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くっすん大黒
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くっすん大黒の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全52件 21~40 2/3ページ
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町田康の小説に登場する主人公は、基本的にクソマジメであることが多い。 だけど、おそらくその反動で、冗談みたいな価値判断基準(パンク)に従っていたりする。 もちろん、クソマジメに。 そんなクソマジメな与太者が、社会に見捨てられるギリギリのところで、なんとか生きてゆこうとする物語。 それが、この「くっすん大黒」なのだ。 当面の生活費を稼ぐため主人公は、たったひとりの友人をともなって、あやしげなクエストに立ち向かってゆく。 しかしそこに立ちふさがるのは、ちゃらんぽらんなる権威主義者たちであった。 はたして彼らは無事に帰ってこれるのか・・・ 帰ってきたところで成長は望めないし、帰ってこられなくても笑い飛ばしちゃうけどね。 なぜなら、パンクだから。 そんな、絶望的ビルドゥングス・ロマンなのであります。 | ||||
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読み終えて、腕組みしてしまった。う〜ん、この本にコメントを…と言われても、表現できないのである。そのくせ町田康が頭からはなれなくなってしまった。町田康、町田康、町田康… まずいことになったぞ、これは。 出てくる人々が、とことん自堕落。おまけに、赤・青・黄色と原色ベッタリ塗りたくったような濃すぎる人々だらけ。普通なら「今のままではいけない」とあせるか、「まあ、しょうがないさ」と開き直るか、どちらかの展開を予想するのだが、町田康の世界はそのどちらでもない。それなのに、だよ。えらくまっとうなことを、ところどころで登場人物に語らせるんだよな。それも、かなりふざけたシチュエーションおよび語り口で。とにかく句読点無視、文法無視、言葉が次から次から追っかけてくる表現は、ド迫力。 町田康が中原中也の軌跡をたどる、みたいなNHKの番組を見たことがあるんだけど、非常にナイーブで繊細な印象を受けた。それと作品の大きなギャップ。 ふざけているのか、まじめなのか。狂気なのか、天才なのか。ただ私が町田康中毒に陥ったことだけは間違いない。 | ||||
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表題作「くっすん大黒」は、日々をだらだらと過ごすおじさんと、同じくプータローの大学生が主人公の物語。 こんな二人が主人公なら、いかにも彼らのだるくてゆるい生活が描かれるのかと思えば、まったく違う。 異常なテンションの周りの人間に取り囲まれ、ぐるぐると引っ張りまわされる怒涛の日々。 特に女性が誰一人まともな人がいないのがすごい。 タコを磔にしてみたり、絶叫したり、亀を爆発させてみたり(これは主人公がやるのだが)。 あのプー二人組が、まともに思えてきてしまう。 いいハイテンション、クレイジーぶりで、巧妙な語りに一時も飽きることがなかった。 非日常な出来事が日常化しているおもしろさを味わえる。 | ||||
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パンクのヒトだけあってか破壊的で?テンポのよい文章。 とても読みやすいです。「愛すべきダメ人間」の話が2作品。 読後に心に残ったのは、河原のアパラの中で、川にいたおじさん が主人公らに焼肉を焼いてくれたところ。あれ結局何の肉? なんで焼肉?ディープな世界やねえ。 | ||||
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まず初めに、この小説を読んでも年収は10倍にはならないし、 人生がうまくいくようなエッセンスは恐らく一つもありません。 しかし、とにかく面白い。 駄目人間が、自分より輪を掛けて駄目な人達と関わり合う事によって、 あれ、結局何も変わってないよねってお話が二つ。 手垢がついていないからこそ滲み出る、純粋な「言葉」による面白さ。 娯楽小説として、これ程に優れた作品もそうそうないのでは。 「うるせぇ、ちょっと、このザッパを止めろ」 "ルー・リードみたいなおばはん" などの音楽ネタも、個人的にはツボでした。ははは。 | ||||
