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燃える家



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【この小説が収録されている参考書籍】
燃える家

燃える家の評価: 3.55/5点 レビュー 11件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.55pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全11件 1~11 1/1ページ
No.11:
(5pt)

田中文学の最高傑作

文句なしの傑作。それまでの田中文学のすべてが詰まっている。「神の存在」という永遠のテーマについての、田中慎弥なりの答えであり、その提示のし方が凄かった。もちろんそれだけではない。ババアの死体、鳩、安徳天皇、蟹、などなど、注目すべきものはたくさん出てくる。大袈裟な描写もあるが、それもこの小説をより幻想的なものにしている。リアリズムであって幻想的でもある。
この小説は凄い小説であり、良さが分からない人は別にわかろうとする必要もない。もっとやさしいものを読めばいい。
燃える家Amazon書評・レビュー:燃える家より
4062186012
No.10:
(4pt)

田中慎弥の曼荼羅世界

下関を思わせる架空都市「赤間関」を舞台に、絡まり合う登場人物たちの血の呪い。救い主を慕い救い主に裏切られて彼を呪う女教師。崩れ落ちるツインタワーのイメージと壇ノ浦に沈んだ安徳天皇の幻影。曼荼羅のような物語がラストに向けて怒涛の勢いで収束していくくだりはガルシア・マルケスのよう。ただ、主人公の男子高校生がわりと普通の正義感を見せたり、敵役の造形が紋切り型すぎるという気もした。この作者ならもっと不気味でさらにスケールの大きな物語も描けるはず。次回作が楽しみ。
燃える家Amazon書評・レビュー:燃える家より
4062186012
No.9:
(5pt)

これだけのボリュームの作品を。

現代、最後まで読ませる小説家は、そう存在しないのでは、と思う。構成が佳作な映画のようだ。引き込まれる。しかし、最新作の氏の作品、「宰相A」も同様に感じたが、終盤がどうも。
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4062186012
No.8:
(5pt)

没頭して読んだ

理屈じゃなく感じて読むタイプの小説だった。わけがわからないけど面白い!というタイプ。
作者が若いので今後にも期待したい。こういうクレイジーな純文学は大好物です。
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4062186012
No.7:
(1pt)

頑張って読みました

読後残ったのはありえなさすぎる展開のオンパレード、くどい描写の連続にげんなりしながらも最後まで完走した自分の達成感のみです。
燃える家Amazon書評・レビュー:燃える家より
4062186012
No.6:
(4pt)

この作品は谷崎賞を受けるべきだ。

わたしは久しぶりに、こんなに面白い“純文学”作品を読みました。

なんだか物足りない部分やモヤモヤする描写がありますが、それはご愛嬌。

まず、比較と対照の關係の妙。例を挙げると、アメリカ、日本の「東西」、それを国内に当てはめると、下関、東京という「東西」という關係。それに応呼して浮上する天皇の關係。今、象徴天皇としておられる方と、下関で沈んだ、本当は存続し続けたかもしれない概念としての「天皇」を用いる方法。山根という「女」と主人公の「男」の關係。

すべて対になり、しかしどちらかは常に不完全性を含んでいる。

そして、兄弟と血筋。これに土着性の強い祭りをラストでもってくることで、舞台装置が上手く可動する。

田中慎弥は、今回長編ということもあり、独特の文体の癖を抑え、終始読みやすいように工夫していることが容易にわかる。さらに、現実世界の事件を時系列で場面ごとに非常に効果的に用いる。

でも、その時系列に常に群がる無数の蟹。もしかしたら、蟹は平家蟹だろうか? 無数の、存続したかもしれない「天皇」の世界との媒介として足跡をのこしたのか……。

だが、わたしが自信を持ってオススメできるのは、主人公が、新幹線からみた富士山を見たときの描写。これは、凄い。近年の作家でもダントツの上手さだ。

そう、この富士山は、東西を結ぶにはあまりに片方により過ぎている。だが、確実に東西を結んでいるのだ。これは、上記のついの関係と、視覚的に圧倒する説明として、優秀な比喩である。

だが、残念なのは、妄想と現実世界の乖離するシーンの変更が、あの独特の文体の癖がモロに出てしまい、読者が混乱する気がした。

あとは、ラストの父親と息子の、まるでドストエフスキーのカラマーゾフを模範にしたようなやり取り。これは狙いすぎてい、失敗の感が強い。理由は、「信仰」の分解と理解があまりに薄い気がする。その信仰とは何か、を追求した故に、カラマーゾフは、凄味として名作となった。だが、今作にはそれが見当たらない。
むしろ、女教師のさいごの独白がそれを体現している。

だが、父親と息子のやり取りは、心に迫る文章だ。

などなどが克服されれば、間違いなく文句なしだった。いや、私の中では、殆ど最高と言っても良い。
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4062186012
No.5:
(5pt)

没頭して読めました

最初、最後まで飽きずに読めるか不安でしたが、読み始めるといつまででも読んでいたいような、読み終わるのが嫌なほど没頭して読めました。これからも、田中さんの長編小説を読んでいきたいです。この本は、また、時期時期に読み返すと思います。
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4062186012
No.4:
(5pt)

