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あられもない祈り
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あられもない祈りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全50件 21~40 2/3ページ
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ずばり、読み手を選びます!はぁー・・・とため息をつき、うっ・・・と息をのみ、これ以上落ちるところまで落ちないで!と思いながらも 決してありふれた幸福なラストを望んでいない私自身に気づく。 複雑に絡み合った感情の奥底、カラダとココロのちぐはぐさ、そういったものに嫌気がさす読者もいるかもしれません。 ですので、どんな方にもおすすめできるわけではないのかな。 しかし、さすが島本理生!と言わずにいられない作品。 ちょっとした息抜きなどではなく、大げさでなく真正面から向かい合う心構えで手に取ってくださるとうれしいです。 | ||||
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恋愛とはうまくいかないものなのかもしれない。それでも、「うまくいってほしい」と祈らずにはいられない。この作品の「私」と「あなた」のもがきに、似たような苦闘の最中にある人たちのために、そう祈らずにいられなくなる。 「あられもない祈り」とは何だろう。素直な、ひたむきな、切実なといった言葉を伴った「あられもなさ」ではないのか。あるいは、真摯さとも言えようか。あられもない祈りを静かに祈り続ける魂の再生を描く。作品に一貫して流れているのは、希望を希求する切実な祈りである。 傷を抱えた男女が、手探りで、たどたどしくも、再生に向おうとする歩みを、繊細に、静謐に描く。即座の効能を求める現代からすれば、時間のかかる営みを丁寧に描こうとするふるまい自体、もどかしいというより、面倒に捉えられるだろう。しかし、作者はもどかしさ、たどたどしさ、うまくいかなさ、どうしようもなさを、静かに、丁寧に描く。それは、「うまくいってほしい」という深い祈りがあるからだ。そこにとても大事で尊いものがあるからだ。 「祈るとは、沈黙して何者かの声を聴くことである」という祈りの伝統がある。それに倣えば、作者の本を読む時もまた、書かれた言葉と共に、そこに伏流する沈黙のコトバを聴こうとするのが、適切な態度のように思われる。 本質的なものを確かに見出す過程で、人は無数の非本質的なものにかかずらい、時に自他を傷つける。「私」の再生の歩みにおいても、そういうことはあった。そして、自他を傷つけることがあっても、そのどの過程をも飛ばすことはできなかった。その過程で、時に弱い自分に向き合わねばならないこともある。しかし、それを経験することなしに、再生は始まらない。そのことも、静かな声で語られているように思われてならない。 | ||||
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終わりを前提にした恋は幸せなのか不幸せなのか?綺麗な 文章のなかに切なさと息苦しを感じながらの読了、きっと 筆者は解説にもあるように誰かを救ってあげるのではなく、 救われますように、と祈る人なのかもしれない。 | ||||
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同じような経験をしていたら、もっとのめり込んで読めるのかもしれない。でも私にはそれがない。あるいは、この物語に入り込むには歳を取りすぎたのかも知れない。 この本を読んで私が感じたのは、主人公が同棲している自己中心的で幼稚で暴力的な男「直樹」に対する怒りと憎しみと軽蔑。 世間で普通に生きていく能力を持たず、口を開けばお金を振り込め、という言葉のみ。娘の正論を聞く耳もその能力も持たず、全て自分の都合のいいようにすり替えて言い訳ばかりする「馬鹿な母親」に対する怒りと軽蔑。 結婚したばかりだと言うのに、主人公を今でも好きだ、と揺さぶる「あなた」に対するくだらない奴という気持ち。ただ、この「あなた」もまた、病んでいることは間違いない。 「殴られても側にいて欲しい」と言うほど、人からの愛情を今まで受けてこなかった主人公の気持ちは、残念ながら私には理解する力はなく、淡々とした文章を読んでいくことしか出来なかった。ただ、彼女は信じてもまた裏切られたり離れて行かれるのが怖くて、誰の気持ちも信じられず受け入れられないのではないか、と想像するだけだった。 しかし、この物語は、これだけ激しく苦しい内容を書いているのに、全編通して静寂な世界を創りだしていると感じた。 | ||||
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つらつらと日々をなぞる様な文章です。綺麗にまとめられた言葉、わたしとあなたという二人称。不倫という世の中では認められない二人を描いていますが、とても情熱的な場面が多いかと言ったらそうではない。 この主人公のような状況に自分が身を置いたら、このような起伏があるようでないようなどこにも行きようがないような、こんなつらつらとした心持ちなのかもしれないと思いました。 確かに、リストカットについては興ざめさせられる要素でしたが、どっちつかずになってしまうような主人公の気持ちは、現実にこういう人は多いのじゃないかと思います。 どちらにもいけない、そんなどうにもならないような気持ちを上手く描いた作品だと思います。 物語というのには刺激が足りないけれど読後の、なんだったんだろう....と考えさせられる時間があってこそ、この小説の本質を感じられる気がします。 | ||||