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たとえば、この小説のあらすじがまったく違ったものだったら、野間文芸新人賞を受賞できなかっただろうか?菊池も吉田のおばはんもチャアミイも桜井も上田もでてこなかったなら駄作に終わっただろうか? あらすじは突拍子もなく、キャラクターは濃厚の極みだが、町田康の小説の最大の魅力はもう少し根本的だ。解説にもあるように太宰治を思わせる退廃的な生き方だが、その生命力の強さは常人の比ではない。あらゆるものに反発を抱きながら、それを受け入れ、酔っ払い、また明日が来る。なぜこの小説を読んで、生きる力が湧くのか?これぞジャパニーズパンク。 | ||||
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文庫本になっているのかと思って、再読してみたら、いややっぱりおもしろい。 漫然と生きている人物が右往左往しているだけのハナシであるのに、ほのかに土着的な聖性とでもいいましょうか、神々しいすごみがある。そいでそれは単に「大黒」や日本神話的なことばが使われているためではない。 まあリクツはさておいて、なんともいえぬ良い小説なのです。 | ||||
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小説ってなんておもしろいんだろうとおもいましたわたしは。ろーどむーびーのようですし。いろんなわけのわからないひとたちが出てきてきしょくわるいのですがとても会話がゆかいで自由自在できぶんがいいのですよ。おまけになんかいよんでもえがおになりますししわがふえます。これではまるで自分がだいこくさまになったようでまちださんのおもうつぼですね。 | ||||
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思わず助けたくなるくらい不器用な主人公。 そしてとてつもなく濃厚な登場人物たち。 なんだか馬鹿げたストーリー。 落語のような語り。 どこかズレた感じがする小説なのだけれど、 滑稽さと可愛らしさが絶妙にブレンドされていて、 わき腹をくすぐられているような感覚です。 「たにし」を罵言として愛用する町田氏らしい、 怒っているのか、笑わそうとしているのか、わからない、 なんともこそばゆい小説です。 | ||||
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本とか俺は読まないんだ、ねぶたいし。つーこと言っちゃてる人に一回これ読ましたってください。 本のおもしろさに目覚めるかもよ! この作品は、こんなのありなんだ〜って感じました(みんな感じたでしょ?)。衝撃的、星5つ! | ||||
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小説読んで声を出して笑ったのは、この本が初めてだった。 最初、くっすんって何だろう?と疑問に思いながら読んでた のですが、ラストに答えがあり、あぁ、そう言う事ね!と つい頷いてしまった。終わりに近ずいて行くにつれて もうすぐ終わるのか・・・。と寂しくなったのは、この本だけ。 つまらない作品なら、やっと終われるよって思うのに(笑) アパラも面白いですが、個人的には、やっぱ、くっすんです。 | ||||
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町田康の作品は、いつもきまって一気読み。 たま〜に、ボーッとしている時に、言葉が頭の中でグルグル回る時があります。何故かそんな時の気分を思い出させます。 退廃的、でもユーモアが全体を覆っている、ふと気が付くと、ニヤついて読んでいる自分がいます。 | ||||
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町田氏の小説処女作にして傑作・快作。 町田節と言われるその特異な言語表現は圧巻!! ストーリをただただ楽しむのではなく、一語一語を楽しめる作家ですね。 カップリングの『河原のアパラ』もこれまた笑いに溢れた傑作です。 頗るお勧め。 | ||||
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町田康の処女小説集。 パンク歌手である著者のリズム感が出だしからこれでもかと迫ってくる。やられた。ギャグの応酬でたたみかける感じがたまりませぬ。大黒様と主人公楠木。楠木→くっすん。自立できない大黒と主人公→これまたくっすん。で、くっすん大黒。この独特の言語感覚が最高。町田氏の小説は、ストーリー自体ははっきり言ってつまらないと思う。ただ、キャラの立ち方、読んでる時の快感がすごい。 自分にとって、本を読むことは実用でも暇つぶしでもない。現実逃避である。どれだけ本に埋没できるか。本の中の世界にトリップできるか。町田氏の小説は、そんな読書にうってつけなのである。 あと、特筆すべきは脇役の面白さ。チャアミイ万歳。 | ||||
