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名もなき毒
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名もなき毒の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.81pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全122件 61~80 4/7ページ
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本当に本当に久しぶりに、読み応えのある本に出会えた感じでした。 宮部さんの作品は昔から大好きなのですが、やはり彼女の書く文章はすごいですね。 一気に魅せられます。先が気になって夜も眠れなくなります。 読んでいる最中で、何回も心がぎゅーっと痛くなるような場面がありました。 宮部さんの過去の有名な作品と比べて一見地味に見えるこの小説ですが、 本当に素晴らしかったです! 心から周りにオススメしたい一冊でした。 | ||||
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こんな宮部作品を待っていました。 ブレイブストーリーの時は、え?と言う感じでしたが、やっぱり宮部みゆきにはこういった社会派ミステリー的な物を書いて欲しい。 誰でも心の中に毒がある・・・ しみじみと考えさせられる一冊です。 | ||||
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人間社会或いは人間関係が生み出している「毒」。 それは、格差社会から生まれるものかも知れないし、もっと別の社会システムから生み出されるものかも知れません。 そうした「毒」に侵されて、社会の中に溶け込めない人たちが増えているのかも知れません。 毎日の新聞を読んでいると、ふとそんな気がしてきます。 もともとがそんな「毒」が元で引き起こされた事件だけに、何のトリックもありません。 従って、所謂「推理小説」の面白さを求めてはいけません。 むしろ、社会問題を扱った「一般小説」或いはせいぜい「犯罪小説」と言うところでしょう。 でも、ストーリー・テラーである作者の力を遺憾なく発揮して、読ませる小説になっています。 結構長い小説なのですが、ノン・ストップで読みたくなる小説です。 | ||||
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久々に宮部ワールドに引き込まれました。作品の中盤,遅々として進まない平坦な流れ…登場人物によって語られる(緻密な取材に基づく)社会問題の解説。先を知りたい読者にとっては少々つらい一時。しかし,こここそじっくりと読まなくてはいけません。そして突然の展開。「えっ! えええっ!」。これがたまりません。宮部さんの作品は単なる推理小説ではありませんよね。犯人が誰?,トリックが何?,なんて読者は期待していません(?)。宮部さんが尊敬する「松本清張」氏の作品に少しずつ近づいているのではありませんか? | ||||
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夕方購入し、一気に読んでしまいました。物語自体の展開は途中から少し間延びした感じがありましたが、本書が取り上げている人間の「毒」というテーマが読後胸に迫ってきます。 僕の中にある「毒」はなんなのか?と、深遠な気持ちになりました。 ミステリーとしての完成度が最高とは思いませんでしたが、人によっては自分の内面と向き合う機会を持てる、良い本だと思います。 | ||||
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青酸カリという人間を死に至らしめる直接的な毒以外にも、シックハウス症候群や土壌汚染による喘息など症状が出ないと表面化しない毒、人を中傷したり自分が不幸だから他の人も不幸になるべきだといった理不尽な考えをする人間による毒、これらの名もなき毒に関する話を、無差別毒物殺人事件と絡めて展開するミステリで読み応えがあった。 個人的には、社内編集部のアシスタントのアルバイトをしていた原田いずみの言動が印象に残った。常に何かに怒っていて攻撃的で他人の幸せが許せない。特に原田いずみの父親が娘の過去の話はする場面が印象深かった。この話も実際には何が事実なのか分からないが、原田いずみがとてもつらく悲しい生き方をしてきたということが十分に伝わってきた。 | ||||
