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血と骨
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血と骨の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全74件 21~40 2/4ページ
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とにかくエゴイストな金俊平。 そして気に入らないことには暴力。 確かに人によっては暴力描写に嫌悪感を感じるとは思います。 昔は金俊平のような人がたくさんまわりにいました。 もちろん金俊平ほと酷くはありませんが。 現代はそんな人はほとんどいませんが、替わりに皆の心に金俊平が住み着いたのでは?と考えさせられた作品でした。 | ||||
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すごい男だ。 昔の男はぶっ飛んだ男ばかりと聞いたけどこの人はもっと凄い。 正妻だけど愛せない、でも逃げると追いかける。 奥さんも憎いがいつか変わってくれると信じる素晴らしい根性の持ち主。 愛人に対する他人に見せない深い愛情… ほんの数日で読んだのは久しぶり | ||||
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この本を読んで、主人公の生き方や行いに善悪の判断をつけるのは簡単だし、目をそむけたいシーンの連続だらけだから、特に女性の方には受けないだろうと思う。 しかしながら、貧困と差別の中での生身の人間の性(さが)を包み隠すところなく極端な形で表現されている。 作者(=成漢)が、自分の中に残る逃れられない親子の宿業(血と骨)を強く意識するくだりも絶妙である。 主人公の金や性に対する執着、埋められない孤独と淋しさ、生と死に向かう姿勢、実はすべてが人間の本性そのものではないだろうか? 敢えて極端な例を用いて、人間の業や本質をえぐりだした名作、10年以上たっても色あせることはない。 | ||||
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コンディション「非常に良い」になっていたのでこちらのショップにしましたが、 上・下巻とも「可」程度のものが送られてきました。 この店で購入する人はコンディション表示に気をつけてください。 | ||||
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上巻、下巻最後まで読んでの感想です。 主人公の自己中心的な生き方と女性に対する 扱いがあまりにも酷く、読んでいて ただ不愉快極まりなかった。 女性を強姦して無理やり結婚したり 息子が少しでも反抗すればボコボコに殴って 痛めつける、、、 自分の思う通りに行かないと他人を ひたすら傷つける、、、、 何百ページもこれがひたすらつづくだけでした、、、 正直、この作品は何がいいのかさっぱりわからない。 自分の朝鮮人に対するイメージがさらに悪くなっただけの 作品でした。 この人の作品は他にも持ってますが、不愉快なものばかりで 読んでいて、気分が悪くなるものばかりで自分には 合いませんでした。 | ||||
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歴史上の有名人でもない人物の歴史を読むのにこんなに惹きこまれるとは思わなかった。圧倒的な迫力はリアリズムから生まれているのだろう。筆力もすばらしい。人間の人間であるがままの姿が小説になるということを実感させられた作品。教訓めいたことを伝えたいわけでもなく、勇気を与えたいというわけでもなく、自分が書きたいこと・書けるものを渾身の力で書いている感がある。あるいみ読者の視点はまったく意識していないように感じられる。 商業的に中途半端にかかれた物は申し訳ないが解ってしまう。読者が面白いと思ってくれそうなことを書く、映像化を期待して書く。それほどに陳腐なものはない。 この作品は他人の視線を意識してへつらう感じはまったくない。非常に崇高だと思う。 | ||||
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まず主人公の傍若無人ぶりに腹が立ちます。 それに振り回される周りの人間の事を考えると哀れになります。 そういう展開がずっと続き、楽しい気持ちにはなれません。 あまりに救いがない話でしたので、 下巻の最初の方で挫折してしましました。 | ||||
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まず主人公の傍若無人ぶりに腹が立ちます。 それに振り回される周りの人間の事を考えると哀れになります。 そういう展開がずっと続き、楽しい気持ちにはなれません。 あまりに救いがない話でしたので、 下巻の最初の方で挫折してしましました。 | ||||
