虐待者



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初公開日(参考)2001年02月
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長編小説

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虐待者〈上〉―プロファイリング・シリーズ (新潮文庫)

2001年02月28日 虐待者〈上〉―プロファイリング・シリーズ (新潮文庫)

下校途中に誘拐された十歳の少女メアリ。彼女は、駐ベルギー合衆国大使令嬢だった。まもなく童謡をもじった犯行声明らしき電子メールが送りつけられ、FBI欧州連合版(ユーロポール)の心理分析官クローディーンが、犯人側との交渉役を務めることになった。わずかな手がかりから犯行の動機を探ろうとする彼女は、この事件が、虐待を好む小児性愛者たちの仕業だと気づくが…。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

虐待者の総合評価:7.80/10点レビュー 5件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

既にローテクなハイテク捜査

ユーロポール心理分析官クローディーン・カーター・シリーズ3作目。今回は小児性愛者グループによる幼児誘拐を扱っている。
そして本作では犯人グループがたまたま誘拐したのが将来の大統領候補とも云われるベルギー駐在アメリカ大使の娘であるところがミソ。あえてその娘をテロ行為として誘拐したのではないところがフリーマントルらしい味付けだ。

今回クローディーン・カーターのライヴァルとして設定されているのがFBI人質交渉主任のジョン・ノリス。登場シーンから彼がいかなる凄腕の交渉人であり、しかも変人であるかが雄弁に語られるのだが、ここにフリーマントルの作家としてのあざといまでのテクニックが見られる。
実際語られるノリスの交渉はクローディーンがプロファイルするように自分が偉大な人間だと妄信する単なる勘違い男に過ぎないのだが、フリーマントルはクローディーンと邂逅させるまでに彼が実に切れ者の交渉人であるかをCIA、FBIのスタッフその他と会見させる事で述べる。しかしそれらのやり取りは直裁に語られず、会見後に零す彼らの、例えば「あのくそ野郎は現実の人間なのか」といったコメントによって人物像を形成させられているに過ぎない。つまりこのノリスを強敵と見せ、それをクローディーンに論破させることでフリーマントルはクローディーンの有能さを読者に刷り込もうとしているのが解る。こういう職人的テクニックが最近は頂けないと思うのだ。

特にジョン・ノリスが初めてクローディーンと論争をする際にあからさまに対抗されることに慣れていないという描写があって、あれっ?と私は思ってしまった。人質交渉主任として凄腕ならば数々の事件の修羅場を経験しており、その中には一切、人の話を聞かないでゴリ押しする犯罪者もいたはずである。そういう輩も相手にしてきているわけだから、こういうあからさまな抵抗を受ける事に慣れていないというのはおかしいではないか?
そしてこのノリスは結局自らを追い詰める形で途中退場してしまうのだが、この辺どうも消化不足だなぁと思ってしまった。

また前作ではクローディーン、フォルカー、ロセッティといった多国籍エキスパートチームが少数精鋭で活躍している痛快さがあったが、本作ではアメリカ大使の娘の誘拐という事で、事件の起こったベルギーの警察のみならずフリーマントル作品ではおなじみのFBI・CIAそしてユーロポールの混合チームとなって捜査に当るところが特徴的だ。
というよりもこれによりユーロポールという新進気鋭の組織の特徴が減じられ、特に事件の責任所掌において各要人が自らの保身のために腐心する様子は正にチャーリー・マフィン・シリーズとなんら色が変わらなくなってしまったような気がした。

そしてクローディーンのチームにも変化が訪れる。前作まで無敵のトライアングルを形成していたこの3人に綻びが生じる。それは新たにパートナーになったピーター・ブレークなるイギリスの元スパイの存在。彼の抱えるトラウマが、クローディーンに彼を身近な存在に感じさせたのは間違いない。
また植物人間と化した妻の復活を待つロセッティにクローディーンが疲れを感じていたのも二人の接近を許す事になってしまった。今後これら三角関係がどのようになるのかを匂わせて物語は閉じられる。

前作でもあったが、本作でもクローディーンは自らのプロファイリングに絶大なる自信を持ち、捜査を推し進める。それは自らの正しさを信じることで捜査を確実な方向に導かなければならないというプレッシャーの裏返しでもある。さらにその有能さゆえに自らが抱える孤独に苛まれる。
敵に勝つために自信の鎧を身につけ、それゆえに誰もが不可侵である存在感をも身にまとってしまうことの寂しさ。有能な人間ほど自らの幸福に縁遠くなってしまう。現代の女性の抱える問題をクローディーンは具現化しているようだ。

