■スポンサードリンク


血と骨



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
血と骨
血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)
血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)

血と骨の評価: 4.12/5点 レビュー 74件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.12pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全74件 41~60 3/4ページ
No.34:
(5pt)

暴力とカネのみを信じた男の末路

「人間死ぬまで生きるだけだ」 主人公の父親は、暴力とカネだけを信じて、周りの人を全員不幸のどん底へと突き落としながら生きていきます。 その超人的な暴力ぶりは非現実的であるものの、著者の迫力の描写によって、非常なリアリティーを帯び、読みながら恐怖のどん底へと突き落とされていく気分になります。 まるで恐怖映画を見るように、次はどんな恐ろしいシーンが待ち構えているのかと貪るように読んでしまいました。 しかし、無敵の暴力を誇る父親も年齢と病気には勝てず、自らもどん底へと落ち込んでいきます。 いい気味だと言うのもあまりにも哀れな末路。 チカラとカネの無力さを実感させる名著であります。
血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344401050
No.33:
(5pt)

在日文学の特長と限界

たぶん、かなり誇張されてる部分もあると思われるが、程度の差こそあれ、主人公のような生き方しかできない人は結構いたんじゃないだろうか。 自分の父が作者と同世代、祖父が主人公と同世代なので、父や祖父、そして年長の親戚知人の姿が本作の登場人物に重なり合って見えたりする。 自分に限らず、ある年代以上の在日ならそう感じることだろう。 本作に特徴的な、ある種クローズドなリアリティが在日文学(とカテゴライズして良いものかどうかわかりませんが)の特長でもあり、また、必然的に限界でもあると考える。 過剰な描写が鼻につくきらいもあるが、自分自身が在日なので思い入れ度が高く、星5つを献上。
血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344401050
No.32:
(5pt)

在日文学の特長と限界

たぶん、かなり誇張されてる部分もあると思われるが、程度の差こそあれ、主人公のような生き方しかできない人は結構いたんじゃないだろうか。 自分の父が作者と同世代、祖父が主人公と同世代なので、父や祖父、そして年長の親戚知人の姿が本作の登場人物に重なり合って見えたりする。 自分に限らず、ある年代以上の在日ならそう感じることだろう。 本作に特徴的な、ある種クローズドなリアリティが在日文学(とカテゴライズして良いものかどうかわかりませんが)の特長でもあり、また、必然的に限界でもあると考える。 過剰な描写が鼻につくきらいもあるが、自分自身が在日なので思い入れ度が高く、星5つを献上。
血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344401069
No.31:
(5pt)

在日文学の特長と限界

たぶん、かなり誇張されてる部分もあると思われるが、程度の差こそあれ、主人公のような生き方しかできない人は結構いたんじゃないだろうか。 自分の父が作者と同世代、祖父が主人公と同世代なので、父や祖父、そして年長の親戚知人の姿が本作の登場人物に重なり合って見えたりする。 自分に限らず、ある年代以上の在日ならそう感じることだろう。 本作に特徴的な、ある種クローズドなリアリティが在日文学(とカテゴライズして良いものかどうかわかりませんが)の特長でもあり、また、必然的に限界でもあると考える。 過剰な描写が鼻につくきらいもあるが、自分自身が在日なので思い入れ度が高く、星5つを献上。
血と骨Amazon書評・レビュー:血と骨より
4877282106
No.30:
(5pt)

これが人間だ

良くも悪くも、人間というものありようを余すことなく書き尽くしている。

宗教的側面はないにしても、「カラマーゾフの兄弟」を初めて読んだ時のような衝撃を受けた。

どんなに上辺を飾ってみても、僕らは一皮むけば同じように血と骨で出来ている生物に過ぎない。

圧倒的な欲望や暴力も、僕らの誰の裡にも潜んでいるのだ。

それは、戦争や飢餓などの極限状態に置かれた時、くっくりと浮き上がる。

人間の本質から目を背けて、ヒューマニズムや道徳を語っていても、説得力はない。ここに描かれているような生き方や暴力の世界を肯定するわけではないけれど、まずはこれが人間だということを考えるいいきっかけになる。

そういう本だった。
血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344401069
No.29:
(4pt)

なるようになった

下巻は金俊作が敗戦後蒲鉾工場を立ち上げて成功するところから病魔に襲われて家族に捨てられ、最後は北朝鮮に移住するまでの話。 必死の思いで金策した妻、危険を冒して蒲鉾工場認可証の取得に奔走した娘婿、工場が稼動すると骨身を惜しまず働いた息子や娘、これら家族一族に全く報いることなく、金と自分のみを信じて、やりたいことをやった男の末路。 暴力で意のままになると信じた男は暴力を振るえなくなると復讐された。 反面教師として「家族」とは何かを教えられる。
血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344401069
No.28:
(4pt)

金俊平は魅力ある?

