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監禁面接



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【この小説が収録されている参考書籍】
監禁面接

監禁面接の評価: 3.86/5点 レビュー 28件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.86pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全20件 1~20 1/1ページ
No.20:
(4pt)

ジャンルとは何か

一応、本作はサスペンス作品となっています。その女アレックスで初めて紹介されたルメートルですが、今度は就職問題を取り上げています。
そうかあ、世知辛いのはフランスでも同じかあ、という感覚と共に、主人公の脅迫され、どう考えても常軌を逸する強盗に加われ‥ー
そこまではこれからお読み頂く為に伏せておきますが。
ただ、本書は文春ですが、ハヤカワでしたら、ミステリ、これは違う。
ジャンルという語感にはイメージを固定してしまうキライがありますが、本書はサスペンスでもミステリでも無いと断言します。
現代の仕事探し、それがどんなに、まあ、収入が多少やすくとも就いた方がマシという社会体制に哀しさを感じました。
我が国でも自由を求めて転職な流行る時代にふさわしく、イヤだからこそ、どうして、そんなにまで苦労してやるのか、と、主人公に痛々しさまで覚えました。
しかし、敢えていいますと、著者自身の語り口で、ぐいぐい押してゆく、力量は大したもの。傑作と言えるとは思います。
監禁面接Amazon書評・レビュー:監禁面接より
4163908927
No.19:
(5pt)

二転三転、息もつかせぬ展開に圧倒される

ご都合主義のドタバタ展開ではなく、計算し尽くされた予想もしない展開の数々に圧倒されて、読後は虚脱状態に陥ったほどでした。再読、再々読は確実な一冊です。「その女アレックス」に匹敵するルメートルの傑作の一つです。
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No.18:
(4pt)

他に類を見ない、さすがのルメートル、なのだが…

50代男性の不幸な境遇に、序盤は共感を抱く。
だがその後は意外に次ぐ意外な展開。ラストまでこの先どうなっていくのか全く先が読めない。
主人公のとる行動は行き当たりばったりのようで、その中にはこちらが気づきもしない企みがところどころあって、しかしそれは決して余裕しゃくしゃくではなく…。
プロットはすごい。他に類をみない。さすがだと思う。
ただ、本作は受け入れ難いところが2か所あった。
まず女性下着のところ。確かにまともではない。だが、このように白日の下に晒すのはどうかと。誰にでも人には言えない秘密があるものだ。誰かに迷惑をかけたわけではないのに。“こんな人は信用できない”と決めつけ、こういう対処をするのはむしろ狭量ではないかと感じた。
もうひとつは、終盤の悲しいエピソード。どうしても読後感がよろしくない。
ラストは感慨深いものがあり、たっぷり読み応えがあったが、他の作品ほどの感動はなかった。
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No.17:
(5pt)

とにかく予測不可能

特に最終章は、もうどうなるのか気になって気になって、ページを繰る手がとまりませんでした。
主人公よりシャルルが一服の清涼剤として、よかったなあ。
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No.16:
(5pt)

先の読めぬ素早い展開、面白さ抜群

本書は多分本年末のミステリーランキング海外部門で上位に位置づけされるであろう。先が読めない素早い
展開でめちゃくちゃ面白い。主人公のアラン・デランブルは57歳、人事副部長という安定した職に就き、優しい
妻や2人の娘にも恵まれ幸せな生活を送っていたが、リストラで職を失ったことで人生が狂いだす。新たな職を
求めようとするが、ろくな仕事もなく生活もトラブル続きだ。そんな中、あるコンサルタント会社が募集した一流会社の
人事関係の要職に応募した彼は、驚くべきことに最終面接までたどり着いてしまう。60歳近い年で奇跡的な
結果だ。だが、この最終面接というのがとんでもない仕掛けになっていた。この後の展開はまるでジェットコースター、
どう転ぶか全く予想がつかない。彼は、騙されてこの面接を受けることになるのだが、それを知った彼は
復讐のトリックを仕掛ける。これ以上は書けない。是非、興味ある方は読むことをお薦めする。この作品の
テーマは、私なりに思うに「働く」ということと、「家族への愛情」。何か、今まで言ってきたことと裏腹なテーマに
思えるだろうが、読んでみると結末を含めて納得されるだろうと思う。ルメトールがこの作品を書いたのは、あの
衝撃的な「その女アレックス」の前、なぜ、出版社はこのような面白い作品をすぐに出版しなかったんだろう。
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No.15:
(5pt)

