再び消されかけた男



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初公開日(参考)1981年10月
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長編小説

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再び消されかけた男 (新潮文庫)

1981年10月01日 再び消されかけた男 (新潮文庫)

米英上層部を揺がした例の事件から二年、姿を現わしたチャーリーを、かつて苦汁を飲まされた両国の情報部が、共同してつけ狙う。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

再び消されかけた男の総合評価:7.80/10点レビュー 5件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

チャーリー・マフィン再登場!

チャーリー・マフィン再登場!原題は文中にも出てくる『拍手で迎えよう、チャーリーの再登場を』(私なら『拍手喝采、チャーリー様のお出ましだい』と訳すが)で、こちらの方がチャーリーの人を食った性格を表しており、邦題よりも相応しいと思う。

さて今回は前作『消されかけた男』の続きから物語は始まる。英国情報部とCIAをまんまと出し抜いて大金をせしめて逃亡したチャーリーはスイスはチューリッヒにいた。悠々自適な逃亡生活を送るかに思えたチャーリーだが、実際は追っ手からの目に怯える毎日を送っており、妻イーディスも暗鬱な逃亡生活に疲弊していた。
酒に溺れる日々の中、チャーリーは慕っていた前上司アーチボルト・ウィロビーの墓参りをしに英国を訪れることを思い立つ。制止する妻の忠告を聞かずにウィロビーの墓を訪れたチャーリーは大きな声で自分を呼ぶ男と遭遇する。それはウィロビーの息子ルウパートだった。ルウパートはチャーリー同様、父を閑職に追いやった今の英国情報部を嫌悪しており、チャーリーを英雄視していた。ウィロビーが遺言で彼の遺産の一部をチャーリーに残した旨を話し、協力を申し出る。しかし、それら一連の出来事は新任英国情報部長ウィルバーフォースと新任CIA長官スミス、ならびに彼らの前任者カスバートスン、ラトガースの知るところとなり、チャーリー抹殺の罠を仕掛けるきっかけになってしまう。

前作に比べると本作は小粒な印象を受けてしまう。今回は逃亡者としてのチャーリーの緊張感を軸にしてチャーリー抹殺のための英国情報部とCIAの丁々発止のやりとりを描いているのだが、プロットがストーリーに上手く溶け込まず、あざといまでに露見しているきらいがあり、チャーリーが逆転に転じる敵側のミスがあからさま過ぎるのだ。チャーリーを罠にはめるべく敵側が取った方法が銀行強盗であり、その被害届のために英国に戻らざるを得なくなるという設定は素晴らしいと思ったが、そのあとのロシアの美術館からのレプリカの美術品を盗む展開は、保険引受人であるルウパートを巻き込んで破滅させようという動機があるものの、やはり蛇足だと思う。

2作目を読んで、チャーリー・マフィンシリーズは海外の連続ドラマ方式の手法を取っていると感じた。1話1話にヤマ場を用意するために誰かが死んだり、登場人物の血縁が登場したりという手法がぴったり当てはまるかのようだ。
それに対して否定はしない。十分及第点の楽しみは得られるからだ。
チャーリーの今後を一読者として見守っていこう。


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No.4:
(2pt)

粗っぽさが拡大する続編

前作『消されかけた男』の続編、主要登場人物はほぼ出てきます。
粗雑なストーリー進行はより拡大。組織を本気で怒らせた男がなぜ何度も出入国できるのか?なぜ大陸で得た大金をわざわざ母国の銀行に預けているのか?敵方は非現実で愚かな作戦で自滅し、主人公の「目的のために手段を正当化する」行動パターンはスケールアップ。その決着の仕方たるや・・・。
作者がタブロイド版の編集者だったと聞いて、なるほどと思うのは偏見でしょうか。
再び消されかけた男 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:再び消されかけた男 (新潮文庫)より
4102165045
No.3:
(5pt)

「チャーリー・マフィン」シリーズ 第2作です

本書は英国の作家
フリーマントル氏(1936-)による
「チャーリー・マフィン」シリーズ
第2作です。原著(1978)のタイトルは
英国 "Clap Hands,Here Comes Charlie"
(拍手で迎えよう、チャーリーの登場を)
米国 "Here Comes Charlie M"
(チャーリー M ここに参上)
です。前年に出た第1作
"Charlie Muffin" (チャーリー・マフィン)
の直接的な続編となっています。
英国秘密情報部(SIS)の古参部員
マフィンは例外的に労働者階級の出身で
組織から疎外されていましたが…。

