみたいと思いました。読んで悪くはないと思います。
ヘヴンAmazon書評・レビュー:ヘヴンより
4062157721

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