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向田理髪店
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向田理髪店の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全69件 41~60 3/4ページ
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北海道の寂れた小さな町の短編人情話。 どの短編も、ストーリーは悪くは無かったですが、 そんなに小さな町でも他人のことに現実としてはあのように深く関わらないと思います。 まぁ小説ですから。 一番気になったのは会話言葉が道民としては違和感てんこ盛り。 TVドラマでもよくあることですが、現地に住んでる人はこんな言い方しないというのが 必ずありますよね。あれと同じ。もう少し勉強と言っては失礼ですがリアリティが欲しかった。 更に細かいことですが、描写で出てくる「雨戸」。 自分の知る限り北海道では雨戸を取り付けてる住宅はないと思いました。 これも違和感。二重窓はあるけれど。 なのであまり感情移入できなかったかな。 | ||||
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奥田先生の大ファンです。 本作も,奥田節が現れており,期待を裏切るというレベルではございません。 ただ,なんというか,田舎の村人のいいところばかりを強調したようなストーリーで,これまでの奥田先生の作品にみられるような変態的な人だとか,おかしい人だとか,魅力的な人が全く出てきません。主人公に魅力がほとんどありません。 | ||||
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苫沢(とまざわ)市という、架空の町の住人たちが主人公の小説です。北海道中央部の、炭鉱で栄えた町が今はさびれきっている。ま、どうみても夕張市がモデルです。 町に10軒あった理髪店は、いまや2軒しかない。そのうちの一軒の店主である向田康彦53歳は、28歳の時札幌から帰ってきて父の跡を継いだ。息子の和昌も札幌で働いていたのに、父と同じように戻ってきて床屋を継ぐといいだしている。康彦は、未来のない町に息子が帰ってくることが、あまり嬉しくない。自分が25年前にここに戻ってきたのは、札幌でのサラリーマン生活に負けたからだった。息子もそうなのではという懸念もある。 東京からやってきて「町おこし」を訴える若い助役や、それにのって新しいことをやりたがる息子たちの浮ついた気分が気にいらない。 町主宰の「町おこし講演会」では、「苫沢は沈みかかった船だべ。親としては子供を逃がしてやりたい」と発言して、場を凍らせる。ところが息子の和昌が「やりもしねえで、沈むってどうしていえる」「おれたちのやる権利まで奪うな」と発言して流れを変える。 心配症の父親と、頼りなさげな息子の、世代交代の始まりです。 小中学校時代からの友だちとの、助け合いやいがみあい。中国からきた花嫁をめぐる町のざわめき。新規開店したスナックのママに浮足立つオヤジたち。映画のロケで舞い上がってしまう人々。秀才だった若者が東京で詐欺事件をおこし指名手配される…。 康彦が「沈んでいく船」と形容する町で、人々の暮らしがあり、笑いも涙もある。権威・権力の誇示もあれば、たてつく住民の意地もある。人人口が減ろうが、経済が低迷しようが、それでも人は生きていく。あたりまえのことです。 奥田は、苫沢市の現実が、この世の終わりでもなんでもなく、浮き世(憂き世)は所詮こんなものと、語っています。馬鹿笑いもせず、悲憤慷慨もせず、淡々と「寂れいく故郷」で暮らす。それでなにか問題でも?というオハナシです。いいねえ。 何年か前に「消滅可能性都市」ということばが雑誌の見出しに踊ったことがあった。経済成長がおわる、人口が減りはじめる。ただそれだけのことを、まるでこの世の終わりのように騒ぐ御用学者や政治家たちって、ホント最低です。 経済成長しない社会でいかに機嫌よく暮らせる仕組みをつくるか、収入が増えない社会でいかに若者たちが結婚でき子どもを育てられる社会をつくるか、減少する富を1%の人間が総取りすることを許さない仕組みをどうつくるか…。 奥田が描く「沈みゆく舟」住民のドタバタ劇は、「消滅可能性都市」というくだらないウソにみごとに一矢むくいています。奥田は、作品を通じてなにかをアピールするなどということを嫌う作家ですから、「そんな意図はなにもない」というでしょうけど。 | ||||
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主人公は、向田康彦。53歳 職業は、理容師。 舞台は、北海道の苫沢町。 苫沢町は、以前、財政破綻した小さな町。 作品は、6話の短編集。 田舎町ならではの、人間関係や過疎化の問題を、 時にユーモアを含みながら描く。 刺激がない苫沢町に小さなスナックがオープンしたり、 映画のロケ隊が来る度に、町民は浮足立つ。 田舎であるが故に、過干渉や噂といった 人間関係の問題は避けて通れない。 しかし、田舎であるが故に、町民同士の 助け合いや思いやりが生まれる。 苫沢町の人たちの暖かさが、 心に響く良作である。 | ||||