はっきり言って最低な人間である。 しかし、英雄肌は否定できない。 そして、どことなく魅力を感じてしまうものもありました。 この男の最後まで書かれていることが面白かったです。 読みやすさ  ★★★☆☆ はまりやすさ ★★★★☆ 興奮度    ★★★★☆
血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344401069
No.27:
(4pt)

戦前在日朝鮮史にもなっている

酒と女と博打にあけくれ、自己中心的で自分しか信じない。 力ずくで妻にし、逃げれば執拗に追い掛け回し、仕事もせず妻から金を巻き上げるヒモ生活。 妻が警察につかまり、非難が自分にふりかかるとそれから逃げるように東京に子供らを連れて行き、ほったらかして一番小さい子を餓死させる。 そして徴兵制度を忌避するために息子を連れて各地を転々とする。 魁偉な男金俊平とはそういう男だ。 その彼の尻拭いをさせられる親友高信義とその仲間たち。 彼らを描写することによって戦前の在日朝鮮人社会が紹介され、背景に厚みが加わる。 上巻は戦前まで。
血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344401050
No.26:
(3pt)

一気に読んだ。でも引き込まれなかった。

先に、著者の梁 石日氏の自伝「修羅を生きる」を読んでしまった。
こちらは、ノンフィクションだけに、衝撃的だった。
「血と骨」の金俊平は、梁氏の父がモデルである。ということだけど、モデルというよりは、父そのもののようだ。
自分の父がこんな人じゃなくてよかった。と思うけど、果たして、どうしたら、人間はこんな風になるのか。と疑問を抱く。
こんな人を育てた時代や、環境がもっとも恐ろしいのではないか。
金俊平の人生は確かに壮絶で、とんでもないキャラクターだ。そして、犠牲になった女性達も子供達も皆、大層大変な目に会う。起きる事件はどれも恐ろしくドラマティックなのに、
どうして、この小説をドラマティックに受け止められないのか。
どうしても、新聞を読んでいるような、「こんな事実がありました。」
という報告書を読んでいるような・・・、小説としての吸引力を感じられなかったのが残念だった。
血と骨Amazon書評・レビュー:血と骨より
4877282106
No.25:
(4pt)

圧倒的な強さ・血と骨という宿命

金俊平の存在感がすごい。
暴力的すぎる圧倒的な存在感で、家族も同僚も親戚も全ての人を支配してしまう。こんなにも自己中心的な人間には絶対に関りたくない。でも、これほどの圧倒的な強さというのにも憧れてしまう自分がいる。
「血は母から受け継ぎ、骨は父から受け継ぐ」
血は骨で造られるという前提の言葉らしい。
どんなに逃れようとしても逃れる事の出来ない「親子」という絶対の宿命を感じさせてくれる。
決して他人を信じない冷徹な金俊平だが、高信義に見せるちょっとした友情や、晩年、自分の子供を何とかしようとするところに人間的な一面も見ることができる。これが、金俊平という存在にミステリアスな魅力を持たせていると思う。
血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344401050
No.24:
(4pt)

重い。唯ひたすらに重い……。

もう、冒頭からラストまでボディを打たれ続けているみたい。 重いんですよ話が。 救いとかなにもないんです。 て当たり前、救いがどうとかいう話じゃない。 破天荒にして苛烈な一人の生き様を記録した小説ですからね。 もう本当に、これほどまでに重い小説ってそうそうありません。 気楽に読むと返り討ちにされますよ。 気合入れて読まなきゃ駄目です。 もうね、戦争映画の一番キツい奴を見てる感じでした。 記録映画っていうのかな、アレみたいな感覚。 読了して暫くたちますが、未だにコレを思い出すと顔が苦くなります。 それほどのパンチ力を持った作品です。
血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344401050
No.23:
(5pt)

おもしろくないけど、止まらない!

第11回山本周五郎賞受賞作品。
 第119回直木賞候補作品(この時の受賞作品は車谷長吉『赤目四十八瀧心中未遂』)。
 「宝島社 このミステリーがすごい!」 1999年版 13位
 私は本書を読んでいる時、常に重低音のおどろおどろしい音楽が自分の周りで流れているかのような錯覚を覚えました。本書の内容は本当におどろおどろしいです。
 そして、おどろおどろしいかつ重い内容なので、本書を読んでおもしろかったり、感動したりすることはまずないと思います。
 しかし、私は本書に綴られていることに対して興味が尽きず、一気に読破してしまいました。
 一見矛盾しているようですが、このようなことが成立するのは偏に著者の力量によるものだと思います。
 おもしろくはないけど、読み始めると止まらない本書独特の世界へ是非足を踏み入れてみてください。
 上巻である本書では世界大恐慌の影響から空前の不景気に見舞われる日本が戦争という泥沼に足を踏み入れる頃から太平洋戦争の終結までが綴られています。
 全ての人が時代の波に翻弄される中、金俊平は身一つで我が道を行きます。
 極道も警察も恐れる鬼神のごとき金俊平。
 彼の生き様には興味が尽きません。
 下巻の方にもレビューを載せようと思っていますので、参考にしていただけると幸いです。
 ソレデハ
血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344401050
No.22:
(5pt)