「監禁面接」という奇想天外なアイデアを核としてユーモア交じりで波乱万丈の物語を描くと同時に、家族愛の大切さを謳った快作

私は作者の作品は全て読んでいるが、結局、面白かったのは「その女アレックス」(その真価を知るためには先輩フランス人ミステリ作家セバスチャン・ジャプリゾの古典「シンデレラの罠」への挑戦(オマージュ)という意匠の理解が必須かも)だけと言う感想を持っている。それでも作者の作品を読み続けのは「その女アレックス」の衝撃度に類似の作品への期待感があるためである。そして、本作は「その女アレックス」同様三部構成だが、第一部の語り手が失業4年目で57歳のアラン、第三部の語り手も"その後"のアラン(失業4年目で57歳のままだが)、中間を受け持つ第二部の語り手が第一部でも<人質拘束ロ-ルプレイングの"オーガナイザー">として登場し、その後も、全編に渡って登場するフォンタナ(アランを含む数名も全編に渡って登場する)という凝った構成(だが、作風は「天国でまた会おう」に近い)。

まず、アラン(最愛の妻のニコルがセクシー過ぎる)はある会社の人事部長から突然無職となり(現在は臨時雇いで不平不満で一杯の上に上司を暴行して訴訟されてしまう)、ラコステという男が社長のBLCコンサルティングという正体不明の企業への就職を目指している事がアランが失意・金欠のどん底に居る割にはユーモア交じりでテンポ良く描かれる。ここで、ラコステは筆記試験の他に、アランを大企業の人事副部長へと斡旋する事を前提として、<人質拘束事件シミュレーション>という奇想天外な方法(応募者が集まった所へ武装グループが乱入して全員を拘束するという筋書きで度胸・抵抗力・忠誠心を評価する)で採用試験をするとの通知を寄越す。ニコルの反対を押し切ってアランは5名の応募者の評価者となる事を承諾するが、名前を知らされていない大企業の夢を見てワクワクして右往左往するする姿がこれまた快活に描かれ、読者の気を惹き続ける。そして、やっと"オーガナイザー"としてフォンタナが登場する。

ここからが第二部だが、これから読む方の興味を殺がないという趣旨と紙幅の関係で簡潔に記すが、本作の面白さは充分伝わると思う。フォンタナはアランと(実は内定が決まっていた)リヴェという2名の"オーガナイザー"を務め、「監禁面接」の詳細が語られるが、武装グループに扮したアラン達の大義の大ゲサ振り、「監禁面接」が進むに連れて恥部を明らかとされた応募者が本物の拳銃を使って反撃に転じて立場が逆転する展開が哄笑を誘うと共に、この展開はアランの失敗を意味する。第三部は拘置所に勾留されたアランの悔悟譚の趣きで、拘置所で酷い暴行を受けて「死」に直面した顛末も面白いが、アランの次女で弁護士のリュシーの献身的活動が胸を打つ。そして、アランとフォンタナが作戦失敗の責任を擦り付け合う姿がこれまた哄笑を誘うが、2人の会話中でアランがドサクサに紛れて大金を詐取していた事実が判明するという意外性(これでリュシーからも愛想を尽かされる)。アランと言う一介の無責任な失業者を主人公としていながら一気読みの面白さ。「監禁面接」という奇想天外なアイデアを核としてユーモア交じりで波乱万丈の物語を描くと同時に、家族愛の大切さを謳った快作だと思った。
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No.14:
(5pt)

一気読み必至!