著者
ブライアン・フリーマントル氏は
英国南部のサウサンプトンの出身で
マフィン同様
パブリックスクール → オックスブリッジ
というエリートコースをたどらず
たたき上げの記者として
『デイリー・エクスプレス』
『デイリー・スケッチ』
『デイリー・メイル』
に勤務しました。
『デイリー・メイル』では外報部長を務め
1973年、在職のまま作家デヴューしました。

『ジャッカルの日』で世界的に知られる
英国ケント州アッシュフォード出身の作家
フレデリック・フォーサイス氏(1938-)
は生年でフリーマントルより2歳歳下に
あたります。
『ロイター通信』や
『BBC』で記者を勤め
まず渾身のルポルタージュ
『ビアフラ物語』(1969)を上梓し
『BBC』上層部と衝突し退職したあと
『ジャッカルの日』(1971)で
エスピオナージュ作家としてデヴューします。

私は
フリーマントル氏もフォーサイス氏も
長年にわたって愛読して参りました。
フォーサイス氏は
①テーマの多様さと
②物語のスケールの大きさ
という特長があります。
ひとことで申し上げるならば
「ザ・ストーリーテラー」
という称号がふわさしいと思います。

それに対し
フリーマントル氏の特徴は
①亡命ものが多い。
②心理描写が細かい。
③複数のシリーズものがある。
‥という点にあります。
「チャーリー・マフィン」は
まさにシリーズものであり
ソ連のカレーニン将軍が
西側に亡命するという話を軸に
ストーリーが展開します。
上述の通り本書はその直接的続編です。
第1作を読むときに
もし第2作を書くならば
どういうスト―リーにすればよいか
ご自分で想像してみるのも一興です。

ひとつヒントを提供しますならば
新しい人物が登場します。
英国秘密情報部で
マフィンに目をかけてくれた
かつての情報部長
サー・アーチボルド・ウィロビーの
息子ルウパート・ウィロビーです。
善き人なのか悪しき人なのかは
ご自分でご確認されるとよいでしょう。

ちなみにシリーズものと言えば
米国の捜査官カウリーと
ロシアの捜査官ダニーロフが
なぜか共同で捜査にあたる
「カウリー&ダニーロフ」ものも
愛読してきました。
「チャーリー・マフィン」ものが14作まで
出版されているのに対し
「カルリー&ダニーロフ」ものは
4作までしか出ていないのが残念です。
もちろん小説の舞台は
ソ連崩壊後のロシアです。

「チャーリー・マフィン」ものと
「カウリー&ダニーロフ」ものでは
第2作のストーリー展開において
「共通点がある」
と私は考えています。
主人公の妻/恋人(愛人)に関する
ストーリーが同じだと思います。
これはフリーマントルの特徴
④に相当するのかもしれません。
(答えは本書 p.286 )
再び消されかけた男 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:再び消されかけた男 (新潮文庫)より
4102165045
No.2:
(5pt)

チャーリー・マフィン

前作『消されかけた男』の続編ともいえる本書での米英情報組織と主人公夫妻の戦いが実に面白い。
意外な結末を迎える・・・・・・。前作から読むことを薦める。
再び消されかけた男 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:再び消されかけた男 (新潮文庫)より
4102165045
No.1:
(4pt)

米英情報部の本気の追跡をチャーリーは切り抜けられるか

チャーリー・マフィン物の二作目。『消されかけた男』の続編なので先にそちらを読んで
おくことをお勧めする。前作の一件後、当然ながら英国情報部とCIAに追われることに
なったチャーリー。その追跡をかわしてスイスに二年間身を隠していたが、酒に溺れ、
生活は荒み、妻のイーディスは不安な毎日を過ごしていた。その妻の反対を押し切り、
情報部時代の上司の墓参を思い立つ。だが執念を燃やす両情報部は協力体制を敷き、
総がかりで大掛かりな作戦を立案し、彼を出し抜くための罠を用意していたのだった。

絶体絶命のチャーリーがどう危機を乗り越えるかというところは前作と似ている。だが
本作では、恐れと困惑を抱えながらも夫のために尽力するイーディスの存在が大きい。
それだけに最後は悲しみの余韻が残る。本作の難点をひとつ言わせてもらうと、米英
情報部はいささか間抜けすぎないかということだ。そもそも両情報部の長官が現場に
出てくるものだろうか。CIA長官の軽挙がチャーリーの感情に火をつけ、乾坤一擲の
逆襲の動機を与えてしまっているし、隙を見せすぎである。そのためにチャーリーの
キレっぷりを際立だたせる効果を生んではいるが、少しく漫画的な印象は否めない。
とはいえ作品としては大変おもしろいので、前作を読了した方には読んで損はない。
再び消されかけた男 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:再び消されかけた男 (新潮文庫)より
4102165045



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