告白

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評判

告白の評価:

4.48/5点 レビュー 176件。 D ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.48pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全350件 201〜220 11/18ページ
No.150
(5pt)

良かった、とても良かった

読後のカタルシスがすごかったです。
町田康さんの作品の中で一番好き。
告白 Amazon書評・レビュー: 告白より
4120036219
No.149
(5pt)

良かった、とても良かった

読後のカタルシスがすごかったです。
町田康さんの作品の中で一番好き。
告白 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 告白 (中公文庫)より
4122049695
No.148
(3pt)

人間停止!

「町田康」の名を知ったのは、この作品が読売新聞で連載されていた頃。
版画の挿絵が特徴的で目に留まったが、内容が時代物ぽかったので完全に無視。
時にすれば、2004年〜2005年辺りである。当時私は、20代半ばくらいに
差し掛かっていた。二十歳前後頃から、気に入った本は買うが机に並べる
だけで、殆ど真剣に読んだ事の無い「盆暗」だった。昔の有名作家(夏目や芥川)
の本すら、友達から借りても半分読んだら中を飛ばして、ラストを読む。
そんな阿呆面を晒してのうのうと生きていた。目を白黒させて、舌を出して…。

20代半ばを過ぎてから、この本が単行本として本屋に並んでいてその分厚さに
「タウンページか?」と思った。千頁は晒してケツかりよるよなぁ。シンプルな装丁と
配色が恰好良い。買っても読めないと思うが、買ったれやド阿呆。買ってしまった。
やはりそれだけで満足してしまって、数年またもや放置。
活字に強迫される様で読むのが怖いんです、神さま…。(桑原和男風に)

掛る数年後、Amazonで調べれば偶然にも文庫版が出ている。これはもはや
腐敗した俺自身を試しているのだ!と思い、町田氏他作品と同時購入。
その頃には既に、町田氏(当時、町田町蔵)の音楽が気に入り、貪って聴いていて
独自の詩のセンスに圧倒されていた頃。処女作「くっすん大黒」や、詩集「供花」など
は既に読了していた。この人の作品、文体は読みにくいよなぁ。漢字も訳分からん。
錯乱晒しとんのとちゃうけ。その癖、読み出したらあかん、止まらん。
出ているエッセイ集「へらへらぼっちゃん」「つるつるの壷」「耳そぎ饅頭」
辺りも読了させていた。おもろいよなぁ。

「告白」は、私の長編小説体験の初めての作品。正味言うたら、回りくどい。
その為、この分厚さか。思考のループが激し過ぎて読み疲れる。まぁ今回の
作品だけでは無いけど、長編だから尚更。
終盤の200頁くらいから追い込みが掛けられていて、そこまで結構中ダル。
私自身読み疲れて、一度500頁辺りから一年弱休憩を取った。流石に時間が掛かる。
笑える表現は随所にあって、手法は新喜劇かと思う程。
相変わらずこの人の言葉のセンスは、詩にしろ文体にしろ異彩を放っている。
センス云々とかの騒ぎや無い。

この人、人を「殺る」時の表現がいつも際立ってグロいんだわ。途轍もなく。
慈悲ある乙女や、品のある女性にはとても勧められない。正にB級ホラー映画。
私はそんなネイキッドな表現が好きですわ。

葛木や小鬼との出会いは、妄想や幻覚?比較的初手に出て来て主人公を
苦しめせしめるのに、終盤結構ぞんざい。この方独特の分かり難い表現も
あったなぁ「臼」。

弥五郎、ええやっちゃな。熊は、最後までどうしたかったの。それが苦しい。
道は開けるのか、それとも開けない…。いや、開け…。

後半の追い込みでも読む価値はあると思います。町田ファンは無論。
長編だけど、要点を凝縮すれば短編のような感じもしないでもない。
良くも悪くも作品のバランスが取れているので、高評価が多いのでしょう。
私は「権現の踊り子」の中の、「ふくみ笑い」(キチガイ町田ワールド最強)
「工夫の減さん」(笑って良いやら、泣いて良いやら)が、比較的好き。
この作品「告白」も私の評価程は、町田氏初心者には侮れないかも。
告白 Amazon書評・レビュー: 告白より
4120036219
No.147
(3pt)

人間停止!

