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クワイエットルームにようこその評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 21~40 2/3ページ
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映画でタイトルは知っていましたが観る気はあまり起きませんでした。 しかしながら、このキャッチャーなタイトルが目に飛び込んできて、あっこれが原作か、という感じで読みはじめました。 レトリックの勝った文章にはやや食傷気味なのですが、この小説もいきなり夢の中の描写になっていまして、あっやっぱり、という思いがいたしました。 出だしはノリが悪かったのですが、不思議なもので、状況が呑み込めてくると少しづつ興味が湧いてきます。 この当たり逆に場面展開の上手さなのでしょうか。 登場人物の個性も把握出来始めるとますます面白くなり、ノリはどんどんよくなります。そしてあっと言うまもなくラストシーンが。 一つのエピソードに一人の生き様を凝縮させたような、そんなドラマでした。 読み終えて、青空が広がるような感じです。 | ||||
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おんなじ人間なのに、いろんなものが影響してくると人は弱くはかなくなってしまうもの。それは、自分が望んだものでもないしだからといって誰かが治せるものでもない。 この物語の舞台となっている病院は精神病棟。 叫んだり泣いたりなんてあたりまえ。 きっと、外に出たら彼女たちはおかしいのかもしれない。 でも、そんなのいつ自分がなるかなんても分からない。 いろんなことがある世の中だからこそ、自分の心ひとつで受け入れられなくなることだってある。 でも、彼女たちは自分たちの方法で一生懸命生きている。 これを読んで、いろいろなことを感じてほしい。 | ||||
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久々に小説を読んで思わず笑った作品。 もちろん良い意味で。 蛇にピアスが芥川賞取れて これが候補止まり。 文壇はクワイエットルームなのではないでしょうか? | ||||
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主人公はふとしたきっかけから、薬物の過剰服用、その結果精神病院の閉鎖病棟に送られてしまう。彼女が薬物をおつまみ代わりに飲んだのは、どうしてもさびしくてやりきれなかったとき口寂しくって・・・さきイカでも、ポテトチップスであったかもしれない。 たまたま飲んだクスリでふわっと気持ちよくなったので、それで飲み続けた結果、壁の中(精神病院の隔離病棟)に送られてしまったのである。 クワイテットルームにいる人は確かにクセ者で、変な人かもしれないが、そんな人たち私たちの日常生活にたくさんいるようにも思う。 要は壁の内外にはあまり差はないかもしれない。 主人公が全く違う人物(病院の先生のおかげではない)となり、さわやかに新しい人生を歩むのが好感。 | ||||
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薄い文庫なので、手軽に読むことができる。友人のススメで読み始めてみた。 短編小説のようなテンポで話が進むので、飽きがこずに、話のテンポのよさにのめりこんでいく。私には縁のなかった精神病棟の中が克明に描かれており、その風景が頭にイメージできてしまう。 本編にて、ODで入院はしたが自分自身が正常であると思っていた主人公が、異常な世界にフツーが何か、正常とは何かを見失うシーンがある。同じ入院患者に「アナタはフツー」と言われ、実際に、自分がフツーなのか、それとも、フツーじゃない人にフツーといわれることが、既に自分がフツーじゃないことなのかと思っているだろう。 私がこの本を読みきったとき、「フツーって何?」って思ってしまった。 ココロが弱っているときに読むと逆に危険かもしれない。 | ||||
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大失敗。DVDで、映画化されたこの作品を観てから、読んでしまった。 映画を観た時の感動は もてなかった。 それくらい 映画のインパクトは強かったのだ。 映画の台本、あるいは 原作という 位置づけになってしまった。 しかし、最初から 映画化の構想があったのだろうか。 一人の女性が わずか 2週間の精神科病院の生活で 大飛躍していく姿は、私にとっては『奇跡の人』のヘレン・ケラーを思い出す。ヘレン・ケラーの場合は 20歳のサリバン先生が 熟しはじかれる瞬間をつくった奇跡の人として 位置づけられている。 主人公 佐倉明日香の 人生は あまりにもつらすぎる。重すぎる。彼女が 現実を十分に引き受け相対化し 新しい生き方を固めた舞台は精神科病院である。同棲していた男性の姿が大きい。 精神科病院の現状を軽やかに描きすぎているという不満がのこるが、その中で 凝縮し飛躍していく佐倉の生き方には やはり感動させられる。 しかし、よく 映画は この小説をしっかり おさえて 作られているのだということがわかった。 原作・脚本・監督すべて 松尾すずきなる人物が一人で作ったのだから当然と言えば当然か。 これから、松尾スズキなる 創作者に関心を持ち始めた自己に気づく。 | ||||
