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悪女パズル
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悪女パズルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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パトリック・クェンティン著、森泉玲子訳『悪女パズル』(扶桑社、2005年)はピーター&アイリス夫妻を主人公としたミステリー・パズルシリーズの第4作目である。大富豪ロレーヌの招きで、その屋敷で休暇を過ごすことになったダルース夫妻。そこには離婚の危機を抱える三組の夫婦も招待されていた。ロレーヌは夫婦の仲直りを企図していたが、険悪さは増すばかりで、死者も出てしまう。 舞台は第二次世界大戦中のアメリカである。ピーターは休暇中の海軍軍人である。太平洋戦線で日本と戦っている。日本が「お国のために」と戦争一色であったのに対し、『悪女パズル』で描かれたアメリカ社会は戦争が遠い国の出来事のようになっている。前作『人形パズル』でも同じ感想を抱いたが、日米の国力の差と日本の無謀さを改めて実感した(林田力『二子玉川ライズ反対運動9ブランズ二子玉川の複合被害』「『人形パズル』米国社会の精神風俗」)。 『悪女パズル』は秀逸なミステリーである。まず構成が秀逸である。各章のタイトルが次の事件を予感させ、緊張感を高める。さらに小道具の伏線が活かされ、真犯人がミスリーディングされる。これまではピーター&アイリスのダルース夫妻シリーズと言いながら、ピーターばかりが活躍する傾向が見られた。これに対して『悪女パズル』ではアイリスが大活躍する。 タイトルの『悪女パズル』もミステリーとしては巧みなタイトルである。悪女という言葉はあっても、それ以上に悪質であっても悪男とは言われない。ジェンダー的には考えさせられてしまう。その意味でもピーターや刑事を出し抜くアイリスの活躍は爽快である。 | ||||
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大富豪ロレーヌの邸に招かれたダルース 夫妻は、離婚寸前の三組の夫婦と出会う。 婚約者と蜜月状態のロレーヌは、お節介にも和解の場を提供したつもり だったのだが、夫婦間の溝は埋まるどころか、かえって深まってしまう。 やがてクラーレの毒矢が紛失し、三人の妻の一人が不審な死を 遂げたことを皮切りに、一人、また一人と女たちが命を落としていく……。 素人探偵ダルース夫妻は、影なき殺人者の正体を暴けるのか? 本作では、離婚寸前の三組の夫婦だけでなく、二組の婚約関係の男女、 さらにはダルース夫妻と、合わせて六組十二名の男女が登場しています。 ダルース夫妻を除く五組のカップルの組合せを自在に組み替えることで、裏の 人間関係を構築し、同時にそれを巧みに隠蔽しているのが、まずもってお見事。 登場人物の言動に二重の意味をもたせ、伏線の仕込みと 読者に対するミスリードを同時に行う手際が抜群なのです。 また、終盤近くまで犯人の意図が見えてこず、事件は動機なき無差別殺人の様相なのですが、 探偵役の、ある“気づき”をきっかけに、霧が晴れたかのようにクリアな図式を現出させる展開も すばらしい(レッド・へリングの泳がせ方が実に巧妙)。 そして、最後の最後で登場する、ある人物のなんとも 間抜けで皮肉な台詞が、絶妙なオチになっていますw | ||||
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パトQのダルース夫妻シリーズ中の一作。「パズル」シリーズ第三作。「悪女パズル」という邦題は原題そのままだが、言い得て妙である。第二次世界大戦中を舞台にしており、実際、1945年に発表されている。 世界的な富豪女性ロレーヌのネヴァダ州の別荘に、三組の離婚寸前の夫妻、ロレーヌの従兄弟と婚約者、そしてロレーヌの婚約者が集まるという状況の中、女性連続殺人事件が起き、招待されたダルース夫妻が探偵役として活躍するというもの。女性六人vs男性六人の登場人物で、女性だけが次々と殺されるという趣向である。登場する女性達は「悪女」と言う程の強烈な個性は無いのだが、離婚寸前等の状況の作り方や、隠された事実から生まれる複雑な人間関係の設定が巧みで、物語を錯綜化するのに成功している。全体を六部構成にして、各部にその章で殺される女性の名前をタイトルに付けているという稚気も微笑ましい。題名及び連続殺人という設定に反して、戦時中に書かれたものとは思われない程、全編明るいムードが漂っている。作者が、緊迫したサスペンスを狙ったのなら成功とは言えないと思う。これは一人称の語り手ダルースが、妻以外の登場人物には本質的に無関心なため、描写に迫真性を欠く事による。作中に大きなトリックはなく、犯行計画の杜撰さには呆れるが、登場人物間の複雑な関係や愛憎の描写で、読む者の眼を逸らしてしまうのである。この辺が、作者の手腕か。 肩の凝らないパズラーとして楽しい読書タイムが過ごせる佳作。 | ||||
