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蒼穹のかなたへの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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英国が生んだ‘稀代の語り部’、ロバート・ゴダードの長編第4作。デビュー作『千尋の闇』で早々とベストセラー作家の仲間入りをして、第2作『リオノーラの肖像』を当時のメージャー英首相が愛読していると報じられ、話題を呼んだ。 本書も高い評価を受け、日本でも’97年、「このミステリーがすごい!」海外編第6位にランクインしている。 身に覚えのない罪で会社を追われ、ギリシャのロードス島で別荘の番人として酒に溺れながら暮らす、世を拗ねた53才の男、ハリーが主人公である。 別荘を訪れ、彼と親しくなった若い女性ヘザーが、ある日突然失踪する。殺人の疑いまでかけられたハリーは、9年ぶりに祖国イギリスに戻り、ヘザーが残した写真を手がかりに、かつて彼女が姉の死の謎を探るために通り過ぎた道を辿りながら、行方を追う。やがて彼は、自分が大きな陰謀に巻き込まれたことに気づくのである。 上巻でのハリーの地道なヘザー探索行から引き続いて、下巻ではさらに舞台と局面がめまぐるしく変わっていく。それはさながらロールプレイング・ゲームのようで、ハリーもその度に自己回復のレベルアップを重ねてゆく。 ハリーの探索行(捜査と言ってもいいだろう)によって、ゴダードの小説の特長である、複雑な入れ子構造のように幾重にも重ねられた謎が、ベールを剥ぐように明らかにされてゆく。その展開は鮮やかであり、そしてすべての謎が解けた時、ハリーは・・・。 本書はイギリスで’90年に発表されながら、邦訳は’97年と、7年の歳月を要している。初期のゴダード作品はこのように日本では不遇をかこっていたが、本書の成功によってようやくストレートにゴダードが評価されるようになった。そういう意味でも本書は記念碑的な作品である。 | ||||
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