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夢を与える
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夢を与えるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.28pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全40件 21~40 2/2ページ
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「インストール」、「蹴りたい背中」、そして本作を読み比べると、文章力は着実に身についているのだと思う。 ただ、前作までにあった、綿矢りさ独特の言い回しというか、若さと感受性あふれる表現がなりをひそめた感があってつまらない。 よく言えば丁寧。悪く言うと淡々。 綿矢りさってこんな作家だったっけ?と思った。 本作は話的にも好きになれないから、私は次回作に期待。 | ||||
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読んでまず感じたのが、 なぜ筆者が受賞後、最も注目される第一作にこの物語を描いたかということ。 この作品は、”蹴りたい背中”とも”インストール”とも毛色が違う。 とすると、筆者にはこの作品を書くべき理由があったと思う。 うがった見方をすれば、 一躍、文壇のアイドル作家として祭り上げられた自分の境遇を、 昨今のアイドル女優のそれと重ね合わせていたのかもしれないし、 逆に、そんな境遇を冷ややかに見ていた結果なのかもしれない。 それと、大衆に消費されるアイドル女優に対して、 自分は、それとは違うぞという決意なのかもしれない。 作品は、所々にドキっとする表現が散りばめられていて、 その非凡な才能を存分に堪能することが出来ます。 ただ、壊れていく主人公を通して、筆者が何を伝えたかったのか? 題の「夢を与える」とは何っだたのか? ということが、伝えきれていない気がして、少しばかり気になりました。 本を離れて考えてみると、 横綱と別れて激やせした人や、某大学を中退して奇行に走った人、 昨今では、生意気発言をして、総バッシングに合う人などいろいろありますね。 日本のアイドル女優は確かにいろいろ大変です。 | ||||
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01年に17歳で「インストール」を発表し話題をさらったものの、3年前に「蹴りたい背中」を読んだ時は綿矢りさはもう終わったなと正直おもった。今作も注目度が高く話題性があったがあまり気乗りせずに読んでみた。まったく内容を知らないで読んだので新人アイドルものとは驚かされた。3作目ということと著者が触れ易い芸能界が舞台と言うこともあり詳細まで良く描かれていた。しかし終了間際のスキャンダルシーンからのテンションの失速、あいかわらずな後味のしないラストシーンは残念きまわりない。次作も話題にあがるのだろうが、さらなる努力を期待する。 | ||||
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著者の芥川賞受賞後の初めての作品で、前作から長い時間を経てからの作品であったので、非常に期待していました。しかし、内容は非常に薄っぺらく、期待はずれに終わりました。 実はこの本を読むのにひと月以上の時間がかかりまして、つまり作品にのめり込んでしまうことが少なかったのですね。特に、物語の中盤位まではチャイドルの成長過程だけが書いてあり、面白みが感じられませんでした。 後半部分で、主人公が堕ちていく内容になっており、期待を込めて読みましたが、単にチャイドルが堕落していく三流小説の匂いがしただけでした。 | ||||
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綿矢さんの作品は初めてですが、う〜ん、次は今のところ無いかな。 主人公に共感できない、人物が描かれていない等の評価が多いように思いますが、私もその通りだと思う。要は主人公のこの世界で生きてゆこうという意志(若いから周りに流せてしまうといえばそれまでですが)の強さが感じられないから、感情移入が出来ないまま、後半になってしまい、だから何なのという結論に落ち着いてしまうのだと思います。 重い結末だったり、救いが無い結末はよくありますが、それも主人公に感情移入が出来てこそ生かされるものだと思います。目指すは桐野さんかな? | ||||
