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榎本武揚
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榎本武揚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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中古とは思えないくらいきれいでした。満足しています。ありがとう。 | ||||
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あちらこちらに、大きな声では言えぬ謎めいた一節がある。そこに気づくか気づかぬか。一気に読み切った。面白い。 | ||||
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中公文庫がこの世に出た頃(多分1970年代の初め)にこの本も出たように記憶している。その時に買いました。そうですね買って読みましたというのが正しい表現のはずですが、読み出して面白くなくなってというかわからなくなって挫折したというのが正しい表現です。他の安部公房のものはもう僕には難解だと思っていたので手を出していなかった。この本は実在の伝記みたいではじめの導入部分も面白そうだったので買ったわけです。 当時は新選組の知識もそれほどなく、大方40年のあいだに新選組の知識も増え、さらに明治維新の興味も増え(多分にるろおにの影響ですが??)、榎本武揚自身への知識も増え、今回晴れて読破ということに。一種の「転向」を取り扱ったものというより、もっと大きなテーマですね。どこに行くかわからないナックルボールの榎本と直球オンリーの土方が函館に一緒にいたこと自体が実に不思議な縁だとずっと思っております。 壬生義士伝とかこの本もそうですが、実在の人物が登場してきて実話とフイクションが入り混じる作品はなんか疲れますわ。あとでどこまで真実か調べようとするからかもしれません。300人の囚人の話は全く虚構なんでしょうかね? | ||||
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愚かな記憶力である。安部公房がなんで歴史小説を書くのだろう。 いや、『榎本武揚』は歴史小説であるはずだ。 一度読んでいるのに.いや2度読んでいるのに25年ほどの月日は 記憶を抹殺していた。 安部氏の『榎本武揚』は歴史小説ではなかった。 冒頭は,北海道の厚岸で.明治時代に船から300人の囚人が脱走、 島の奥へ奥へ進み,自分たちだけの共和国をつくった,という土地の言い伝えから始まる。 ここが先ず.安部公房である。 榎本武揚は,最後まで,この共和国の住人のように謎に包まれた人物として描かれる。 それは、朝幕二軍に仕えた,榎本武揚に対する,安部公房的回答である。 | ||||
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まず、この小説の登場人物たちの歴史像を紹介しよう。 榎本武揚:英語、オランダ語を学び、プロイセン王国とオーストリアを盟主とするドイツ連邦諸国との戦いで、プロイセン王国が、情報(電信)とロジスティック(鉄道)という近代戦の要を駆使して勝利するのを、実際に目の当たりにする。慶応4年(明治元年)-明治2年、旧幕府海軍副総裁として、最後の戦い、箱館戦争を戦い抜く。その戦争にあっては、留学中に知った赤十字精神を実践し、敵・味方の区別なく治療に当たらせる。福沢諭吉らの助命嘆願により、生き延び、「明治最良の官僚」との評価を受ける。足尾鉱毒事件においては、初めて「公害」という概念を定着させる。二君に仕えたという点において、福沢諭吉は、オポチュニストと激しく批判した。 土方歳三:新撰組副長。戊辰戦争では榎本武揚と共に戦い、指揮官としての抜き出た才能を発揮する。池田屋事件で見られるように、冷静の人であったらしい。また、鳥羽・伏見の敗戦では、近代戦の必要性を痛感する、聡明な人でもあったらしい。ハンサムで長身であった土方は、35歳で戦死している。 島田魁:新撰組伍長。おそらくこの小説の「書き手」浅井十三郎のモデルとなった人物。箱館戦争では、常に土方と行動を供にし、戦い抜いた。明治の世にあっては、榎本武揚の(政治への)誘いを断った。また日記等を残し、貴重な歴史資料となっている。 この小説のテーマは、山田風太郎の言葉が裏から語っている。「榎本武揚が五稜郭で死んでいたら、日本史上の一大ヒーローとして末長く語り伝えられたであろう」。「時代」と関わる時、常に忠誠は善であり、転向は悪なのか?榎本武揚は、福沢諭吉の批判に代表されるように、転向者の烙印を押され、否定された。安部は、大胆な仮説の中での榎本武揚像によって、忠誠でもなく、転向でもない「時代」との関わり方を問う。 その問いは、経済のグローバル化により、国家というものが意味を失い、どんな主義からも自律的な巨大なシステムによって、全てのものが動いている現代という時代にあって、もはや意味がないように思えるし、逆に意味深いようにも思える。少なくても、土方歳三のように主義に殉じるという関わり方では、道を切り拓くことはできないだろう。 | ||||
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安部公房といえば、超現実主義的手法。つまり現実にはありえないことを書き、その中に現実の不条理などを描き出す作家である。しかし本書は、安部公房としてはかなりそれらしくない作品である。読みやすい。当時の新聞などよりの抜粋などが出てきたりして、おおいに現実に即して書かれている気がする。 時は幕末、幕府海軍軍艦奉行、榎本武揚は、反新政府側の最後の砦となりつつあった。当時、日本にある最新鋭の軍艦八隻を率いるその人だった榎本と合流するべく北へ北へと落ちていく幕府陸軍のトップ大鳥圭介。新撰組二番隊組長、土方歳三。そして、その途中で土方に仕官した新撰組隊士、浅井十三郎が見て、聞いて、感じて、そして知ったこと。土方は死に、榎本は生き残った。それはなぜなのか。普段、語られることのない「戊辰戦争」の真の意味とは。 | ||||
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「悪者」の役どころなのに、飄々として憎めない榎本氏の描き方が魅力的で新鮮で、悲劇的な史実をもとにしているのに、全体を通じてなぜか可笑しく、エンターテイメント小説として純粋に楽しめました。と同時に、実際、それはありえるかもと、少し違う角度から「歴史」を考えさせられもしました。 幕末小説としてはマイナーな部類だと思われますが、土方さんがかなり良い味を出しているので、新撰組フリークの方にはぜひ読んで欲しいです。 | ||||
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