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スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編



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【この小説が収録されている参考書籍】
スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫)

スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編の評価: 4.30/5点 レビュー 71件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.30pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(3pt)

うろ覚えですが中高生の頃に読んだ記憶

実写映画版は書籍版読了当時たしか
未視聴。
書籍版読了後大分経ち後に
劇場版も視聴し結構グロテスクな表現もあったのだなと。
若い頃読んだ書籍版の印象としては、
主人公とクリス(だっけ?)の関係性に、
デミアンのそれとはまた似て非なる純愛や(根っこの部分は同じかも)、
現実的な意味でのままならなさを感じ、
クリスが逆説的に格好良すぎる生き様を完遂した一方、
主人公はそんなクリスに対し、
事後的に感傷する事しかできない虚無的な哀愁に、
もののあはれを感じました。
オチは尊敬してます。
主人公の、クリス以外の友人達が若干当て馬ぽいですが。
スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫)より
4102193057
No.5:
(3pt)

キングの純文学志向と異常性

キングは比較的好きな作家だが、気になるところがあって読んでも楽しめないときが多い。過剰な純文学志向と、心の底に異常を抱えた感じが常にするのが引っかかる。 

 本書の前書きでキングは「ホラー作家のレッテルを貼られても全然気にしない」と書いている。これはかなり反語的で、「本当は純文学作品も書けるんだよ」と言っている気がするし、また彼の純文学コンプレックスの現れとも思える。
 そのせいかキングの書くものは、ストーリー周辺が必要以上に煩雑で読みにくい(“ホラー界のナボコフ”を狙っているのか)。時代の雰囲気を表現するのにその時代に流行った大衆文化(ポップ音楽、テレビ番組など)を安易に当てるので、緊張感が崩れてしまう。
 また異常性について言えば、それは後味の悪い作品が多いことに現れていると思う。

 「スタンド・バイ・ミー」にはこの二つの問題が如実に現れている。
 「恐怖の四季」4部作の秋篇で、1960年の9月、猛暑の夏休みの終わりに悪童四人組が遠い森へ探検にいく楽しい冒険物語・・・ のはずだが、目的は「子供の死体を見に行く」こと。後味のよいわけがない。映画化された「スタンド・バイ・ミー」の印象に引きずられがちだが、原題はザ・ボディ=死体、アブノーマルな話なのだ。

 文学作品の中のすべての旅は「自分探しの旅」であり、また橋を渡り水に潜るのは再生の暗喩象徴らしい。4人の少年たちはまさにそれをやっている。しかし最終目的が死体では、少年たちの将来は暗い。
 この物語は、唯ひとり生き残り、作家となったゴードンの回想という形式をとっている。回想には若い頃の文学修行や文学的テーマの追求などが挟み込まれている。しかしゴードンは結局、この先も“死体を探しに行く話”を書き続けるほかないだろう。

 4部作の中でいちばん怪異の要素が強い「マンハッタンの奇譚クラブ」は、ねちっこい残酷描写が強烈な印象を残す。ゴシックホラーの雰囲気で読みやすく、伏線が巧みに張ってあるが、本題に入るのに時間がかかりすぎるのが難点。ナボコフ並に比喩や喩えが多すぎる。

 全体が純文学的な二重構造になっていて、本筋の怪異譚が語られる場であるクラブ(の建物)自体にも不気味で得体の知れない謎があるところが面白い。この先、いったい何が起こるかという不安を感じさせる終わり方が文学的でよい。とにもかくにも4部作の中でベストの作品ではないか。
スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫)より
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No.4:
(3pt)

映画は傑作でしたが…

映画を観て、そのあと本を読んだものです。
少年達の友情やアメリカの寂れた田舎町の情景が映画では上手く撮られており、何とも心にしみました。永遠の青春映画になるでしょう。
ただ、正直なところ、本は映画に比べ少し見劣りすると感じました。映画だからこそあの哀愁が出せるのでしょう。今でも目に浮かびます。錆びた線路を歩く四人の少年達の姿が…
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No.3:
(3pt)

少年期のノスタルジー賛歌

 幼少期には一度は通る死という通過儀礼だろうか? 誰しも経験する死への好奇心は多かれ少なかれあるけれども、作者にはそのモチーフを物語へと構築する執拗な意志が漲っている。事実のグロテスクさなのかストーリーテリングの絶妙なのか?というくらい、たしかに読ませる力量は並ではない。比喩の面白さ、というか強引さというか、文章スタイルは独特である。少年時代特有のあの微妙な鬱屈とストレートさに浸りたいときにはうってつけの、大人の読み物だ。悲惨でありながら栄光でもある、繊細でありながら能天気な少年期のノスタルジーの賛歌である。
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No.2:
(3pt)

あまりにも有名

 あまりにも有名な映画の原作。どちらが面白いかは意見が分かれるところだが、個人的には感情移入しやすいという理由から映画のほうが好きだ。とはいえ(映画が原作をほとんど忠実に再現しているため)大きな相違点はないし、決してつまらないものではないと思う。
 手軽に楽しみたいのならば映画を、深くじっくり浸りたいのならば小説を、といったところか。
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No.1:
(3pt)

子供時代に終わり

 スタンド・バイ・ミーは4人の少年達のひと夏の冒険の中で、子供時代の決別を描いている作品です。 4人が4人とも複雑な家庭事情をもち、違う未来を見ていながら、それでも誰かと自分を区別する事なく遊んでいられる時期というものはそれ程長くはありません。ティーンエイジャーに入り、選択する道が違っていけば仲間も変わってゆきます。いつまでも子供時代の仲間が変わる事なく一緒に大人になってゆく事はできません。  4人の少年は12才。学校が始まる寸前の休暇を行方不明になった子供の死体探しに行きます。電車の線路を歩いたり、ヒルだらけの川で泳いでしまい、大騒ぎしたり。そんな中、4人がいつまでも一緒ではない、という予感をさせるようなエピソードがさりげなく盛り込まれています。 「人が足を引っ張るんだ」ひときわ大人びているクリスがラチャンスに言います。お前は別の道に進んでいかなければならない、と。自分達は一緒にはじきにいられなくなるだろう、という予感をもう既に感じ始めているクリス。それが大人になってゆく事なのだ、と子供なりに感じて始めているのです。  見つけた死体を前に、兄達不良グループにそれを奪われまいと拳銃を向けるクリス。友人二人は雷におびえ逃げてしまう。最後に側に残ったラチャンスにクリスは震えた声でいいます。 「そばにいてくれ」 「ここにいるよ」 それが決定的な選択であったかのように、その旅の後、学校に戻った彼らはいつしか別べつの仲間に属し始め、別々の道を歩んでゆく事になります。 最後まで友人としてそばにいたクリスとラチャンスもまた別れを経験する事になります。 大人になってゆく10代のあの頃、彼らと同じように違う道を歩み始めた時から、いつまでも一緒にいるのだろうと思ってきた仲間達と、何度同じような別れを経験してきただろう。今はもう会う事もなくなった仲間達と過ごした10代の無邪気な日々を、思い出させてくれる作品です。
スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫)より
4102193057

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