「町田康」の名を知ったのは、この作品が読売新聞で連載されていた頃。
版画の挿絵が特徴的で目に留まったが、内容が時代物ぽかったので完全に無視。
時にすれば、2004年〜2005年辺りである。当時私は、20代半ばくらいに
差し掛かっていた。二十歳前後頃から、気に入った本は買うが机に並べる
だけで、殆ど真剣に読んだ事の無い「盆暗」だった。昔の有名作家(夏目や芥川)
の本すら、友達から借りても半分読んだら中を飛ばして、ラストを読む。
そんな阿呆面を晒してのうのうと生きていた。目を白黒させて、舌を出して…。

20代半ばを過ぎてから、この本が単行本として本屋に並んでいてその分厚さに
「タウンページか?」と思った。千頁は晒してケツかりよるよなぁ。シンプルな装丁と
配色が恰好良い。買っても読めないと思うが、買ったれやド阿呆。買ってしまった。
やはりそれだけで満足してしまって、数年またもや放置。
活字に強迫される様で読むのが怖いんです、神さま…。(桑原和男風に)

掛る数年後、Amazonで調べれば偶然にも文庫版が出ている。これはもはや
腐敗した俺自身を試しているのだ!と思い、町田氏他作品と同時購入。
その頃には既に、町田氏(当時、町田町蔵)の音楽が気に入り、貪って聴いていて
独自の詩のセンスに圧倒されていた頃。処女作「くっすん大黒」や、詩集「供花」など
は既に読了していた。この人の作品、文体は読みにくいよなぁ。漢字も訳分からん。
錯乱晒しとんのとちゃうけ。その癖、読み出したらあかん、止まらん。
出ているエッセイ集「へらへらぼっちゃん」「つるつるの壷」「耳そぎ饅頭」
辺りも読了させていた。おもろいよなぁ。

「告白」は、私の長編小説体験の初めての作品。正味言うたら、回りくどい。
その為、この分厚さか。思考のループが激し過ぎて読み疲れる。まぁ今回の
作品だけでは無いけど、長編だから尚更。
終盤の200頁くらいから追い込みが掛けられていて、そこまで結構中ダル。
私自身読み疲れて、一度500頁辺りから一年弱休憩を取った。流石に時間が掛かる。
笑える表現は随所にあって、手法は新喜劇かと思う程。
相変わらずこの人の言葉のセンスは、詩にしろ文体にしろ異彩を放っている。
センス云々とかの騒ぎや無い。

この人、人を「殺る」時の表現がいつも際立ってグロいんだわ。途轍もなく。
慈悲ある乙女や、品のある女性にはとても勧められない。正にB級ホラー映画。
私はそんなネイキッドな表現が好きですわ。

葛木や小鬼との出会いは、妄想や幻覚?比較的初手に出て来て主人公を
苦しめせしめるのに、終盤結構ぞんざい。この方独特の分かり難い表現も
あったなぁ「臼」。

弥五郎、ええやっちゃな。熊は、最後までどうしたかったの。それが苦しい。
道は開けるのか、それとも開けない…。いや、開け…。

後半の追い込みでも読む価値はあると思います。町田ファンは無論。
長編だけど、要点を凝縮すれば短編のような感じもしないでもない。
良くも悪くも作品のバランスが取れているので、高評価が多いのでしょう。
私は「権現の踊り子」の中の、「ふくみ笑い」(キチガイ町田ワールド最強)
「工夫の減さん」(笑って良いやら、泣いて良いやら)が、比較的好き。
この作品「告白」も私の評価程は、町田氏初心者には侮れないかも。
告白 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 告白 (中公文庫)より
4122049695
No.146
(5pt)

すばらしい!