物語の中盤以降、先の展開が気になって気になって一気読みした。ルメートルは相変わらず予想を裏切るハンドル捌きがうまい。たった数行で展開がひっくり返るので読み飛ばせない。主人公が独善的で金と仕事に執着し、家族の意見より自分の意見を信じて行動するところに人間臭さを感じた。金があれば家族みんな幸せになると信じて疑わない。「天使のくれた時間」の主人公と重なる。家族でも幸せの基準や価値観はみんな違うのに、そこに気づけない人間。現実世界にきっとこんな人が大勢いるだろう。次回作も気長に待つ。
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No.13:
(4pt)

また騙された。

なかなか展開が読めず、凡作かと思ったが・・・
前半が盛り上がりに欠け、読み進むのが辛かったが、全体としては良作品だろう。
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No.12:
(5pt)

主題は愛と友情、題材は仕事探し、予測不能のどんでん返し小説

出版当時ハードカバーだったし、あんまり行けていない邦題だと感じたのでパスしたのだが、その後も他のルメートル作品(すべて初版が文庫本)を読んで外れがないために、Amazonで古書を漁って廉価で取り寄せるに至る。でもポケミスなども比較的新しい翻訳小説は¥2,000を超えるものも珍しくない現在、ハードカバーは高いという旧来の概念はそろそろ見直すべきなのかもしれない。

 閑話休題。邦題はともかく内容は完全なるページターナーであった。いつもの警察小説と違って、どこにでもいそうな小市民的五十代男性が主人公である。元は中堅どころの人事系管理職であったのが、フランス国内で拡大する人員整理の流れを受け失職、応募先の企業で奇妙過ぎる採用面接を受けることになる。面接中に襲撃を受けるという状況を作り出し、そのシミュレーションを通して5人の採用候補面接の能力を見極めるというもの。まさにタイトルはここにあるわけだ。

 主人公は人質になる側ではなく、採用側職員候補としてここに望む。人質たちのビッグ企業ではなく、人事業務の請負会社の側である。採用側と応募者側の同時選別シミュレーション。こう説明しても難しいと思うのだが、読んでゆくと必ずしもそれだけが物語を構成する主題ではないことがわかる。もっともっとずっと面白いものが満載なのが本書なのだ。

 人質シミュレーションの実際を時間軸の中心に据えて、作品は「そのまえ」「そのとき」「そのあと」の三部構成になっている。ちなみに「そのとき」が一番短く、そこに至る経緯、そこでの驚愕の展開、そのあとの予測のつかないどんでん返し、と、結局はいつものルメートル劇場に喝采を贈る結果になること請け合いの不思議フレンチ(ノワール)ミステリーなのである。

 ちなみに原題は「黒い管理職」。犯罪小説というより企業と個人とのコンゲームに近い小説であり、それ以上に、家族や友達との絆の物語でもある。とりわけどのページにも主人公の愛や友情が半端ではなく、だからこそ、突然の暴力や脅迫や守るべきものの多さ、失ってしまうことの悲しみ、などの感情面の起伏が小説を毛緊迫した時のなかに閉じ込めている。それゆえに疾走感のある読書タイムがぼくらにはもたらされるのである。

 逆転不能の状況をどのように切り抜けるのか、主人公の大して特殊能力も持たない人柄や弱い性格、予測不能の博打に打って出る無謀さなど、はらはらし通しの第三部「そのあと」は目を背けたくなるピンチの連続。どんでん返し小説だろうとの予測の中で全くそのトリックやストーリーが読めないところもルメートルならではの魔術的手腕である。

 最後は少し涙が出そうになった。愛と友情の深さや強さ。そういうこともしっかり描き切ってくれるところが、大人の小説を感じさせる本書なのである。うーむ。
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No.11:
(4pt)

容赦がない

この本も素晴らしい作品です。読み始めは移動の合間などに読んでいたのですが、第一部の途中からは一気に読了しました。毎度毎度、感情移入して読んでいると心が翻弄され、読後にそれぞれの理由で放心状態にさせられますが、今回もそうなりました…。
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No.10:
(4pt)

