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燃える家
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燃える家の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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文句なしの傑作。それまでの田中文学のすべてが詰まっている。「神の存在」という永遠のテーマについての、田中慎弥なりの答えであり、その提示のし方が凄かった。もちろんそれだけではない。ババアの死体、鳩、安徳天皇、蟹、などなど、注目すべきものはたくさん出てくる。大袈裟な描写もあるが、それもこの小説をより幻想的なものにしている。リアリズムであって幻想的でもある。 この小説は凄い小説であり、良さが分からない人は別にわかろうとする必要もない。もっとやさしいものを読めばいい。 | ||||
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下関を思わせる架空都市「赤間関」を舞台に、絡まり合う登場人物たちの血の呪い。救い主を慕い救い主に裏切られて彼を呪う女教師。崩れ落ちるツインタワーのイメージと壇ノ浦に沈んだ安徳天皇の幻影。曼荼羅のような物語がラストに向けて怒涛の勢いで収束していくくだりはガルシア・マルケスのよう。ただ、主人公の男子高校生がわりと普通の正義感を見せたり、敵役の造形が紋切り型すぎるという気もした。この作者ならもっと不気味でさらにスケールの大きな物語も描けるはず。次回作が楽しみ。 | ||||
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現代、最後まで読ませる小説家は、そう存在しないのでは、と思う。構成が佳作な映画のようだ。引き込まれる。しかし、最新作の氏の作品、「宰相A」も同様に感じたが、終盤がどうも。 | ||||
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理屈じゃなく感じて読むタイプの小説だった。わけがわからないけど面白い!というタイプ。 作者が若いので今後にも期待したい。こういうクレイジーな純文学は大好物です。 | ||||
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わたしは久しぶりに、こんなに面白い“純文学”作品を読みました。 なんだか物足りない部分やモヤモヤする描写がありますが、それはご愛嬌。 まず、比較と対照の關係の妙。例を挙げると、アメリカ、日本の「東西」、それを国内に当てはめると、下関、東京という「東西」という關係。それに応呼して浮上する天皇の關係。今、象徴天皇としておられる方と、下関で沈んだ、本当は存続し続けたかもしれない概念としての「天皇」を用いる方法。山根という「女」と主人公の「男」の關係。 すべて対になり、しかしどちらかは常に不完全性を含んでいる。 そして、兄弟と血筋。これに土着性の強い祭りをラストでもってくることで、舞台装置が上手く可動する。 田中慎弥は、今回長編ということもあり、独特の文体の癖を抑え、終始読みやすいように工夫していることが容易にわかる。さらに、現実世界の事件を時系列で場面ごとに非常に効果的に用いる。 でも、その時系列に常に群がる無数の蟹。もしかしたら、蟹は平家蟹だろうか? 無数の、存続したかもしれない「天皇」の世界との媒介として足跡をのこしたのか……。 だが、わたしが自信を持ってオススメできるのは、主人公が、新幹線からみた富士山を見たときの描写。これは、凄い。近年の作家でもダントツの上手さだ。 そう、この富士山は、東西を結ぶにはあまりに片方により過ぎている。だが、確実に東西を結んでいるのだ。これは、上記のついの関係と、視覚的に圧倒する説明として、優秀な比喩である。 だが、残念なのは、妄想と現実世界の乖離するシーンの変更が、あの独特の文体の癖がモロに出てしまい、読者が混乱する気がした。 あとは、ラストの父親と息子の、まるでドストエフスキーのカラマーゾフを模範にしたようなやり取り。これは狙いすぎてい、失敗の感が強い。理由は、「信仰」の分解と理解があまりに薄い気がする。その信仰とは何か、を追求した故に、カラマーゾフは、凄味として名作となった。だが、今作にはそれが見当たらない。 むしろ、女教師のさいごの独白がそれを体現している。 だが、父親と息子のやり取りは、心に迫る文章だ。 などなどが克服されれば、間違いなく文句なしだった。いや、私の中では、殆ど最高と言っても良い。 | ||||
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最初、最後まで飽きずに読めるか不安でしたが、読み始めるといつまででも読んでいたいような、読み終わるのが嫌なほど没頭して読めました。これからも、田中さんの長編小説を読んでいきたいです。この本は、また、時期時期に読み返すと思います。 | ||||
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山内「文学のもっている不気味さ、 変わった味、 不思議な感覚、 これらは社会科学や歴史学の世界では表現 でけへんもんや。 超現実と想像の世界をクロスさせながら、 現実と その背景にあるもんに取り組むっちゅう 文学の本質においてこの作品は成功しとるがな!」 浜「そやな。 この小説は現実と幻想が入り交じり、 読者にめんどさを強いる。 せやけど、文学はめんどさを味わうもんや。 作者の問題意識にみちあふれた意欲作やし、 いま書かれるべき小説やで。」 〜文芸春秋最新号より | ||||
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