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レプリカたちの夜
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レプリカたちの夜の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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自分なりの解釈しかできないのですが、自分の解釈が深く掘れば掘るほどパズルのピースがハマっていく感じで、伊坂幸太郎さんの本を読んだ時と似たような感覚が得られる小説だと思いました。 他の方がレビューで書かれているひらがな表記に関しても、私の解釈では納得のいくものですし、一見してメチャクチャだと思われるような出来事も腑に落ちるものでした。 その上でミステリー?と最初は疑問に思ったのですが、それもまた深く掘っていくと、これは今までにない形のミステリーだ、と感動しました。 まあ、あくまで自分なりの解釈でしかないんですけど(汗 とにかく自分なりの解釈でも楽しめたので良かったです。 色んな人の解釈を聞いてみたいな、と思いました。 | ||||
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序盤では地方都市の工場を舞台に癖のある登場人物たちが織りなす日常劇かと思いきや どうも時代は近未来のようです。 そして物語が進行するにつれて主人公、往本の周りの世界はダリの描いた絵画のように 見慣れたモチーフを残骸を残したままぐにゃりぐにゃりとその姿を歪めてゆきます。 崩れゆく世界の中で、往本の記憶と工場の同僚たちの語る「事実」がどんどんずれてゆく 実際に起こったことと妄想としか思われない事の境界が滲んでストーリーを追う事も困難になってゆき、終盤ではもう怒涛の勢いで、冒頭ではそれなりに「普通」に見えていた世界が崩れ去ります。 「自分とは」「人間とは」「世界とは」何かを探る一風変わった謎解き小説。 ミステリー大賞の受賞はあながち的外れではないような気がします。 | ||||
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訳が分からない話が延々と続いていく展開ですが、どんどん読ませる筆力が凄いですね。訳が分からない話は多分誰でも (私でもw) 書けますが、それを読ませるのは至難のワザです。それをこんなに読みやすい文体で最後まで読み通させるのは素晴らしい才能だと思います。 文庫では解説の方が色々な作家を想起する旨を書かれてますが、私は筒井康隆氏を思い浮かべました。これからも様々な素晴らしい不条理作品を上梓されることを期待します。 皆さんのレビューを見てるとひらがな表記についての言及を多く見受けますが、これ主人公のアイデンティティというか、話の筋にも関係してくる"演出"ですよね。一人称の文体なので。 | ||||
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最近、気をてらって「センスがあるだろ?」と自慢してくるような小説・音楽が多い中で、そのような嫌味を感じさせないままこのような意味不明な展開を「読ませる」筆力は凄いと思います | ||||
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最後の数ページを読んで、この小説の面白さが分かりました。 確かにデヴィット・リンチの映画のような、不思議な読後感を味わえる作品だと思います。 | ||||
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絵で言うなら抽象画です。不気味で奇怪で、でも淡々としていてくたびれている。読んでいてすごく不安になったし楽しかった。夢日記をやってみたいけど時間が無い方におすすめです。 | ||||
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ファンタジーというか、寓話というか、なんとも不思議な物語。読む人によって評価が分かれると思う。 | ||||
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伊坂幸太郎の言葉が書いてある帯を見て買いました。星4にしましたが、なんとも言えないです。ミステリーなのかSFなのかさえわかりません。多分そうなのでしょうけど、そうでないのかもしれません。 それくらい読み終わってレビューしづらい作品です。著者の考えのような長い台詞や普通漢字を使うところで平仮名を使うなど、急に現実に引き戻される部分もいくつかあります。 まぁこのレビューなんて見てないで、とりあえず作品を読んでみるといいでしょう。 1つ言えることは、クレヨンしんちゃんのコンニャクがサンバする映画を思い出しましたね。はい。 | ||||
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まず、読もう! | ||||
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神林長平が好きな人は好きかも、というレビューを見かけたので購入。好きな世界観で、どちらかと言えば北野勇作な世界観に近かった。後書きでも取り上げられていた。此方も随分とぐちゃぐちゃしていると言うか ... ブラックユーモアを煮詰めてジャムにした様なねっとり感が強い。記憶と記録については神林長平を思い出させる。こんな作家さんが登場してくれて嬉しい。一絛次郎、しっかり名前を覚えました。他作も読みます。 | ||||