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「夢を与える」というタイトルと、新聞に載っていた書評から、「人に夢を与えたい」「夢をたくさん貰った」 などという言葉を簡単に使ってしまう現代への警鐘、みたいなものがテーマになっているのかと思い、興味を持ちましたが、 どうもそこはあんまり掘り下げられてはいなかったのが残念です。 何より、主人公がその言葉を、最初は疑問を抱きながらも、結局は「私じゃなくて夕子というキャラクターが喋っているんだから」 なんて理由付けて、わかったような気になって使っているのにはがっかりでした。 文章表現は秀逸だと思いました。作者の年齢を考えると、鳥肌が立ちそうなほど。 (読みながら、ついつい作者の年齢を考えてしまいました。作品だけを純粋に読まなくては失礼だと思うのに) でも、何だろう。キャラに魅力を感じなかったです。 主人公の夕子は、純粋に応援するにはさめていて、だからといって頭がよく、芸能界の汚い部分を 逆手に取るわけでもない。 最初はまっすぐに育ってほしいと、読んでいて願いましたが、なんだか計算夕子も見えてきて、 一歩置いてキャラを見るようになってしまい、最後の方は自分を取り巻く人々や状況も掴めないほど、 良く言えば一途、悪く言えば傲慢、ただのお馬鹿ちゃんに。 最後に夕子が受けた仕打ちはありきたりで、陳腐な印象を受けつつも、痛くて読むのがつらかった。 作者は、こんな読後感を、読者に与えたくて書いたのかな?と、なんだか切なかったです。 読んだ後のこの本の感想は、「芸能界、やっぱり怖いね。普通がいいよね、やっぱり」 ぐらいのことしか浮かびませんでした。 | ||||
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受賞してから、ずいぶん長いこと待って、やっと出てきた本作。 率直に言うと、インストール以降は作品を書くごとに落ちていくな、という印象でした。 今回は、ストーリーの展開でみせるというより、作中人物をじっくりみせたいのだと思いました。たしかに今までとは描き方が変わって、人物描写を「頑張っているなぁ」と感じます。 そういう意味で、やりたいことは分かる気がするんですが・・・。 ただ、まだまだだな、と思います。 まだ伝え切れていない部分が多いかな、と。 もっとそれぞれを魅力的に書くことはできるのでは?魅力的、という点では、前作、前々作の方が勝っています。 でも、綿矢りさはまだ若い作家ですから、これはこれで過渡期の作品として見るとして。 芥川賞受賞後、初の作品に著者自身を重ねたものを持ってきて、さらにこれが新しいことをしようという跡が見られるものとなると、やっぱり次回作への期待が高まりますね。 | ||||
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彼女自身がどこかの紙媒体のインタビューで、本書『夢を与える』の前に書き上げた作品が 世間に出せるような水準に達しなかったから、お蔵入りにしたという話をしていた。 それを考えると、本作のどこかに綿矢りさがやりたっかったことが埋め込まれているのだと思う。 ただ、それが過去2作品を書いた綿矢りさとは似ても似つかない新しい彼女のイメージをつくってしまったため、 この本を読み終えて、私はしばらく黙り込んでしまった。 けれど、23才にしてこの確信犯的で壮大な挑戦をした彼女を、 私はただ黙して待ちたいと思う。 ただし、これだけの期待を抱かせたのだから、次回作では「やっぱりな。」と唸らせて欲しい。 | ||||
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一夜にして日本中から注目される人物になった 綿谷りさ自身のシンデレラストーリーを投影させたかのような作品でした。 驚くべきことに、これまでの2作とは文体がまったく違います。 自らの経験を交え、身を削るように書いたであろうことを想像すると痛々しく、 そして新しいジャンルに挑戦した彼女の逞しさも感じられる意欲作です。 しかし主人公の苦しみや孤独がうまく描き切れておらず、 かわいいアイドルであるはずの主人公に、読者はまったく心ひかれない。 ファンになり、応援する気になれないから 彼女にタレント生命を脅かす致命的なスキャンダルが発覚しても、 読者は彼女に同情することができない。 そのへんの甘さが残念。 後半は18歳の女の子に味わわせるにはあまりに厳しい展開に・・・。 いくつか気になる点はあっても、 ここまで作家としての幅を広げてきたのには拍手。 次は何を見せてくれるのか楽しみ。 期待の意味も込めて星は3つにとどめておきます。 | ||||