レビューを見て購入しました。

『きれぎれ』を読んで、とても独創性のある人だと感動し今回たっぷり厚みのある本が届き、わくわくして読んでいくと、進むにつれてハマっていくので、泣く泣く一旦本を置く・・・という生活をしていました。
(一気に読むことはできなかったです;)

ストーリーは始めからわかっているのに、一語一句、表現の仕方が非常に素晴らしく、とにかく感動しました。
告白 Amazon書評・レビュー: 告白より
4120036219
No.145
(5pt)

すばらしい!

レビューを見て購入しました。

『きれぎれ』を読んで、とても独創性のある人だと感動し今回たっぷり厚みのある本が届き、わくわくして読んでいくと、進むにつれてハマっていくので、泣く泣く一旦本を置く・・・という生活をしていました。
(一気に読むことはできなかったです;)

ストーリーは始めからわかっているのに、一語一句、表現の仕方が非常に素晴らしく、とにかく感動しました。
告白 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 告白 (中公文庫)より
4122049695
No.144
(4pt)

心を震わす一冊です

食わず嫌いで今まで一度も読んだことのなかった町田康。なのに、この本はなぜか素通りできず手にとってみて・・・大正解でした。濃厚でおかしみにあふれた河内弁に熊太郎の標準語のことばや思索が時折入るおかしさ、違和感。熊太郎がはまるドツボは笑えるように見えて実は自分にはねかえってくる重さがあります。
周りの視線を気にし、自分の中で堂々巡りして本当に言いたいことがいえず気がつけばにっちもさっちもいかなくなって後悔したことを思い出し、とても面白いのに一気に読めず、インターバルをおきながらでないと読み終えることができませんでした。
熊太郎の結果的に善行に終わった行為が生んだ新しい出会いが熊太郎の存在意義を高めたように見えて、より一層熊太郎を抜き差しならぬ立場に追い込んだように感じられ、最後の方の場面での熊太郎の独白は、心に風穴があいたようでした。なんという終わり方!しかし、一人の人間が生きた実感に満ち溢れています。綺麗にまとまった小説に飽きた方は是非手に取っていただきたい傑作です。
告白 Amazon書評・レビュー: 告白より
4120036219
No.143
(4pt)

心を震わす一冊です

食わず嫌いで今まで一度も読んだことのなかった町田康。なのに、この本はなぜか素通りできず手にとってみて・・・大正解でした。濃厚でおかしみにあふれた河内弁に熊太郎の標準語のことばや思索が時折入るおかしさ、違和感。熊太郎がはまるドツボは笑えるように見えて実は自分にはねかえってくる重さがあります。
周りの視線を気にし、自分の中で堂々巡りして本当に言いたいことがいえず気がつけばにっちもさっちもいかなくなって後悔したことを思い出し、とても面白いのに一気に読めず、インターバルをおきながらでないと読み終えることができませんでした。
熊太郎の結果的に善行に終わった行為が生んだ新しい出会いが熊太郎の存在意義を高めたように見えて、より一層熊太郎を抜き差しならぬ立場に追い込んだように感じられ、最後の方の場面での熊太郎の独白は、心に風穴があいたようでした。なんという終わり方!しかし、一人の人間が生きた実感に満ち溢れています。綺麗にまとまった小説に飽きた方は是非手に取っていただきたい傑作です。
告白 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 告白 (中公文庫)より
4122049695
No.142
(3pt)