最後にもう1つ。本作は1998年の作品となっている。捜査ではインターネット、Eメール、携帯電話も登場し、それらの逆探知も行われているが、ドラマ『24』を観た者にとっては時代遅れの感は否めない。なぜにこれほど逆探知に時間が取られるのか、Eメールの発信元探知の遅さ、そしてそれらに対して敵側が何らかのファイアウォールも設定していない事など時代錯誤感を感じた。
10年前の作品だが、やっている事はそれ以上の月日が経っているように感じてしまった。これもハイテク捜査を扱う作品の哀しい宿命を感じずにはいられない。

Tetchy
WHOKS60S
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.4:
(4pt)

少し訳のおかしいところはあるけどね

ちろん上下で一つの話です。
チャーリー・マフィンシリーズがなかなか出ないもんだから、今はもっぱら、この心理分析官、女性プロファイラーのクローディーンを主人公にした新シリーズを読んでいる。
チャーリー物に比べ、扱っている題材が、いつもなかなかおどろおどろしいので、きついところもあるけれど、ヨーロッパの裏の文化と言うか、風俗と言うか。大変に興味深いところがあります。
どういう分類になるのかなぁ。探偵小説?刑事小説?うーん。
しかし、とにかく、あのフリーマントルです、ダメなはずがない!
と言うことで、全く期待は裏切りません。心理分析官の他者の分析の様子が、実に面白い。
ただちょっと、微妙に訳がおかしいのではないか、と言う部分があるのが気にかかるけど。。。
「自制心を失う一歩手前にあるノリスのような人間は、自分がその相手に対して権威を持っている人間に、できる限りの外面的な支配を押し付けることで、自制心を失いかけていることの埋め合わせを過度にするんです(上p.142) 」
面白い内容だけど、ちょっと、意味が通じない。他にも二三ヶ所、どうも意味の通じない日本語が見られましたぞ。
虐待者〈下〉―プロファイリング・シリーズ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:虐待者〈下〉―プロファイリング・シリーズ (新潮文庫)より
4102165401
No.3:
(4pt)

少し訳のおかしいところはあるけどね

ちろん上下で一つの話です。

チャーリー・マフィンシリーズがなかなか出ないもんだから、今はもっぱら、この心理分析官、女性プロファイラーのクローディーンを主人公にした新シリーズを読んでいる。

チャーリー物に比べ、扱っている題材が、いつもなかなかおどろおどろしいので、きついところもあるけれど、ヨーロッパの裏の文化と言うか、風俗と言うか。大変に興味深いところがあります。

どういう分類になるのかなぁ。探偵小説?刑事小説?うーん。

しかし、とにかく、あのフリーマントルです、ダメなはずがない!

と言うことで、全く期待は裏切りません。心理分析官の他者の分析の様子が、実に面白い。

ただちょっと、微妙に訳がおかしいのではないか、と言う部分があるのが気にかかるけど。。。

「自制心を失う一歩手前にあるノリスのような人間は、自分がその相手に対して権威を持っている人間に、できる限りの外面的な支配を押し付けることで、自制心を失いかけていることの埋め合わせを過度にするんです(上p.142) 」

面白い内容だけど、ちょっと、意味が通じない。他にも二三ヶ所、どうも意味の通じない日本語が見られましたぞ。
虐待者〈下〉―プロファイリング・シリーズ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:虐待者〈下〉―プロファイリング・シリーズ (新潮文庫)より
4102165401
No.2:
(4pt)

初めてのフリーマントル作品

 犯人グループと警察との接点をどこに求めるのかな?と交渉力が無い警察側がどう誘拐者に近づいていくのか、興味深く読む事が出来ました。プロファイリングの常か、いつも内省的に人を捉えるところに面白さを、性格等の読みとこれに即した仮説立案・戦略遂行の部分には、殆ど失敗、迷い、選択肢がないことに若干の違和感を感じましたが、楽しめる本でした。前作も読んでみようと思います。★3つと思いますが、他の書評と対比して4つつけました。
虐待者〈上〉―プロファイリング・シリーズ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:虐待者〈上〉―プロファイリング・シリーズ (新潮文庫)より
4102165398
No.1:
(4pt)

初めてのフリーマントル作品

犯人グループと警察との接点をどこに求めるのかな?と交渉力が無い警察側がどう誘拐者に近づいていくのか、興味深く読む事が出来ました。プロファイリングの常か、いつも内省的に人を捉えるところに面白さを、性格等の読みとこれに即した仮説立案・戦略遂行の部分には、殆ど失敗、迷い、選択肢がないことに若干の違和感を感じましたが、楽しめる本でした。前作も読んでみようと思います。★3つと思いますが、他の書評と対比して4つつけました。
虐待者〈上〉―プロファイリング・シリーズ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:虐待者〈上〉―プロファイリング・シリーズ (新潮文庫)より
4102165398



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