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パトQのダルース夫妻シリーズ中の一作。「パズル」シリーズ第三作。「悪女パズル」という邦題は原題そのままだが、言い得て妙である。第二次世界大戦中を舞台にしており、実際、1945年に発表されている。 世界的な富豪女性ロレーヌのネヴァダ州の別荘に、三組の離婚寸前の夫妻、ロレーヌの従兄弟と婚約者、そしてロレーヌの婚約者が集まるという状況の中、女性連続殺人事件が起き、招待されたダルース夫妻が探偵役として活躍するというもの。女性六人vs男性六人の登場人物で、女性だけが次々と殺されるという趣向である。登場する女性達は「悪女」と言う程の強烈な個性は無いのだが、離婚寸前等の状況の作り方や、隠された事実から生まれる複雑な人間関係の設定が巧みで、物語を錯綜化するのに成功している。全体を六部構成にして、各部にその章で殺される女性の名前をタイトルに付けているという稚気も微笑ましい。題名及び連続殺人という設定に反して、戦時中に書かれたものとは思われない程、全編明るいムードが漂っている。作者が、緊迫したサスペンスを狙ったのなら成功とは言えないと思う。これは一人称の語り手ダルースが、妻以外の登場人物には本質的に無関心なため、描写に迫真性を欠く事による。作中に大きなトリックはなく、犯行計画の杜撰さには呆れるが、登場人物間の複雑な関係や愛憎の描写で、読む者の眼を逸らしてしまうのである。この辺が、作者の手腕か。 肩の凝らないパズラーとして楽しい読書タイムが過ごせる佳作。 | ||||
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読む前から期待が高かったのだが、その期待にものの見事にこたえてくれた作品。 人間関係の中からと物証の中、両面からのアプローチによる謎解き、見事です。 この作品には、黄金時代によくあった、殺人の手法についてのアンチテーゼも含まれているように感じたのだが、これは考えすぎた見方だろうか? | ||||
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読む前から期待が高かったのだが、その期待にものの見事にこたえてくれた作品。 人間関係の中からと物証の中、両面からのアプローチによる謎解き、見事です。 この作品には、黄金時代によくあった、殺人の手法についてのアンチテーゼも含まれているように感じたのだが、これは考えすぎた見方だろうか? | ||||
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パズルシリーズ第四作!なんですが、前三作は入手困難なので読んでません。でも独立した内容なので問題なく読めました。 次々に殺されていく妻たち…読み進めるとよけいに分からなくなってくる動機。それぞれの夫だけでなく誰もが怪しく見えてきます。 ロレーヌがちょっとエキセントリックで初めはついてくのがやっとでしたが、早く犯人が知りたくて後半は一気に読めました。 パズルと言うだけあって、ぐちゃぐちゃになったピースがラストでぴったり収まる感じが良かったです。 | ||||
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パズルシリーズ第四作!なんですが、前三作は入手困難なので読んでません。でも独立した内容なので問題なく読めました。 次々に殺されていく妻たち…読み進めるとよけいに分からなくなってくる動機。それぞれの夫だけでなく誰もが怪しく見えてきます。 ロレーヌがちょっとエキセントリックで初めはついてくのがやっとでしたが、早く犯人が知りたくて後半は一気に読めました。 パズルと言うだけあって、ぐちゃぐちゃになったピースがラストでぴったり収まる感じが良かったです。 | ||||
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