■スポンサードリンク


ケルベロス第五の首



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
ケルベロス第五の首 (未来の文学)

ケルベロス第五の首の評価: 3.69/5点 レビュー 13件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.69pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

自己同一化の不確実性

2004年度の傑作との誉れ高き作品です。ジーンウルフは70年代最高のSF作家の一人で、日本で最も過小評価されている作家とのことです。1972年作の本書は彼の最高傑作であるにもかかわらずその難解さのため今日ようやく陽の目を見たとのことです。 

 物語の舞台は人類が植民した双子惑星。現住種族は絶滅したとされています。しかし姿を変えられる彼らは人類になりかわり生き続けているとも言われます。そして彼らは自分たちが人類ではないことすら忘れているというのです。三つの中編で構成されます。文体も構成も異なる三つの話が複雑に交錯しやがておぼろげに全体像が見えてくるという仕掛けです。全体を貫くテーマはどうやら「アイデンティティの不確実性」です。 

 確かに不確実です。三話とも読んでいるうちに一人称が誰なのか分からなくなってしまいます。さらに「何にでも姿を変えられる原住民」という設定によっていつのまにか一人称が入れ替わってしまうこともあるかもしれません。現実的な日常を元に描いた作品以外はすべてSFと言っていいかもしれないというSFというジャンルの懐の深さをあらためて思い知らされました。
ケルベロス第五の首 (未来の文学)Amazon書評・レビュー:ケルベロス第五の首 (未来の文学)より
4336045666

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!