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とにかく文章がうまい! あんた、人生崖っぷちなんだから、そんな洒落た実況中継なんかしてないで もっとあわてようよ、とツッコミをいれたくなります。 文章の表現自体の楽しさは、外国小説の訳本では味わえないたのしさですね。 一度手にとってみてください。オススメです。☆5つ | ||||
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町田康の『くっすん大黒』は人生の落伍者が語る小説です。無職の楠木は働きもせずに酒を飲みふけっていたら、妻が家を出ていきました。ふと彼は、誰もいない部屋に転がる大黒に気づき、捨てようとします。立てても立ててもすぐ倒れてしまう大黒に、彼はいまの自分を見出したのです。楠木は何度も捨てようと試みるのですが、なかなかうまくいきません。そのうちあらぬ方向に物語は転んでいき、落ちこぼれのどうしようもなさを作者は突きつけてきます。その様子は滑稽で、読者は何度も笑ってしまうでしょう。浅く読めば、ただただ面白かった、と終わらせることもできます。しかし、そのおかしさのなかにこそ主人公のみじめさは潜んでいます。彼の笑いはけっして気楽な心からではなく、真面目な心から生まれてくるものなのです。駄目な自分がかわいいと思う人はぜひ読んでみてはいかがでしょうか? | ||||
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これを読んだら、「人生ダメでもいっか」と妙に開き直れて しまう。 でも内容よりもやっぱり文体。これは発明の領域です。 実は意外なことにに庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」に影 響を受けてるんじゃないかなんて思うけど、それをはるかに凌 ぐパワー。 ダメな男が町田康の、見事なまでにスピード感(というよりも、 ダラダラした力強さ?)をもった文体で描かれたら、なんだ かかっこよく見えたりしちゃって。 町田康は正に偉才。 30年後とか50年後とか国語便覧に載る可能性ありじゃな いですか。 | ||||
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くっすん大黒って何よ、と全然期待せずに読み始めたのですが、これがおもしろい。ものの見方がおもしろいなあ、などという地味な面白さだけではなく、爆笑する派手な面白さのところも多々あって、電車の中などで読むのは無理。今はもう再放送でしか見られない時代劇や、上方落語、漫才のファンなら、きっと作者を抱きしめたくなります。熱にうかされたように、おもしろい、おもしろいと最後まで読んでしまうのは、言葉のリズムの力でしょうか。恐るべし。 | ||||
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会社へ向かう埼京線通勤電車に揺られながら「一体、これは何だろう。 理解できない。」と読み始めて1、2頁で本を閉じてしまった。 でも書評には大絶賛に近い評価が並んでいたのに、凡人の私には理解が 出来ないから読み進めないのか?はまたま文学というものは痛勤電車の 中で読むには重たいのか・・・。 もう読むのは止めようと思ったが、会社から自宅最寄駅までの帰路は 座って帰れるので、とりあえずもう一度だけ本を開いてみようと思った。 ところがどういうことか、「アっ」という間に頁は進み、そして電車も進み 気がつけば自宅最寄駅に到着していたのだ。夢中で、貪るように読んでいた。文章の軽快さ、そして時折ひねた様な表現を用いるところ、テンポの良さは まさに「筒井康孝」系と言って良いだろう。 友人の一人がコンサートに行った翌日に興奮しながら私にこう言った。 「ジャニーズはね、見るものじゃないの、肌で感じるものなのよ。」と・・・。 たぶん、この本もそういう類なのだろうな。肌で感じてください | ||||
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簡単に読めそうでちょっと深い。語彙が豊富でおもしろくてなんだかかわいいです。ほんとにくっすんて感じ。 | ||||
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