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テンポがいいです。ラップミュージックみたいな。そして、早い。あっ、という間に終わりました。それなのにとても長いストーリーを読んだような気分になりました。 明日香が裸になって訴えるシーンなど、かっこよくて鳥肌ものです。しかし、精神科でのリアルな人間観察をコメディタッチで描くなんぞ、お見事です。 | ||||
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自分は映画を見た後で小説を読んだ派である。売れっ子脚本家宮藤勘九郎によるものとてっきりかん違いしていた<劇中の軽妙な会話>が、実はこの小説の原作者であり、かつ映画の監督をも勤めた松尾スズキ氏が、元夫の自殺と父の死によってODに陥った女性になりきって書きおろした、オリジナルそのままであることにとても驚かされた。 リズム感抜群でそこはかとなくウィットを感じさせる文中の会話(含むひとり言)は、会社のとなりに座っているすまし顔の派遣社員が、酔っぱらって男友達と話す時はきっとこんなんだろうなと想像をたくましくしてしまったほどだ。いまどきのアイドル小説家のそれとは一味も二味も違う、笑いのツボを心得た独特の言い回しは、一度映画を見た後でも二度笑えるポテンシャルの高さを誇っている。 しかし、この作品にはそんな<お笑い>の要素だけでない深さがある。主人公佐倉明日香の心の叫びは、全国に数万人といわれる精神病患者の苦悩をまさに代弁しているといっても過言ではない。れっきとした確信犯にもかかわらず、<間違って>入院させられていることをひたすら強調する彼女たちのウソが、なぜこんなにも痛々しく胸に迫ってくるのだろう。 | ||||
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出だしは、文章も表現も描写しているそのモノも。 さるきち気分が悪くなりました。 でもね。 やめられないのです!! 食べ物や薬など、何かに依存しなければ生きていけないヒトたち。 彼らが収容されている精神病棟に ODをして意識不明のまま担ぎ込まれたのが明日香でした。 ガリガリの拒食症患者、髪に燃やし半狂乱の女、、、 健常とは呼べないヒトたちの人間模様が描かれているのですが 情景の描写はほとんどなく、 主人公のココロの叫びと擬音語で話が展開されていて雑。 一方でかなりテンポが良く、 まるで舞台を観ているかのような臨場感。 さるきち惹き込まれ、一息で読んでしまいました。 この小説こそ、中毒になります。 摂食障害は適正に表現されていたのかなあ。 損なうこともなく、美化することもなく、 公平な視点から描かれていたように思います。 この原作がどのように実写化されているのか気になるところ。 | ||||
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出だしはひどい。文章も表現も描写しているそのモノも。 さるきち気分が悪くなりました。 でもね。 やめられないのです!! 食べ物や薬など、何かに依存しなければ生きていけないヒトたち。 彼らが収容されている精神病棟に ODをして意識不明のまま担ぎ込まれたのが明日香でした。 ガリガリの拒食症患者、髪に燃やし半狂乱の女、、、 健常とは呼べないヒトたちの人間模様が描かれているのですが 情景の描写はほとんどなく、 主人公のココロの叫びと擬音語で話が展開されていて雑。 でも一方でかなりテンポが良く、まるで舞台を観ているかのような臨場感。 さるきち惹き込まれ、一息で読んでしまいました。 この小説こそ、中毒になります。 摂食障害は適正に表現されていたのかなあ。 損なうこともなく、美化することもなく、 公平な視点から描かれていたように思います。 この原作がどのように実写化されているのか気になるところ。 DVDも観てみようと思ってます。 | ||||
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ゲロッた後に呑む、果汁100パーのジュースは、気配り上手。 このBONGも、ゲロまみれでセツねー。 ゲロッちまうこともあるよ、人間だもの。 日常は、ゲロみてーだ。 このBONGは、ゲロから産まれた、果汁100パーみてーなナイスなワクチンコ。 笑って、泣いて、次は何を望む。 クワイエットな部屋なら、カギは開いてる ゲロゲーロ。 って、たしか……青空……… | ||||
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確かに面白く、途中で止められなかったけど、それは芸能ニュースを見ているような感覚に近いものだったと思う。 「自分の周りにいる女性たちからいろいろリサーチしてこの本を書いた。」とラジオで作者が語っていたけど、ちょっとヒドイ。これが一般女性の心理と思われると(思わない?)こわい。 | ||||
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映画を観にいこうかなー、とか思いながら本を手に取ったらついつい読みたくなってしまいました。 オフィシャルサイトでプレビューなんかを見た後にこの本を読むと、内田由紀演じる明日香や蒼井優演じるミキが思い浮かんで、映画を見ているような感じですらすら読めちゃいます。 毎日毎日仕事に追われ、恋人とうまくいかず、タバコぷかぷかで、嫌なこともたくさん。 隔離病棟での非日常生活とそれぞれココロに問題を抱えた患者たちと出会ううちに、忘れていた何かを思い出させてくれる。 それはもともと前からつながっていたものなのかもしれないのに、いつもいつもすっかり忘れてしまう。 ちょっとゆっくりしよう、と思っちゃうお話です。 | ||||
