紺碧海岸のメグレ
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まず、タイトルに興味を持ちました。 どんな小説なのか。 そして、紺碧海岸とは、コートダジュールのこと。 メグレとは、メグレ警視(男性)のことと知り、 物語の世界にひきこまれました。 なんともせつないような、哀愁ただよう情景。 遠い昔に行った南仏を思い出しました。 確かにありました。 モナコ王宮の路地をちょっと入ったところに、こんな酒場が。 女主人が一人で切り盛りしている、 ピンボールマシーンが置いてある、穴倉のような酒場。 単なる推理小説、というよりも、 人生について、そして人生の裏側について、 考えさせられました。 | ||||
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カンヌからニース、モンテカルロを経て、イタリア国境に達する風光明媚な 南仏海岸線は紺碧海岸と呼ばれ、誰もの憧れにの地である。(カンヌ西方の サン・トロペに戦後F.サガンなど若い世代が好んで押しかけ、ここも人気 スポットとなっている)海岸線に沿って高級ホテルとブティックが立ち並び、 豪華パーティ・オペラ・ダンス・ナイトクラブ・クルージング・ルーレット・ バカラが昼夜繰り広げられる。 むかし勢いのあった西武・セゾングループがインターコンチ・ホテルチェーンを買収し、 その縁で傘下にあったニースのリッツ・インターコンチネンタルに投宿する 機会があった。だがニースといいカンヌといい見るからにお金持ちらしい男女が あふれていて、自分たち貧乏人サラリーマンが来るところではないなと感じた。 今回メグレが捜査する被害者はオーストラリア事業家。羊毛業で成功を収め所用で欧州に 滞在するうちコート・ダジュールの魅力に取りつかれオーストラリアと羊毛が いやになる。豪華ヨットや別荘を購入し酒色の生活に入り浸るが、本国側も企業防衛策を とった結果、彼の生活は没落しニース裏街の小さな酒場(リバーティ・バー)に 最期の安らぎの地を見出す・・・・(馬車馬のように働いてきた人間誰しも現在の生活を 投げ捨てて別の人生を生きてみたいという欲求が潜んでいる。松本清張の「駅路」、モームの 「月と六ペンス」が連想される) 時は三月。早春でうす寒いパリから冬服でやって来たメグレは、さんさんと降り注ぐ 紺碧海岸の陽光とビーチに群れる水着姿の人々に面食らいながら、暗い路地裏の酒場に 繰り広げられる人間模様に分け入っていく。華やかな観光街と裏の世界、勤勉な プロテスタント新教国・豪州国人と南欧人の労働倫理の対比などが興味深い。 零落した男がやっと見出した安息の地、自分を愛してくれる男にやっと巡り合えたと 考えた酒場のマダム。だが不幸が訪れる。そして粋なメグレの裁定と計らい。 人間通シムノンが描く人間模様そしてまばゆいコート・ダジュールの雰囲気いっぱい の傑作である。 | ||||
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原題は ”Liberty Bar”。1936年に直訳タイトル『自由酒場』で出版されて以来の幻のメグレものとして、シムノン・ファンには知られた作品だ。まあ、原書や英訳本を読める人には幻でもなんでもなく、自分も日本語で再読、ということなのだが。 冒頭のまぶしく祭的な雰囲気の南仏で殺された、メグレが自分との共通点を感じる被害者。その被害者が送っていた密かな二重生活、そのなんとも薄汚れた側が原題の自由酒場であり、さらに被害者の過去が明らかになると強烈な三重対比が見えてくる。 ただし、この邦題はいかがなものか。「紺碧海岸」とは訳者あとがきにもあるとおり南仏コートダジュールの直訳だが、そんなに知られた言葉なのだろうか。また、原題に “Maigret” が付かない初期作品まで「メグレ」を邦題に入れるのは、河出書房の50巻メグレ・シリーズでは統一性を持たせる意味があったが、論創社までそれに倣う必要はなかっただろう。 | ||||
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国会図書館に行かなければ読めなかった伝説のリバティ・バー、ついに名前を変えて復刊しました。DVDは見たけれど、原作とストーリーが違う場合もあるので、ぜひ読みたかった。原著に忠実な訳とのことで、初期のメグレの味わい深い情景描写が楽しめました。 | ||||
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