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朱鳥の陵



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【この小説が収録されている参考書籍】
朱鳥の陵
朱鳥の陵 (集英社文庫)

朱鳥の陵の評価: 4.50/5点 レビュー 20件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全18件 1~18 1/1ページ
No.18:
(5pt)

古代史が身近な物に

朱鳥の陵 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:朱鳥の陵 (集英社文庫)より
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No.17:
(4pt)

万葉時代の空気が感じられる

1)万葉時代の世界を表現するために上代語が多用されており、独特の雰囲気を醸し出しています。ただし、そのデメリットとしてルビが多く視覚的に煩わしいこと、会話が不自然になることがあること、現代文で描かれた情景描写などとの間にギャップが感じられることなどが挙げられますが、読み進んでいく上でそれほど支障にはなりません。

2)物語の設定上、三人称の地の文が突然一人称に変わって最初は戸惑うこともありますが、こちらも読んでいくうちにすぐに慣れてきます。

3)親族関係が非常に複雑なので、天皇家の詳細な家系図を参照しながら読まないと人間関係が混乱しがちですが、私の購入した電子版には残念ながら系図が載っていません。そこで滝波貞子著「持統天皇」(中公新書)を参考にしながら読みました。登場人物をより明確にイメージしたければ、中村真理子著「天智と天武」(小学館)という漫画を読んでおくという手もありますが、こちらはいっそう大胆なフィクションですので、史実とかなりのズレがあるのに注意が必要です。
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No.16:
(5pt)

この時代の小説が読みたかった。

額田王の人柄や生き様がよくわかる小説でした。
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No.15:
(4pt)

結局ホラー?

歴史が大好きで女流作家の作品を探していてヒットしたので買ってみました。
私には少し読みづらかったです。なんと言ってもルビ(よみがな)が多過ぎて閉口(-_-)。歴史は好きなので、その時代の天皇の系図や人物名や官職名などが出てきても全く抵抗はないのですが、それでも読みづらかったのはひとえにルビの多さのせい。この時代の言葉(表現)であらわしたい作者の意図なのかそれとも作者のくせなのか(他の作品を読んでないので分かりません)。表現に対する作者のこだわりと私は思ったので、ライトな表現の作品よりはよい印象を待ちました。また慣れてきたらルビもだいぶ気にならなくなりました。

内容は(少しネタバレになっちゃいます)

結局ホラー・・・というか、歴史小説の形をとったホラー小説かと(笑)。最後はぞわぞわしました。そうくるかー!というどんでん返し感です。主人公(持統天皇でないほうの)が不幸な終わり方になってしまったのが相当重たかったです。
持統天皇は古代の女傑で、いろんな作家さんのいろんな持統天皇像がありますが、これは相当に「女」の嫌な面を押し出した作品だと思います。女性の天皇が男性の天皇の中継ぎとしてしか存在できなかった時代に、男性の天皇と同じ意味での天皇になった原動力はでも彼女の「女」の部分だったのは皮肉というかなんというか。女であることの業みたいなものを考えさせられて、これまた複雑な気持ちになりました。
男性と女性では感想が大きく異なるかも知れません。また男女に関係なく、人を選ぶ作品と思います。この作者さんは調べたらいろいろあった方のようで、彼女の人となりを知りたくなりました。ただ、他の作品を読もうとまでは思いません(笑)。読後の重さというかじめじめ感というか、をこれ以上持ちたくないので。
一応フォローしますが褒めてます(^^ゞ 年を取って重たい作品がしんどくなってきたのですが、こんな考えさせられる作品に出会ったのはよかったです。また時間を置いて再読してみます。
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No.14:
(5pt)