面白いんですが・・・・。

町田康氏の小説は『夫婦茶碗』に続いて二冊目。絶賛の嵐の中恐縮なのだが、そんなに凄い名作だろうか・・・?確かに-フェイクをかけた意味で無く-面白い。町田氏独特のユニークに笑わせる言語感覚もいいし、力作である。ただ、前述した『夫婦茶碗』にあったような緻密に行き渡っていた想像力が今一つ弱く、ディテールがあと一歩雑駁な仕上がりになっている印象を受けた。ただこの長い作品のためディテールを密に書き込み過ぎるとストーリテリングのテンポが落ちてしまう失敗は過去の純文学に散見されるのが実態であるため、その失敗を犯さないよう意図的に緻密さを排除したのかもしれない。ただ、新聞連載を途中で止め(たのかな?)あえて書き下ろしで出版するのであれば、もっとリライトを重ねて時代考証を突きつめた作品にした方が良かったのではないかと思う。なぜなら本作のテーマはかなり深く、僕自身は「町田さん、実は前半から書き足りないんじゃないんですか?」とお聞きしたくなる感想をもったからだ。主人公熊太郎の思弁的人格と当時の河内文化のズレ、といったメインモチーフは恐らくもっと緻密な細部によって、更に迫力をもった小説になったと思う。
告白 Amazon書評・レビュー: 告白より
4120036219
No.141
(3pt)

面白いんですが・・・・。

町田康氏の小説は『夫婦茶碗』に続いて二冊目。絶賛の嵐の中恐縮なのだが、そんなに凄い名作だろうか・・・?確かに-フェイクをかけた意味で無く-面白い。町田氏独特のユニークに笑わせる言語感覚もいいし、力作である。ただ、前述した『夫婦茶碗』にあったような緻密に行き渡っていた想像力が今一つ弱く、ディテールがあと一歩雑駁な仕上がりになっている印象を受けた。ただこの長い作品のためディテールを密に書き込み過ぎるとストーリテリングのテンポが落ちてしまう失敗は過去の純文学に散見されるのが実態であるため、その失敗を犯さないよう意図的に緻密さを排除したのかもしれない。ただ、新聞連載を途中で止め(たのかな?)あえて書き下ろしで出版するのであれば、もっとリライトを重ねて時代考証を突きつめた作品にした方が良かったのではないかと思う。なぜなら本作のテーマはかなり深く、僕自身は「町田さん、実は前半から書き足りないんじゃないんですか?」とお聞きしたくなる感想をもったからだ。主人公熊太郎の思弁的人格と当時の河内文化のズレ、といったメインモチーフは恐らくもっと緻密な細部によって、更に迫力をもった小説になったと思う。
告白 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 告白 (中公文庫)より
4122049695
No.140
(4pt)

すごいのかいちゃってるな〜

ノンストップの800ページ越え それを一気に読ませる力量
なんとも表現しがたい悲しみにくれる読後感 すごいです。

町田康お得意のユーモアも、熊太朗の今後を考えると悲しみの増幅でしかなく、
次に熊太朗にどんな不幸が降ってくるのかと思うと先を知るのがつらい。
だが読まずにいられない。

熊太朗は不器用で不幸を呼び込む体質というか、
こういうタイプは幸せになれないだろうなーというか

どんな極悪な殺人者も話を聞けばほぼ自分は間違っていないと答えるとか。
熊太朗は自覚があるようで、錯乱のようでもある。

小説にしかなしえない表現で小説の世界を越えてしまった町田康
これからもできるだけ彼の作品を読みたいと思う。

不器用で行き難い世の中を生きている人たち、心当たりありまくりなのではないでしょうか。
告白 Amazon書評・レビュー: 告白より
4120036219
No.139
(4pt)

すごいのかいちゃってるな〜

ノンストップの800ページ越え それを一気に読ませる力量
なんとも表現しがたい悲しみにくれる読後感 すごいです。

町田康お得意のユーモアも、熊太朗の今後を考えると悲しみの増幅でしかなく、
次に熊太朗にどんな不幸が降ってくるのかと思うと先を知るのがつらい。
だが読まずにいられない。