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すみません、評価が高い理由が分かりませんでした。 ムチャクチャな人のムチャクチャな生き方。 これなら、小説ではなく、始めから映像で表現すればいいと思えます。 在日の境遇がいろいろ書かれていて、そういう意味では参考になるのでしょうけど。 でも小説として面白いですか、これ?文章もなんか変だし。 山本周五郎賞の作品で、がっかりしたのは初めてです。 読んでいて退屈であくびが出ました。 | ||||
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舞台は大阪。戦前から戦後にかけて生き抜いた、金俊平の人生を軸に書かれた長編小説。 久しぶりに再読したが、初読のときと同じように圧倒された。 蒲鉾工場で働く主人公は、ある女郎を身請けするも、その女から逃げられ、強引に関係した女と結婚した後に家の外 で女を作る。その後、自ら経営に乗り出した蒲鉾工場で大成功を収めるも、その吝嗇と暴力性から、家庭に平和が訪 れることは無い。 主人公の金俊平は圧倒的な肉体を持つ男であり、老人になっても後妻に何人もの子供を生ませる絶倫を誇っていた。 だが、晩年は病魔にたおれ、死の恐怖に怯え、眠れぬ夜を過ごすことになる。 この小説の面白さについて思いつくままに書くと、以上のような感じになる。 1.細部が迫真性に満ちており、作り話という感じがしない。 1.主人公をはじめとした登場人物すべてが、実在性を感じさせる。(実際、主人公のモデルは作者の父親であり、 ある程度事実が組み込まれている部分もあるのだろうと想像される) 1.一種の「家族小説」でありながら、人間の憎悪や殺意が抉り出すように執拗に書き込まれており、その異様さに、 強い興味と関心を抱かないわけにはいかなくなる。 1.物語の中で多くの登場人物が死んでいき、後半では病魔に冒された主人公は迫り来る自らの死に恐怖する。 人にとって共通のテーマである「死」というものについて否応なしに直面しないわけにはいかない内容であり、 通読を迫られる。 人間のグロテスクで度し難い側面を余すところなく描ききった傑作である。 | ||||
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そう断言できる。 著者の実の父をモデルした主人公、金 俊平。 大阪の蒲鉾工場で働くこの怪人は、その凶暴な性格で周囲から恐れられていた。 この男の生き様は正しく、「修羅」であり、僕のような気の小さい男からすると、そのあまりの凄さににむしろ憧れさえ抱いてしまう。 とてつもなく強欲で、人の気持ちなどかえりみず、強姦同然で女を物にし、吝嗇で、喧嘩をすれば、極道でさえ恐れをなすという、その傍若無人さ。 人を信じず、己の肉体のみを頼りに生きる一匹狼。 普通、人は組織に入り、我慢をし、苦労をし続け、ちょっとした趣味や、酒などでそのストレスを吐き出す・・・それのサイクルをひたすら続けて死んでいく。 僕もきっとそういう人生歩むのだろう。 それだけにこの男のあまりも、あまりにも身勝手な生き様は、むしろ憧れてしまうのです。 未だ、心に残り続けている傑作です。 是非、皆さんも読んでみてください。 アイゴー! | ||||
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物語の端緒は1930年代。済州島から大阪へと渡り、蒲鉾工場で働く魁偉の金俊平は極道からも恐れられる猛悪な男だった。家族や親せき、複数の妾や在日同胞までを暴力によって支配し続けたこの男の壮絶な生涯を描く。上下巻合計で900ページ超の長編小説。 感情のおもむくまま理屈の通らない乱暴狼藉を周囲にほとばしらせて生きる金俊平。 梁石日の圧倒的な筆力が作り上げた怪人ですが、モデルにしたのは作者自身の父親とのこと。それで思い出すのは同じ作者が書いた回想録「修羅を生きる―「恨」をのりこえて」(講談社現代新書)です。こちらはまさに父親の実像を描いた書ですが、これを以前読んでいたとはいえ、「血と骨」の金俊平の破壊者ぶりにはなんとも言葉が出てこない衝撃を改めて受けました。 また「夜を賭けて」で描かれた戦後混乱期の在日朝鮮人社会にはある種爽快なまでのバイタリティが感じられました。しかしそれはこの「血と骨」には微塵もありません。ひたすらなばかりの暴力に、金俊平の周囲の人間は逃げるでもなく支配され続ける。登場人物たち同様に、読む私もまた彼の前で立ちすくんで足が動かない思いを覚えたほどです。 そしてその果てしなく続く暴力が生みだした最終生成物のなんと空虚で哀しいことか。 金俊平の末路は、彼が長年月にわたって周囲に繰り出してきた暴力と同じくらいに、むなしいものです。 そしてそれを自業自得の言葉で片づけるのはたやすいとはいえ、金俊平の息子・成漢の胸に残った、解消することのできないわだかまりを覗き見ると、なんともやりきれなくて仕方ありません。 そんな思いを募らせるこの小説がなぜかくも魅力的なのか。 人生のままならいさまをつきつけられるからなのか、それとも、親と子の切りたくとも切れない絆の悲痛で無情な姿を思い知らされるからなのか。 胸を引き絞られる思いのする900ページでした。 | ||||
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メチャクチャ面白い小説だった。 読み出したら、止まらない・・・という感覚は、司馬遼太郎の「国取り物語」で味わって以来、なかなかなかったのだが、本作は、それに迫る面白さだったと思う。 神をも恐れぬ男、金俊平の強欲が生み出す様々な愛憎劇。 これを読んだら、生ぬるいフツーの小説が読めなくなってしまう。 そのくらいの、人間の極限状態を正確にかつ、冷静に描写している。 とりあえず、傑作なので、一度読んでみてください。 | ||||