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さらりと読めるご近所人情話でした。しかし、奥田さんは振り幅ひろい作家さんだなぁ。 | ||||
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重くなく、軽くもなく、楽しく読めました。 読後に、何年か経ったら、また手に取りたくなるなるだろうなと思ったのは、私が作者の描き出す温かみのあるとぼけた世界が心地良いと感じたからでしょう。 | ||||
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北海道の過疎の町の理髪店を舞台に、町民たちの悲喜交々を書いた連作集。第一話が中途半端な印象で終わり、違和感がありましたが連作と分かり納得しました。 かつて炭鉱で栄えた町がすっかり寂れ、その閉鎖した空間の中で、濃密すぎる人間関係が築かれます。理髪店の店主を主人公にその家族や仲間の姿や考え方が、町の変化やイベントなどを通じ、面白可笑しく、時には物悲しく書かれます。 過度に悲観するでもなく、といってこのままでいいとも思っていない町民たちの一見ライトな物語ですが、実はテーマは奥深いです。 | ||||
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人口の少ない村に馴染みのある人や、少し年配の人には しみじみと心に沁みるかなと思う、過疎村の日常話でした 村特有のおせっかいや仲間意識、焦りなどが奥田さんらしくすんなりと胸に届きました | ||||
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奥田しの作品は、軽妙でユーモアがありよく読みます。久しぶりの新刊なので 楽しんで余も増した。 | ||||
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普段、娯楽に飢えた過疎地に住む住人たちの日常と非日常をうまく織り交ぜた温かい物語だった。 変化がない田舎町だからこそのよさや、田舎町だからこその将来への不安が、理髪店の主人の視点から、丁寧に描かれていた。 小さな町なので、結婚の話はすぐに広まったり、映画撮影があると誰もがかかわりをもちたくなったり、誰かの家のお爺さんが倒れたと聞いたら皆で助け合ったりと、古きよき時代の話が当たり前のように描かれていて心が温かくなった。 都会にはない住人の優しさや近所づきあい、見栄、噂話などがおもしろおかしく描かれていて楽しかった。 | ||||
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炭鉱で栄えた町「苫沢町」 今は若者がどんどん減って寂びれてしまった 北海道の田舎町が舞台です。 その町にある向田理髪店 父と息子を中心に 町の人たちがなんとか町を立て直そうと どたばた&じたばたするのを 大変に暖かな目で見守るかのように綴られた作品です。 まあ、その。所謂奥田節ですよ。 んー 街にというか都会に住んでいる人が読む分には きっと楽しいのでしょうけど、 実際に田舎に住んでいる身として なんか田舎の嫌なところを 都会の目で美化してるのが鼻に突いて・・・ なんか、嫌だよ、田舎はって認識を新たにしました。 私が住んでいるのは苫沢町よりは大きいというか 一応県庁所在地の市なんだけど やはり田舎は田舎 道を歩けば知り合いに会う(笑) そんな世界の厭らしさに日々晒されている身として 読んでいてなんかぞっとしました。 さすが奥田さんの力量ですね。 | ||||
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北海道の過疎化した街が舞台。そこにある一軒の理髪店の親父を中心として小さな街ならではの出来事を通して様々な人間模様を書き表している。 跡継ぎ?の長男が良い味を出しており物語をより魅了的にしている。 これは続編必要だし、ドラマ化されそうな作品です。 | ||||
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日常を描く奥田作品が大好きなのと昔暮らしていた北海道が舞台ということで、大いに期待して購入した。しかし読み終えるまでかなり苦痛だった。人によってはこれはいい話なのかもしれないが、 "田舎" の嫌な部分がこれでもかと描写され、自分がなぜ田舎が嫌いだったかをあらためて思い出し、田舎は本当に嫌だという気持ちを新たにした。残念ながら僕は和昌のような楽観はできないし、これからも二度と田舎には住みたくない。 静かな描写でこれだけ感情を波立たせるという点ではさすがの奥田作品と思うが、自分が求めていた読後感と真逆のものを与えられた残念感が大きい。香りのいい煎茶と思っ飲んでみたら生ぬるい青汁だった感じ。とりあえず今は二度と読みたくないので星2つ。 | ||||