熊太朗は不器用で不幸を呼び込む体質というか、
こういうタイプは幸せになれないだろうなーというか

どんな極悪な殺人者も話を聞けばほぼ自分は間違っていないと答えるとか。
熊太朗は自覚があるようで、錯乱のようでもある。

小説にしかなしえない表現で小説の世界を越えてしまった町田康
これからもできるだけ彼の作品を読みたいと思う。

不器用で行き難い世の中を生きている人たち、心当たりありまくりなのではないでしょうか。
告白 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 告白 (中公文庫)より
4122049695
No.138
(5pt)

まだ、ほんまのこと言うてへん気がする

2000年代の10年の間に読んだ本の中で出色の一冊。
 単行本で700ページ弱、文庫本で850ページの大著であるが、一気に読ませる力がある。ページをめくるごとに、泣けて、笑えて、憤って、一緒に喜べる。
 それにしても、「他人に話が通じない」という苛立ちをこんなに明確に書けるのは、町田康しかいない。
 人間は、規則に則って言葉をしゃべり、規則に則って理解され、規則に則って社会化される(社会に組み込まれる)。規則を共有できないものは、社会から排除される。村八分。このように人間と人間の間は(社会的)規則によって媒介されており、人と人が無媒介に(規則を共有しないで)結びつくということはまずないと言っていい。そこで、人間とつながろうとするときには、人間に向き合うというよりもむしろ、規則に則るため規則に向き合わねばならないという逆説的な事態が生じる。社会全体で共有している規則なんてもはやないのだから、社会でうまくやるためにはなおさら規則に向き合わねばならん。あほらし。
 町田康という人はパンクの人だが、パンクというのは、このような安穏と規則に則ることへの反抗の行為なのではなかろうか。そりゃ反抗したくもなる。「他者を理解する」というとき、「他者」が上述のような媒介された他者なのだったら、「理解」とはせいぜい規則の再確認にとどまるだろう。あるいはせいぜい規則を共有していることを確認するにとどまるであろう。ひどい場合には、自分の規則を他者に一方的に当てはめて勝手に理解したつもりになる。しかし翻って、じゃあそういう他者理解とは違う、無媒介で直接的な他者理解がありうるかというと、それも困難、というか絶望的であろう。どうしたらよいのか。とりあえず、どうしようもない。
 ところで、パンクが「パンク」というジャンルを確立してしまうと、それはもう、「パンク」という新しいしばり(=規則)が生まれてしまうということになるので、元々規定性への反抗であったはずのパンクの本義に反する。例えば「パンクやってます」という発言は、「パンク」の規定性に依拠していることになる。したがって、自己を表現しつつも、表現した瞬間に自己否定に走らなければならない。他者を理解したような気になった瞬間に、その理解を解体しなければならない。だから、どれだけ「本当のこと」を言おうとしても、「本当の本当の本当のところ」には、決して到達し得ないのかもしれない。
 そんなしどろもどろな一生涯がこの本には書かれています。特に最初の方で、他人の牛を橋から川に落として周囲の人にわめき散らしているシーンは、胸が痛むほどよく書けています。
告白 Amazon書評・レビュー: 告白より
4120036219
No.137
(5pt)