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今までのパワー溢れる宮部みゆき作品とは趣を異にしていますが 私はとても好きになりました。 それは主人公杉村と妻菜穂子、娘桃子から感じる幸せ感が なんともいえない宝物のように感じるからでしょうか・・ ささやかな日々の暮らしと心のやりとりをとても大事に幸せを 大事に大事に守って暮らしている彼らがとても好きになりました。 とはいっても、次回作があれば、そろそろ杉村氏は「私立探偵」として 身を立てざるを得なさそうな雰囲気ですね(笑) 今回出てきたライターの秋山氏のキャラもいいです。 次回作(があれば)で活躍してくれそうで期待です。 | ||||
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杉村さんのキャラクターのせいもあるのか、 なんだか全体的にのんびりした印象で、キレがない。 ミステリーを読むならもっと緊迫感がある方が好みなので、そのへんには不満が残ります。 タイトルの「名もなき毒」。 この本当の意味は飲み物に混入された毒ではなく、誰もが心に持っている、人間の心の中にある「毒」・・・。 人を羨んだり、自分の置かれた環境を憎むネガティブな心。 私たちの生きる社会にはそうした毒が蔓延している。 私にだってあるのかもしれない毒。 おそらく、世の中からなくならないであろうこの毒とどう共存していくか。 そこが著者の言いたい一番のテーマなのでは? | ||||
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冴えわたる筆力で最後まで心地良く本の世界に浸らせてくれました.この分だと杉村さんは,さらなる活躍を強いらせられそうですが,まあ,しょうがないですね.人には役割というものがあるのですから.本の中にもあるように,普通に生きるということは今の世の中,本当に難しい,生きぬくか,落ちるかの瀬戸際を,またこのシリーズでのみゆき節で語ってもらいたいです | ||||
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本書に緊迫感、スピード感や奥行きの深さはあまり感じられなかった。しかし、ストーリーが主人公杉村の性格のごとく穏やかな展開で進むため、登場人物の思いや立場を慮んばかりながら読める作品である。 | ||||
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途中まで、「誰か」の続編というか主人公が同じとは気づかずに読んでいたといういたって呑気な読者です。この路線は殺人事件ではありますが、なんとなくほのぼの感を背後に漂わせていこうという作者の意図からか、明るさを常に感じてしまうのが特徴ですね。喘息もちの可哀想な青年のシーンでも面倒見の良い社長を配することによって惨めさが軽減されております。ただ、ナイフを持って押し入るエキセントリックなお姉さんについては、どうも作者の意図とする人物像がイメージに浮かびません。突き詰めるとものすごくノーテンキ&単純かつ我が侭な馬鹿になってしまって、ちょっとはシリアスな側面を持った人物にした方が良かったのではと思いますがいかがでしょうか?他の人物に関しては少なからず共鳴する気持ちが湧きましたがこのお姉さんに関してはシンパシーは湧かなかったです。こういう人物は初めてのような気がします。 | ||||
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人間は誰もが大なり小なりの『毒』を持っている。 その『毒』を、自分の中だけで処理しようとする人もいれば、外の世界に吐き出そうとする人もいる。 どんなに『毒』を吐き出そうとしても、満足できる結果は決して望めない。 結果として付いてくるのは、人間としての生きているが故の更なる苦しみだけだ。 この本に登場する人は皆、何らかの『毒』を持って生きている。 生きているというのは、本当はものすごく辛いことなのかもしれない。 辛いからこそ、いまある楽しい瞬間や過去の楽しかった思い出がより鮮明なのかもしれない。 その楽しい瞬間をバネにして、人間は前を見て生きていくのだ。 決して振り返ったりはしない・・・この本には、このような教えもあったような気がします。 現在どこの図書館でも人気予約本ランキング5には入っています。 2006年8月5日の発刊からもう1年以上たったというのに・・・ こんなに人気があるということは、おそらく予想移以上に期待が大きいという事だと思います。 ぜひ、読んでみてください。 | ||||
