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死びとの座
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死びとの座の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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このところ、思い立って数十年ぶりに鮎川作品(鬼貫警部もの)を連続で読んでいます。短編も含め、現在Kindleで読めるものはほぼ読み返し、これで終わりと本作を購入。 読み返しと書きましたが、『戌神はなにを見たか』以後の長編数作は今回が初読で、他の方のレビューにもあるように確かにトリックもストーリーの組み立ても往年の切れがなく、個人的に氏のピークは50年代後半~60年代半ばという思いが強いというのが正直なところです。 特に、テレビの鬼貫八郎シリーズ(出来のいいのは佐伯俊道単独脚本の4作目まで)のほうがトリックの扱いを含め明らかにまとまりのいい『戌神は……』や、評価不能の『沈黙の函』あたりは「うーん」でしたが、『王を探せ』では不出来とされる2件めのアリバイのひねくれた論理(詳細は同書のレビューでいずれ)に興味深いものがあり、この『死びとの座』でも力業のメイントリックではなく動機につながる過去の犯罪のトリックにやはりユニークな味わい(本人に知らせることなく○○○○の○○にする)があって、思わず微笑んでしまいました。 ほかにも本作では、あとがきにも触れられているあまりにあからさまな冒頭の手がかりのほか、テレビシリーズが糖尿病という設定のヒントにしたくだり(同シリーズでは本作が第1作、往年の名作を積極的に取り上げられず、取り上げてもトリックを酷いかたちで改変せざるを得なかったのは、時代による技術的・制度的な変化に囚われるアリバイトリックの宿命でしょうか)を見つけたり、登場人物(第一の被害者の芸名を除く)の名前がすべて山手線の駅だったりと、本筋とは関係ない読みどころもいろいろ。 鬼貫もの恒例の解明における静かな対話シーンもきちんとあり、30年以上にわたって活躍したこの「顎のはった警部」が珍しく関係者に厳しい物言いをする場面(その理由を考えると『ペトロフ事件』『黒いトランク』以来の胸の裡も透けて見えるような)あり、ラストシーンである人物が口にする「さよなら」が鮎川氏自身の鬼貫ものにおける別れの言葉ともとれる感じありで、やはりファンには必読の一冊という気がします。 で、事件の決め手となる「M・T」のイニシャルの人物の苗字、あなたは何だったと思います? | ||||
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週刊文春1984年 国内7位 ものまねタレント ミッキー中野が、射殺死体で発見された。女性関係から容疑者が浮かぶが、彼らにはアリバイが。その後、同業者の原宿が、ミッキー殺害の凶器で自殺し、事件は解決したかに見えた。事件の結末に納得がいかない、推理小説家の高田は、原宿の恋人マリと、真相の探るべく調査を開始する。 一言でいうと冗長きわまりない。週刊誌に連載していたのだからなのか、あちこち、横道にそれすぎている。北鎌倉の聞き込み場面など、観光案内ぽくて、警察小説のような地道な捜査活動という印象も受けないし。途中から、鬼貫警部を筆頭とした警察から高田に捜査の主導者が変わるところなど、作者の意図が判然としない(事件を解決するのは鬼貫警部なんだけど)。 「死びとの座」のトリックは確かに面白いのだが、 随所に見られるオヤジギャグ(死語?)が興をそいでしまう。 鮎川氏の晩年の作品しか読んでいないんだが、氏の全盛期の作品から入るべきなんだろうなぁ | ||||
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