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「ナラタージュ」を読んでから気になってた作家さん。 ヒリヒリするような恋愛を描くのがとってのもうまいと思う。 帯の『早く読んでほしい。でないと、この物語はそれ自体が持つ熱に溶けてしまいそうだから』というコメントは、まさしくな感じ。 久々に読み終わってから色々と考えさせられた本。 大人の女性に読んで欲しい1冊です。 | ||||
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帯の書評で、大好きな西加奈子さんがコメントしていたので興味本位で読みました。 最初の数頁は期待したものの、中盤からは苛々し、でも取り敢えず最後まで読みました。 十代でデビューし、若い女性からの支持が高いと言われている著者ですが、私は共感出来ません。 リストカットや不倫なんてものを題材にしたのも、教育上宜しく無いのでは。 私は古本屋さんで55円で購入しましたが、定価で買わなくて良かったです。 55円ですら勿体無いと、読後に後悔しました。 面白い作家さんの作品は1日で読みますが、この作品は読み終わる迄3日かかりました。 | ||||
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私はこの本を10回は読んでると思います。 表現が好きです。 好きな場面をあげるときりがないのですが なんてゆうか 圧倒されます。 まだ来るか、まだ来るか って感じで、フっと落ち着きます。 でもその落ち着き方がどれも切ないんです。 メインのふたりに 名前がないのも繰り返し読みたくなる 要因のひとつだと思います。 私は、他の誰の本を読んでも あられもない祈りと比べてしまって これ以上のものはないと感じています。 同好会を作りたいくらいです。 どこのフレーズをいわれても反応できる と思います。 それくらいスキです そしてそれくらいこの本は 深みのある作品だと思います。 | ||||
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出だしから、クドイ言い回しの自分に酔ったような書きっぷりに苛々させられました。 ストーリーは、家族、恋人に問題ありで、自分を抑え孤独をかかえる主人公。 大人だけれど、自分と同じように淋しさをもつ既婚者との不倫。 人間の弱さ、もろさ、愛情を求める切なさ?みたいなことを描きたかったのでしょうか。 浅い… 薄い…… 内容も登場人物も 読んだあとにすぐ忘れてしまうような、なにも残らない一冊。 テレビや雑誌で広く取り上げられていたのは、なぜだろう? どこにでもある、ありふれた、個性のない作品でした。 | ||||
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表紙の女性の瞳がとても印象的。 どこか悲しげで、すべてを諦めたかのようなまなざし。 誰かを必要としていて、自分も必要とされたいのにそれを肯定できない不器用さが伝わってくるような。 本を読み終わるまで、女性の表情が脳裏から離れなかった。 小説としてのよしあしはわからないけど、 淡々とした表現と、寄せては返す波のようなつかみどころのない心理描写に引きこまれた。 「至上の恋愛小説」というのはちょっと違うのかもしれない。 けれどもこの本を読んだ後、特殊な喪失感のようなものがしばらく残った。 | ||||
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最初はちょっとぎくしゃくするものの、読み進めていくと独特のリズム感ある文体に感じるものがあるのですが…。 う〜ん。意味がとれない!難解な文章ではないのだが、主語はだれなのか?視点はどこからなのか? 私の読解力不足なのか?島本理生がへたくそなのか?読んでいてやはり疲れるし入り込めない。 『ナラタージュ』以来の島本理生はやはり私には合わないのでしょう。 相変わらず登場人物に共感はできないし…。 『アンダスタンド・メイビー』もう一冊島本理生に挑戦するか?悩みます。 | ||||
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「百回会ってからじゃないと、好きも嫌いも分からないような人間ではないつもりです」 『文藝』に書き下ろされた時から、単行本化を待ちわびていた作品。 “新境地”と銘打たれてはいますが、透明感のある文章や年上の男性との恋愛は、いつも通りの島本作品のように思います。 既婚男性との恋愛を描くのが初めてだと島本さん本人も語っていましたが、『ナラタージュ』の葉山先生はどうなるんだろう、と少々疑問です。 不倫ものは生理的に受け付けない私ですが、このお話に対しては嫌悪感が全くありませんでした。 と言うのも、“あなた”の婚約者がほどんど登場せず、二人だけの状況の中で物語が進むからです。 この恋愛が許せるかどうかは読み手次第でしょうが、結局のところ、恋愛とは当人たちにしか理解し得ないことなのかもしれない…と、思ったりします。 ハッピーエンドではないかもしれませんが、これ以外の終わり方があったとも思えません。 そしてこの本の装丁は内容にぴったりです。 文庫化しても変わって欲しくないなー。 おそらく下記の文章からとったのではないかと思います。 「私はうつむき、そう、とだけ呟いた。砂漠の真ん中にいきなり迷いこんだように。分かっていたのだ。キャラバンは来ない。(省略)」 また今回は小物の描写がいつにも増して素敵に感じます。 「赤と紺のエナメルがあしらわれたサンダル」 「白地に小さな黒いツバメの刺繍が縫い込まれた帯」 「淡い桜色のグラデーションの爪」 毎度のことながら、透明感のある文章の中で色が浮かび上がるような描写が物凄く好きです。 “あなた”の海の別荘でシャンパンを飲む場面など、ひたすら綺麗だなーと思います。 | ||||
