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(短編集)
教室の正義
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教室の正義の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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『三毛猫ホームズの遠眼鏡』『プロメテウスの乙女』に続いて読了。2006年の時点で、これほど今の日本を見通していた著者。5つの短編の冴え渡った筆、鬼気迫るほどです。 生活のために権力や暴力に従うしかないメディアや学校。やりたい放題の特高/公安。あなたの"正義"って、誰かと話したことある?その"正義"のために暴力を使っていいのだろうか?というのは本質的な問題です。 薄っぺらで暴力的な日本伝統の"道徳"とは次元の違う、本物の社会の話。最初の1つが内田百間のようということで読みやめずに、次の短編に読み進んでください。この本はお薦めです。 | ||||
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岩波の月刊誌「図書」の本年5月号に「二十代の墓標」と題してこの本の著者,赤川次郎さんがコラムを寄せています.その中に次の一節があります.改行なしに引きます. 墓からは,忘れかけていた「幽霊」が這い出てくる.文科省が作った「教科書でない教科書」≪心のノート≫である.私は≪心のノート≫を批判する小説「教室の正義」を書いた.「心まで国に支配されてはならない」という思いは変わらない.当時文化庁長官だった河合隼雄氏が≪心のノート≫を使って授業をしたという新聞記事を読んで,河合氏に深く失望したのを憶えている.いじめや体罰の問題が起こると,「道徳を授業でしっかり教えろ」という声が起こる.あべこべである.「道徳」が教えられるものだという考えこそが,いじめや体罰を生むのだ. 私は赤川次郎さんの意見に賛成です.道徳は幼児のころは父母やら家族から習い始め,幼稚園・学校に上がれば先生やら周囲から,要するに社会から自然と学んでいきます.道徳が薄れた社会では子供が道徳を学ぶチャンスは少なくなってきて当然です.国費で≪心のノート≫を出版し,学童に配布すれば児らに徳義心が生まれるなど思うのは余りにも短絡していて情けない.≪心のノート≫は本書の副題「闇からの声」の活字化です.国力が傾き始めると,国は道徳を説いて国民を束ねようとします.国家主義への誘導ですから,吾らは注意しなければならない. 前置きが長くなりました.私は赤川次郎さんの小説を読んだことがありません.彼のコラム「二十代の墓標」に釣られて「教室の正義」を読みました.彼は作中人物の一人に,<正義>なんて,人の心の複雑さに比べたら,小っちゃいもんだわ.<正義>を守るために人の心を踏みにじるなんて,馬鹿げている,と言わせます.そう言われた主人公は,俺 ---- <道徳委員> なんてもの廃止させてやる,と応じました.道徳を声だかに喋る人間に徳義があるのかどうか,知れたものです.本書は他に短編4編を収録しています.いずれの短編も現体制に縛られたくない赤川次郎 の反骨を示す. | ||||
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社会派小説5編。 終夜運転:広島の爆弾投下の数日前の話と現代とが錯綜する。 紙の砦:内部告発を封殺する報道の体質。 教室の正義:正義は人のためであって,架空の決まり事のためではないという教訓。 大人の時間:国際社会で認められる人は,日本国内ではいじめにあうという未だになくならない話。 免罪符:「天使の代理人」という架空の話と現実の事件との関係を問う。 | ||||
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赤川次郎さんといえぱ、ユーモアミステリーという、イメージが強い。 しかし、この闇からの声シリーズは、かなり主張がはっきりした、社会風刺小説です。 ユーモアもまじえた読みやすい文体は、他の赤川作品と同じだが読後はいろいろ考えさせられます。 多くの方が赤川氏のこのシリーズ作品を読まれることを希望。 | ||||
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かなり主張のはっきりした短編5編が収められています。 前の2編は、明らかな「反戦小説」になっています。 表題作は、「教室の正義」の必要性とその行き過ぎた結果として、教師も生徒も不安な毎日を送ることになってしまうというもので、かなり皮肉な内容になっています。 「大人の時間」は、これも国際会議で発表するように生徒に対し、良く思わない校長が政治力を発揮して、悪いニュースを流すと言うものです。それに対し、生徒本人はすべきことを成し遂げた満足感と、スペインのボーイ・フレンドが出来て・・・と言う話です。 最後は「免罪符」で、これは小説に基づいた殺人が起きる話です。 どの作品も、それぞれ赤川次郎らしいテーマと語り口の作品になっています。 | ||||
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