黄金をつくる男



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    初公開日(参考)1985年06月
    分類

    長編小説

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    黄金(キン)をつくる男 (新潮文庫)

    1985年06月30日 黄金(キン)をつくる男 (新潮文庫)

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    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

    黄金をつくる男の総合評価:8.67/10点レビュー 3件。Bランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (8pt)

    24時間戦うビジネスマン

    フリーマントルの手による経済小説である本書は、従来、彼の得意とするエスピオナージュの手法を存分に取り入れており、主人公である多国籍企業の会長を縦横無尽に世界中を駆け巡らせ、丁々発止の駆け引きをさせる。
    主人公のジェイムズ・コリントンは孤児院の出で、生まれながらにして勘が鋭く、英国国鉄のポーター、陸軍を経て、南アフリカに金鉱山を複数持つ巨大企業の会長の座へと着いたという正に絵に描いたようなアメリカン・ドリーム男である。

    金を主に扱う南ア社が、独自に金の取引を出来ないというのがまず面白い。各鉱山は金を産出するが、その販売権は国である南アフリカ政府によって一手に任せられている。したがって取引先の新規開拓というのははっきり云ってタブーである。しかし、サウジアラビアがドルによる取引で石油を売っており、その売り上げが不安定なドルレートによって非常に左右されることに目を付け、相場の安定している金でエネルギー不足に悩む南アフリカと取引させようというのが大きな粗筋である。
    しかし、石油と金という巨額の富を生み出す資源の世界的な取引が単純に二国間だけの話で済まされるものではなく、また米ドル為替の安定を目指して国際的信用を高くしようと企むアメリカも南アフリカの動きを察知して、南ア社の鉱山を襲撃して株の暴落を図ろうとする。そしてもう1つの大国ソ連は名目上の生産量を下回る金を何とか確保して、アメリカからの穀物の安定供給を図るため、これまた南アフリカの金に手を延ばす、といった風に非常に各国・各要人入り乱れて、物語は錯綜する。

    おまけに南ア社内部ではアフリカーナの取締役とイギリス人の取締役たちとの間で確執があり、どうにかイギリス人の会長であるコリントンを失墜させようとする。
    これらを一気に打破するために若き“会長”コリントンは不眠不休で世界中を駆け巡り、情報を収集し、状況を好転させるのだ。

    いやあ、すごいね、この会長は。西へ東へ、北へ南へとよく飛び回るものだ。こんなに働くものかね、多国籍企業の会長というものは。
    正直、読んでいる最中、このコリントンのあまりのスーパーマンぶりに失笑を禁じえなかったが、その辺はフリーマントル、危ういところで読者との距離感を埋めている。仕事はすごいが、女性と家庭には不器用な男という肖像をきちんと描いており、なかなかである。

    今までのエスピオナージュ物では、組織の大ボスとそれに振り回される男の様相を描いていたのだが、今回は組織の大ボス同士の、一歩間違えれば破滅寸前の駆け引きを描いており、これが非常に面白かった。フリーマントルの、ディベート能力の高さに舌を巻いた。
    また世界経済の情勢を知る上でも―'80年初頭というかなり古い時代ではあるが―かなりの情報が詰め込まれており、非常に勉強になった。
    久々に面白い物語以上の物を得て、清々しい思いがした。

    題名の『黄金(きん)をつくる男』というのは単純にコリントンが金鉱山の会長であることを現しているのではなく、現代の錬金術である株価の上昇、そして更なる世界資源の取引の開拓という多様な意味合いが込められている。
    恐らくはこんな男はいないとは思うが、たまにはこういう男の話を読むのも一ビジネスマンとしてカンフル剤となっていいものだと思った次第だ。

    Tetchy
    WHOKS60S
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.2:
    (5pt)

    複雑なので、人に勧めたくなるかは疑問ですが、国際政治の勉強にはなる作品

    ソ連の金塊輸送機が墜落し・・・というお話。

    金本位制の頃の世界の政治経済をネタにした小説。ソ連とアメリカで表面上は仲が悪かったけど、裏では密約があったという内容でした。

    ソ連が食料が足りないので、アメリカに食料を頼り、その見返りにソ連が金の産出が多いので、をアメリカに送っていたという実際のあった密約をネタの中心にした作品。

    ソ連で金がとれなくなって、秘密で資本主義の国で金の会社を作って、金の産出第1位の南アフリカの金買って、アメリカへ送ってアメリが食料を送ってなんとか凌いでいたけど、その金の輸送機が墜落してしてしまうという発端で、そこにアメリカのCIA、産油国、アパルトヘイト推進派の南アフリカの人の思惑が絡み・・・という超複雑な謀略小説でした。

    面白かったですが、複雑過ぎて全てを把握したかどうかは自信がありませんが、綺麗事では済まない国際政治の裏側は判ったつもりになりました。

    評論家の高野さんが、「これだけの情報性を備えた作品を、ただ小説として読むのはあまりににももったいない。大学の「国際政治経済入門」の講義で、一年間かけてこの作品を読みこなそうという教授がでてきておかしくない」と「ミステリーの友」というブックレット(監修は山口雅也さん)に書いていて、確かに情報小説としても破格の内容に思えました。

    複雑なので、人に勧めたくなるかは疑問ですが、国際政治の勉強にはなる作品。機会があったら是非ご一読を。
    黄金(キン)をつくる男 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黄金(キン)をつくる男 (新潮文庫)より
    410216507X
    No.1:
    (4pt)

    経済でいいのかな?

    日経新聞をみても結局最終ページしか読まない私。新聞を隅から隅までずずぅ~いっと読めるぐらい知識があればこの本ももっと楽しめたのかもしれないなそんな気分になってしまうちょっと経済のからくりが高度に感じた内容でした
    黄金(キン)をつくる男 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:黄金(キン)をつくる男 (新潮文庫)より
    410216507X



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