まだ、ほんまのこと言うてへん気がする

2000年代の10年の間に読んだ本の中で出色の一冊。
 単行本で700ページ弱、文庫本で850ページの大著であるが、一気に読ませる力がある。ページをめくるごとに、泣けて、笑えて、憤って、一緒に喜べる。
 それにしても、「他人に話が通じない」という苛立ちをこんなに明確に書けるのは、町田康しかいない。
 人間は、規則に則って言葉をしゃべり、規則に則って理解され、規則に則って社会化される(社会に組み込まれる)。規則を共有できないものは、社会から排除される。村八分。このように人間と人間の間は(社会的)規則によって媒介されており、人と人が無媒介に(規則を共有しないで)結びつくということはまずないと言っていい。そこで、人間とつながろうとするときには、人間に向き合うというよりもむしろ、規則に則るため規則に向き合わねばならないという逆説的な事態が生じる。社会全体で共有している規則なんてもはやないのだから、社会でうまくやるためにはなおさら規則に向き合わねばならん。あほらし。
 町田康という人はパンクの人だが、パンクというのは、このような安穏と規則に則ることへの反抗の行為なのではなかろうか。そりゃ反抗したくもなる。「他者を理解する」というとき、「他者」が上述のような媒介された他者なのだったら、「理解」とはせいぜい規則の再確認にとどまるだろう。あるいはせいぜい規則を共有していることを確認するにとどまるであろう。ひどい場合には、自分の規則を他者に一方的に当てはめて勝手に理解したつもりになる。しかし翻って、じゃあそういう他者理解とは違う、無媒介で直接的な他者理解がありうるかというと、それも困難、というか絶望的であろう。どうしたらよいのか。とりあえず、どうしようもない。
 ところで、パンクが「パンク」というジャンルを確立してしまうと、それはもう、「パンク」という新しいしばり(=規則)が生まれてしまうということになるので、元々規定性への反抗であったはずのパンクの本義に反する。例えば「パンクやってます」という発言は、「パンク」の規定性に依拠していることになる。したがって、自己を表現しつつも、表現した瞬間に自己否定に走らなければならない。他者を理解したような気になった瞬間に、その理解を解体しなければならない。だから、どれだけ「本当のこと」を言おうとしても、「本当の本当の本当のところ」には、決して到達し得ないのかもしれない。
 そんなしどろもどろな一生涯がこの本には書かれています。特に最初の方で、他人の牛を橋から川に落として周囲の人にわめき散らしているシーンは、胸が痛むほどよく書けています。
告白 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 告白 (中公文庫)より
4122049695
No.136
(5pt)

一気に読めます!!

吸い込まれるように一気に読みました。
主人公熊太郎のこと、よく理解できます。頭の中で色々考えているうち、
何処か深いところに入っていってしまう。。。そんな人たまにいるんですよ。
フツーはダメダメそんなに入っては、と自分を取り戻すのですが、
そのままどんどん異世界に入っていく熊太郎。
町田さんの頭の中とリンクされているような。
この本を理解できない人はそんな経験ないんでしょうねえ・・・
告白 Amazon書評・レビュー: 告白より
4120036219
No.135
(5pt)

一気に読めます!!

吸い込まれるように一気に読みました。
主人公熊太郎のこと、よく理解できます。頭の中で色々考えているうち、
何処か深いところに入っていってしまう。。。そんな人たまにいるんですよ。
フツーはダメダメそんなに入っては、と自分を取り戻すのですが、
そのままどんどん異世界に入っていく熊太郎。
町田さんの頭の中とリンクされているような。
この本を理解できない人はそんな経験ないんでしょうねえ・・・
告白 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 告白 (中公文庫)より
4122049695
No.134
(5pt)

いつのまにか熊太郎びいきに

十人を殺す小説なんだから暗いのだろうと思っていたら真逆だった。
笑える。かといって野暮ったらしくなく、むしろ作品全体の空気を作り出している。
人はなぜ人を殺すのか。
その究極的な問いにこの作品は真っ向からぶつかっている。
明治期の農村社会という共同体の中で熊太郎は言葉を持っていなかった。
周りの村民が使う言葉だけでは自分の思弁を表現しきれなかった。
自分では理不尽だと思うことが他人には理解されない。
自分の言動が周りには異質なものに見え、煙たがられる。
自分が阿呆なのか周りが阿呆なのか。
もちろん熊太郎は周りが阿呆だと思っているのだが、その他人に伝わらない思いが熊太郎の人生を変えていく。
そんな愚直で滑稽な熊太郎の言動に、あかんではないか。とつっこむ筆者の声には思わず吹き出してしまった。
その、あかんではないか。にはじまり熊太郎の最後の言葉「−−−−」に終わる構成の妙には舌を巻いた。
特に熊太郎の最後の言葉は私の心の内に尾を引いていつまでも私の心をぐらつかせている。
告白 Amazon書評・レビュー: 告白より
4120036219
No.133
(5pt)

