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ゲームの王国
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ゲームの王国の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全44件 41~44 3/3ページ
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下巻は21世紀の現代カンボジアに舞台を移す。かつての少年と少女は大人になり、それぞれの人生を歩んでいる。SF的ガジェットとして、脳波と記憶、それからその応用としてのゲームが出てくるが、それ自体はよくある感じで、やはり人間関係のもつれが中心だろう。そういう意味では普通の小説で戸口は狭くない、ただ舞台がカンボジアだからその意味では読者を狭めているかもしれない。ますます気が変になっているソングマスターだった人物、土を食べて土地の生産性を予言するコンサル業で大儲けした人物、正義感でボッキするおかしなTV製作者の登場などのマジック・リアリズム風エピソードは秀逸。それなりに衝撃的な結末まで大いに読ませるが、SFとしての展開を求めすぎない方が良い、上巻の惹句で大森さんが言っているのはそういうことだろう。 | ||||
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以前、クメール・ルージュによって殺された人々の、骸骨が積み上がった村の虐殺現場に行った。 同族殺し、それは戦争の悲劇とはまた違って、カンボジアでは中高年は、その時代を語らないと言われていた。 生きているということは、殺したということだから。 舞台はカンボジア、時代はまさにクメール・ルージュが台頭してきた頃から始まり、そうか、この不条理さはSFが描いてきたそのものだったと思う間もなく、ぐいぐいと世界に引き込まれた。 SFには詳しくない。だが、人間の不条理を、この世界の混沌を描く中で、「ルール」が確固としてあるゲームに救いの光を見出すのと、この著者がSFという手段を見出したのは、必然だったのかもしれないと思った。 | ||||
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ゲームにはルールがある。ゲームに勝つためにはルールの枠内で相手を上回るか、自分たちがルールを支配すれば良い。では、鬼ごっこに勝つには相手を北極まで追いかけていけば良いのか。チェスの対戦相手を撃ち殺せば、勝ったことになるのか。他の全ての政治家が不正を行っている状況下で、選挙に勝つために不正を行うのは。相手を告発しないと自分が告発され殺される収容所国家で行われる虐殺に不作為を決め込むのは。 ややメタフィクショナルなテーマを、歴史小説、教養小説、魔術的リアリズム、ピカレスク、SF、ボーイ・ミーツ・ガールの要素をふんだんに盛り込んだ娯楽小説です。特に上巻のクメール・ルージュという史実を下敷きにしたムイタックとソリヤの成長物語は出色。下巻の脳波モニタリングによるゲームというアイデアも面白かった。上下2巻800ページ弱を、文章力で飽きずに一気に読ませてくれます。 | ||||
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こんなに熱中して小説を読んだのは久しぶりです。寝不足になるくらい、とても楽しい時間を過ごせました。 なぜか高橋和巳の邪宗門を思い出しました。 アモックってどんな料理だろう、と調べながら読んで味やにおいを想像しました。 もしかしたら以前に食べたあの料理に似ているのかもしれない。きっとこんな味だろう。 そうすると、あたかも過去にアモックを食べたことがあるかのような気がしてきました。 【感想を追加します】 | ||||
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