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題材が芸能界やステージママなのに妙にさわやか、というか 登場人物に生々しさが無く、入り込みにくかったです。 淡々としてる分サクサク読めますが、長いわりにはラストはぱっとしなかった。 次回作に期待したいですね。 | ||||
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今までの作品とは異なり、長い時間に亘る物語が描かれる。 いくつもの挿話が登場し、ひとつひとつが丁寧な筆致で述べられ、積み重ねられてゆく。 しかしはっきり言ってその挿話は無駄に多すぎるだけで、人物像を的確に描き出すことには 少しも貢献していない。その結果、この小説で語られる世界は、血が通う生きた人間が 活動する場所ではなくて、全体としてどこか存在感の希薄な幻のようなものになってしまった。 物語の後半、主人公にはある「事件」が起きるのだが、読む者には主人公のそれまでの 十数年にわたる人生の重みがうまく伝わっていないため、事件はその場かぎりの衝撃を もたらすだけで終ってしまい、タイトルの意味が生きてこない。残念である。 読後、とりとめの無さだけが心に残った。全体の出来としては「蹴りたい背中」から かなり後退していると言えそうだ。 作者には、技法的な課題として「全体の構成」と「三人称の文体」という二つが 残されたと思う。それらを解決して十分な成果が生み出されてくるまでには、 もう少し時間が必要であるようだ。次回作に期待したい。 | ||||
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自分はまだ高校生で、綿矢さんともこの本の主人公とも年代が近いこともあり読みました。主人公の成功から失敗までの人生を急スピードで書いているのですが、「さすがにこれはないだろ〜」ってことばっか起きていて、終盤イライラします。 でも、この主人公を反面教師として扱うならアリかなぁという気はしました。 | ||||
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追いかければ追いかけるほど欲しいものが離れていく感じ、そこに固執するあまり、簡単にそこにあったものをなくしてしまう感じが、ひどく醜いのに、とてもわかるような気がしました。 | ||||
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20代の前半で、よくまあここまで書いたと拍手はしてあげたいが、最後の方が、今一つ。芸能人でブレイクして、実際はそんなにあまくはないのではというのが、本音。母親の揺れる気持ちの描写はうまいが、チヤホヤされて、芸タレで容姿に恵まれた女の子の心のゆれ方が今一つだなあと思いました。やはり、そこは芥川賞をとっても、隠しきれない作者の若さゆえか?と思うと年をとるということも悪くはないなと思いました。きっと、これから熟していけば、きっとものすごい作家さんになってくれると思うので、ゆっくり作家生活を送ってほしいなと思いました。 | ||||
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「私は普通の女の子より早く老けるだろう」みたいなことが帯に書いてあって、『愛人 ラ・マン』の「18歳で私は年老いた」のコピーを思い出した。あと気になったのが、日仏ハーフのトーマという人が出てくるがトーマはドイツ人の名前である。 | ||||
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夕子は幼児期から芸能界に関わり続け,高校入学を機にブレイクします。 いわゆる「子役」ものと言うと,山岸涼子「潮の声」(←まじこわい)や杉田かおる「すれっからし」,岡崎京子「リバーズエッジ」などが出版物で思い浮かびますが,この夕子はそれらのおんどろおんどろしいとは一線画す,健康ぶりです。彼女を守るために母親と芸能プロダクションの張り巡らす防護ネットは,上手に機能していました。 まじめに物事を捉える愛らしい少女は,人気者になることで何を得て何を失うのでしょうか? 少女はどれだけ物事が分かっていて,どれほどに分かっていない存在なのでしょうか? 「健康的で,愛らしく,大衆の視線を浴びて成長し,老若男女から愛されている」人物が主人公とあり,どうしても作者の影が強く感じられます。 中にこんな一文がありました。 「向いてはいないけれど、選ばれた。そうつぶやいては虚栄心を自分でくすぐり、自信の糧にした。」 これは厳しいです。こんな認識の下で人生送っていたら,それは苦しいです。 叫べない悲鳴が全編に響いていました。 | ||||
