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薪小屋の秘密



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【この小説が収録されている参考書籍】
薪小屋の秘密 世界探偵小説全集(20)

薪小屋の秘密の評価: 3.20/5点 レビュー 5件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.20pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(4pt)

一種のブラックユーモアとして読むべきでは?

かなり地味で筋立ての起伏に乏しい作品では…と危惧していたのだが、思っていた以上に面白かった。
この作品は、ロジカルな本格推理ではなく、江戸川乱歩が「奇妙な味」と名づけた部類の探偵小説なのだと思う。
事件に巻きこまれるヒロインの事を、他の登場人物の誰もが(探偵役のクルック弁護士さえも)世間知らずでお人好しのバカだと思っている。
その女性の名前は「アガサ」なのだ。
この作品の発表時点で、既にアガサ・クリスティは推理作家として一家を成していた。
一方、作者のアントニイ・ギルバートは、実は女性で、クリスティやドロシー・セイヤーズを先輩作家として認識しつつも、まだまだ女性作家はマイナーな存在だと考え、あえて男性名のペンネームで推理小説を書いていた。
その作家が、バカ女の登場人物を「アガサ」と名づけているのだ。
このことだけでも、かなり皮肉なユーモアを湛えた作品だとお分かりいただけるだろう。
全篇、そうした調子で文章がつづられ、弁護士はバカ女が事件に巻き込まれるのを「おいしい話」だと笑っているほどだ。
こうしたユーモアを理解できるかどうかで、本書の評価は変わってくると思う。
それにしても…本書の邦訳から十余年、よもや21世紀の日本で、本書の男女の役割を逆転させたかのような「婚活連続殺人事件」が起こるとは。
何とも皮肉な話である。
薪小屋の秘密 世界探偵小説全集(20)Amazon書評・レビュー:薪小屋の秘密 世界探偵小説全集(20)より
4336038503
No.1:
(4pt)

勘違いからの拾い物

『捕虜収容所の死』を読んでからというもの、気になる作家の一人になったマイケル・ギルバート。さっそく他のも読んでみようと思い、手にしたのが本書。なのですが、これがマイケルとアントニイのギルバート違い。そそっかしさにガッカリして(なんといっても高価なハードカバーですから!)、読まないまましばらく寝かせておきました。ところが、いざ読み出してみるとどうしてどうして、アントニイのほうのギルバートもなかなかのものじゃないか!
新聞の広告欄を通じて知り合った男女、会ってみるとお互いに好感を抱き相性も良いよう。つきあいをすすめていくうちに、ついには結婚まで考えるようになるが、この男には隠された姿があった・・・。前半は、女性の側から出会いと幸せな時間、そこに忍び込んできた小さな疑惑がどんどん大きくなっていって、と典型的な「青ひげの妻」もの。男の住む家や周りの風景描写もサスペンス感を高めています。後半は一転して本格的なミステリ、あっと驚くような展開が用意されていて謎解きの楽しみを味わえます。勘違いで手にした本書でしたが、思いもよらぬ拾い物、おかげで気になる作家がまた一人増えました。
薪小屋の秘密 世界探偵小説全集(20)Amazon書評・レビュー:薪小屋の秘密 世界探偵小説全集(20)より
4336038503

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