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島本理生さんの作品が好きです。 最近は、文章も実に繊細かつ、緻密になり、文体は難解になってきていますが、全体の雰囲気(特にラスト)が素敵だな、と思います。 表紙のモデルさんもハーフかと思ったら、日本人でした…。 海がキーパーソンのようです。 | ||||
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新聞広告と推薦者のコメントで買ったが、駄作そのもの.何でこんな本が出せるんだろう〜 | ||||
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「王様のブランチ」ほか各所で絶賛されていたので 非常に期待して購入しましたが、 残念ながらあまり楽しむことができませんでした。 恋愛で生まれる、なまなましい心の動きを題材としながら、 詩的な言葉、きれいな言葉を選びすぎていて 感情移入しにくい気がしました。 また、「私」と「あなた」のセリフが 口調も内容も類似しており、 ときどきどちらが喋っているのか判断できなくなりました。 この小説の大きな特徴は、恋仲に陥る「私」と「あなた」の 固有名詞が一切出てこないところですが、 その「ルール」に縛られるあまり 物語の核心に迫っていく力がボケてしまう時があります。 やっぱり恋愛小説は、ストレート&ノー・ギミックな方が面白いですね。 | ||||
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自分とはかけ離れた世界観、恋愛観が語られているような本だから 感情移入はできなかった、かな。 登場人物に「私」を投影して楽しむ恋愛小説としては、イマイチかも。 直接的なことばで、わかりやすい展開をしていくものが多い中で、 緻密にことばや展開を文章に織り込んでいったり、登場人物の感情の変化や揺れ動きに上手く文体を変えていったりするあたり、 なんだか、考えさせられる気がして、個人的には良かったです。 きれいな文を書ける人が不確かな文を入れるあたり、そこに何が込められているのか感情の機微を探ってみたい。 | ||||
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他の人と結婚してしまう(してしまった)「あなた」を好きになってしまった「わたし」のお話。「わたし」は、作者の設定では奔放な母の影を引きずり、自分自身に対して罪悪感を抱いていて、「あなた」に対しても微妙な距離の取り方をしながらそれでいて恋に落ちてしまう。 いっそ、性的な関係をまったく持たなければ良かったのに、「あなた」の強引な誘惑と自分自身の寂寥感からずるずると関係を持ってしまう。どちらにしても「わたし」も「あなた」も読者からすれば、そこまでして互いを求める必然性ってなに?って思ったりするわけだ。 「あなた」の奥さんが「わたし」に会いにきて「本当に自覚のない未成熟な人なんですね」の一言がこの作品そのものを位置づけている皮肉。そこまで自覚している作者であるから、きっと次作はいいものを書いてくれるだろうと期待している。どこにでもある話を作者の視点から切り取り、それでいて「そうか、そういうことか」と納得させてくれる作品を! | ||||
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島本理生は、ここのところずーっとこういうのばっかり。 登場人物の心理描写が、結構どの本のどのキャラクターも似ている。 だからいろんな恋愛の形を描いているようで、かなり定型化してる。 文体としてはちょっと変わってるけど、それも奇をてらう系ですっきりしない。 「新境地」じゃないだろー。と、帯につっこみを入れたくなった。 筆者や過去の本は好きなのだけど、これは残念だった。 | ||||
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主人公の相手は妻のあるだいぶ年上の男性である。 この男性との出会いの経緯や、好きになった理由は書かれていない。 ただ主人公の心象風景の描写が延々と続いており、 これと言った場面の打開や解決も提示されてなく、読み続けるのが退屈だった。 小説とはこんなにつまらないものか、と失望した。 | ||||
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初めてこの作者の作品を読んだのですが、文章がキラキラしていて、 この人独自の言葉の使い方に、うまいなあとうならされました。 そこを楽しんで読んだので、他のレビューにあるように退屈では なかったのですが、登場人物の魅力やストーリーの面白さと言われると・・・う〜ん。 主人公はじめ、登場人物の誰にも共感できないし、読み終えた後も なんかスッキリしないのは確かです。 不倫相手の男とダラダラ関係を続けるのも、どうしようもない同棲相手の 男とズルズル別れられずにいるのも、だらしない母親から金をせびり 続けられるのも、物語としてアリと言えばアリなのですが、 描き方が通り一遍で、どこかで読んだような感じがして、正直、 文章のうまさがなければ、陳腐だなという印象を受けるような気もします。 こういう題材で書くのなら、もうちょっと心がヒリヒリするような物語を読みたいです。 読んだ後にしばらく頭から離れないような。 でも、この人の文章はいいなと思ったので、評判のいい他の作品を 読んでみようかなという気持ちになりました。 | ||||
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