あっぱれな本❗

最初は登場人物が誰の事やら、何天皇の事やら分かりにくく苦労しましたが、皇族の系図を作り読み進めたので分かりやすくなり、どんどん引き込まれて行きました。
讚良皇女の人物像がまるで史実を見ているようでとにかく怖く恐ろしくて面白かったです。
最後の「春過ぎて~」の歌の意味と稗田阿礼には驚愕でした。
作者の頭の良さにはひたすら感心。
読みごたえのあるあっぱれな小説でした。
一生忘れ得ぬ本になりそうです。
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No.13:
(5pt)

万葉の愛好家には最高に面白い

歴史プラスミステリーの面白さで一気に読んでしまった。
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No.12:
(4pt)

使用感のあるなし

少々印刷文字が黄ばんではいますが読むのに全く支障はなく読んでいます。
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No.11:
(4pt)

こういう見方も出来るのですね

「天上の虹」とは全く違った視点で書かれた持統天皇像でした。
細かい部分で、ツッコミどころもあった(斉明陵は牽牛子塚古墳でしょ、とか)のが少し残念でした。
飛鳥に住んでおりますので、リアリティーを感じながら久しぶりにワクワクした読書が出来ました。
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No.10:
(4pt)

良い本に巡り合いました!

最初は『吾・汝・夫』等、違和感を少々感じながらも読んでいましたが、気が付くと全く気にならずに読み続けていました。
最後まで読み終えた時の感覚!ウワァー!!!としか表現ができない。
できれば、里中真智子さんに漫画化していただきたい。
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No.9:
(5pt)

怖い

途中までどうなるのかなと思うと後半で一気に進みます。作者特有の面白さがありますね。かなり怖いです。
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No.8:
(5pt)

すばらしい!!

持統天皇の時代の人びとがすべて血と肉をもつ人間となってまぶたに浮かんできた。天武天皇、藤原不比等、稗田阿礼、高市皇子、柿本人麻呂・・・昔、勉強した日本史の人びとが。所々に見られるエロティックな描写はおそらくイタリア暮らしの賜物であろう。後半は息をもつかせぬほどの展開を見せる。持統天皇の有名なあの歌が、初夏のさわやかな景色から一転!! 主人公の白妙のように、作者は命を削って書いたのだと思った。作者の早逝を惜しむ。
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No.7:
(5pt)

比較

里中満智子先生の「天上の虹」でこの時代に興味を持つようになりました。登場人物が魅力的に描かれていて大満足です。
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No.6:
(5pt)

新品同様

叔母に文庫本を買ってきてくれと頼まれたのだが、文字が小さいので単行本を探した。中古ということに不安があったが、全く新品同様でとても綺麗でした。叔母も大喜びで読んでいます。ありがとうございました。
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No.5:
(5pt)

楽しみ方が自由な作品(私は学習目的)

私は奈良の歴史をストーリー立てで理解したかったため購入しました。

私は現代作家に疎く、一年前に坂東氏が亡くなられていたことを読んでいる途中で知りました。
一周忌に合せての文庫化だったそうです。
作品は「小説みすず」2010年10月~11年8月号の連載が元ですから、まさに病気が発覚する前で、
結果的に命を削って書き上げた作品だったと思われます。
巻末後書きには、連載中に起こった震災と原発事故に関する作者の考えが述べられています。
ストレスを溜めておられたのがよく分ります。(内容については意見の分かれるところですが。)

「夢解売(女)」という、SF的要素は好みではありませんが、作者の構成力と表現力の巧みさには
驚きました。
人の意識に滑り込んだり戻ったりと、時代をも飛んで展開されていきます。
その切り替わりの場面では、巧みな文章で読者もろとも誘い込む力があり、作者の実力が存分に
発揮されていると感じました。
(この部分には、ある発見の楽しみも込めてくれているようです。)

作中の人間関係は複雑さを極めます。ただし、主要な人物以外は部分的に触れられる程度です。
私は勉強が主目的であったため、ネット検索を繰り返し、丁寧に関係図を描きました。
多くの人物をまんべんなく登場させ、群像劇を描きだすのに成功していることがよく分りました。
また、作者の創造部分を洗い出すことにもなり、作品をより一層楽しむことができました。
(重要ではない死亡者に、作者の意図的な架空人物があるようです。その意図は掴めていませんが。)