意外な舞台設定、意外な展開

57歳の元管理職のアランが職を失い、アルバイトで働いていた勤務先もトラブルを起こして首になる。妻子持ちの57歳がどん底に落ちた状態で、ある会社から仕事のオファーがくる。テロリストがある会社の役員会議を襲撃(これは会社側が仕組んだ偽の襲撃)するので、役員が危機管理できるかを査定することで、人事副部長として採用できるかを決める一種の面接試験だった。うまく事が運ぶように、裏で画策するが、うまくいきそうにない。アランが面接試験でとった行動は、予想もしないことだった。

読者を裏切る展開で、どのように物語が落ち着くのか、ハラハラドキドキの展開である。面白かった。最後はアランが幸せになったかどうかを考えさえるもの。寂寥感が残った。
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No.9:
(4pt)

かなり面白かった。

アレックス直前の作品らしいが、予測のつかないストーリーは読み物として一級。都合よすぎる展開は引っかかるものの、結局主人公が得たもの、失ったものを突き詰めれば、男にとっての仕事が持つ意味がクローズアップされて終わるというのも示唆に富んでいる。翻訳も素晴らしい。
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No.8:
(5pt)

薄っぺらい語りたがりに惑わされないで

レビューの中であまりに無粋なネタバレをされている方の気が知れません。

手に汗握りながら一息に読んでしまい(実は結末を知るのが恐ろしくて残り1/10でだいぶ悩みもし)ました。
ルメートル作品の中でいちばん入り込めました。
機会があれば是非。
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No.7:
(4pt)

怒れる無職の復讐

一言で言うと、無茶!
まず、入社のための最終試験の内容が、テロリストを演じて会社の重役を監禁、面接することっていう設定からして無茶! ありえん!!
でもそんなありえん試験にもガチで対策を始めちゃう主人公のアラン。
例え無事に入社できてもブラック確定だそんな会社、と思うのだが、それでも頑張ってしまうんだよな、無職だから。
少々イリーガルな方法でも躊躇なく取ってしまうんだよな、無職だから。
守るものがないからある意味最強なんだよな、無職だから。
全然関係ないが、美容師に「お仕事は何されてるんですか?」と聞かれたときに、「無職です」って答えると、「社長です」って答えるよりも美容師をビビらせることができるのでぜひ試してみてほしい。

とにかく、そんな最強の怒れる無職アランさんが怒りにまかせて、これまでの人生とか人間関係とかを含めて破壊の限りをつくすお話。
ストライキの描写も出てくるし、労働者がやたら攻撃的なのはお国柄なのかもしれない。
すぐに自殺を選びがちな日本人は今すぐ見習うべき!
あ、でもまるきりフランス人みたいなことされたらド迷惑なので少しだけ!

それで、この狂言テロの試験を主人公がどうクリアするのか、期待しながら読み進めていくと、途中から怒濤の展開になってビックリした。
この著者のことだから素直にストーリーが進んでいくはずがないとはわかっていたものの、まさかこんなにガラリと景色を変えてしまうとは思わなかった。
喩えるなら、東京行きの新幹線に乗っていたつもりが、いつのまにか北海道に着いてたみたいな感じ。しかも北海道からさらに韓国に行っちゃうような超展開をするので、本気で次に何が起こるのかわからず、続きが気になって一気読みをしてしまった。

ただやはり展開は無茶!
リアリティの水準は低く、荒唐無稽ですらある。
最初の、狂言テロが入社最終試験という設定からしてかなり無茶だし……。
だが、そういうのが延々と続くと思っておけばそれでOKだ。ノリさえあえばラストまで一直線に楽しめる。
それに、超展開なのに、随所にエスプリを効かせてくるのがおフランスぽくってよい。
特にラストのシニカルな終わり方が最高。
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No.6:
(5pt)

ストーリー展開が早くて面白い

映画を観てるように、状況がイメージでき、非常に面白い。
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No.5:
(4pt)