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一條次郎『レプリカたちの夜』(新潮文庫、2018年)は混沌と理不尽の世界を描く小説である。主人公の往本は、動物のレプリカを製造する工場に勤めている。残業中の深夜に動くシロクマを目撃する。前半は意味不明な工場の指示に振り回される。何のためか説明されない。後半になると世界そのものが崩壊する。私はカフカの作品を連想した。台詞の中に自我や実存についての哲学的な主張が出てくる。 新潮ミステリー大賞受賞作であるが、近未来SF作品である。空想世界の話として読むならば良いとして、前半の意味不明な仕事内容が現実の労働経験から来ているとしたら、深刻である。大きな組織の歯車であったとしても、自分の仕事が組織にどのように寄与しているか私は理解して働いているつもりである。それがなくなれば労働は苦痛になる。SFでは管理社会のディストピアが描かれるが、ガチガチに管理しなくても、仕事の意味を教えなければ人間が疎外されたディストリアの支配体制が作れることを示した。 これが日本の労働の多くの現実ならば、うつ病や過労死が多いことも納得である。トップがビジョンやミッションを共有せずに生産性が上がるとは思えない。だから昭和的な体質の日本組織は低迷するのだろう。上の顔色をうかがう忖度ばかりの公務員組織は、本書のような感覚かもしれない。その場しのぎの説明や約束で、後から変遷させる公務員組織の不誠実は、このようなところにあるのではないか。 面白い点は主人公が電話を信用できなくなっていることである。「電話なんてなんの意味があるのだろう。ただの音声。ただの合成シミュレーション」(231頁)。電話よりもメールを優れたコミュニケーション手段と考えている人々は自分の要求を一方的に押し付けたいだけではないか。 | ||||
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これはエンターテイメントだと思いました。 現実と虚構が相まみえる世界は、多分に面白みがあります。 サイバーパンクとはまたちょっと違ったSFだと思いました。 | ||||
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この物語の中には、真実と呼べるものはないけれど、真実らしきものはちらほら散見される。現実と呼べるものは結局のところ記憶でしかなくて、事実というものは主観によって変わる解釈でしかない。主人公を含む登場人物も一貫してつかみどころのない奇怪な人たちばかりで、繰り広げられる会話は何らかの問いと回答の繰り返しではあるものの、そこに必然性はなく、向かう方向も、向かうべき場所も、あまりあてにならない。何が確かなのか、ということの前提として、自分とは何なのか、自分は果たして自分なのか、という問題意識は一貫しているけれど、結局は答えを得られずに終わる。そしてよく歩く。物語は決して核心には迫らない。その周縁をただたださまようばかりだ。その体裁だけならば、カフカの『城』やブランショの『至高者』のようでもあるけれど、この作品はそのような晦渋をろ過した『ねじ式』のような夢だと思う。すべては何らかのモチーフではあるはずなのに、そこに迫ると消え失せてしまうような雲をつかむような小説。理路整然とした起承転結を好む読者には向かない。傑作というよりは、明らかに怪作。 | ||||
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この小説のジャンルは「推理小説」である。 主人公は謎(トラブル)に巻き込まれ、追求し、その過程で殺人事件に巻き込まれる。 そしててんやわんやとすったもんだの末に真実を知る。そしてその真実はタイトルの通り。 あっけない、と読後に多くの人は思うかもしれない。だがそれと同じぐらい、作中において消化不良というより回収されていない伏線が多いことに気がつくはずだ。それらは伊坂幸太郎風の噛み合わない会話のユーモア、哲学的な考察含む登場人物のやりとり、超自然的な現象、それらに巧妙に紛れ気にならない位置に追いやられている。だが、この小説においておいてもっとも気にすべき謎は「登場人物が疑問にしない数々」だろう。 やけに多い小段落の移り変わり、登場人物が話す「記憶が生物を生物たらしめる」云々という諸説、双子、三つ子と増えていく隣人姉妹、噛み合わない3人の常識、そしてタイトル『レプリカたちの夜』。 この小説をしてエンタメ推理小説の枠で語るのは間違いではないだろう。だがその本質はポール・オースター「幽霊たち」側によっぽど近いのではないだろうか。造られた探偵が、そのように「創られた」謎を追跡する。映画「未来世紀ブラジル」でいうところの何時から「夢」が始まったのかを探す行為――これは主人公には出来ず、我々視聴者(=読者)にしか出来ない行為なのだ。ある種の信用できない語り手の構造を秘めたまま、明確な言葉に表すことなく、そのままにして終える。前衛さを騙し絵じみたポップさで隠し、とっつきやすくデコレートされている、珍しい推理小説として読ませてもらった。 ※ なにをして「非常に性質が悪い」のかといえば、これが天然でそうなったのか、計算づくの産物なのか、そもそもこのサジェスチョンを投げかけることさえ合っているのか、そういった判別が付きにくい点にある。一言で言ってしまうと粒山にでもなったような気分だ。 | ||||
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ミステリというよりこれはSF小説。 すこしふしぎ系の。 あらすじだけでもわくわくする小説は久しぶりだった。 | ||||
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現実的な設定の、刑事ものとか、殺人鬼ものとかの、ミステリーなどとは違います。 自分の呼吸を意識して読まないと、私はゆらゆらしました。 とても引きこまれました。 前半で登場人物が好きになり、後半は結末が気になって一気に読みました。 登場人物のセリフが光ってました。 個人的にノートに書き出したいセリフが何個かありました。 謎解きを楽しむのではなく、この作品の持つ哀愁を愉しむ。 雰囲気や、流れる音楽に委ねる、その世界に浸る。 なかなかそんな風にたのしめる作品って、ないと思います。 デビュー作とは思えないですね。 伊坂幸太郎さん大絶賛!も頷けました。 | ||||
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