地理感覚も大切です。飛鳥、泊瀬(現桜井市)、吉野といった地域や、三輪山、二上山、大和三山など、
基本的な位置関係を理解しておくと良いと思います。

大和読みをルビで徹底させている点は、私としては好感を持っています。
その時代の雰囲気を壊さず、それでいて誰でもスムーズに読み下せるよう、行き届いた配慮と思います。
呼称や色の表現にも細かく気を遣われており、不明確な古代ゆえに具体的描写がしにくいにもかかわらず、
読者に時代感覚を十分味わわせてくれます。

返すがえすも、作者がお亡くなりになられていたことは残念です。
感謝の気持ちを持って、しっかりと読ませていただきました。合掌。
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No.4:
(5pt)

遠い遠い昔、倭の国の深い闇の中に息づいていた女帝の実像

傑作「傀儡」でいきいきと踊り念仏を踊る民衆の姿、それと裏腹に魑魅魍魎うごめく鎌倉時代の闇の世界をコントラスト鮮やかに活写した作者ならでは、今回は古代日本、天智・天武天皇の活躍した時代、厚いベールに覆われた時代の隠れた中心人物である女帝・持統天皇の恐るべき実像を、夢解き女白妙の目を通して描く。去年くらいに橋本治さんの「日本の女帝の物語」を読んで、強烈に面白かったこの時代、橋本さんの考察では自ら口を開くことのなかった女帝やあまたの皇子、皇女たちが、小説という場を与えられ、血の通った人間として、数奇な物語を語りだす。「なぜ持統天皇は即位したのか」。慣れぬ古語を我慢してページを繰るうちに、やがてじょじょに明らかになる女帝の恐るべき真実。しかし、「自分が立たねばこの国は滅びる」という強い危機感・責任感、「そのためには大切な人が犠牲になっても仕方が無い」「そのためには自分はどう思われてもいい」という哀しみ・非情さの両方を背負う女帝の深い孤独感をも感じさせる。それとは対照的に、ただひたすら哀れなのは語り部白妙の運命。大げさな言葉や表現は一切なく、淡々と水彩画のように描かれる物語の中から、血塗られた惨劇を垣間見ればゾワゾワした気持ち悪さを感じます。後半たたみかける展開に、どんどん引き込まれるでしょう。
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No.3:
(5pt)

持統天皇

天武天皇をはじめとして、その周りに起こる不審な死の謎に迫ります。
更には、持統天皇の有名な「春過ぎて 夏来たるらし 白妙の 衣干したり 天の香具山」の歌の真に意味することを語ります。
歴史小説として、様々な要素を見事に結びつけることに成功しており、その上で「謎」を解明しています。
そして、物語の裏にはどろどろとした「女」がいます。
このあたりは、坂東眞砂子の世界です。
全体的に、非常に楽しい小説に仕上がっています。
ただ、「やまとことば」にかなり固執した表現形態をとっているため、やや読みにくいきらいがあります。
慣れれば問題ありませんが、そこがやや気になりました。
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No.2:
(5pt)

良書読むに難し〜歴史×ミステリーの描く女達の業

本書を読み始めたときは、多くの読者はビックリするだろう「これって、古文?」
別に古文ではないのだが、多くの単語に大和言葉の読みをルビで示し、多くの人物の相関関係を断片的に示す描写には、その時点で「ごめんなさい」と本を閉じる方もいるのではないだろうか。

50頁過ぎにようやく纏まった人物紹介があるが、この時代背景に詳しくない方は、蘇我氏〜平城京遷都くらいまでの簡単な歴史の流れを抑えるか、持統天皇を中心とした家系図を手元において読むことをお勧めする。僕は後者にしたが、大王・蘇我・中臣の何重にも絡み合ったツナガリを如何に作者が巧妙に作品に活かしているかがよく分かった。