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久しぶりに良い小説に出会えたと思う。 内容事態は、あくまで金俊平の強欲、暴力、性欲がひたすら続く不毛とも言える展開が中心なのだが、冷静かつ、シンプルな作者の描写は、読んでいて飽きがまったくこない。 観念的な場面は描かず、徹底的にそぎ落とした文章は、作品の唯物論的世界感を的確に表現している。 鬼畜とも言える金俊平の所業は、突然の病により、一気に衰える。 最後は、無残な展開が待っているのだが、因果応報・・・なのだろうか・・? 個人的には、滅多にお目にかかれない位の傑作だった。 他の作品も目を通してみようと思う。 | ||||
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金俊平はなかなかの…人らしい。 でも料理が上手そうだ。 定子がそんなに美味しい物と言うのなら、その常識を覆す料理(ごった煮)を1度口にしてみたいもんだ。 でも…やっぱり、 口にする自信がない… | ||||
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戦後の在日の人々の苦労さが伝わる内容でした。 血生臭い小さな工場くらいでしか働くところがなく、日々、明日の心配をしながら生きる生活は、私にはなかなか想像がつきません。 しかし読んでいくと、その生き方の生々しさが徐々に伝わってくるものでした。 私たちが嫌がる仕事をこのような方々が実は担っているのには、本当に頭が下がります。 | ||||
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本当に凄まじい小説でした。 多少の誇張はあるにせよ、こんな人間が実在したのかと疑いたくなる様な壮絶な生き様。 徒党も組まず一匹狼を貫く姿勢は、潔ささえ感じられる。 自分以外の人間は例え血を分けた子供達であっても信用せず、家族は自分が生きる為の道具として見ないその冷徹さ。 全ての欲望に忠実で、生きるということにここまで貪欲である人間を知らない。 | ||||
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在日版「ベニスの商人」と言っても過言でない小説です。作者の実在した父親が モデルになっているだけあって、更に緊迫感が文章に漂わせています。 暴力と金しか信じないその姿勢は周囲の人々を不幸にし、結果、末期には老いと 病魔に勝てず衰退していく姿は儚さを感じます。 だけど、ヤクザ十数人とやりあったり、驚異の絶倫振り(この表現マズイか・・) 怖いものなしの金 俊平に憧れている自分がいます。 前々から梁 石日先生の物語はサイバーパンクSFに通じる、暴力性、猥雑さが 存在していると思っています。もし、梁先生が近未来ものを描いたら 伝説のSF「ドクターアダー」に匹敵する物が生まれるかもしれません。 | ||||
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こんな人が家族にいたら絶対に嫌だよね。 近所にいるだけでも嫌だ。 でも、その生き方には何故か引き付けられるものがある。 そんな主人公、金俊平の一生を書いた作品。 作者の実父がモデルとされているだけあって、 小説として誇張されている部分もあるのだろうが、 その存在感、リアリティーには圧倒される。 物語は1930年頃の大阪から始まる。 力で自分の好きなように生きる金俊平。 何故か無理やり妻にされてしまった英姫。 金俊平に振り回される親友の高信義。 金俊平の野放図な生き様と共に、貧しいながらも、 互いに助け合いながら生きる在日朝鮮人の生活が書かれる。 その助け合いの精神は殺伐とした現代では考えられません。 小説の技術としては、視点が定まっていない部分があります。 だけど、そんな欠点も気にならない位、この作品には読む者を圧倒する 骨太の骨と、熱い血が流れています。 凄い作品です。 | ||||
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妻の英姫に資金を用意させ、蒲鉾工場を立ち上げる金俊平。 それにしても英姫は生活力がありますね。 金俊平なんかと関わらなければ一財産築けたのではないでしょうか。 自分の子供たちにも昼夜を問わず働かせるが、工場で得た金は 家族の為には一切使わない。 相変わらず、自分の好きなように生きる男です。 その奔放な生き方が鮮やかだった分、晩年の境遇はいっそう哀れに感じる。 最後の愛人である定子やその子供たちは酷い人間だと思ったが、 定子だけの問題では無く、妻の英姫や子供たち、定子の前の愛人である 清子にしてきた事の報いではないだろうか。 自分の長男である成漢に「チャネ(あんた)、チャネ(あんた)」と呼びかける金俊平。 そして人生最後にして最悪のバッド・チョイス。 人間の業を感じさせます。 | ||||
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