七人目の陪審員
- 法廷ミステリ (212)
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
忘れられていたフランス・ミステリーの古典(1958年作)の本邦初訳。フランスでは映画化やテレビドラマ化され、人気があった作品とのこと。最初から犯人が分かっているので謎解きミステリーではない。かといって、検察と弁護側の丁々発止のやり取りがある法廷劇でもない。一言で言えば、風刺ミステリーである。 | ||||
| ||||
|
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公の様々な面での人間性が興味深く描かれた心理小説です。罪の意識の無い主人公に驚嘆する一方、被告の冤罪を晴らそうと奮闘する姿はとてもユーモラスであり、町の人々を観察する冷めた視線はアイロニックです。 惜しいのはエンディングが想定内のもので、ひねりきれていないこと。最後に驚きの仕掛けが欲しかったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公の独善的で、想像もつかない行動に、愕然としながら読み進めました。 タイトル、そして、帯書きから本作は「法廷ミステリ」と示されています。ただ、法廷シーンは本作の大切な部分ではあるものの、弁護側、検察側の攻防よりも、ただひたすら、主人公の思考、言動を軸に展開されていきます。 本作の主人公グレゴワールは、フランスのある街で薬局を経営しています。妻との間にちょっとした諍いはあったりするものの、おおむね順調な生活を送っています。 それにもかかわらず、グレゴワールは一時の気の迷いで、若い女性を殺めてしまいます。あまりに突然の展開に、グレゴワールが何故このような事件を起こしたか、ということよりも、彼の恐ろしいまでの短絡さと、衝動を抑えられない性分に驚かされました。 グレゴワールは、自ら起こした事件の疑いをかけられることなく、被害者の恋人の男性が捕らえられます。 本作の発表は1958年ですが、おそらく作品の時代背景も、発表と同時期かと思われます(実際、作品冒頭の街の様子の説明にテレビ、洗濯機、イルミネーションといった言葉が出てきます)。ですので、現在のレベルには至らないにしても、それなりの捜査手法があってもおかしくないとは思いますが、真犯人のグレゴワールは全く捜査の対象とならず、いともあっさりと別人が逮捕されてしまうわけです。 さらには、この事件の陪審員にグレゴワールが選任されます。別人の逮捕や、グレゴワールの陪審員の選任といったあたり、ロジックもなにもあったものではありませんが、本作のストーリーの主軸はグレゴワールの独りよがりで、錯乱したともいえる思考、言動そのものと思うにつれて、ロジックどうこうは、あまり気にならなくなってしまいました。それよりも、グレゴワールが、この先に一体どのような言動をとり、彼自身の行く末がどうなるのか、まったく想定がつかず、ストーリの展開にどんどんと引き込まれていきました。 ラストシーンでは、グレゴワールの狂気が行くところまでいってしまった、そんな思いになりました。非常に印象的な、さらには恐怖をかきたてる「落とし方」だったと思います。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 2件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|