とにかく徹底された作品

第11回山本周五郎賞受賞作品。
 第119回直木賞候補作品(この時の受賞作品は車谷長吉『赤目四十八瀧心中未遂』)。
 「宝島社 このミステリーがすごい!」 1999年版 13位
 下巻である本書は太平洋戦争終結後の混乱の時代から金俊平の死までが綴られています。
 上巻と同様にこの下巻もおもしろくありません。しかし、これまた上巻と同様に読み始めると止まりません。
 この一見して矛盾している状態は上下巻通して徹底されています。
 また、この下巻では家族についてかなり厚く綴られていますが、良い意味で期待を裏切りながらも金俊平の家族に対する態度も終始徹底されています。
 さらに、本書では在日朝鮮人についてや彼らの社会について、そして彼らが日本でどういう状況に置かれていたかということについて、本来は隠したくなるようなことまでも赤裸々に綴られています。これも上下巻通して徹底されています。
 様々なことがとにかく徹底された作品です。これだけ徹底されていると、気持ちが良いくらいです。
 上下巻両方の私のレビューを読んでくださった方がいらっしゃいましたら、嬉しい限りです。
 ありがとうございました。
 ソレデハ
血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344401069
No.21:
(5pt)

比類無き、騒乱の迫力

騒乱の時代、昭和初期から中期にかけて、ある一人の、鬼をも凌駕する男、金俊平の血塗られた行き様を主体に、その時代に生きた朝鮮人社会の人間像絵巻。
 凄まじいまでの暴力と、騒乱の時代にとても言葉では言い表せないような衝撃を受けるのは間違い無いでしょう。淡々と描かれる修羅のごとく進む物語りに、現代の社会がいかに腑抜けて平和かがわかります。
 著者の父がモデルという事もあり、限り無いリアリティを感じ、ページを捲る手はとまる事の無い吸引力があり、読み終わった後の疲労感は、その時代に生きたかのような錯覚感を覚えます。
 表現的に少々惨い描写(乱闘シーンは圧巻。英姫逃避行のシーンは只々呆然)が多いのですが、そこを我慢して、沢山の人々に読んでもらいたい小説です。その時代は確かにあったのだから。現代に欠けている何かを感じ取れる小説だと思います。
血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344401069
No.20:
(5pt)

血と骨を受け継ぐ

恐ろしいのは金俊平の暴力ではなく、金俊平の拭う事のできない孤独感が何人をも遠ざける事である。常に一人で考え、一人で行動し自分の力だけですべてをかたずけてしまう。そして一人でかたずけられてしまうことが、ますます俊平を一人にさせてしまっている気がする。欲しいものは必ず手に入れようとする俊平は、その絶対的な力で手に入れる。周りのものはその規制のない行動に恐怖し、彼を恐れ誰も近づけない。そして孤独感がもたらす空虚な隙間を埋めるために、彼は夜な夜な酒を飲み、暴れまわる。それが孤独感に押しつぶされそうな夜に耐える金俊平の対処法なのだろう。読みどころは、金俊平というキャラクターだけではなく、その家族や回りの人間もである。金俊平に翻弄されながらも、力強く生きている家族や周りの人は、また違った強さを持って生きている。小説のスポットの当て方によっては、この周りの人たちも立派に主人公に納まるようなキャラクターである。この上巻は、戦争終結の時点まで進むが、上巻を読んでしまえばその最後が必ず気になる作品である。しかしその内容の重さに、嫌悪感を持つ人もいるであろう。ここまででなくても、酒に飲まれ暴れる人間は割りと多い。そんな人と幼少期に過ごしたことがある人は昔の記憶が蘇ったりするかもしれない。怪物といわれた男の物語です。
血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344401050
No.19:
(5pt)

