再び消されかけた男
- チャーリー・マフィンシリーズ (9)
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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チャーリー・マフィン再登場!原題は文中にも出てくる『拍手で迎えよう、チャーリーの再登場を』(私なら『拍手喝采、チャーリー様のお出ましだい』と訳すが)で、こちらの方がチャーリーの人を食った性格を表しており、邦題よりも相応しいと思う。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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前作『消されかけた男』の続編、主要登場人物はほぼ出てきます。 粗雑なストーリー進行はより拡大。組織を本気で怒らせた男がなぜ何度も出入国できるのか?なぜ大陸で得た大金をわざわざ母国の銀行に預けているのか?敵方は非現実で愚かな作戦で自滅し、主人公の「目的のために手段を正当化する」行動パターンはスケールアップ。その決着の仕方たるや・・・。 作者がタブロイド版の編集者だったと聞いて、なるほどと思うのは偏見でしょうか。 | ||||
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本書は英国の作家 フリーマントル氏(1936-)による 「チャーリー・マフィン」シリーズ 第2作です。原著(1978)のタイトルは 英国 "Clap Hands,Here Comes Charlie" (拍手で迎えよう、チャーリーの登場を) 米国 "Here Comes Charlie M" (チャーリー M ここに参上) です。前年に出た第1作 "Charlie Muffin" (チャーリー・マフィン) の直接的な続編となっています。 英国秘密情報部(SIS)の古参部員 マフィンは例外的に労働者階級の出身で 組織から疎外されていましたが…。 著者 ブライアン・フリーマントル氏は 英国南部のサウサンプトンの出身で マフィン同様 パブリックスクール → オックスブリッジ というエリートコースをたどらず たたき上げの記者として 『デイリー・エクスプレス』 『デイリー・スケッチ』 『デイリー・メイル』 に勤務しました。 『デイリー・メイル』では外報部長を務め 1973年、在職のまま作家デヴューしました。 『ジャッカルの日』で世界的に知られる 英国ケント州アッシュフォード出身の作家 フレデリック・フォーサイス氏(1938-) は生年でフリーマントルより2歳歳下に あたります。 『ロイター通信』や 『BBC』で記者を勤め まず渾身のルポルタージュ 『ビアフラ物語』(1969)を上梓し 『BBC』上層部と衝突し退職したあと 『ジャッカルの日』(1971)で エスピオナージュ作家としてデヴューします。 私は フリーマントル氏もフォーサイス氏も 長年にわたって愛読して参りました。 フォーサイス氏は ①テーマの多様さと ②物語のスケールの大きさ という特長があります。 ひとことで申し上げるならば 「ザ・ストーリーテラー」 という称号がふわさしいと思います。 それに対し フリーマントル氏の特徴は ①亡命ものが多い。 ②心理描写が細かい。 ③複数のシリーズものがある。 ‥という点にあります。 「チャーリー・マフィン」は まさにシリーズものであり ソ連のカレーニン将軍が 西側に亡命するという話を軸に ストーリーが展開します。 上述の通り本書はその直接的続編です。 第1作を読むときに もし第2作を書くならば どういうスト―リーにすればよいか ご自分で想像してみるのも一興です。 ひとつヒントを提供しますならば 新しい人物が登場します。 英国秘密情報部で マフィンに目をかけてくれた かつての情報部長 サー・アーチボルド・ウィロビーの 息子ルウパート・ウィロビーです。 善き人なのか悪しき人なのかは ご自分でご確認されるとよいでしょう。 ちなみにシリーズものと言えば 米国の捜査官カウリーと ロシアの捜査官ダニーロフが なぜか共同で捜査にあたる 「カウリー&ダニーロフ」ものも 愛読してきました。 「チャーリー・マフィン」ものが14作まで 出版されているのに対し 「カルリー&ダニーロフ」ものは 4作までしか出ていないのが残念です。 もちろん小説の舞台は ソ連崩壊後のロシアです。 「チャーリー・マフィン」ものと 「カウリー&ダニーロフ」ものでは 第2作のストーリー展開において 「共通点がある」 と私は考えています。 主人公の妻/恋人(愛人)に関する ストーリーが同じだと思います。 これはフリーマントルの特徴 ④に相当するのかもしれません。 (答えは本書 p.286 ) | ||||
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前作『消されかけた男』の続編ともいえる本書での米英情報組織と主人公夫妻の戦いが実に面白い。 意外な結末を迎える・・・・・・。前作から読むことを薦める。 | ||||
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チャーリー・マフィン物の二作目。『消されかけた男』の続編なので先にそちらを読んで おくことをお勧めする。前作の一件後、当然ながら英国情報部とCIAに追われることに なったチャーリー。その追跡をかわしてスイスに二年間身を隠していたが、酒に溺れ、 生活は荒み、妻のイーディスは不安な毎日を過ごしていた。その妻の反対を押し切り、 情報部時代の上司の墓参を思い立つ。だが執念を燃やす両情報部は協力体制を敷き、 総がかりで大掛かりな作戦を立案し、彼を出し抜くための罠を用意していたのだった。 絶体絶命のチャーリーがどう危機を乗り越えるかというところは前作と似ている。だが 本作では、恐れと困惑を抱えながらも夫のために尽力するイーディスの存在が大きい。 それだけに最後は悲しみの余韻が残る。本作の難点をひとつ言わせてもらうと、米英 情報部はいささか間抜けすぎないかということだ。そもそも両情報部の長官が現場に 出てくるものだろうか。CIA長官の軽挙がチャーリーの感情に火をつけ、乾坤一擲の 逆襲の動機を与えてしまっているし、隙を見せすぎである。そのためにチャーリーの キレっぷりを際立だたせる効果を生んではいるが、少しく漫画的な印象は否めない。 とはいえ作品としては大変おもしろいので、前作を読了した方には読んで損はない。 | ||||
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