メグレと老婦人
- 毒殺 (157)
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ジョルジュ・シムノンのメグレ警視シリーズは、実に100篇以上も書かれている。今わが国で簡単に手に入るのは、創元推理文庫版の『男の首 黄色い犬』。この2篇はまぎれもない傑作だが、あとはまあそこそこの出来栄え。日本でいえば西村京太郎の十津川警部シリーズのような感じで、「ファンの人はどうぞ」といった世界だろう。 本書は1950年に書かれた長篇で、日本に紹介されたのは約10年後。ハヤカワ・ミステリ文庫に収められたのは76年のことである。わたしが読んだのは2000年発行の5刷で、表紙はここに載っているような古いものではなく、河村要助氏の“ヘタウマ”なイラストだ。ちなみに、メグレものには『メグレと老婦人の謎』(河出書房新社)という70年に書かれた作品もあって紛らわしいが、別物である。 さて、本書。エトルタというノルマンディー地方の小さな町が舞台だ。ここである老婦人のメイドが毒殺されるのだが、そもそもその毒入りグラスを飲むはずだったのは、老婦人のほうであった。と、ミステリにはありがちな導入で始まる。霧に包まれた港町の描写など雰囲気は満点だが、物語としての陰翳のようなものは正直うーん…。例えば、似たような設定のクリスティーの『鏡は横にひび割れて』に比べてみても、ドラマの奥行きは乏しい。 日影丈吉氏の訳は、ちょっと読みにくいところもあるけれど、これはこれで「味」だろう。メグレのイメージは、わたしの頭の中では完全にジャン・ギャバンだった。昔、リバイバルでギャバン主演のメグレ警視作品(『サン・フィアクル殺人事件』と『殺人鬼に罠をかけろ』)を観て以来、メグレといえばこの名優でずっと定着している。 | ||||
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ジョルジュ・シムノンのメグレ警視シリーズは、実に100篇以上も書かれている。今わが国で簡単に手に入るのは、創元推理文庫版の『男の首 黄色い犬』。この2篇はまぎれもない傑作だが、あとはまあそこそこの出来栄え。日本でいえば西村京太郎の十津川警部シリーズのような感じで、「ファンの人はどうぞ」といった世界だろう。 本書は1950年に書かれた長篇で、日本に紹介されたのは1961年のことである。ちなみに、メグレものには『メグレと老婦人の謎』(河出書房新社)という70年に書かれた作品もあって紛らわしいが、別物だ。 さて、本書。エトルタというノルマンディー地方の小さな町が舞台だ。ここである老婦人のメイドが毒殺されるのだが、そもそもその毒入りグラスを飲むはずだったのは、老婦人のほうであった。と、ミステリにはありがちな導入で始まる。霧に包まれた港町の描写など雰囲気は満点だが、物語としての陰翳のようなものは正直うーん…。例えば、似たような設定のクリスティーの『鏡は横にひび割れて』に比べてみても、ドラマの奥行きは乏しい。 日影丈吉氏の訳は、ちょっと読みにくいところもあるけれど、これはこれで「味」だろう。メグレのイメージは、わたしの頭の中では完全にジャン・ギャバンだった。昔、リバイバルでギャバン主演のメグレ警視作品(『サン・フィアクル殺人事件』と『殺人鬼に罠をかけろ』)を観て以来、メグレといえばこの名優でずっと定着している。 | ||||
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