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たゆたえども沈まず
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たゆたえども沈まずの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 21~24 2/2ページ
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へぇ!と感心しながら情報・蘊蓄にふれていくのを楽しむ本として楽しむならそれもよし、文学として読むには文章にキレがなく散漫でした。 | ||||
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原田マハさんの『ゴッホのあしあと 日本に憧れ続けた画家の生涯』を読み、その流れで本書を読了しましたが、期待が大き過ぎたようです。 登場人物に感情移入し辛く、特に美術商の林忠正を取り上げて展開したことが不満なのかもしれません。林忠正の評価をここで書くことはレビューから外れますので、控えますが、その行いに、「日本美術の正当な価値を西洋社会に認めさせた人」とか「日本の大切な美術品を、海外に流出させた『国賊(405p)』」だという賛否があることは記します。 小説ですので、そのストーリー展開は作者の範疇ですが、良く知られているゴッホの生涯と日本の美術商との関わりを無理に関連付けたように受け取っています。架空の美術商の狩野重吉を作り上げたのは、フィクションとしてのその接点の構築に他なりません。 裏表紙の歌川広重の「大はしあたけの夕立」と表紙の『星月夜』が本作品でもスパイスとしての役割を果たしていました。溪斎英泉の『雲竜打掛の花魁』の評価の高騰ぶりも記されています。フィンセント・ファン・ゴッホが『花魁』を描いているわけですから、流れは確かです。 原田さんが勤務されていたニューヨーク近代美術館「MOMA」に『星月夜』は収められているので、その思い入れは感じながら読みました。『星月夜』の素晴らしさを林は360pで感動しながら、認めています。それなら美術商として、ゴッホが生きている間に作品を購入しないという行動が矛盾してくるわけです。 林がフィンセントの能力を買いながら「なぜ、林さんは、テオからフィンセントの作品を買おうとしないんだ(207p)」に全ての関係性が現れていました。 実際に、ゴッホが生きていた時に、林は果たしてゴッホの価値を本当に理解していたかどうかが問われています。史実とフィクションは当然違いますが、そこを上手く説明しないとストーリー展開や設定そのものが絵空事になってしまいますので。 | ||||
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文章や題材が悪いわけではないが、実に残念な感じで読了。 著者の気持ちやパッションが感じられなかった。 誰にスコープを当てようとしてるのが散漫な感じを強く持った。 | ||||
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これだけの高評価だからと本書を手に取ってみたが、『暗幕のゲルニカ』より酷く、[ピカソを書いたから、次ゴッホね]という著者自身の履歴を飾るために出した本としか思えない。『ゲルニカ』はテロリストが出てきて興ざめしたが、“泣く女”ドラとピカソの微妙な関係は上手く描けていたし、小説自体が芸術の中心地がパリからNYに替わったことを暗に示していた点は評価に値すると思う。 まず、言葉がまるっきり21世紀の我々が使っているものであって、19世紀、明治期の雰囲気が全くない。浅田次郎は、『黒書院の六兵衛』で地の文は現代のそれであっても、【清国の始末を見たまえ。あれやこれやと因縁を付けられたあげく、国土は瓜のごとく分かたれてしもうたではないか。】のように、やや古めいた表現を用いて150年前の会話文に近づけようと腐心しているではないか。 要約しながら引用するが、岡本太郎は『今日の芸術』で【ゴッホの絵が、芸術に寛容なフランスで鼻にも引っかけられたかったのはよほどのことで、原色を用い、モチーフをひん曲げ、乱暴なタッチは見るに堪えなかったからだ。同じ印象派の画家からも相手にされず、セザンヌでさえ狂人の絵だと嫌悪していた。ところが今日ではゴッホは非常に優美で心地よく、ほほえましい感じすらするのは、時代がゴッホを乗り越え、前進したからだ。】と書いている。テオが将来兄の絵が人々に受け入れられるだろうと予言した辺、鼻白む思いがした。「売れて欲しい、誰か買ってくれないか」というのがこの兄弟の切なる願いだったわけで、死後のことなど考える余裕は無かった筈だ。 池田満寿夫は『模倣と創造』で【ゴッホやゴーギャン、ロートレックに浮世絵からの影響ばかりを誇張するのは正しくない。浮世絵版画とは異質な油絵で、浮世絵の特長を利用したのである。】と書いている。傾倒はしたけれども各々消化(昇華とも言える)した形で表現したのである。ゆえに自分だけの日本を見つけるんだ、というフィンセントの語にもしっくりしないものを感じている。 「饒舌で言葉ばかりが上滑りし、ゴッホの特異な性格や、時代背景、絵画の魅力を伝えきっていない」というのが私の感想。もうすこしじっくり時間を掛けて書いた方がいいのではないかな? テオとビンセントの関係に興味のある方は新潮社でも集英社でもどこのでも構わないので、ゴッホの画集の巻末の解説を読むことをお薦めしたい。ゴッホの生活苦と、援助するテオの関係がきちんと書かれているし、非常に面白い。さらに、「油絵具を使ってない素描画も非常に力強く魅力的」だということも他のレビューアさん達にお知らせしておきたい。 本書の巻末に「史実をもとにしたフィクションです」と大き目の文字で表示されているが、曖昧な表現だよね。その曖昧さ加減が本作というわけか?まあ、小説と割り切って楽しめれば良かったのだけれども。 レビューをザッと拝読したが、好意的なものが殆どで驚いている。この本読むくらいなら中野京子の絵画論を読んだ方が色々と勉強になる上に面白いと私は思う。 | ||||
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