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この本の中で特に印象に残ったのは、 主人公とその娘との会話である。 「明日桃子があかねちゃんにごめんなさいをしたら、 あかねちゃんもごめんなさいしてくれるかな? 桃子だけがごめんなさいしたら、桃子だけが悪いって あかねちゃんに思われちゃうのかなぁ?」 謝った方が良いという事は本能的にわかっている。 でも、自分だけが悪いわけではない。 なのに自分だけ謝っちゃったら、そう思われてしまうのでは? 彼女が思い悩んでいるのは、 それが『理不尽』だと思うからだ。 子どもでも成人してからでも、人々が割り切れない思いをするのは 『理不尽』である事に変わりは無い。 「あんなに何一つ不自由なく幸せな人もいるのに、 どうして私は苦労ばかりするのか。」 「自分の思い通りにばかりなっている人もいるのに、 どうして私だけ。」 誰でもほんの少しは胸の片隅に持っている『理不尽』。 ある程度時間がたてば、 それぞれに自分をなだめる方法を身に付ける。 でも、誰でも、そういう気持ちを完全に消すことは出来ずに、 浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返している。 そして『理不尽』を全く自分の中で消化する事が出来ずに、 常に抱え持っている人もいる。この本にはそういう人が出てくる。 自分たちのまわりにも、気付かなくても そういう人がいるかもしれない。 この本で言う『毒』とは『理不尽』の要素も多く含まれている。 | ||||
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この作品の中の名もなき毒は「人間の中に潜む」毒と「土の中に埋もれる」毒の両方です。これは、宮部みゆきの(時代物も含め)作品にずーっと書かれているテーマです。タイトルや作家の若々しい印象・RPGの原作書いたりするそのイメージと違い宮部みゆきはデビューから今まで「社会派」「正義派」を貫いています。その正義というのも、下町の無骨なおやっさんが持つような正義感=「おてんとさまに顔向けできるか」=が一番のポイントということです。それから、そのおっさんたちが多く生息する東京下町、川向こう、というようなローカルなメンタリティも大事にしています。このままおじさんハードボイルドを貫いていくのでしょうか?そこは悪くないとおもうのですが、宮部みゆきの読者がそういう地味目なヒーローで我慢できるのかな?と心配になってきます。 心に残った文章 「今は違うんです。それだけのことができるなら、立派なんですよ。”普通”というのは、今のこの世の中では、”生きにくく他を生かしにくい”と同義語なんです。”何もない”という意味でもある。つまらなくて退屈で空虚だということです」 「どこかの誰かさんが”自己実現”なんていう厄介な言葉を考え出したばっかりにね」 市井の人々として生きることは前はふつーにできることだったけど、それでは空しいとなってしまった、今の世の中は、世知辛いものです。 | ||||
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好き嫌いが別れる作品だったかなと思います。 僕としては宮部さんの作品を多々読んできたのですんなりと3日ほどで読破しました。 やはり、本屋大賞にノミネートされただけの価値がある作品でしたと、読み終えてから分かりますよ。クライマックスシーンは鳥肌が立つほどの面白さ!上記に3日で読み終えたと書きましたが、最後の1日で半分以上を読んでたと思います。 ですが、最後の方と比較すると最初の方はちょっと・・・って感じです。半分を読み終えた人だけが分かる素晴らしさというか、そこで好き嫌いが別れたんじゃないかな、と。 話はずれましたが、この作品は“世間に潜む毒”をテーマとしてるらしいです。 最後のまとめがアレだったかな・・・? クライマックスのシーンから終わるまでがすこしぐだぐだだったとも思います。 幸せな家庭を蝕んでいく“毒”。 とにかく!クライマックスは素晴らしかったです!宮部さん!ぜひ続編を! 最後に・・・ゴンちゃん最高! | ||||
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宮部みゆきさんの作品はどれもつまらなかった気がします。 私はこの人が書いた作品はかなり読んだことがあります。 読む度に裏切られるような切ない思いになった気がします。 言ってる事は分かるけれど、でも納得がいきませんでした。 しかし、「名もなき毒」は最高に面白かったと思います。 作品にはたくさんの毒がいたるところに登場してきます。 それは、目に見える毒だったりそうでなかったり・・・。 主人公は温厚で冷静な正義感のあるよく居る人物です。 数々の問題に首を突っ込む世話焼きの主人公に惹かれます。 主人公の身近な人物もそれぞれに魅力的な部分があります。 さすがと言うべきストーリー展開で物語は加速します。 世の中の理不尽さ・空しさがよく表れている作品です。 かなり酷な評価もありますが、私はこれをおススメします。 本を読んで毒とは一体何なのかなど色々考えてほしいです。 | ||||
