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クワイエットルームにようこその評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 41~48 3/3ページ
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『宗教が往く』のパワフルさを考えると、ちょっと落ち着いた作品ではあるが、普通に面白い小説を書けるということを証明した感じがする。重いテーマを軽い文体で書けるというか。そして重いテーマを軽く扱うことしかできない自分を自覚しているような主人公の造形はいまっぽく、リアルで、おじさんが書いていることをとても感じさせない。ふしぎだ。重いはずなんだけれど読後感がなぜか爽やかなところもよい。読んでいるあいだじゅうずっと面白いし。 | ||||
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松尾スズキの書く文章では、メインのプロットにあまり関係のない話が必要以上におもしろかったり、さして重要でもないキャラが無意味に立っていたりする。それが「内容はなくても読んでいるだけで楽しい」という、独特の松尾ワールドをつくりだしていた。 この作品ではそういうノイズがかなり取り除かれていて、「宗教が往く」に比べると、一直線で薄い仕上がりになっている。それを洗練と呼ぶのかもしれないが、「宗教」の濃厚さにクラクラした者としては、少なくともこの2倍のボリュームで読みたかった。 | ||||
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クワイエット・ルームへようこそ 松尾スズキ オーバードーズで強制入院させられた女性ライターが、退院するまでの14日間を描いた物語。 まず、構成でうーんなるほど。 話の中をうろちょるする人々で、そうかなるほど。 そして、結末で、セブンスの和音が聞こえる気がして、なるほど。 表出している単語や言葉は、おじいちゃんとかがみたら心筋梗塞を起こすかもしれないものもありますが、ある部分で、とても品があると感じずにはいられないのも事実です。 極端な設定と言葉の中で、品のよさを醸しだせることができるということは、 つきなみな言葉ですが表現力がずば抜けているという気がします。 | ||||
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閉鎖精神病棟での二週間が、ドキュメンタリーのように描かれる。どいもこいつも嘘つきで、狂ってる…って、あっここ閉鎖病棟ジャン。そういうノリで、ヘヴィーな宿命を笑いのめして客観化している。 冒頭の、狂乱と錯乱の描写が圧巻だ。 ラストの決然としたふっきり方が力強い。狂人は自分を狂っているとは思わない、という定義にとらわれて、狂っていないと思う私は実は狂っているのでは…などという思考の迷路からキッパリと脱出している。これだ。この自分を信じる力が、あちらとこちらの境界線なのだ、きっと。 | ||||
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友人の奥さんがODで胃洗浄の憂き目にあったことがあったので、 かなりオーバーラップして読んでしまいました。 ケリを自分でつけようとしたラストの主人公の取った態度は立派。 病院の事務手続きの融通のきかなさや仕事のずさんさ、 親しげに近づいてくるうっとうしい患者仲間、 脱出したいと思ってるのに、無能ゆえここに留まっているのに甘んじている人たち。 人間が集まればどこにでもある面倒くささが、精神病院を舞台にカリカチュアとして描かれていて面白かったです。 冒頭のイメージは強烈です。 女性を主人公にこうまでヨゴレを演じさせるのは、やはり松尾スズキが演劇の人だからでしょうか。 | ||||
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熱で体温計が割れる、とか、鼻水がですぎて、むしろ縄遊びに興じるとか(鼻水をのばしてぐるぐる回す)、そういう見た目にわかりやすい「病気」って良いですね。でも、精神的な病気って端の人間が勝手に決めていくのだな、と思ったらちょっと恐ろしくなりました。妙な人の概念だって、場所を移動すればガラリとかわってしまうくせに、どちらにせよ自分で「私、規格内ですから!」とか「今日の私は規格外で!」とか宣言できません。自分が自分のことを普通と思う、自分が自分のことを病気じゃないと考える、あの人とは違うと考える。でも、それはもっとまわりから見れば、同じ同列の人間に淘汰されちゃったりしていて。そんなことを思った本でした。文章のいたるところに、ゆかい言語も名言等も秀逸。個人的には、松尾スズキ氏がここまで違和感なく女性の目線で文章を書ける人なんだ、と驚いた次第です。まったく失礼な話ですが・・・。文学的にどう評価されるかは謎ですが、芥川賞が楽しみです。(とくに宮本輝氏のコメント等) | ||||
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芥川賞候補になったそうですが、 ちょっとびっくりした反面、 これでもっとこの人に脚光が当たると思うと、 素直にうれしいです。 この人はテレビの露出がほとんど無いので、 世間一般にはあんまり知られてないと思うのですが、 演劇界では言わずと知れた、ものすごい人です。 何がすごいって、劇中に笑いをふんだんに散りばめて、 かつそれぞれが、高水準に笑えます(ダークな笑い多し)。 そういった劇での脚本や演出で鍛えたものが 文章でも活かされて、文章の方もなかなか素晴らしいです。 これを期にこの人の作品に触れてみてはいかがでしょうか? | ||||
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目が覚めたらそこは精神病院だった…という、自分の身に起こったらとんでもない世界。 主人公を含め、その中の人物は哀しくもオカシな人ばかり。 キャラクターが素晴らしい!とんでもない奴らだがどこか切ない。 読み終えたら、笑いながらも泣いている私がいました。 | ||||
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