血と骨と

この下巻ですべての登場人物の人生が完結する。成漢だけはストーリーテーラーの役目を請負い最後に全てをまとめるが・・・やはりその最後にこのタイトルの意味が深く響く。下巻は俊平が蒲鉾工場を成功させ巨万の富を手に入れ更に力を手に入れていく。しかしどんなものにも押し寄せる老いというものが金俊平にも訪れる。そして病魔にも侵され過去の絶対的な力もなくしてしまう。そして金俊平の最大の敵は、自分の血を受け継いだ成漢になるのである、成漢によって自分の衰えを気づかされ、そして昔の自分を思い起こさせる幻影になるのである。(子供の成長が親の老いと反比例し、人が持つ老いの厳しさをうまく表している。)ほぼ全ての登場人物は人生の最後まで書かれていて、あまりいい死に方をした人たちがいないのは、下手にハッピーエンドを描こうとする小説ではなく、淡々とした現実に近い状況が描かれている事で、作者が何かを求めて書いている感じがするのである。骨は母から受け継ぎ血は父から受け継ぐという朝鮮の言葉からこの小説のタイトルができているらしいが、作者もこういう言ったことを感じていたのだろう。そしてこの小説の最後で、成漢がタクシーの中で考えている事は、それは作者自身が考えている事で、身を持って感じていることなのだろう。そしてこういったことを考える人たちは世の中にもたくさんいるはずだ。そしてそれが重荷になったり、それが力になったりするのだろう。本を読めばその読んだ本によって自分の考えが広がるものだが、この本もかなり考えさせられる本でした。
血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344401069
No.18:
(5pt)

一読して

吐き気を催してしまいました。 もう最初の数ページでノックアウト状態です。 主人公は破壊を具現化したような男で、職業は蒲鉾職人。 鮫に食べられて消化されかかった人間を一瞥し、普段と変わらず丸ごとカマボコにしてしまう主人公。 このくだりを読んだ私は食事がをスルのが怖くて・・・。 尊厳や性善・・・そんなもの何もない、ただ鬼がいる。 そう思いました。 実在の人物・・・と知って、余計に薄ら寒くなりました。
血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344401050
No.17:
(5pt)

ついに映画化! 原作を超えられるか?

下巻は終戦後のどさくさの中から話が始まる。仲間を誘って蒲鉾工場をスタートさせる。許認可を市当局が食料統制令の中、認めないのを恫喝とデモの圧力で屈服させる。私生活の常軌逸脱の暴力と女癖はさらに加速し、妾を本妻のいる自宅をに住ませ、彼女が病気になると、その介護のためにまた別の女を呼び入れる。昔、見うけして病死した女の息子が自宅にやってくる。その息子もまた女を連れてくる。妾は亡くなり、本妻も死に、ついには主人公も脳梗塞にたおれ、家族からはこれまで自分が病人にしてきたのと同じ仕打ちをうけるはめになる。そして結末は、病気をかかえた身体で北鮮へ、わずかな期待を託して渡っていく。ひどい人間だとか、倫理がどうという次元を超えた人の背追って生まれてきた業というものを感じるほかはない。今月からこの小説を原作とした映画が公開される。監督は著者の「タクシー狂躁曲」を換骨奪胎して「月はどっちにでている」で賞を総なめにした崔洋一。主演はビートたけし。予想できる面々だが、原作でこれだけリアリティある描写と迫力を見せ付けられると、果たして原作を超えられるのか、興味がある。
血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344401069
No.16:
(4pt)

とにかく生き抜く男

上巻は、映画には描かれていなかった、英姫との馴初めや、
蒲鉾工場をやるまでの苦労などが描かれています。
下巻からは、映画とほとんど変わりません。
(もちろん映画とは、全く一緒ではありませんが。)
しかしながら、映画を観ても、本を読んでも、
やっぱり金俊平が怪物になる理由がわからなかった。
小さな頃から、悪童だった。暴力で解決するしか方法を知らなかった。
手塚治虫の「火の鳥・鳳凰編」の改心する前の我王みたいな感じ。
彼にとって、生きることが全て。
どんな手段でも生き抜くことが全て。
なんで、生まれてきたのか?とか生き抜く上で必要ないことは、全て必要ない。
どうして、そんな風な生き方しか出来なかったのか?という事自体、
彼にとっては、「机上の論」なってしまうのかも。
血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344401069
No.15:
(4pt)

血の骨と骨の血と

2004。 この小説は世に出るべくして出た作品であると考えます。 社会、経済、宗教、教育その他数えられるものすべての社会規範は、体内に流れる血の温かさも、精神的な骨芯も、いつの時代かにおきわすれてしまったようです。 封建社会を表した、「お前はワシの骨だ。 」のせりふも重なって作品に幅をもたせます。 貧困、差別、暴力、人々が目を背け忌避してきたものたちに、今惹かれるのは怖いもの見たさからだけではないのではないでしょう。 小説のキーワードとして私は、「個性、経済と社会差別、物事の根本、感情、親子、才能、」を見ました。 あなたはどうみますか?
血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344401050

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!