残虐0 心理戦100

フランスのミステリー小説家ピエール・ルメートル、2010年上梓の翻訳本。

3年前、行きつけの書店で偶然見かけた表紙に釘付けになって、衝動的に購入、その日のうちに読破したのが「その女アレックス」だった。
その後は何のためらいもなく、カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ3部作に突入。

本書はその3部作執筆の合間に発表されているのだが、本作に著者の得意技である残酷描写は皆無。
代わりに、主人公が57歳でリストラされ生活が危機的状況に陥り、愛する嫁と2人の娘をトラブルに巻き込みながら、人生逆転を狙う過程のヒリヒリ感を最大限味わわされる。
程度は違えど、そんな生活の崩壊は同年代の人間なら起こり得ることだから、より一層リアルな想像を膨らまし、それだけに興奮と緊張の度合いが高い。

心理戦で楽しませる一冊でした。

アメリカのキングに続いて、完全にその毒にやられてルメートル中毒になった私。
次は「天国でまた会おう」三部作にやられる予定。
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No.4:
(5pt)

3部構成からなる展開と結末の衝撃さはかなり読み応えあり!

リストラにあったサラリーマンを軸に進んでいくストーリー展開。
「そのとき」では語り手が変わることでストーリーのリズムに変化があり、
それなりのボリュームの本ではあるが一気に読むことができました。

複雑なミステリーではないですが、「そのあと」の章はまさかの展開で、ある意味やられたという感じですw
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No.3:
(5pt)

今までの

読み始めで、キャラの名前が正確では
ないけれど、繰返し読める‼️
そう思えています。
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No.2:
(4pt)

読みごたえあり

今年8月に刊行された本書の帯には最新作と大きく太字で喧伝されていますがそれはまったく誤りで最新翻訳とか初邦訳と表記するのが正しいでしょう。というのは本書はベストセラー長篇『その女アレックス』の1年前に作者ルメートルの母国フランスで刊行されたわけですから。出版界の厳しい現況はよく理解できますが売り上げにつなげようとウソをつくのはよくないですよね。本書は財布にやさしい文庫ではなく単行本です。再読にじゅうぶん耐えうるだけのよく練られたストーリー構成や多彩な登場人物はいずれも魅力的でこれなら単行本の体裁も仕方ないかなと納得でした。
本書は作者の代表作のヴェルーヴェン警部シリーズ3部作(いずれも文春文庫)を好むファンにはやや複雑すぎるストーリーかもしれません。また『天国でまた会おう』のような本格的な文学のテイストとも異なります。かなり荒唐無稽度は高いですがミステリ長篇としての出来は高いほうで読書の醍醐味をじゅうぶん堪能できる奥行きの深さを内包しているので読んで損はないおススメ本といえるでしょう。そのほか全3部のストーリー構成では第3部があまりに長すぎてやや冗長でした。主人公アランの次女リュシーを第3部の語り手にしたならボリュームの圧縮が可能となりもっと引き締まったものになったかもしれませんね。登場人物ではアランがアーノルド・シュワルツェネッガーばりにあまりに八面六臂に活躍しすぎて違和感がありました。
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No.1:
(4pt)

またもや弩級の新作

企業の冷酷な判断により失職し、アルバイト先でもとんでもない困難を抱えた男。

有名企業の人事担当として採用面接を受けることになったアランだったが、その面接は異様なものだった。

採用面接の課題は、人質事件をでっち上げ、企業の幹部社員のストレス耐性を試す役割をことだった。

しかし、その面接自体にも大きな裏が隠されており、という話。

採用面接編、それに続く2つの章で成り立っているが、とにかく第2部の展開、及び第三部への突入の仕方が半端じゃないです。

グロテスク描写が薄まり、コメディー色が強まっているが、サスペンスとしてはいずれにしても一級品です。

最後のオチが余り好みではなかったので星を1つ減らしましたが、ルメートル氏の才能は驚くばかり。

ルメートル作品が初めての方にもお勧めです。
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