いつのまにか熊太郎びいきに

十人を殺す小説なんだから暗いのだろうと思っていたら真逆だった。
笑える。かといって野暮ったらしくなく、むしろ作品全体の空気を作り出している。
人はなぜ人を殺すのか。
その究極的な問いにこの作品は真っ向からぶつかっている。
明治期の農村社会という共同体の中で熊太郎は言葉を持っていなかった。
周りの村民が使う言葉だけでは自分の思弁を表現しきれなかった。
自分では理不尽だと思うことが他人には理解されない。
自分の言動が周りには異質なものに見え、煙たがられる。
自分が阿呆なのか周りが阿呆なのか。
もちろん熊太郎は周りが阿呆だと思っているのだが、その他人に伝わらない思いが熊太郎の人生を変えていく。
そんな愚直で滑稽な熊太郎の言動に、あかんではないか。とつっこむ筆者の声には思わず吹き出してしまった。
その、あかんではないか。にはじまり熊太郎の最後の言葉「−−−−」に終わる構成の妙には舌を巻いた。
特に熊太郎の最後の言葉は私の心の内に尾を引いていつまでも私の心をぐらつかせている。
告白 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 告白 (中公文庫)より
4122049695
No.132
(5pt)

「告白」します・・・、傑作でした。

町田康の小説は短編ばかり読んでいて、長編は久しぶりでした。
一言で言って、大変面白く読みました。

これほどの長編を飽きずに読ませ続けるのは、相当な作家としての力量がなくてはいけませんが、それをキチンとクリアしながら、丁寧に主人公、城戸熊太郎のマニアックな心情を描いています。
言葉と、心情がうまく一致しない、という孤独な悩みを抱えている熊太郎。
本当は、気が小さく、無理して強い自分を演じている熊太郎は、様々な他者の矛盾、酷薄さに孤独の影を深めていきます。

この熊太郎のぐだぐだと、やたら思弁的なところは、どこか自分と似ていて、重ね合わせていくことができたので、共感できるポイントが多く、その点でも印象的でした。
それに、町田康節炸裂の強烈なユーモアも見逃せません。
ゲラゲラ笑う、というのは良いものです。
なにぶん、暗くなりがちな性格なので、笑える、という事はそれだけで、「読みたい」と思えましたし。

ラストもやってくれましたね。
非常に良い本でした!
告白 Amazon書評・レビュー: 告白より
4120036219
No.131
(5pt)

「告白」します・・・、傑作でした。

町田康の小説は短編ばかり読んでいて、長編は久しぶりでした。
一言で言って、大変面白く読みました。

これほどの長編を飽きずに読ませ続けるのは、相当な作家としての力量がなくてはいけませんが、それをキチンとクリアしながら、丁寧に主人公、城戸熊太郎のマニアックな心情を描いています。
言葉と、心情がうまく一致しない、という孤独な悩みを抱えている熊太郎。
本当は、気が小さく、無理して強い自分を演じている熊太郎は、様々な他者の矛盾、酷薄さに孤独の影を深めていきます。

この熊太郎のぐだぐだと、やたら思弁的なところは、どこか自分と似ていて、重ね合わせていくことができたので、共感できるポイントが多く、その点でも印象的でした。
それに、町田康節炸裂の強烈なユーモアも見逃せません。
ゲラゲラ笑う、というのは良いものです。
なにぶん、暗くなりがちな性格なので、笑える、という事はそれだけで、「読みたい」と思えましたし。

ラストもやってくれましたね。
非常に良い本でした!
告白 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 告白 (中公文庫)より
4122049695