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(アンソロジー)
自薦 THE どんでん返し
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自薦 THE どんでん返しの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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綾辻氏「再生」、有栖川氏「書く機械」、西澤氏「アリバイ・ジ・アンビアレンス」、 貫井氏「蝶番の問題」、法月氏「カニバリズム小論」及び東川氏「藤枝邸の完全なる密室」の6つの短編から構成される、表題通り(?)、<どんでん返し>をテーマとしたアンソロジー。この手のアンソロジーには失望させられる事が多いのだが、残念ながら本作もその例に漏れなかった。各作家の特徴は良く出ている様だが。 「再生」は単なるスプラッタ・SFホラー。「書く機械」は単なる出版業界の自虐ネタ。「アリバイ・ジ・アンビアレンス」は一応作者らしいロジックの遊びは楽しめるものの、<どんでん返し>とは無縁な上に、本短編のテーマ「犯行時刻にはアリバイがあるのに......」をいとも簡単に無視してしまう全体構成は如何なものか(警察の鑑識はそんなに甘くない)。「蝶番の問題」は途中で事件関係者の手記を挟む等、<どんでん返し>と言うよりはむしろ叙述トリックものに近いが、その粗雑さと浅薄さとはデビュー作「慟哭」を想起させる程に稚拙。「カニバリズム小論」は詰まらないの一言に尽きる。「藤枝邸の完全なる密室」は作者のホ-ムグラウンド烏賊川市を舞台としたユーモア・ミステリでマズマス楽しめるが、<どんでん返し>とは無縁だろう。 これが一応名の通ったミステリ作家達の「自薦No.1<どんでん返し>」かと思うと、お寒い限り。<どんでん返し>の妙とは、例えば、連城三紀彦氏「夜よ鼠たちのために」中の各短編が持つ、黒白を一瞬にして反転させてしまう技巧にあるのであって、それを考えると、本アンソロジーは寂しく虚しい企画としか思えなかった。 | ||||
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