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前作2つと、作風が大きく変わっていて、「へえ」と単純に思いました。 人間が、人生の中で味わう喜び、悲しみ、辛さなどが詰め込まれ、主人公がただひたすらチヤホヤされつづけたり、ただの自分探しだったりという内容ではなくて、安心しました。 しかし、文体というか、作風が、最近流行の、携帯電話小説のようなイメージも抱いてしまいました。恐らく前2作、とくにインストールでの文体のイメージが強すぎたからでしょう。前2作、とくにインストールは、「よくこんなこと思いついたな」と、作品の内容に関心しましたが、今回は、「よくこれだけの量を書けたな」という思いが強かったです。 インストールは何度か読み直ししましたが、多分この作品に関しては読み直しはしないだろうと思います。それは駄作、という意味ではなく、1度で理解できるというか、そういう作品だと思ったからです。 作中でも、主人公がネットで中傷される、というような内容がありました。もしかしたらこういうレビューもそういったものになるかもしれません。 ただ、私は、単純に綿矢氏の作品が好きで、好きだからこそ、こういう感想も持ちました。 文句を言うくらいならレビューなんて書くな、そもそもお前にこの文章が書けるのか、と思う方もいるでしょうが、誉めるばかりが読者とは限らない、と思っています。 次の作品を期待する気持ちと、今回の作品への気持ちを込めて、星、3つ。 | ||||
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前2作を読んで感じた’読みやすさ’は今回も形を変えながら 残っていたと思います。 んー正直、読み終わって「そんなに面白くはなかったかも?」 という感想も。。 なんか途中、その日、その日、作者の描いた時の気分が 繁栄されて、つなぎ目というのでしょうか 1とか2とかそういう段落ではなくて すこし、つなぎ目が微妙に上下にずれてる そんな感覚を得ました。。 でも、次回作も読むでしょう。 てか早く次のが読んでみたい 綿谷りさには惹かれるものがあるので | ||||
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初めて、綿矢りささんの作品を読みました。 主人公の夕子の母親が、去っていこうとする父親を 引き止める所からストーリーが始まり、彼女の思惑通り 夕子が生まれ…美しく健やかに育っていく過程。 芸能界でのシンデレラストーリー… ありがちな要素だとは思うけれど、栞を使わずに 一気に読むことが出来ました。 物語に引き込まれていた感じです。 人間の裏の部分、「好き」という感情だけに溺れて冷静に 状況判断が出来なくなってしまう若さ故の過ち… きっと誰もが感じた事のある負の側面を巧みに描いていると思う。 けれど、ラストは余りにも救いが無い終わり方で とても悲しく、気持ちが沈んでしまった感じがします。 もう少し、主人公が立ち直る過程を描いても良かったかな? と感じてしまいました。 良く出来ている作品だとは思うのですが、正直時間が経って 読み直したくなるかな?と考えると、どうも私はこの本を 手に取ることが無いだろう、と思うので★3つにしました。 | ||||
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芥川賞を受賞した女子大生作家として注目された綿矢さんと、この物語のヒロインの 美少女タレント夕子の姿を重ねて読む人も少なく無いだろう。また、大学進学を タレントとしての売りにした、とか、ステージママが怖いほどのめりこんでいる、という 設定を見て、実際に週刊誌をにぎわせた女性タレントのあの人やこの人を微妙に イメージして読むのも、もちろん「あり」。 夕子が落ちていく悲劇は、10代後半の女の子の危うさゆえにあるのかも、という リアリティがある。 少しひねくれて意地の悪い目線の「蹴りたい背中」や「インストール」と比べて 全体的にセンチメンタルで、少女小説的な甘さもあるけど、悪くは無い。 自分が文壇のアイドルとして扱われた経験に対する答えがこれだとすると、 たくましいなーとも思う。今までになかったふてぶてしさみたいなものが 文の端々から感じられて、透明感の代わりに地に足のついた力強さを 身に着けた綿矢さんの次回作も楽しみだ。 | ||||
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