本書は、amazonの紹介文の通り、「夢を読み解く力を持った白妙が、時の太上天皇讃良、後の持統天皇の心の中に飲み込まれていく。強大な権力を手中に収め、愛するものを次々と葬って来た持統天皇の真実に迫る歴史長編」
だが、敢えて言えば、歴史小説としての仮説を巧みに活かした群像劇も、夢解き女を探偵に犯人どころか事件が何かも分からぬところから始まるミステリーとしてのスリリングさも、それは本書の本質ではないと思う。

持統天皇=賛良=太上天皇のオンナとしての業にこそ、本書が最も読者を揺さぶるものがあるのではないだろうか。

むろん、登場人物の過去やその後を学んで、すさまじい群像劇を深追いするのもいいし、一切の資料を持たずに白妙と同じミステリー探偵として最後までドキドキするのも悪くない。

読み応えのある一冊だが、一度で止めずに 繰り返し読むことで更に感じるところがあるように思う。
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No.1:
(5pt)

面白い! しかも小説としての価値に止まらない、瞠目すべき書

わたしはこのところ古代史に関心があり、あまり小説というものを読むことはない。坂東真砂子氏のものは「山妣」「曼荼羅道」が印象的で、それ以外は掌編を読んだ程度だ。
しかし、この「朱鳥の陵」には一読して、なおも興奮醒めやらず、こうしてレビューを書いている。面白い! そして小説としての価値に止まらない、瞠目すべき書である。

古代史の本、とくにアカデミックな学者のものは、概ね鳥瞰的・客観的な視点からのものが多い。もちろん、それは必要な視点だが、こぼれ落ちているものもまた、多いはずだ。小説のかたちをとると、当事者の視点が中心となるため、思いもよらぬ見地が炙りだされるる可能性がある。

古代史を舞台にした小説としては黒岩重吾氏のものが先駆的だが、坂東氏の「朱鳥の陵」には夢を読み解く職能者を登場させるという果敢な試みにおいて出色だ。心理描写、人間描写の卓越さのみならず、古代において人々を支配していた想念――現代でも人々の心の底に眠っていると思われる?――を縦横無尽に駆使して圧巻。坂東氏の力量には心底、脱帽した。それでいて、歴史的事実を細部にわたりきちんと踏まえている。
普段、小説を読まない歴史愛好家にもお勧めしたい。

ただし、著者に要望したいことがあります。

本作の着想に大きな、それも出発点というべき?インスピレーションを与えたものとして民間の民俗学者・吉野裕子「持統天皇」があったと推察される。吉野氏の著作は、巻末に参考文献に見出されはするものの、他の文献のなかに埋もれるようにあるにすぎない。
もちろん、これを作品に仕立て上げた著者には感服するが、一方、故・吉野氏にたいし、もうすこし配慮があってもよかったと思われる。参考文献のなかでも特記するとか。

あるいは、作品の形態が小説だと、この程度で済ますのが常識なのだろうか…。
それでは吉野氏が可哀そうだ。

注文ついでに編集者へ:読み進めているうちに、なんか妙な感じだと気付き、よく見るとやや右肩上がりの斜字体になっていました。たしかに毛筆の場合、やや右肩上がりなるので、それに倣ったのかもしれません。工夫したのでしょうが、個人的な印象ながら、読みにくいと感じました。やはり活字は活字、独自の文化なのではないでしょうか。香気あふれる文体を損なっているように思いました。

【追記】古代史ファンでも古代天皇をめぐる人間関係、特に婚姻関係はこんがらかります。わたしは「天智と持統」(遠山美都男、講談社現代新書)を傍らにおいて本書を読みました。ご参考まで。
朱鳥の陵 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:朱鳥の陵 (集英社文庫)より
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