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久しぶりに宮部みゆきのハードカバーを手に取りました。 今回も、冒頭から「するっ」と物語のなかに溶け込むような書きぶり。 この屈託のない文体そのものが、宮部みゆきの何よりもすごいところだなーって思ってます。 部屋で寝っころがっていてもその世界に入っていけます。 物語は主人公、杉村さんの職場で起きたアルバイト女性の解雇問題と、ある殺人事件とが並列に進み、その主従が入れ替わるように進行していきます。 杉村さんは二つの事件の仲立ちを(本人の意思とは関係なく)果たすことになり、物語は絡まりながら深みにはまっていきます。 いつもながら、歩いているかのようなゆったりした速度で始まった物語は、最終部分で一気に加速。 そのアクセルの踏み方も心をぐいぐいと惹きつけますね。 本作は社会を扱っているので、読後には独特のメッセージが刷り込まれます。 「毒」とは他でもない、“普通”の私たちであり、それはどうしようもなく産まれうるものであること。 それに対する「怖さ」「おびえ」、また理屈をこえた「正義」と「怒り」がキーワードとなって物語の糸はつづられています。 「わかるんだけれども、悪いことは悪いろう!」という静かな怒りが、女子高生と経済界の大物から発せられているのがとても心に残りました。 また、脇役のキャラクター性。 理知的で暖かな青年秋山。 萩原運送の社長。 それぞれのサイドストーリーが浮かんでしまいそうなほど魅力的なサブキャラです。 お見事!という感じの一冊でした。 | ||||
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紙パックのウーロン茶に混入されていたのは、今度もまた青酸性の毒物だった。 逆玉サラリーマン・杉村が毒物混入無差別殺人事件に巻き込まれる。 本筋と平行して進行する、かつてクビにしたアルバイト・原田いずみのお話がとにかく怖い。その壊れぶりもさることながら、そのような人格になってしまった理由(過去のトラウマ等)が見あたらない、という。何か外的な要因があれば、同情することもできるし、その行動に納得することもできる。しかし、そうしたものがない中でこれだけの悪意が生まれるのだとしたら、それは人間の本性がこのようなものということを描いているのか。あまりにも性悪的な人間観だ。 このような問題は我々にも容易に起こりうることだけに背筋が寒くなった。 本書では、物理的な毒薬のほか、土壌汚染、シックハウス症候群などについてもかなり詳しく説明されており、興味深い。ただ、本書のテーマは人間の心に潜む「毒」こそが恐ろしい、ということだ。 本筋の犯人探しの方は、「さもありなん」というところで平凡といえば平凡。一方、もう一つのお話はトラウマになりそうほどの迫力。人間の本性について最後まで深く考えさせられる作品。明日から周りの人が恐ろしく見えるかも?! | ||||
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数多く読んでいる宮部作品の中でも、上位にランキングしたい作品。予想していたより、よかった―、と、いうのが、数ページ読み進んだところで、「誰か」のシリーズだということに気がついて、ちょっと気分が萎えたから。 「誰か」は可もなく不可もなく? 中心登場人物の姉妹の何れも嫌いなタイプで共感もできなかったし、そもそも主役の杉村さんの、職業を含めた環境があまりにもオキラク過ぎて、イマイチ、評価ができなかった。でも、今回の作品を読んでみて、あれはウォーミングアップのようなものだったのか、と。やっぱり、宮部作品は面白いと痛感させられました。 とにかくタイトルが秀逸。作品全体に、テーマである「毒」がゆきわたっている。読みながら、自分の周囲に渦巻く毒について深く考えさせられた。今回の救いの一点もない悪役「いずみ」にしても、現代を生きる私たちには、自分の中に大なり小なり潜んでいる、彼女的な毒素を否定できないのではないかと思った。私たちにとって、生活を、生命を、人生を脅かす「毒」とは何なのか。作者は作品全般にわたって執拗に問いかけてくる。 紆余曲折があっても、最終的には、作品が力強く、読者に希望を持たせて終わっているのも好感が持てる。ま、やはり、基本的には、こんな生ぬるいお仕事をしているオキラク杉村さんのファンにはなれませんが。 | ||||
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毒薬、毒草、毒花、毒キノコ、毒虫、毒蛇など、毒がつくものはいろいろあるが、 毒をもつ人間も世の中にはたくさんいるのだとあらためて感じた。この作品の中に 登場する原田いずみもまさにその一人だ。嘘をつき自分を正当化する。その嘘は 毒となり、相手を深く傷つける。家族も他人も、彼女に関わった人は全て彼女の 毒にやられてしまう。本当にこんな人間がいたならどうすればいいのか?いや、 実際にいてもおかしくはないのかも。ぞっとする。生きていくうえで私たちは、 さまざまな毒に触れていると思う。安全で、きれいなままでは生きていけないのだ。 ところで、全然気づかないうちに、自分自身が毒になっているということはないの だろうか・・・?ちょっと不安になる(^^; | ||||
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