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ページ的にはかなり薄めに思える148ページ。 主人公は喧嘩が原因で精神系の薬を大量に服用(OD)。病院に担ぎ込まれ、K病院に入院。そこで様々な人と出会う。 閉鎖病棟の中の様子や、入院患者の一人一人の様子がしっかりと描写されているのに、ちっとも重くない。でも笑い飛ばせて読める程軽くはない。適度な重みを感じながら主人公が立ち直っていくのを見守っていける。 ODは事故だった、自殺を意識していない、間違ってここにいる・・・主人公はずっと同じ事を思っているのに、ラストでは最初とは違う主人公の成長のさりげなさに驚かされます。 最初のタイトルも、最後のタイトルも同じ「わたし」。同じタイトルなのに、ここまで感じ方が違うのは初めてです。 サラサラと読みやすいのに、読み終えた後はものすごい充実感・・・。 登場人物や舞台の描写、テンポ、すべて☆5つです。 そんじょそこらの分厚いだけの本とは比べものになりません。 全ての本好きさんにオススメです。 | ||||
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短編なので、最初の出だしを読んだところから、グイグイ引き込まれて、一気に読みました。 主人公明日香の目線と、自分が一体になってしまって、まるで自分の体験した事のように、精神病院の中の様子に、実にリアリティがありました。 人の心の脆さ、儚さ、危うさが非常に良く描かれています。 扱っているテーマは暗く重いのに、それを感じさせず、明るく、ユーモアもあって、清々しくさえありました。 | ||||
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主人公は佐倉明日香。決して人生が上手く行っているとは思えない状況です。そんな彼女が、同棲している男性と大喧嘩し、意識的かどうか大量のクスリを飲み、意識不明になってしまいます。 彼女が気がついたのは、K精神病院の閉鎖病棟のクワイエットルームでした。5点を留められ、身動きも出来ず、失禁し、尿パックがぶら下がっていました。 そんな酷い状態から、精神病院の様々な人々と接触しながら、自らの立ち位置を確保して行きます。そして、精神病院の枠を超えた強さを持つようになります。 ラストで、彼女が立ち去る時の日差しの温かさが、彼女のこれからの人生の明るさを暗示しています。 無駄の無いテンポいい話の展開は、題材に反して非常に明るいものです。それは、主人公の性格が強くなってゆき、明るく人生の立ち直りを見せる様に、上手くマッチしており、読後感の非常に良い作品になっています。 | ||||
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狂気と正気の境目は、誰にも見えない。 そこをきっちりと描けるのは、作者が自分が正気側にいる確信があるからだろうなぁ。 いったんひどく壊れても、人間には再生能力があるってお話でもある。 でも、心の揺れがちな人は読まない方がいいと思う。 マイナスの方へ吸収されるってこともあるからね。 そう言う意味で、こういう哀しい話は嫌いだ。 ツライことは、生きていれば現実にいっぱいある。 小説でそれをなぞるのは、あまり新しい発見がない。 | ||||
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芥川賞は逃したのは残念ですが、これだけ面白くて笑わせてもらったから ぜんぜんOK。 睨み飯や裸でドジョウすくい、片手にマトリョーシカなんて状況を創造する だけで笑えました。豊かなイメージを喚起する傑作中篇小説。 せひ、松尾スズキ主演で映画・ドラマ・舞台のどれかで観てみたい。 これを面白かったと思った人は、本谷有希子の芥川賞候補作『生きてるだけで、愛。』 を読んでみてください。同じ系統の作品で、文体も似ているし、笑いの系統もセンス 抜群なので面白いですよ。 | ||||
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まず、最初の2ページだけ読んでみただけで、松尾スズキが天才だと思った。 年頃の娘が腰に手をあて、自分のゲロで、ゲロした口をうがいする。 この発想のグレートに奇矯なこと! そして、最後には意外にもホロリと泣かされちゃった。 サブカル的な松尾スズキのすばらしさがわからない人でも、 本書は価値があるものだと思うよ。 | ||||
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物語の冒頭で 「ついていけないかも…」と心配になってしまったが 読み進めるうちに どんどんハマっていく自分に驚いてしまった。 下品なようで下品じゃない。 なぜ松尾さんはこんなに女心をうまく描けるのか? ラストもさっぱりしていて読後感も◎! 奇才です。 彼に芥川賞あげてほしかったな… | ||||
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