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モンマルトルのメグレ
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モンマルトルのメグレの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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メグレが活躍する本を結構読んだが、本作が一番面白かったな。パリの怪しい夜の雰囲気が良く描かれていて、物語に引き込まれた。年若いラポワントの純情、うう、悲しい。。 | ||||
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白亜のサクレクール寺院、画架を立て客の似顔絵を描いて生計を得る貧しい画家の群がるテルトレ広場は、確かにモンマルトルの昼間の顔だ。だがここ夜の18区は、パリ有数の歓楽街であり犯罪多発の地域でもある。この地の素顔をもっともよく知るシムノンは、どんな物語を届けてくれたのだろうか。 みぞれ降る深夜、キャバレー<ピクラッツ>のヌード・ダンサー、アルレットが署を訪れた。「二人ずれの客が、今日さる伯爵夫人を襲い所持する宝石を奪うという密談をやっていた。一人はオスカルといった」と訴え出た。彼女は素面ではなかったし、空をつかむ話だったため署では話半分に聞き置き、彼女を本庁司法警察局に回送した。翌朝本庁での聴取になると、なぜか彼女は一転昨夜はへべれけに酔っていたからよく覚えていないと供述を後退させた。だが帰宅した彼女は絞殺され、近隣に住む通称伯爵夫人も死体となって発見された。メグレは急きょキャバレー<ピクラッツ>に陣取り、捜査を開始する。 モンマルトルの夜の世界に生きる人々は、各人それぞれに不幸な転落の過去を背負っている。そして金と愛欲、酒と薬物の渦の中でもがいている。殺された若い踊り子にも、更生を熱心に説得する恋人がいた。(メグレの若い部下、ラポワント刑事だった。)新たな人生を夢見て、彼女は執拗な「オスカル」の手を逃れようとしたのだが、かなわなかった・・・ かっての南仏でのぜいたくな暮らしから転落し酒と薬におぼれる「伯爵夫人」、年若い夫を失うのを恐れ、男の浮気に耐えるキャバレー支配人の妻、自身薬中の町医者、男色の若者・・・それぞれがリアルに描写されている。が、肝心のオスカルの人間像が明確でない。 さて本作では、常に鬱屈を抱える所轄の「不愛想なロニョン刑事」が登場する。事件には本省のメグレ一派が出張ってくるため、陽の当たる役割が与えられず、常に地味な張り込みに回される。事件解決後もメグレは彼の任務を解くのをすっかり忘れてしまい、ロニョンは命じられた現場に立ち尽くし寒さに震えている。 若いラポワント刑事はその夜、彼の初恋と決別し、犯人を射殺するという初めての経験をした。キャバレーのステージには、アルレットに代わって新たな踊り子がたっている。不慣れなしぐさにお客はどっと笑った。メグレはラポワントも笑っているものと思って、ふと刑事の顔を見やり、彼の頬を伝う滂沱たる涙を見た・・・ 私の大好きな作品の一つ。皆さんもどうぞ。 | ||||
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パリのキャバレーの踊り子が殺人の計画を聞いたと警察に情報提供にくるが・・・というお話。 今回もいつもと変わらず、無駄のないきびきびとした展開で話が転がっていく作品。これまたいつもと同じように登場人物が端役に至るまで記憶に残る印象深いキャラクター造形をしており、流石だと思いました。それと、いつも冷酷非情に犯罪者を追い詰めるメグレですが、今回の最後に示す部下への思いやりに泣けました。こういう情緒的な部分も本作の読み処になっております。 昔、ミステリマガジンでシムノン追悼号を作った時、識者が四人メグレ物ベスト5を選んでいましたが、四人でかぶっていたのが唯一この作品だったと記憶があります。違っていたらすいません。まだ全部読んでいませんが私も今の所ベストかも。機会があったら是非。 | ||||
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