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かつては炭鉱の街として栄えた「苫沢町」が舞台の物語。連作小説集の形をとり、 中心になるのが「向田理髪店」である。 街で起こるさまざまな事件や騒動がテンポよく描かれる。 しんみりとした小説集ではなく、なかなかに騒々しい。 メインになるのは理髪店主康彦と息子を巡る物語だが、 この息子がだんだんと地元に根付いていく。 もともとは札幌に住んでいたのが、1話ごとに……。 奥田英朗は、ちょっとクセのある人物像を描くのがうまいのだが、 この本ではそれが生きている。 長編よりも短編のほうがいいじゃないか……と思った1冊。 | ||||
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過疎地の人間一人一人の心情にスポットをあて、物語を進めていく術は相変わらず秀逸で、面白い。読後感もほんのり幸せ感が残ってお薦めです。 | ||||
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著者の作品はほぼ読了していますが、この作品はいまいちでした。作者特有の、市井の人々の微妙な心の揺れや不合理があまりにもパターン化されているように感じ、入り込めませんでした。 | ||||
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過疎の進む北海道の田舎町を舞台とする連作集である。五十代の理髪店店主の視点で様々な人間模様が描かれる。 老いた親の介護や中国人花嫁など今日的なテーマは、興味深く読ませてもらった。 新装開店したスナックの色っぽいママを巡るオヤジたちのさや当ては、とにかく笑える。 大した事件が起こるわけではないが、ストーリーが巧みで人物造形が優れているので、夢中で読みふけった。ラストの二篇が秀逸だ。 『赤い雪』低予算映画のロケ地に選ばれて、住民たちは浮足立つ。いじましくも情けない。だからこそ共感できる。 『逃亡者』地元出身の若者が東京で犯罪を犯し、指名手配を受けた。本作が最もサスペンス風味が濃い。 陰惨な展開を予想したが、良い意味で裏切られた。 狭い地域での人間関係のわずらわしさが基調となっているが、読後感は意外と爽やかだ。 先のことを考えても仕方ない、なんとかなる。というか、なるようになる。性善説寄りの楽天性が気持ちいい。 作者は「邪魔」「オリンピックの身代金」のような情け容赦のない黒い作品もいいが、「家日和」のような楽しい作品も達者だ。本作は後者に近いかな。 | ||||
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正直、実に面白かった。無理して、書き上げたストーリーではなく、実際、 地方の過疎化が進む町の問題を、人が集まる向田理髪店を通して、町民の 出来事と人々の心の交流が、温かい視点で描かれている。 人が殺される様な出来事が起こるわけでもなく、極めて日常的な出来事 の中から見えてくる田舎人ならではの良さが、伝わり嬉しい。 最近の奥田作品では、一番、好感が持てる良い作品だと思います。 | ||||
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若者の流出著しい、北海道の過疎化した地域の理髪店・向田理髪店の店主が主人公。 どちらかといえば、都会と真逆の濃密な関係の中で生きる人間模様を描いている。 自立して札幌に出ていた息子が家業を継ぐために帰ってくるのだが、 うれしい反面こんなところに帰ってくるなという気持ちも持っている…。親の心情をうまく表していて妙にリアルだった。 映画のロケがやってきたり、小さいスナックでのママの奪い合いなど全編事件は小さいが、ざわつく人々の姿が楽しい。 ふらりと現れては任期の間に町を活性化させようと、いろいろなプロジェクトを立ち上げる自治体の公務員。それに感化される若者たち。 村おこし町おこしが今、ブームになっているが、成功よりも圧倒的に失敗が多いという事実をやや皮肉ってもいる。 かつては栄えた町が、今や見る影もなく衰えて、さらに住民も老人ばかり…というところは日本に多いしこれからも増えていく。 しかし、少子高齢化や過疎化とひとくくりにされた町には、個性ある人々が生きているのである。そんな当たり前を感じさせてくれる小説。 | ||||
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ヒューマンドラマを書かせたら右に出る作家はいない。さすがは、奥田英朗さん。北海道の過疎の町。町民が町民同士、全部知ってて、幼馴染だったり、同級生だったりする小さな町の日常と小さな事件の連作短編集。 | ||||
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