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誰かが見ている
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誰かが見ているの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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1977年刊。犯行が先にあり、それを追い詰める過程を描くので分類ではサスペンスでしょうか。1959年「サイコ」(R.ブロック)、1963年「コレクター」(J.ファウルズ)など偉大な先駆はありますが、「羊たちの沈黙」など後の名作サイコスリラーの礎のひとつと言って過言ではない読み応えがあります。一人称ではなく、犯人・捜査官・被害者・目撃者など周辺関係者の視線を移って行くテンポが本当に秀逸で「映像的」という評にも納得できます。原題は『A stranger is watching』、単数形主語ですから「見ている」のは犯人であり目撃者たちではありません。読み進めるうち、このwatchingに目的語がない点がミソであり捜査側からは無秩序型と見えていた犯罪に実は…という所に恐怖が収斂されて行きます。 | ||||
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週刊文春1979年 総合3位 妻を殺害された過去を持つ男、スティーヴン。事件の被告に死刑が確定した日、今度は、子供ニールと恋人シャロンが何者かに誘拐されてしまう。・・・ メアリー・H・クラーク 1977年の作品で、この頃から、死刑制度の是非を背景に取り入れている。スティーブンとシャロンが恋人でありながら、それぞれ容認と反対の立場をとらせて、作者の主張を語らせるのが興味深い。 誘拐と過去の殺人の因果関係には納得性があるし、解決に向けての過程は、伏線がいきていて読みやすい。死刑執行と、人質の生命に同時のタイムリミットが仕掛けられているのだが、それぞれを阻止するための活動には緊張感がある。部厚いものに仕上げることも可能なのだろうが、無駄のない描写でコンパクトにまとまった、良質のスリラーだ。 本書が原作となる映画 A STRANGER IS WATCHING(1982年)は、日本未公開とのこと。 | ||||
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「子供たちはどこにいる」と並ぶ作者の代表作にして出世作(この時、5人の子持ち)。既にサスペンスの女王としての貫禄を備え、それにふさわしい緊迫感溢れた出来になっている。 原題は「A Stranger Is Watching」なので、邦題通りなのだが、今で言えばストーカーに付け狙われる女性の恐怖をテーマにした(当時としては)先進的なサスペンスである。M.H.クラークの特徴はスピーディな場面展開、女性らしい木目細やかな心理描写、人物配置の上手さ、そして小道具の使い方の巧みさである。場面展開の速さは作品によっては物語進行の邪魔になる事がある(特に後期の作品)が、本作では成功していると思う。また、暴力的なサスペンスではなく、小道具を使いながらヒロインを徐々に心理的に追い詰めて行く手腕は流石と思う。 考え様によっては、サイコ・キラーものの先駆け(殺人は起こらないが)とも言える作品で、それを純粋に心理サスペンスとして実現した作者の手腕が光る秀作。 | ||||
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