■スポンサードリンク
機龍警察 狼眼殺手
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
機龍警察 狼眼殺手の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 21~24 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このシリーズは巻を重ねるごとに傑作度が際限なくアップしていくのは一体どういうわけなのか。 他のレビュアーが言及しているとおり、今作はシリーズ中でアクション要素が最も少ない。しかし膨大なページを一瞬たりとも飽きさせることなく緊迫感MAXのまま最後まで読ませる著者の手腕には、戦慄さえ覚えた。しかも、殺伐を極めた物語の最後を締めくくるのが予想外の感涙ラスト・・・今作は星10個がふさわしい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
と言っても過言ではない。 ここまでのシリーズ、一作品につき一人の主要登場人物をその巻の主人公に据えて徹底的に内面を掘り下げてきた。 この巻は誰だろうなと思って読み始めるとどうだ。全員じゃないか。今までの既刊を踏まえ、有機的に重層的に主要人物達が動き回る。 素晴らしい。そして悟る。なるほど今までのはあくまで準備の巻だったのかと。そうして展開される本作の物語。間違いなくシリーズ最高傑作だ。間違いない。 特に、終盤、ある二人の対照的な人物の決闘がある。ここがヤバイ。大変だ。読めないのだ。心が痛い。先が気になる! でもあまりに痛々しく哀しい戦いにもう駄目なのだ。ページがめくれない。でも読んじゃう。手が震えてしまう。 こんな強烈な読書体験そうそう出来るものではないと思う。 一つだけ不満があるとすれば、この巻では龍機兵が出てこないのだ。きっと狼眼殺手も相当な使い手だったろうに 機甲兵装戦が描かれなかったのは残念だ。 様々な思惑を抱え、ようやく物語は本格的に走り始めたと思う。さて、次の巻はいつになるのだろうか。物語はどこに向かうのだろうか。 きっとこれからも最新作が出る度に最高傑作が更新されるのだろうという予感と期待がある。 作者にとっては大変なプレッシャーだと思うが、どうかどうか素晴らしい作品を書き続けてほしい。 機龍警察シリーズ未読の方は是非1巻から。今、この日本でこれだけの熱量を持った小説はそうそうない。読んでないという事はそれだけで損していることだと思う。それだけの作品ですよ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最後まで一気読みして驚いた。今回はアクションシーンがほとんどない。なのに夢中で読んでしまった。そして最後には泣いた。これが泣かずにいられようかというラストだった。シリーズ全巻を通した中でも、より際立った複雑で濃密な展開と人間ドラマに、もっとも心揺さぶられた。 いやクライマックスで二箇所の激熱戦闘はあるにはあるのだが、捜査員たちの地道な捜査と「シン・ゴジラ」のような会議は踊る系の組織内の静かな抗争、正体不明の凄腕暗殺者と特捜部の息詰まる頭脳戦がメインとなっているのだ。 今回はシリーズ中最長ページ数ということだったが、事件の景色が、捜査が進むごとに変わっていくので、どんどん先へ先へと求めるうちに読み終わってしまった。これまでもかなり考え抜かれた構成だと思っていたけれど、これだけのさまざまな要素をどうやって操り切って、しかもこれほど熱い感動を生むことができるのだろう。天才の技としか思えない。 味方は敵に敵は味方に、愛は憎しみに憎しみは愛に、 この本の中だけでも、どれだけの激しい裏切り、逆転があっただろうか。メインのキャラたちの間で起きたこの逆転が一番心を打ったことに変わりはないが、脇役たちの思わぬ台頭も不気味さや心強さをもって印象に残った。 発端が疑獄事件ということで、今回は経済問題がクローズアップされる。それが現代日本が抱える問題と絶妙にリンクしていてヤバイ。至近未来の話のはずだったのに、これ以上なく今だった。 各章衝撃シーンがあるのだが、三章ラスト、四章の沖津の決断、五章冒頭(全然絞れてない)は声を出して驚いた。どんでん返してこちらの心をわし掴みにかかってくる。すごい作品だ。 すぐ続きが読みたい。前作『未亡旅団』から3年5ヶ月ぶりの新作だが、次はいつ読めるのだろう。せめて雑誌連載で読めればいいのだが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
国産冒険小説界の牽引役としてだけでなく、今や多彩なジャンルを可能とするに知らしめている 稀代の小説家・月村了衛の代表作である『機龍警察』シリーズ。 本著は早川書房刊行の隔月刊誌『ミステリマガジン』での2016年1月号からの連載を纏めた一冊であり、 3年と8ヶ月振りの大長篇である。 舞台は梅雨が降り頻る6月、香港黒社会(マフィア)との繋がりが公然の秘密となっている 大企業「フォン・コーポレーション」と日本国経済産業省との日中合同プロジェクト 『クアイコン』の関係要人が次々と暗殺される連続殺人事件が発生。 当該プロジェクトの裏には政官財からヤクザ、戦後日本最後のフィクサー、中国黒社会にまで遍く 巨大疑獄事案が浮かび上がっている中で特捜部は殺人担当の捜査一課、財務犯罪担当の捜査二課との 一大合同捜査態勢を構えるが、事態はあらゆる面で混迷を極めることに… 果たして、特捜部はこの創設以来最大最悪の情勢を打破できるか? 最早、何を語っても未読者のお楽しみを台無しにしかねない激動の展開だ。 現代のあらゆる分野における技術革新と普及は目紛しい程に著しいものがあるが、 他ならぬ特捜部が『SIPD』たり得る優位性はそこにあった。 即ち、それが失われるかもしれない時こそが紛れも無い分水嶺だ。 作者の月村氏が「今現在を以って、当作品群は現代小説となった」と言及したのも頷ける。 本作はページ数が過去最大の量というだけでなく、スケールの拡大に伴う場面展開の多大さに 自己の貧弱極まりない頭脳と要領では追いかけるのに必死だった。 ただ、敢えて申し上げると『アレ』の見せ場よりもそれ自体への本質に迫っているので その辺を期待しておられる方からすると若干しこりが残るかもしれない(苦笑) しかし、これほどまでに複雑に絡み合った登場人物各々の流動を一つ一つ繋ぎ止め、 最後には巨大な一本の激流に集束させ得る技量には本当に感服である。 本作でも仁礼財務捜査官という強烈な個性を持った人物も生み出してくれた、 今後の活躍(暗躍?)にも益々期待が高まる。 『クアイコン』その悍ましき正体と本質、警察組織に巣食う獅子身中の暗黒、 暗殺者をめぐる彼女らの数奇かつ過酷な運命、そして特捜部長・沖津旬一郎の 苦渋の決断と彼にすら迫り来る銀狼の牙。 「忘れてしまえーーすべては闇に消えた悪夢だ。いずれ自分もそこへ行く。」 『彼女』がいつもそう心中で呟く時は、常にその悪夢と己自らの死神に向き合う予兆なのだ。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!