最長傑作2013

山内「文学のもっている不気味さ、

変わった味、

不思議な感覚、

これらは社会科学や歴史学の世界では表現

でけへんもんや。

超現実と想像の世界をクロスさせながら、

現実と その背景にあるもんに取り組むっちゅう

文学の本質においてこの作品は成功しとるがな!」

浜「そやな。

この小説は現実と幻想が入り交じり、

読者にめんどさを強いる。

せやけど、文学はめんどさを味わうもんや。

作者の問題意識にみちあふれた意欲作やし、

いま書かれるべき小説やで。」

〜文芸春秋最新号より
燃える家Amazon書評・レビュー:燃える家より
4062186012
No.3:
(2pt)

やはり短編作家

石原新太郎がかつて著者に対して長編を書けば伸びるのではないかと発言したそうだが、
その予想は外れたようだ
1つのアイディアを転換させていくタイプの書き手だけに同じテーマにメリハリをつけるのが苦手なのか、どうも読んでいても
何もかもが上っ面だけなようで上手く作品世界に入り込むことが出来なかった
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4062186012
No.2:
(2pt)

不完全燃焼小説

炎をイメージする真っ赤な装丁の『燃える家』。 ――が、残念ながら不完全燃焼。(テーマが整理できていない。)
 作者の才能の煌きが数箇所で見られたので、途中で苦痛になり放り出したくなったものの、我慢して読了した。正直、今は解放されて清々している。
 ‘不敬小説’などと紹介されたのも、いけなかったなぁ。これの一体どこが‘不敬’なのか。権力側が焚書にしたくなる程のすごい本かも・・と期待して読むと、当てが外れる。全然違いますから。
 強いて一言で表すなら、‘小市民的ダークファンタジー’? 例えば、平家滅亡ゆかりの地在住画家によるこんな絵を想像してみて下さい。: 空を飛ぶババア(←ここだけシャガール風)、2人の子供と祭参加の遊女姿の5人の若い女性を乗せて海を漂う小船、絵の下4分の1を埋め尽くす蟹。
 この小説から受ける印象を凝縮すると、私の場合、こんな絵になるのですけれど、なかなか長閑な光景ですが、共感できない登場人物ばかりで、無意味なレイプ・シーンなどもあって、積極的にお勧めしません。
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4062186012
No.1:
(1pt)

意味のない、小説

凡長の駄作。読むだけ無駄。これは読後の感想である。私は以前にこの作家のレビューでこの作家は起承転結の結や作者の意見を書かない作家だと評した。やはりインタビューでも意見を書かないと公言しているだけに私のレビューも的外れではなかったことになる。
舞台は山口県新赤間関と山口市。高校生の徹と相沢は幼馴染。子供のころ共に鳩の死骸を見る。徹の実父は有名な政治家。夏休み月末、釣りに行った徹の弟と父は海で老婆の死体を見つける。死体には蟹が群がっていた。相沢の祖母と分かる。相沢はすべては無意味とする虚無感を持った危ない生徒。911テロは神の不在により起こったという。徹と相沢は女生徒らと共謀し女教師山根を監禁しレイプする。山根は信仰心の薄いクリスチャン。過去の聖堂焼失は自分の信仰心の薄さにあると認識している。レイプされた原因も信仰心の薄さにあると自分を攻めるとともに神は私、そして息子であるイエスをも救わなかったと罵る様になる。山根の自殺未遂。レイプ犯の謎の転落死。相沢への障害。徹は相沢の仇を獲るべく実父の元へ。しかし落雷死する。山根はレイプ犯らの死に対して神に感謝する。

この小説では、蟹が不吉な生物としてたびたび登場するのであるが、鳩の死骸、キリスト教、聖堂焼失、911テロとが、神の不在によって起こったといいたげな強引な展開と、消化不良によって、著者はなにがいいたいのか、がよく読者には伝わらないように思える。
金で雇われたにしろレイプ犯がそこまでやるか、簡単にレイプされる山根もおバカだし、落雷死と、まあ、著者の都合のいいストーリー展開は、私には違和感しか感じられない。

読んでいて噴出したことがいくつかある。
・東京のホテルのロビーにいると母から電話があり徹が行ってみると母はいない。母の身に何かあったのだろうか。のちに分かったことは母は徹の実父の倉田とのセックスで忙しくロビーに来ていなかったことが分かる。よくそんな忙しい人がロビーにいるとわざわざ電話したものである。
・徹の初体験は「階段を四、五段まとめて踏み外した感覚」、「痛みのない骨折」P216と表現。どんな初体験なのだろうか?
・「ケーキ泥棒」P326は普通は新聞記事には載らないと思うんだが……、

この著者にとっては、キリスト教、聖書、神、天皇は小説を書くための一小道具にすぎず、本人は『大審問官』でも書いたつもりなのか、個人的には「意味のない、小説」だったと思う……。
燃える家Amazon書評・レビュー:燃える家より
4062186012

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